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切削加工の試作・小ロット · 基礎知識

切削試作の材質の選び方|アルミ・ステンレス・樹脂・難削材の違いと、対応できる会社【2026年版】

切削加工の試作では、材質の選び方で費用・日数・頼める会社が変わります。アルミ・ステンレス・樹脂・チタンやインコネルなどの難削材について、掲載各社の公式な対応状況と、選ぶときの考え方を整理しました。

公開 2026年10月1日

試作の材質は、量産で使う予定の材料に合わせるのが基本です。ただし試作の目的によっては、削りやすい材料に置き換えて早く安く作る選択もあります。

材質によって、得意な加工会社ははっきり分かれます。このページでは、掲載各社が公式に挙げている材質と、選び方の考え方をまとめます。

材質ごとの特徴と、試作での扱い

まずは、よく使われる材質の大まかな違いを押さえます。削りやすさは費用と日数に直結します。

材質主な特徴試作での扱い
アルミ合金軽く、削りやすい短納期・低コストの試作に向く
ステンレス錆びにくく強いが、削りにくい種類もある記号の選び方で費用が変わる
鉄・鋼材安価で強い。熱処理で硬くできる錆対策の表面処理を考える
樹脂(エンプラ)軽く、絶縁や摺動に強い反りや寸法変化に注意
難削材耐熱・高強度だが工具が傷みやすい対応できる会社が限られる

削りやすい材質ほど、加工時間が短く、工具代も抑えられます。量産材が決まっていない段階では、アルミで形を確かめる進め方もあります。

アルミ:種類の指定と、在庫材の有無

アルミは試作でよく使われる材質で、専門に扱う会社もあります。合金の記号によって強度や加工性が違うため、指定を明確にしてください。

会社アルミについての公式の記載
小泉精機製作所A5052・6061・6063・2017・7075などアルミ全般。アルマイト等の処理も手配
MTMアルミ合金の切削加工専門。1個〜1,000個が主軸
立昌製作所アルミ材を在庫しWebで見積・発注。A5056以外は個別見積
今橋製作所アルミ材は自社保有。A5052は特に即対応が可能
ゼンアルミ合金、ジュラルミン(A2017)、ADC・ZDCの鋳物素材

在庫している材料なら、取り寄せを待たずに加工に入れます。急ぐ場合は、加工会社が在庫している合金で代替できるかを聞くのが近道です。

ステンレス:記号で費用が変わる

ステンレスは記号によって削りやすさが違い、費用に差が出ます。ミクロ工業は、SUS304の指定でも形状によってはSUS303の方が安価になる場合があると書いています。

  • ミクロ工業: どちらでもよければ「ステンレス」と指示すれば、安価な方で見積
  • ミクロ工業: 同社では鉄よりステンレスの方が安価になることが多い
  • 友栄精密: SUS304・SUS316系が得意な加工分野
  • 今橋製作所: SUS304は特に即対応が可能

耐食性や溶接の都合で記号が決まっていないなら、代替を認めると書いておくと見積が下がることがあります。記号が決まっている場合は、その理由を加工会社に伝えておくと誤った代替を防げます。

樹脂:エンプラの在庫と寸法の考え方

樹脂は種類が多く、在庫している材料の幅が会社ごとに違います。PEEKのようなスーパーエンプラは、材料の取り寄せで日数が延びることがあります。

会社樹脂についての公式の記載
湯本電機汎用樹脂からスーパーエンプラまで35種類以上を常時在庫
荒川技研POM・PC・PA・アクリル・PTFE・PEEK・PPSU・PEIなど
岸本工業PEEK・PPS・ポリイミドなどの耐熱樹脂。±0.03㎜以内が基準
ゼンABS〜PEEK・PTFEに加え、ゴム・発泡材・熱可塑性CFRP
プラポート樹脂と銅。アルミ・ステンレス・ゴムは現在未対応

樹脂は温度や吸水で寸法が動くため、公差は金属より広めに考えます。使用温度や接触する薬品を伝えると、材料の提案を受けやすくなります。

難削材:対応できる会社を先に絞る

チタンやインコネル、ハステロイなどの難削材は、工具が傷みやすく、扱える会社が限られます。公式に難削材を挙げている会社から当たるのが効率的です。

  • 友栄精密: チタン、ステンレス、ハステロイ、インコネル
  • アスク: チタン・タングステン・インコネル等
  • 今橋製作所: インコネル、ハステロイ、チタン
  • 関東精密: 64チタン、インコネル600
  • 愛和精密製作所: インコネル、64チタン(ウォータージェットで粗取り)
  • CHAMPION CORPORATION: インコネル、ハステロイ、工具鋼

