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BTAとガンドリルの違い|深穴加工の方式・穴径・L/D・精度を公式データで比較【2026年版】

深穴加工のBTA方式とガンドリル方式の違いを、掲載各社の公式情報から整理。切りくずの出し方、穴径での使い分け(ガンドリルφ0.5〜35mm、BTAφ12〜750mmなど)、L/Dの目安、BTAの3つの加工方法、精度と面粗度の表記、偏芯穴や止まり穴への対応をまとめました。

公開 2026年10月1日

深い穴を明けるには、BTA方式かガンドリル方式の専用機を使うのが一般的です。2つの方式は得意な穴径が違い、選び方を間違えると見積が高くなったり、断られたりします。

この記事では、掲載各社の公式情報をもとに、2つの方式の仕組みと対応範囲、精度の違いを整理します。

2つの方式は切りくずの出し方が違う

深穴加工の一番の課題は、穴の奥で出た切りくずをどう外に出すかです。BTAとガンドリルは、切削油の流し方と切りくずの通り道が逆になっています。

方式切削油の流れ切りくずの出口(藤原製作所の説明)
ガンドリルドリル内部の油穴を通って刃先から噴射ドリル外周のV溝を通って外部へ
BTA加工物とボーリングバーの隙間を通って刃先へ切屑とともにボーリングバーの中を通って戻る

日本ビーテーエーは、BTA方式では切屑が明けられた孔の内面に接触しないため、孔の内面を害さないと説明しています。どちらの方式も、高圧の切削油が切りくずを運ぶ点は共通です。

穴径で方式を使い分ける

一般に、小径の穴はガンドリル、中・大径の穴はBTAが受け持ちます。公式に両方の範囲を出している会社を並べます。

会社ガンドリルの穴径BTAの穴径
不二新製作所φ0.5mm〜(能力はφ0.5〜φ30)φ12.0〜φ200.0mm超
ミロク機械Φ1〜35mmΦ15〜500mm
藤原製作所Φ2〜Φ32mmΦ20〜Φ130mm
加福製作所φ4〜φ32φ20〜φ300
ハイタックφ0.5〜φ30.0(ガンドリル専門)記載なし

BTA専業に近い会社では、さらに大きな穴も扱います。日本ビーテーエーの明石工場は加工径10〜700mm、日本高速削孔の広島工場は4〜750mm、ダイニチ工業は内径φ946の実績を挙げています。

大径・長尺の深穴を受ける会社

直径100mmを超える穴や、長さ5mを超えるワークは、大型のBTA機を持つ会社に限られます。公式の数字を並べます。

会社公式の穴径公式の長さ
日本ビーテーエー(明石)10〜700mm最大17,000mm(1号機)
日本高速削孔3〜750mm(工場により異なる)両端加工で最大10,000mm(広島)
ダイニチ工業内径φ946の実績長尺BTA 12mの実績
加福製作所φ20〜φ300(BTA)最大3750mm
大阪鋳鋼所3φ〜250φ最大5m

日本高速削孔と大阪鋳鋼所は、長い材料を両端から加工する方法も示しています。片側からでは届かない長さでも、両端加工なら対応できる場合があります。

深さはL/D(穴径の何倍か)で考える

深穴加工の難しさは、穴の深さそのものより、穴径に対する深さの比(L/D)で決まります。公式に比率を書いている会社があります。

  • 藤原製作所:ガンドリルの加工長はL/D=125
  • ミロク機械:ドリル径の100〜200倍の深穴加工が可能
  • 不二新製作所:ガンドリルの最大深さは径の約100倍〜300倍(材質・径により変動)
  • 日本ビーテーエー:BTA方式の孔明け可能長さは孔径の100倍以上に達する

同じ深さでも、穴径が小さいほど難しくなります。図面を送るときは、穴径と深さの両方を必ず書いてください。

BTAには3つの加工方法がある

BTA加工は、材料の状態と穴の大きさで3つの方法を使い分けます。日本高速削孔と日本ビーテーエーが公式で説明しています。

方法使う場面
ソリッドボーリングムクの材料に穴を明ける。穴になる部分は全て切粉になる
トレパニング大径の穴を明けるときに、中心部(芯材)を残して加工する
カウンターボーリングすでに穴が明いている材料やパイプの穴を広げる。面粗度や精度が必要な場合にも使う

パイプ材の内径を広げたいだけなら、カウンターボーリングで済む場合があります。素材の形を伝えると、最適な方法を選んでもらえます。

精度と面粗度の公式の表記

深穴の精度は、方式と会社で書き方が違います。公式の表記をそのまま並べます。

会社方式公式の精度・面粗度の記載
ハイタックガンドリル穴径精度±0.05以内、面粗度3.2S、同芯度φ0.05以内の実績
ミロク機械ガンドリルはめあい公差H7〜H9程度。面粗度はS45Cで8S〜16S、FCで6S〜10S、Alで3S以下
日本ビーテーエーBTA基本的に一般公差。面粗度は25S程度が限界で、それ以上はホーニング

