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業務用空気清浄機 · 基礎知識

業務用空気清浄機の方式一覧|HEPA・電気集じん・光触媒・UV・次亜塩素酸・オゾンの原理と向く空間【2026年版】

業務用空気清浄機の6方式(HEPAフィルター・電気集じん・光触媒・紫外線UV・次亜塩素酸・オゾン)の原理と取れるもの、向く空間を、JIS・PIAJ・厚生労働省の資料と30社の公式仕様で整理します。有人空間で使える方式と無人空間向けの方式の分け方も説明します。

公開 2026年9月29日

業務用空気清浄機は、粒子を「捕まえる」方式と、菌やニオイを「分解する」方式に大きく分かれます。どちらか一方だけの機種も、両方を組み合わせた機種もあります。

このページでは6方式の原理を公的資料とメーカー公式の説明で整理し、どの空間に向くかを30社の製品記載から示します。

6方式の原理と取れるものを1枚で比較

最初に全体像を表にします。「取れるもの」はメーカー公式や規格の記載を根拠にしています。

方式原理主に取れるもの保守の形
HEPAフィルター不織布のろ材で粒子を捕集浮遊粉じん・花粉・ウイルスを含む微粒子フィルター交換
電気集じん高電圧で粒子を帯電させ極板に吸着浮遊粉じん・たばこ煙・油煙・オイルミスト極板の洗浄・再利用
光触媒酸化チタンに光を当てて有機物を分解ニオイ成分・菌(分解)フィルター洗浄、光源交換
紫外線(UV)UV-Cを照射して菌・ウイルスを不活化浮遊菌・ウイルスランプ・LED交換
次亜塩素酸電解水を空気に接触させ除菌・脱臭浮遊菌・付着菌・ニオイ電解ユニット・給水
オゾンオゾンの酸化力で菌・ニオイを分解菌・ニオイ(有人は低濃度、無人は高濃度)発生体の交換、簡易清掃

粒子を減らしたいならHEPAか電気集じん、ニオイや付着菌まで含めるなら光触媒・UV・次亜塩素酸・オゾンが候補になります。どの空間にどの方式が向くかは、用途別の記事で施設ごとに整理しています。

HEPAフィルター:0.3µmで99.97%以上という規格の意味

パナソニックの公式ページは、JIS規格のHEPAフィルターの定義として「定格流量で粒径が0.3µmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能をもつエアフィルター」を引用しています。捕集率と圧力損失(空気の通りにくさ)の両方で決まる規格です。

各社はHEPAに機能を足した名称で製品を出しています。公式記載の呼び方と捕集性能を並べます。

  • ダイキン:抗菌HEPA(0.3μm粒子99.97%除去)。フィルターに捕らえた細菌を30分で99%以上抑制(25㎥試験空間)
  • パナソニック:静電HEPA。ウイルス(約0.1µm)のようなごく小さな微粒子もキャッチできると説明
  • アンデス電気:H13クラスHEPA+光触媒(BMHC-S711A)
  • 三菱電機:除菌HEPAフィルター+セラミック脱臭触媒(DA-8000A)
  • 日本無機:抗ウイルスHEPAフィルタ「ヴァニッシュ」を標準搭載(ヘパウォール)
  • ミドリ安全:酵素HEPAフィルタ+UV-C(ステラエアーⅡ)
  • アルモルーチェ・日本エアーテック:集塵効率0.3μm粒子で99.99%以上

厚生労働省の資料は、換気の悪い密閉空間の改善に使う空気清浄機の条件として、HEPAフィルタ付きで風量5㎥/min程度以上を挙げています。方式と風量をセットで見るのが基本です。

電気集じん:数千ボルトで帯電させて極板に吸着する

トルネックスの技術ページは、電気集塵フィルタを「金属の極板を数ミリ間隔で積み重ねた構造で、その間に数千ボルトの電圧をかけて埃を吸い取っている」と説明しています。2段荷電式で集塵効果95%以上(DOP法0.3µm)、フィルタは洗浄して何度も再利用でき、ファン駆動エネルギーが小さく省エネとしています。

電気集じんは、たばこ煙や油煙のように目詰まりしやすい汚れに使われます。公式記載の方式名を並べます。

メーカー公式の方式名・特徴主な製品
トルネックス電子式集塵フィルタ、2段荷電式ブラスト、分煙機、ダクト接続型ユニット
オーデンニードル放電方式(放電ニードルに5kVを印加)。イオン化線方式と比べて2〜4倍のアドバンスと記載TZ4000、UP2010、HG511
クリーンエア・スカンジナビア二段階静電集塵(ESP)方式、特許取得の中空ESPセル。高湿度環境下でも洗浄後の性能低下を抑えるFKE-ACG(厨房用)
ホーコス油煙に対応した二段セル電気集じん機ミストイーターE
ミドリ安全二段式電気集じん+サークルプラズマ脱臭パルクリーン カウンター

光触媒とUV:分解・除菌が目的で、集じん力は別に見る

光触媒は、酸化チタンに光を当てて発生する酸化力で有機物を分解する方式です。光触媒工業会(PIAJ)の認証は、空気浄化(UV)についてJIS R 1701-1〜4により、アセトアルデヒド・ホルムアルデヒド・トルエンの除去量0.17µmol/h以上、窒素酸化物は0.50µmol以上を判定基準としています。

同認証は「光触媒以外の性能や安全性を保証するものではない」と明記しています。

紫外線(UV)は、岩崎電気の公式ページによれば「空気中に浮遊する菌に直接照射し、空気の対流によって徐々に室内を清浄化する方法」で、ファンで空気を吸い込み装置内部で照射する空気循環式は薬品を使わず空気を清浄化できるとしています。同ページは、点灯中のランプを直接・間接を問わず肉眼で見ないこと、皮膚に当てないことを注意事項に挙げています。

