3比較ハブショットブラスト機

ショットブラスト機 · 基礎知識

ショットブラストの投射材と粉じん・摩耗対策|ショット・グリット・カットワイヤー、分離装置と集塵

ショットブラスト機の投射材(ショット、グリット、カットワイヤー、樹脂研磨材)の選び方、分離・回収装置、集塵と金属粉の安全、ショット漏れと摩耗対策を、掲載メーカーの公式の説明で整理します。

公開 2026年10月1日

ショットブラスト機は、投射材を当てて表面を削るため、投射材の選び方と、出てくる粉じん・摩耗への備えが運用の大部分を占めます。機械の形式と同じくらい、導入前に確認しておきたい部分です。

このページでは、掲載メーカーの公式の説明をもとに、投射材、分離・回収、集塵、摩耗対策の考え方を整理します。

投射材の種類と目的

投射材には、丸い粒のショットと、角のあるグリッド(グリット)、細い線を切ったカットワイヤーなどがあります。サカヱ工業は、グリットを丸い大きな研掃材を細かく破砕して角を持たせた小さな金属粒と説明しています。

投射材公式の説明主な目的
ショット(鋼球)ショットピーニングには直径0.5〜2.3mm程度を使用(サカヱ工業)ピーニング、一般の研掃
グリット破砕して角を持たせた金属粒(サカヱ工業)表面を粗す、スケールや錆を落とす
カットワイヤー鋳鋼ショットの数十倍の寿命(サカヱ工業)ピーニング、長寿命が必要な研掃
ステンレス製の投射材秀機の小型機はSUS製Φ0.5(容量約30kg)アルミダイカストのバリ取り
磨き用の研磨材不二製作所は受託加工でシリウス・シリウスZによる面粗度改善や磨きを行う面粗度改善、磨き

サカヱ工業は、ショットにチルド鋳鉄ショット、可鍛鋳鉄ショット、鋳鋼ショット、カットワイヤーショットのほか、銅やアルミの投射材もあると説明しています。ワークの材料より硬すぎる投射材は傷や食い込みの原因になるため、材料に合わせて選びます。

ワークの材料と投射材の組み合わせ

投射材は、ワークの材料と処理の目的で選びます。掲載メーカーの公式の製品や説明から、組み合わせの例を並べると次のとおりです。

ワーク・目的投射材と方式の例公式の出典
鋳物の砂落としインペラー式で金属の投射材を投射。砂は分離装置やマグネットセパレータで分ける新東工業、三龍社
アルミダイカストのバリ取りSUS製Φ0.5の投射材を回転ブレードで投射秀機
精密部品の金属バリ取り微細・軟質の研磨材を水と混ぜて吹き付けるウェット式マコー
ばね・ギアのピーニング直径0.5〜2.3mm程度のショットや、カットワイヤーサカヱ工業
航空機部品のピーニングショットピーニング用のショット粒、超音波ピーニング東洋精鋼

同じ鋳物でも、砂の付き方や求める肌で投射材の大きさが変わります。投射材の種類と大きさは、テスト加工の結果で決めるのが確実です。

投射材を売っているメーカー

投射材は消耗品なので、装置と同じメーカーから買えると、条件の相談がまとまります。公式に投射材の販売や製造を載せている会社は次のとおりです。

  • 新東工業:表面処理の商品に投射材、メディア・コンパウンドを掲載
  • 伊藤機工:ステンレスビーズ、スチールビーズ、亜鉛ショット、各種金属粒子、各種金属カットワイヤー
  • 東洋精鋼:ショットピーニング用ショット粒の製造販売
  • サノヤス・エンジニアリング:研掃材の販売
  • ニッチュー:研削材のページを設ける

分離と回収:投射材をきれいに保つ

投射した材料は回収して再び使いますが、砂や微粉、割れた粒が混ざると仕上がりが落ち、機械の摩耗も進みます。そのため、どのメーカーも分離装置を重視しています。

メーカー公式に書かれた分離・回収の仕組み
新東工業ドラム式CNDP-Ⅱにマグネットセパレータを搭載し、砂分離性能95%向上(公式の一例)
太洋マシナリーTE型セパレーターで、研掃後のショット・砂・微粉などの混合物からショットを分離
JFEプラントエンジ高性能セパレータ装置でダスト・微粉・破砕ショットを分離除去し設備を延命
三龍社分離装置300型・600型、砂が多い場合は800型を推奨

鋳物の砂落としでは、持ち込まれる砂の量が多いほど分離装置の負担が増えます。見積では、ワークに付いた砂の量を伝えて、分離装置の大きさを提案してもらってください。

集塵と粉じんの安全

ショットブラストでは、削られた金属の粉や砂、割れた投射材の微粉が出ます。サンポーは、ブラストマシンから発生する金属粉は可燃性で、作業環境の安全確保や法令対応の面から集塵装置の重要性が高まっていると説明しています。

