ボーリング加工・深穴加工 · 用途別
小径深穴・金型冷却穴のガンドリル加工|φ0.5mmから頼める会社と精度の比較【2026年版】
直径数mmの細い深穴(金型冷却穴、医療部品、油穴など)をガンドリルで頼みたい場合に向けて、ハイタック・不二新製作所(φ0.5mm〜)、ミロク機械、藤原製作所、加福製作所の対応穴径とL/D、穴径精度±0.05以内やH7〜H9などの精度表記、難削材と樹脂、交差穴・止まり穴への対応を比べました。
金型の冷却穴、医療工具、燃料系の部品、スピンドル軸の油穴。直径数mmで長さが数百mmになる細い深穴は、ガンドリルの専門会社に頼むのが一般的です。
細い深穴は、工具が折れたり曲がったりしやすく、対応できる会社が限られます。この記事では、小径の深穴を頼める会社を公式の数字で比べます。
小径深穴で比べる4つの点
小径の深穴では、次の4つを公式で確かめると、相談先を早く絞れます。
| 比べる点 | 確かめる中身 |
|---|---|
| 最小の穴径 | 何mmから明けられるか |
| 深さの比 | 穴径の何倍まで明けられるか(L/D) |
| 精度 | 穴径の公差、同芯度、面粗度 |
| 材質 | ステンレス・耐熱合金・樹脂などの実績 |
小径になるほど、同じ深さでも難しさは大きく増します。穴径と深さは必ずセットで伝えてください。
あわせて、穴の数と、貫通か止まり穴かも最初に伝えると、加工できる会社をすぐに判断してもらえます。部品の外形がすでに仕上がっているか、素材のままかも大切な情報です。
何mmから明けられるか
公式に最小の穴径を出している会社を並べます。
| 会社 | 公式のガンドリル穴径 | 長さの目安 |
|---|---|---|
| ハイタック | φ0.5〜φ30.0 | φ0.5×30L〜φ30.0×1,500L |
| 不二新製作所 | φ0.5mm〜(能力はφ0.5〜φ30) | 最大深さは径の約100〜300倍(材質・径により変動) |
| ミロク機械 | Φ1〜35mm | 深さ〜4,000mm |
| 藤原製作所 | Φ2〜Φ32mm | L/D=125、材料長さ3000mmまで |
| 加福製作所 | φ4〜φ32 | 最大4400mm |
φ1mmを下回る深穴を明けられる会社は、今回の17社ではハイタックと不二新製作所の2社でした。ハイタックは、Φ0.5〜Φ30の加工径に対応する専用スピンドルモータを開発し、各径専用のガンドリルマシンをそろえているとしています。
深さの比(L/D)で考える
小径深穴の難しさは、穴径に対する深さの比で決まります。公式に比率を示している会社の表記を並べます。
- 藤原製作所:ガンドリルの加工長はL/D=125
- ミロク機械:ドリル径の100〜200倍の深穴加工が可能
- 不二新製作所:最大深さは径の約100倍〜300倍(材質・径により変動)
たとえばφ2mmでL/D=125なら、深さは250mmになります。必要な深さが公式の比率を超える場合は、両側から明けるなど別の方法がないかも相談してください。
比率の上限は材質によっても変わるため、公式の数字はあくまで目安として受け取りましょう。
精度の数字を公開している会社
小径深穴の精度は、穴径の公差に加えて、穴がどれだけまっすぐか、外径とどれだけ同心かが問われます。公式の数字を並べます。
| 会社 | 公式の精度の記載 |
|---|---|
| ハイタック | 穴径精度±0.05以内、面粗度3.2S(Ra0.023の実績あり)、要求同芯度φ0.05以内の実績 |
| ミロク機械 | はめあい公差H7〜H9程度。面粗度はS45Cで8S〜16S、Alで3S以下 |
ミロク機械は、一般的に深さ1,000mmの加工で曲がりを1mm以下に抑えることが誤差の範囲とされると説明し、セルフパイロット方式で真直性を出すとしています。真直度に厳しい要求がある場合は、図面に値を書いて事前に確かめてください。
