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産業用集塵機 · 基礎知識

集塵機の見積の取り方|風量・静圧・フード・ダクトをどう伝えるか

集塵機の見積を取る前に、発生源の数と距離、必要な風量(m³/min)と静圧(kPa)、フードとダクト、設置場所と電源をどう整理して伝えるかを、掲載メーカーの公式な仕様表記と届出・保守の対応をもとに解説します。

公開 2026年10月1日

集塵機の見積は、伝える情報が少ないとメーカーごとに前提がばらばらになります。このページでは、見積を依頼する前に整理しておく項目をまとめます。

最初に伝える5つの情報

メーカーはまず、何をどこでどれだけ吸うかを知りたがります。次の5つを1枚にまとめて送ってください。

  1. 粉じんの種類(金属粉・ヒューム・粉体・ミスト・木屑など)と、爆発のおそれ
  2. 発生する作業と、発生箇所の数(作業台何台、加工機何台)
  3. 発生箇所から集塵機を置ける場所までの距離
  4. 稼働時間(1日何時間、連続か間欠か)
  5. 置き場所の条件(屋内か屋外、天井の高さ、電源の電圧)

風量と静圧の読み方

集塵機の能力は、風量(m³/min)と静圧(kPa)の組み合わせで表します。同じ風量でも、ダクトが長いほど高い静圧が必要になります。

メーカー・機種公式の表記
淀川電機製作所 DET-small風量1.3〜10m³/min、静圧0.35〜3.14kPa
淀川電機製作所 DET風量15〜50m³/min、静圧1.81〜3.43kPa
日本精密 汎用集塵機5m³/min時・1.47kPa、9m³/min時・1.47kPa
SDG ダストレーサCFM1.5kW・20m³/minから5.5kW・60m³/min(50Hz)
アマノ PiF-MP/HP一般的な集塵機の約2倍の静圧

カタログの最大風量は、ダクトをつながない状態の値であることが多いです。実際の配管で何m³/min出るかを、性能曲線で確認してもらってください(SDGは性能曲線図に-5%〜+10%程度の誤差があると注記しています)。

風量の幅で機種の大きさが決まる

必要な風量が決まると、候補になる機種の大きさとメーカーが絞れます。公式に書かれた風量の範囲を並べます。

風量の目安公式記載の機種例
〜10m³/min(卓上・1か所)コトヒラ工業KDC-US01(5m³/min)、赤松電機製作所FSM-15(10m³/min)
10〜100m³/min(作業場の局所集じん)ホーコス小型汎用集じん機(10〜150m³/min)、ユーザックのコスモクリーンX(55〜100m³/min)
数百〜数千m³/min(工場全体・設備)流機エンジニアリングのIシリーズ(200〜8,000m³/min)、新東工業の中・大型(3,000m³/minクラス)
1万m³/min級(製鋼・焼却)KAJIWARAのバグフィルタ(16,000m³/minの実績)

フードとダクトは見積に含めてもらう

集塵機の効き目は、本体よりもフードの形と位置で決まることがあります。粉じん障害防止規則の第11条も、フードを発生源ごとに設け、外付け式は発生源にできるだけ近い位置に設けるよう定めています。

  • フードの設計・製作・施工:日本精密は各種フードの設計・制作・施工に対応
  • 配管部品:淀川電機製作所は設置環境に合わせた配管部品を用意
  • ダクト工事なし:エステーリンクのヒュームイン ボックス型・タワー型は置くだけで設置

本体だけの見積と、フード・ダクト・工事込みの見積では金額が大きく違います。どちらの範囲かを明記してもらい、同じ範囲で比べてください。

届出と保守も見積の範囲に入れる

局所排気装置を新しく設けるときは、届出が必要になる場合があります。書類作成や保守を頼めるかも、見積の段階で聞いておくと後で困りません。

  • 届出書類:エステーリンクは局所排気装置等の届出書類の作成を受託
  • 設計から試運転:アマノは要件定義・設計・調達・工事・試運転まで一貫対応
  • 納期:日本精密は汎用集塵機を契約後2週間で届けると案内
  • 特注:淀川電機製作所は電圧変更や塗装色の指定に1台から対応

