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産業用集塵機 · 基礎知識

集塵機フィルターの選び方と交換・点検|材質、払い落とし、差圧、年1回の定期自主検査

集塵機のフィルター(ろ布・成形カートリッジ・HEPA・PTFEメンブレン・洗えるフィルター)の選び方、払い落とし方式、差圧計で見る交換時期、粉じん障害防止規則の定期自主検査の項目を、掲載メーカーの公式記載で整理します。

公開 2026年10月1日

集塵機の性能は、フィルターの選び方と手入れで大きく変わります。このページでは、フィルターの種類、払い落とし、交換の目安、法令の点検をまとめます。

フィルターの種類と公式に書かれた性能

フィルターは材質と形で性能が変わります。メーカーの公式記載から、主な種類を並べます。

種類公式記載の例
成型不織布(プリーツ)淀川電機製作所は全機種でプリーツ形状の成型不織布フィルターを採用
ナノ繊維コートアマノのPiFはオプションのナノ繊維コートフィルターで、従来機PiE比約2.5倍のろ過面積
PTFEメンブレンユーザックは東レのPTFEメンブレンフィルターを標準装備
HEPAホーコスのNKSは捕集効率99.97%以上のHEPAフィルタをオプションで装着可能
静電防止・テフロンラミネートホーコスの小型汎用集じん機は用途に合わせてフィルタを用意
洗えるフィルター三立機器の「洗える集塵機」、ホーコスHSSの円筒湿式フィルタとプレートフィルタ

微細なヒュームには目の細かいフィルター、湿気や静電気がある現場には対策品を選ぶのが基本です。粉じんの名前と粒の大きさを伝えて、メーカーに材質を選んでもらってください。

払い落としの方式で手間が変わる

フィルターにたまった粉じんを落とす方法によって、日々の手間と圧縮空気の要否が変わります。淀川電機製作所のSETは、同じシリーズで3つの方式から選べます。

  • 全自動:微差圧センサーで目詰まりを感知し、除塵のタイミングを制御(淀川電機製作所SET「-TEC」)
  • 半自動:除塵タイミングを範囲内で設定(同SET)
  • 手動:付属のエアガンやハンドルで除塵(同SET-SV、ホーコスNKSのノッキング式)
  • 衝撃波:ユーザックのMachWaveMV3

パルスジェット式は圧縮空気が必要です。ホーコスのNKSのように、エア設備がない場所向けに圧縮エア不要をうたう機種もあります。

交換時期は差圧と風量で見る

フィルターが詰まると、前後の圧力の差(差圧)が大きくなり、吸い込む風量が落ちます。交換時期を目で見て決めるより、数字で決めるほうが確実です。

見る数字公式記載の例
差圧淀川電機製作所は差圧計取付を、能力維持やフィルター交換の目安の指標になるオプションとして案内(後付け不可)
使用時間ユーザックはレーザー加工機での使用で10,000時間程度は性能を維持とし、10,000時間又は5年の早いほうでの交換を推奨
運転時間の積算日本精密のSSWシリーズは装置運転時間を積算表示

差圧計は後から付けられない機種もあります。発注時にオプションとして付けておくと、交換の判断が楽になります。

交換作業でばく露しないために

フィルター交換のときに、集めた粉じんを作業者が浴びてしまうことがあります。有害な粉じんを扱うなら、交換方式も比べてください。

  • 日本精密のバグインバグアウトダストコレクター:専用のビニールパックで粉体に触れずにフィルター交換
  • アマノのTFP:成形フィルター仕様で粉体に触れずにフィルター交換
  • ホーコスのポータブルHTシステム:HEPAフィルターを浸漬してから交換するWet Open Change
  • ホーコスのトップリムーバル:作業員が機内に入らず本体上部から交換

法令の定期自主検査:1年以内ごとに1回

粉じん障害防止規則は、局所排気装置や除じん装置について、1年以内ごとに1回、定期に自主検査を行うよう定めています。除じん装置では、次の項目が挙がっています。

  1. 構造部分の摩耗、腐食、破損の有無とその程度
  2. 内部における粉じんの堆積状態
  3. ろ過除じん方式では、ろ材の破損またはろ材取付部等の緩みの有無
  4. 処理能力

局所排気装置では、フード・ダクト・ファンの損傷、ダクトと排風機の粉じんの堆積、ベルトの作動状態、吸気・排気の能力なども対象です。点検をメーカーに頼めるかは、導入前に確かめておきます。

保守を任せられる体制かを確認する

フィルターの供給と点検を長く頼めるかは、メーカー選びの大事な条件です。公式に保守体制を書いている会社を挙げます。

  • アマノ:グループ内にメンテナンス専門会社
  • エステーリンク:企画・設計・施工・メンテナンス
  • ユーザック:サービスエンジニアが対応
  • 新東工業:生産終了機の後継機・部品供給の案内
  • 東洋空気調和:製造・販売・保守を事業とする