  • 光触媒:アンデス電気(ひかりクリスタ+活性炭)、フジコー(酸化チタン+銀の「光除菌」、オゾンやイオン放出ゼロ)、カルテック(吸着フィルターなし、つけ置き洗いで再生)、日本エアーテック BVE-1000Ti(光触媒+HEPA)、アルシステム(ナノチタニアプレート+イオナイザー)
  • UV-LED+光触媒:東芝ライテック UVish(「本機は集煙・集塵機能を装備していません」と明記)
  • UV内蔵の空気清浄機:ダイキン(UV-C LED 265nm)、アルモルーチェ(深紫外LED 280nm)、トルネックス ブラスト(深紫外線ランプ)、ミドリ安全 ステラエアーⅡ(UV-C)
  • UVランプ単独:岩崎電気 エアーリア(「紫外線が外に出ない構造」)

東芝ライテックのように集じん機能を持たない装置もあります。粉じんも取りたい場合は、HEPAや電気集じんを併載した機種か、別の機種との併用になります。

次亜塩素酸とオゾン:有人空間と無人空間で使い分ける

次亜塩素酸方式の代表はパナソニックの業務用ジアイーノです。次亜塩素酸(電解水)で除菌・脱臭・集じん(静電HEPA)の3機能を持ち、浮遊菌は密閉25㎥空間で10分、付着菌は74㎥試験空間で45分で除菌との試験結果を公式に記載しています。

同社は医療機器ではない旨も明記しています。

オゾン方式は濃度で用途が分かれます。人がいる空間で常時運転する低濃度機と、無人時に高濃度で燻蒸する機を、各社は別製品にしています。

メーカー・機種オゾン発生量(公式値)想定空間
オーニット エアフィーノ VS-50SⅡ通常10〜50mg/h、安心モード5〜25mg/h有人空間で24時間つけっぱなしにできる安全濃度と記載。人感センサー搭載
オーニット 剛腕2800 GWN-2800FR2700〜2,800mg/h高濃度・無人空間向け。人感センサーで自動安全切替
タムラテコ スペースくりんMTS記載なし有人時はUV・低濃度オゾン、無人時は高濃度燻蒸。紫外線ランプがオゾンを回収分解
エコデザイン ED-OG-AP1最大2g/h排水処理・食品・研究機関・特殊清掃など
極光電気 エアボーン4/30/6030/300/600mg/h客室消臭、宴会場、高天井施設など
岩崎電気 エアーリア コンパクト デュアル記載なし紫外線+オゾンのデュアル除菌(床置き)

アイリスオーヤマのプラズマガードは低温プラズマ方式で、オゾン発生量0.015ppm以下、第三者機関で安全性実証と記載しています。プラズマ系(ダイキン ストリーマ、シャープ プラズマクラスター)も独自方式として各社が説明しています。

方式選びで見落としやすい3つの注意

最後に、方式を決めるときに公式記載で確認しておきたい点を挙げます。

  1. 除菌・脱臭専用機は粉じんを取らない:東芝ライテック UVishは集塵機能なしと明記。オーニット エアフィーノは風量0.135㎥/minで、集じん機ではない
  2. 厚生労働省の資料は、HEPAと静電気フィルタ以外の方式について、REHVAが効果不十分としていることを紹介している:換気改善の代替として使うなら、HEPAか電気集じんを軸にする
  3. オゾン・UVは濃度と構造で人への安全性が決まる:有人空間向けは「有人」「人感センサー」「紫外線が外に出ない構造」といった公式記載のある機種を選ぶ

方式が決まったら、次は適用床面積と風量の読み方です。別記事「適用床面積とCADR・処理風量の読み方」で続きを説明しています。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

業務用空気清浄機のHEPAと電気集じんはどちらがいいですか?

どちらも浮遊粉じんを捕集する方式です。HEPAはJIS定義で0.3µmの粒子を99.97%以上捕集する交換式フィルター、電気集じんはトルネックスの説明で数千ボルトの電圧で粒子を極板に吸着し洗浄して再利用する方式です。たばこ煙や油煙のように目詰まりしやすい汚れには電気集じんを載せた製品が各社から出ています。

光触媒の空気清浄機はホコリも取れますか?

光触媒はニオイ成分や菌を分解する方式で、粒子の捕集はフィルター側の役割です。東芝ライテックのUVishは集煙・集塵機能を装備していないと公式に明記しています。アンデス電気やフジコーのように光触媒とHEPAを併載した機種なら粉じんも捕集できます。

オゾンの空気清浄機は人がいる部屋で使えますか?

濃度で製品が分かれます。オーニットのエアフィーノはオゾン発生量10〜50mg/hで、有人空間で24時間つけっぱなしにできる安全濃度と公式に記載しています。同社の剛腕シリーズ(700〜2,800mg/h)は無人空間向けで、人感センサーで自動安全切替をします。

厚生労働省はどの方式の空気清浄機を推奨していますか?

2020年6月の資料で、HEPAフィルタ付きで風量5㎥/min程度以上の空気清浄機を人の居場所から10㎡程度の範囲内に置くことを留意点として示しました。同資料は、REHVAがHEPAフィルタ付きは換気と同程度の粉じん除去効果があり静電気フィルタも同様とし、それ以外の方式は効果不十分としていることを紹介しています。

【置く場所別】業務用空気清浄機メーカーおすすめ3選

※2026年9月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

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