反対に大日精機は、チタン・モリブデン・インコネル・鋳物材は自社で扱わないと明記しています。難削材を送る前に、対応の可否を必ず確かめてください。

鉄・鋼材は、熱処理まで一緒に考える

鉄や工具鋼の部品は、削ったあとに熱処理で硬さを出すことがよくあります。熱処理を社内やグループで持つ会社に頼むと、外注の運搬がなくなり日数を縮めやすくなります。

会社熱処理についての公式の記載
CHAMPION CORPORATION社内に熱処理・表面処理設備を備え、一貫生産
佐藤工業所熱処理はグループ会社の和晃熱処理
八木製作所表面処理・熱処理までの製品を短納期で提供
アスク熱処理は外注で対応
友栄精密熱処理・表面処理は協力工場のネットワーク

熱処理で寸法がわずかに動く材料もあるため、仕上げの順番を加工会社と決めておくと安心です。

表面処理まで含めて材質を選ぶ

材質と表面処理はセットで考えると、試作の手戻りが減ります。アルミならアルマイト、鉄ならメッキや塗装が代表的な組み合わせです。

  • 小泉精機製作所: アルマイト(黒・白・カラー)、硬質アルマイトなどアルミ処理全般を手配
  • ゼン: 加工後のメッキ・熱処理・アルマイト処理を一貫
  • 坂本電機製作所: 表面処理は協力企業、塗装は自社
  • 渡辺製作所: 印刷やレーザーマーキングなどの二次工程

表面処理を別の会社に頼むと、そのぶん日数が延びます。処理まで一括で頼めるかを、材質を決める段階で確かめておくと安心です。

銅・真鍮などの材質

電気を通す部品や装飾部品では、銅や真鍮を使うこともあります。扱いを公式に書いている会社は次のとおりです。

  • アスク: 無酸素銅、真鍮、ベリリウム銅などの銅系
  • プラポート: 樹脂に加えて銅加工に対応
  • 渡辺製作所・牧野精工: 真鍮
  • MTM: 真ちゅうは連携工場で対応

銅系は材料費が高く、在庫も限られることがあるため、早めに入手性を確かめてください。

材質を決めるときの順番

材質は、試作で確かめたいことから逆算して決めます。次の順で考えると迷いにくくなります。

  1. 量産で使う予定の材料を確認する
  2. 試作で確かめたいこと(形・強度・耐熱・摺動など)を決める
  3. 形だけなら削りやすい材料で代替できないか考える
  4. その材料を在庫・得意とする会社に絞って見積を取る

材料の性質を確かめる試作なら、量産と同じ材料を使うのが原則です。形だけの確認なら、アルミや汎用樹脂で先に作り、本番材は次の段階に回す方法もあります。

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参照元

よくある質問

試作の材質は量産と同じにすべきですか?

強度や耐熱など材料の性質を確かめるなら同じ材料が原則です。形だけの確認なら、アルミや汎用樹脂など削りやすい材料で代替すると早く安く作れることがあります。

ステンレスで見積を安くする方法はありますか?

記号にこだわらない場合は代替を認めると書くのが一つの方法です。ミクロ工業は、SUS304は形状によりSUS303の方が安価になる場合があり、「ステンレス」と指示すれば安価な方で見積るとしています。

チタンやインコネルを削れる会社はどこですか?

公式に挙げている会社では、友栄精密、アスク、今橋製作所、関東精密、愛和精密製作所、CHAMPION CORPORATIONなどです。大日精機はチタン・インコネルを自社では扱わないと明記しています。

【用途別】切削加工の試作会社おすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

金属の小物を1個、とにかく早く手に入れたいなら

株式会社アスク

見積最短1時間、最短当日出荷、平均リードタイム4日。旋盤から5軸、放電まで社内一貫

大阪府枚方市の部品加工会社で、見積回答は最短1時間、出荷は最短当日、平均リードタイムは4日と公式に書いている。旋盤・5軸マシニング・放電・板金・溶接を社内で行い(表面処理・熱処理は協力工場で手配)、年間約13,000件の実績がある。単品1個から受け、得意は米粒大(約1mm)から手のひらサイズ(約150mm)の小物部品。

株式会社アスクの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

PEEKやPOMなど、樹脂部品の試作を急ぐなら

湯本電機株式会社

最短納期1.0日、見積最短2時間。汎用樹脂からスーパーエンプラまで35種類以上を常時在庫

大阪市東成区のプラスチック切削加工の会社で、最短納期1.0日、見積は最短2時間と公式に記載している。汎用樹脂からスーパーエンプラまで35種類以上の材料を常時在庫し、PEEK・PPS・MCナイロン・POMなどに対応する。5軸加工機、NC旋盤、マシニングセンタを持ち、年間18,000品目以上を加工している。

湯本電機株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

チタン・インコネルなどの難削材を、ミクロン単位で削るなら

株式会社友栄精密

輪郭精度±2μオーダー。チタン・ハステロイ・インコネルを5軸で、1個から量産まで

大阪府富田林市で1960年に創業した精密加工会社で、トップページに輪郭精度±2μオーダーの精密試作部品を作ると記載している。FAQでは空調機圧縮機部品などで随時2〜3ミクロンのオーダーに対応してきたと答え、チタン、ステンレス、ハステロイ、インコネルが切削可能とする。1個でも発注でき、量産は100個〜10000個程度まで受ける。

株式会社友栄精密の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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