難削材と樹脂の細い深穴
小径の深穴は、材料が粘ったり硬かったりすると工具が折れやすくなります。公式に難削材や樹脂の対応を書いている会社を挙げます。
- ハイタック:インコネル、ハステロイ、βチタン、Co合金、Ni合金、SUS・アルミなど一般鋼材、PEEKなどの樹脂
- 不二新製作所:ハステロイ、インコネル、チタン合金、SUS(304、316、420等)、アルミ、銅合金、アクリルなどの樹脂
- 藤原製作所:高硬度材、ステンレス鋼、Ni基系、耐熱鋼の深穴加工に対応
- ミロク機械:超硬チップでHRc40〜50位までの材料に対応
ハイタックは、医療分野だけで50社以上の実績があり、医療工具やコアピン、金型冷却穴などの加工例を挙げています。用途が近い実績があるかを聞くと、話が早く進みます。
交差穴・止まり穴・偏芯穴
金型の冷却回路や油圧部品では、穴同士が交わったり、途中で止まったりする深穴がよく使われます。
- 不二新製作所は、偏芯加工、交差穴、止まり穴、段付き穴に対応するとしている
- 大阪鋳鋼所は、偏芯・角度のある深穴に対応し、止まり穴や段付き穴は図面で寸法の基準を示すよう求めている
- ハイタックは、外形加工済のワークへの深穴加工にも対応するとしている
交差穴は、穴が交わる位置でバリや段差が出やすく、後工程のバリ取りが必要になることがあります。交差部の仕上げの要求も、図面に書いておきましょう。
冷却水や油を通す穴では、穴の中に切りくずが残っていないかの確認方法も、納品前に決めておくと安心です。
見積の速さと図面なしの相談
試作の段階では、図面が固まる前に加工できるかを確かめたいこともあります。公式に問い合わせの方法を書いている会社を挙げます。
| 会社 | 公式の記載 |
|---|---|
| ハイタック | 見積は依頼日当日、遅くとも翌営業日に回答。図面がなくても材質・穴径・深さを伝えれば可否と方法を提案。通常24時間以内(営業日)に返信 |
| 不二新製作所 | 図面を添付して対応可能な範囲を確認できる。旋盤・マシニング・溶接まで社内と関連会社の連携で対応 |
ハイタックは、ワークを送られた状態に再梱包して発送するとしています。外形を自社で仕上げたワークに、深穴だけを頼む使い方にも向きます。
前後の工程をまとめるか
小径深穴は、外形の旋削やミーリングと組み合わさることが多い加工です。深穴だけを頼むか、部品全体を頼むかで相談先が変わります。
- 深穴だけを頼むなら、深穴加工を専門にするハイタック(ガンドリル)や藤原製作所(BTA・ガンドリル)
- 前後の旋盤・マシニング・溶接までまとめるなら、不二新製作所
- 小径から大径まで深穴を全国の工場で受けてほしいなら、ミロク機械
金型の冷却穴を頼むときの注意
金型の冷却穴は、小径深穴の代表的な用途です。穴が製品面に近すぎたり、ほかの穴と干渉したりしないよう、位置の精度と穴の曲がりが特に重要になります。
- 冷却穴と製品面・エジェクタピン穴との距離を図面で明確にする
- 交差させる穴は、交わる位置と深さを寸法で指定する
- 止まり穴は、先端の形(ドリル先端か肩か)の基準を示す
- 熱処理の前に明けるか後に明けるかを決める
ハイタックは、加工実績に金型冷却穴を挙げています。冷却回路の設計に迷う場合は、明けられる穴径と深さの範囲を先に聞いておくと、設計の自由度が上がります。
数量と納期の目安を伝える
小径深穴は、1本ごとに工具の状態を見ながら加工するため、数量が増えると工具代と時間が比例して増えます。試作と量産で頼む会社を分けることもあります。
| 場面 | 伝えておくこと |
|---|---|
| 試作 | 数量、希望納期、図面の変更の可能性 |