BTAで細かい公差や良い面粗度が要る場合は、ホーニングを後工程に入れるのが前提です。ガンドリルでもH7より厳しい公差が必要なら、仕上げの方法を事前に相談してください。

難削材や樹脂への対応

深穴加工は、材料が硬かったり粘ったりすると難しくなります。公式に対応材質を広く書いている会社を挙げます。

  • 日本高速削孔:チタン、アルミ、窒化鋼、ハステロイ、インコネル、銅、ベリリューム銅、MCナイロンなど樹脂の実績
  • ハイタック:インコネル、ハステロイ、βチタン、Co合金、Ni合金、PEEKなどの樹脂
  • ミロク機械:超硬チップでHRc40〜50位までの材料に対応
  • 不二新製作所:ハステロイ、インコネル、チタン合金、アクリルなどの樹脂

熱処理後の硬い材料に穴を明けるのか、穴を明けてから熱処理するのかで、工程と費用が変わります。熱処理の順番も、見積の前に決めておきましょう。

偏芯穴・交差穴・止まり穴にも対応できる

深穴は、中心を通るまっすぐな貫通穴だけではありません。公式に特殊な穴への対応を書いている会社を挙げます。

  • 日本高速削孔:ヘッド回転方式の機械で偏芯穴を加工(川崎工場と九州工場)
  • 不二新製作所:偏芯加工、交差穴、止まり穴、段付き穴に対応
  • 大阪鋳鋼所:センター穴だけでなく、偏芯・角度のある深穴に対応
  • 日本ビーテーエー:BTA工具を自社製造し、孔の奥部のR加工やテーパーにも対応

止まり穴の底の形は、工具の先端の形で決まります。大阪鋳鋼所は、止まり穴や段付き穴は図面で寸法の基準を示すよう求めています。

まとめ:方式選びは穴径・深さ・精度の3点で

BTAとガンドリルのどちらを使うかは、多くの場合、穴径で決まります。深さの比と必要な精度を加えて、対応できる会社を絞り込みましょう。

  1. 穴径がおおむね30mm前後までならガンドリル、それより大きければBTAを持つ会社に相談する
  2. L/Dが大きいときは、公式に比率を書いている会社(藤原製作所・ミロク機械・不二新製作所)に確かめる
  3. 公差が細かいときは、ホーニングまで受けられるかを聞く

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

BTAとガンドリルはどう使い分けますか?

主に穴径です。藤原製作所はBTAは中・大径穴、ガンドリルは小径穴(φ2〜φ32)に向くとしています。ミロク機械はガンドリルΦ1〜35mm、BTAΦ15〜500mmを対応範囲としています。

深穴は穴径の何倍まで明けられますか?

公式の表記では、藤原製作所がガンドリルでL/D=125、ミロク機械がドリル径の100〜200倍、不二新製作所がガンドリルで径の約100〜300倍(材質・径により変動)としています。

BTA加工で細かい公差は出せますか?

日本ビーテーエーは、BTA加工は基本的に一般公差で、細かい公差はBTA加工後のホーニングで対応するとしています。

【用途別】ボーリング加工の会社おすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

工作機械やプレスの大物部品を、横中ぐりで1品だけ仕上げたいなら

有限会社山崎製作所

横中ぐり加工に特化し横中ぐり盤11台。常温室工場で、単品・短納期・特急品にも対応

愛知県美浜町の会社で、横中ぐり盤による加工に特化しており、横中ぐり盤を計11台(東芝機械9台、倉敷機械2台)保有すると公式に書いている。精度を保つための常温室工場を2001年6月に設けた。よくある質問では単品・短納期・特急品も相談可能とし、初物1品製作がほとんどだと答えている。

有限会社山崎製作所の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

長さ10mを超えるシャフトやロールに、大径の深い穴を通したいなら

日本ビーテーエー株式会社

加工径10〜700mm、ワーク長さ17m・35トン。BTA工具を自社製造し、孔奥のRやテーパーにも

1959年4月に設立した深孔明け加工の会社で、明石工場はワーク最大長さ17m、重量35トンの重量物に対応し、加工径10〜700mmのBTA工具をそろえている。1号機は加工孔径30〜700mm、加工長さ900〜17,000mm。BTA工具を自社で作り、孔の奥のR加工やテーパーにも対応するとしている。

日本ビーテーエー株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

金型の冷却穴や医療部品など、細い深穴を精度の数字で選びたいなら

株式会社ハイタック

φ0.5×30L〜φ30×1,500L、穴径精度±0.05以内。見積は当日、遅くとも翌営業日

静岡県沼津市のガンドリルマシンメーカーで、受託深穴加工の対応寸法をφ0.5×30Lからφ30.0×1,500Lと公開している。穴径精度は±0.05以内、面粗度3.2S、要求同芯度φ0.05以内の実績を挙げる。見積は依頼日当日、遅くとも翌営業日に回答するとしている。

株式会社ハイタックの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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