フィルターを長持ちさせる運転のしかた

同じフィルターでも、運転のしかたで寿命は変わります。メーカーの機能を見ると、長持ちさせる工夫がいくつかあります。

  • 風量を一定に保つ:アマノのVF-5HGは自動風量一定制御、アピステのGDE-Aはインバータの自動風量制御
  • 前段で粗い粒を落とす:アマノのFCNは旋回流式分離部でフィルターの負担を減らす
  • 払い落とした粉を再付着させない:アマノのPiFは本体内の気流を下方気流化、ホーコスの小型汎用集じん機はダウンフロー構造
  • フィルターを保護する:アマノのPiF-Hはプレコート機構、アピステのGDE-Aは自動フィルターエイド供給(オプション)

フィルターエイドやプレコートは、フィルターの表面に粉の層を先に作り、付着性のヒュームが直接こびりつくのを防ぐ考え方です。レーザー加工や溶接のように付着しやすいヒュームで使われます。

日常点検のチェックリスト

法令の定期自主検査は年1回ですが、フィルターの異常は日々の点検で早く気づけます。現場で毎日見る項目をまとめます。

頻度見る項目
毎日差圧計の値、吸い込みの強さ、排気口からの粉の漏れ、ダストボックスの量
毎週払い落としの動作(パルス音や振動)、圧縮空気の圧力、水位(湿式)
毎月ダクトの粉じんの堆積、フードの破損、ベルトの張り
年1回以上法令の定期自主検査(ろ材の破損、取付部の緩み、処理能力など)

排気口から粉が出ているときは、フィルターの破れか取付部の緩みを疑ってください。法令の検査項目にも、ろ材の破損とろ材取付部等の緩みが挙がっています。

交換用フィルターの調達で困らないために

集塵機は10年以上使うことも多く、交換用フィルターを長く買えるかは大事な条件です。導入時に次の点を確認しておきます。

  1. 交換用フィルターの品番と価格を見積に入れてもらう
  2. フィルターの納期と、在庫を持っているか
  3. 生産終了になったときの後継品の案内があるか(新東工業は生産終了機の後継機・部品供給を案内)
  4. フィルターを自社で作っているか(アコーはフィルターの製造販売を事業に挙げる)
  5. 交換用フィルターを同じサイトで扱っているか(日本ドナルドソンはバッグフィルター・カートリッジフィルターも扱う)

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

集塵機のフィルターはどれくらいで交換しますか?

粉じんの量と種類で大きく変わるため、使用時間よりも差圧と風量の低下で判断するのが確実です。目安の例として、ユーザックはレーザー加工機での使用なら10,000時間程度性能を維持するとし、10,000時間又は5年の早いほうでの交換を推奨しています。

集塵機の点検は義務ですか?

粉じん障害防止規則により、局所排気装置や除じん装置は1年以内ごとに1回、定期に自主検査を行う必要があります。除じん装置では構造部分の摩耗・腐食・破損、内部の粉じんの堆積、ろ材の破損や取付部の緩み、処理能力が検査項目です。

フィルターは洗って使えますか?

洗える構造の機種なら使えます。三立機器は「洗える集塵機」をシリーズで出しており、ホーコスのHSSシリーズも円筒湿式フィルタとプレートフィルタを水洗いできます。洗えない成形フィルターを水洗いすると性能が落ちるため、取扱説明書の指示に従ってください。

【用途別】集塵機メーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

アルミ・マグネシウムなど爆発性の金属粉を吸うなら

アマノ株式会社

Kst値ごとに選べる粉塵爆発圧力放散型。溶接・レーザ用まで1社で比べられる

アルミニウム、チタン、マグネシウムなどにも対応可能と公式に書き、粉塵爆発圧力放散型の集塵機をKst値の対応範囲つきで出している(VN-SD〜400、PiF-SD/D〜300、マグネシウム合金粉体専用スクラバーSA〜500)。国産ラプチャーディスクはKst値800対応。小型のPiFから大型のWRT(フィルタ面積〜1,055m²)、溶接作業用FCN、レーザ加工用PiF-Hまで同じ窓口で選べる。

アマノ株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

溶接ヒュームを、デモ機で確かめてから入れるなら

株式会社赤松電機製作所

手溶接は100Vのフィルターレス、ロボット溶接は水で消火する乾湿複合型

ヒュームスモーカーFSM-15はフィルターレスで1μm以上を99%捕集し、風量10m³/min・単相AC100Vで使える。スーパーコレクターFM-220は水を使う乾湿複合型で風量30/35m³/min、「水を使った2重の消火機能で火の粉も安全」。主力製品のデモ機貸出と、専門技術者による現地調査を公式に案内している。

株式会社赤松電機製作所の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

工程の小型機から3,000m³/min級まで、工場全体をそろえるなら

新東工業株式会社

小型ダスミックの各区分に粉塵爆発対策型。中・大型は3,000m³/minクラスまで

小型集塵機ダスミックシリーズは混合・袋詰め・投入・切断・バフ研磨などの工程向けで、連続運転・間欠運転・低濃度のそれぞれに粉塵爆発対策型がある。中・大型集塵機は3,000m³/minクラスの大風量用途まで対応し、高温ガス用、泡で重金属を捕集する機種、可燃性・爆発性粉塵対応機もそろう。生産終了機の後継機・部品供給の窓口を公開している。

新東工業株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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