| 量産の見込みがある | 年間の数量、ロットの大きさ、継続の時期 |
| 急ぎ | 最短の希望日と、部分納品でもよいか |
今回調べた会社では、小径深穴の最小ロットや価格を公式に載せている会社はありませんでした。数量の見込みを伝えたうえで、試作と量産の単価の違いを聞いておくと計画を立てやすくなります。
小径深穴の相談先の選び方
最小の穴径と、精度の要求で相談先を絞りましょう。
- φ1mm未満の深穴や、精度の数字を確かめて頼みたいなら、ハイタック
- φ1mm未満から前後工程までまとめたいなら、不二新製作所
- はめあい公差で指定したい、全国の工場から選びたいなら、ミロク機械
- 首都圏でφ2mm以上の深穴を頼みたいなら、藤原製作所
この記事に出てくる会社
- 株式会社不二新製作所深穴と前後工程を一括で
- 株式会社藤原製作所首都圏で中小径の深穴なら
- 株式会社ハイタック小径深穴の精度で選ぶなら
- 株式会社加福製作所中部で深孔をまとめて
- ミロク機械株式会社全国5工場で深穴をまとめて
参照元
よくある質問
φ1mmより細い深穴は頼めますか?
頼める会社があります。ハイタックはφ0.5×30Lからφ30.0×1,500Lまで、不二新製作所は最小径φ0.5mmからのガンドリル加工に対応するとしています。
小径深穴の精度はどれくらいですか?
ハイタックは穴径精度±0.05以内、面粗度3.2S、同芯度φ0.05以内の実績を挙げています。ミロク機械は、はめあい公差H7〜H9程度の加工ができるとしています。
図面がなくても相談できますか?
ハイタックは、図面がなくても材質・穴径・深さを伝えれば加工の可否と方法を提案するとしています。
【用途別】ボーリング加工の会社おすすめ3選
工作機械やプレスの大物部品を、横中ぐりで1品だけ仕上げたいなら
有限会社山崎製作所
横中ぐり加工に特化し横中ぐり盤11台。常温室工場で、単品・短納期・特急品にも対応
愛知県美浜町の会社で、横中ぐり盤による加工に特化しており、横中ぐり盤を計11台(東芝機械9台、倉敷機械2台)保有すると公式に書いている。精度を保つための常温室工場を2001年6月に設けた。よくある質問では単品・短納期・特急品も相談可能とし、初物1品製作がほとんどだと答えている。
長さ10mを超えるシャフトやロールに、大径の深い穴を通したいなら
日本ビーテーエー株式会社
加工径10〜700mm、ワーク長さ17m・35トン。BTA工具を自社製造し、孔奥のRやテーパーにも
1959年4月に設立した深孔明け加工の会社で、明石工場はワーク最大長さ17m、重量35トンの重量物に対応し、加工径10〜700mmのBTA工具をそろえている。1号機は加工孔径30〜700mm、加工長さ900〜17,000mm。BTA工具を自社で作り、孔の奥のR加工やテーパーにも対応するとしている。
金型の冷却穴や医療部品など、細い深穴を精度の数字で選びたいなら
株式会社ハイタック
φ0.5×30L〜φ30×1,500L、穴径精度±0.05以内。見積は当日、遅くとも翌営業日
静岡県沼津市のガンドリルマシンメーカーで、受託深穴加工の対応寸法をφ0.5×30Lからφ30.0×1,500Lと公開している。穴径精度は±0.05以内、面粗度3.2S、要求同芯度φ0.05以内の実績を挙げる。見積は依頼日当日、遅くとも翌営業日に回答するとしている。
部品に合うボーリング加工の会社を、無料で相談する
材質と熱処理の有無、ワークの外形と長さ・重さ、穴径と深さ、公差と面粗度、数量と希望納期、図面の有無を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載会社へ匿名で概要を伝え、見積の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。