  • サンポー:無事故の実績を持つ湿式集塵機に加え、乾式集塵機にも多様な安全対策オプション。1968年に湿式集塵機サイクロンスクラバーを開発
  • 三龍社:クレーンブラストの標準機に集塵機(風力55m³/minから)
  • マコー:水を使うウェットブラストで粉塵を抑える
  • ニッチュー:レンタルのブラストタンクは、ノズルの周りから水道水を噴射して粉塵を抑える仕様

アルミやマグネシウムのように燃えやすい金属を処理する場合は、集塵機の方式と安全対策を最初に確認してください。集塵機そのものの選び方は、集塵機の比較ページも参考になります。

ショット漏れと摩耗への対策

投射材が機械の外に漏れると、床の清掃や転倒の危険が増え、投射材も無駄になります。新東工業は、主力5機種を自社基準のショット漏れレベル(年間漏れ量100gまたは1,000g以下)をクリアした装置としています。

メーカー公式に書かれた摩耗対策
サンポー特殊鋼板の採用や硬度を高める表面処理など、運用条件に応じた耐摩耗対策
伊藤機工キャビネット内は自社製の耐摩耗鋳物でライニング
JFEプラントエンジ投射室本体はMn鋼材、直射部はCr鋳鉄
アマダマシナリーキャビネット内は特殊鋼の全面ライニング張り
太洋マシナリーショットの直射部やユニットに高摩耗性材料のライニング

摩耗部品の交換頻度と価格は、本体価格と同じくらい運用費に効きます。見積の段階で、主な消耗部品の交換の目安も聞いておいてください。

硬い投射材や大きな投射量ほど摩耗は早く進むため、処理条件と摩耗の関係もテスト加工のときに相談しておくと安心です。

投射材と集塵で確認するチェックリスト

最後に、導入前に確認しておきたい項目をまとめます。テスト加工のときに一緒に確かめると、条件のずれを防げます。

  1. ワークの材料に合った投射材の種類と粒の大きさ
  2. 投射材の補給量と、装置と同じ会社で買えるか
  3. 砂や微粉の量に合った分離装置の大きさ
  4. 粉じんが燃えやすいか、集塵機の方式と安全対策
  5. 主な摩耗部品と交換の目安

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

ショットとグリットは何が違いますか?

ショットは丸い粒、グリットは丸い研掃材を破砕して角を持たせた粒です。サカヱ工業はこのように説明しています。グリットは表面を粗したりスケールを落としたりするのに使われます。

ショットブラストの粉じんは危険ですか?

金属粉は燃えることがあります。サンポーは、ブラストマシンから発生する金属粉は可燃性で、集塵装置の重要性が高まっていると説明し、湿式集塵機と乾式集塵機の安全対策オプションを用意しています。

投射材はどこで買えばよいですか?

装置メーカーの多くが投射材も扱っています。新東工業、伊藤機工、東洋精鋼、サノヤス・エンジニアリング、ニッチューが公式に投射材や研掃材の販売を載せています。

【用途別】ショットブラスト機メーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

鋳物の砂落とし・小物〜中物の量産なら

新東工業株式会社

ドラム・テーブル・エプロン・ハンガーを1社で。鋳砂を分けるドラム機も

テーブル式SNTX(最大Φ1500×H600mm・700kg)、ドラム式CNDX・CND・STB、ゴムエプロン式SNBX、ハンガー、モノレールまでそろえる。ドラム式CNDP-Ⅱはマグネットセパレータを積み、砂分離性能95%向上(公式の一例)。加工サービス「ロルコセンター」で表面処理のテスト加工・試作・量産加工を受ける。

新東工業株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

大物・長尺物をクレーンやコンベアで研掃するなら

伊藤機工株式会社

クレーン・トロリー・ハンガー・コンベアまで。受託加工でサンプルテスト

テーブル式・マルチテーブル式・ドラム式・バレル式・エプロン式・ロータリーハンガー式・トロリー式・クレーン式・コンベア式・エアー式をそろえる。クレーン式ILHは製品を吊って投射ゾーン内で自転させ、鋳物の砂落としや大物鋼材の塗装前処理に使う。表面処理工場で受託加工を行い、サンプルテストにも対応する。

伊藤機工株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

精密部品・金型・樹脂の下地処理やピーニングをエアーで行うなら

株式会社不二製作所

エアーブラスト専業。重力式・直圧式からピーニング、受託加工まで

SG重力式、FD直圧式(重力式と比べ加工時間が大幅に短いと説明)、SF省スペース型の手動機から、自動回転テーブル・自動台車テーブル・大型ブラストルームまでそろえる。FDD・CDのショットピーニング装置、ウェットブラスト、ドライアイスブラストもある。サンプルテスト加工は来社立ち会いとサンプル郵送の両方に対応し、受託加工の専門工場と子会社を持つ。

株式会社不二製作所の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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