比べるための見積依頼書のひな形

同じ内容を2〜3社に送ると、見積を横に並べて比べられます。次の表をそのまま使ってください。

項目記入例
粉じんSS400のグラインダー粉、火花あり、爆発性なし
発生箇所作業台3台、各台にフード
距離・配置作業台から屋外設置場所まで15m
稼働1日8時間、連続
電源三相200V
見積範囲本体・フード・ダクト・据付・届出書類
確かめたいことデモ機の有無、フィルター価格、点検の頼み方

電源と設置場所で候補が変わる

集塵機は、電源の電圧と置き場所の条件で選べる機種が変わります。見積の前に、現場の条件を確認してください。

条件公式記載の例
100V電源しかない赤松電機製作所FSM-15(単相AC100V)、ホーコスHSS-10(100V対応)、ムラコシの100V仕様MY-75X
電圧が特殊淀川電機製作所は単相100〜240V、三相200〜480Vの電圧変更に対応(一部出力を除く)
屋外に置く淀川電機製作所は屋外の場合に通風口のあるカバーを設けるよう注意
天井が低い・狭い了生は高さ制限のある現場への納入事例、ホソカワミクロンのSP・SP-Kは高さ制限のある場所向け
圧縮空気がないホーコスのNKSは圧縮エア不要

周波数が50Hzか60Hzかで風量が変わる機種もあります。淀川電機製作所のSETは50Hz・60Hzの各専用機で、注文時に周波数の指定が必要です。

見積を比べるときに見落としやすい項目

複数社の見積を並べると、本体価格以外の項目で差が出ます。次の項目が見積に入っているかを確認してください。

  • フード・ダクト・据付工事・電気工事の範囲
  • 交換用フィルターの品番と単価
  • 圧縮空気の配管(パルスジェット式の場合)
  • 給排水と汚泥処理(湿式の場合)
  • 届出書類の作成(エステーリンクは受託を案内)
  • 試運転と取扱説明の有無(アマノは試運転から引き渡しまでを工程に挙げる)
  • 保守契約とその費用

メーカーに相談する順番

集塵機は、1社目の提案を基準にして2社目以降と比べると、条件の抜けに気づきやすくなります。相談の順番の例を示します。

  1. 用途の専門メーカー(溶接ヒュームなら赤松電機製作所、レーザー切断ならユーザックなど)に、現場の条件を伝えて提案をもらう
  2. 複数の方式を持つ総合メーカー(アマノ、新東工業、アコーなど)に、同じ条件で提案をもらう
  3. 2社の提案の風量・方式・範囲の違いを確認し、足りない条件を追加して再見積を取る
  4. デモ機やテストができる会社では、実機で確かめてから決める

見積依頼の要点

  • 粉じん・発生箇所・距離・稼働・置き場所の5つを1枚にまとめる
  • 風量は静圧とセットで確認し、実際の配管での値を出してもらう
  • 本体・フード・ダクト・工事・届出・保守の範囲をそろえて比べる

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

集塵機の風量はどうやって決めますか?

発生箇所ごとのフードで必要な吸い込み量を足し合わせ、ダクトの長さに応じた静圧で出せる機種を選びます。自社で計算するより、発生箇所の数・距離・粉じんの種類を伝えてメーカーに計算してもらうのが確実です。

見積はフードやダクトも含めて頼むべきですか?

含めてください。集塵機の効き目はフードの形と位置で大きく変わり、粉じん障害防止規則もフードを発生源ごとに、外付け式は発生源にできるだけ近い位置に設けるよう定めています。本体のみと工事込みでは金額が違うため、範囲をそろえて比べます。

すぐに集塵機が必要なときはどうすればいいですか?

日本精密は汎用集塵機を契約後2週間で届けると案内しています。工事現場など一時的な用途なら、流機エンジニアリングのようにレンタル可の製品を持つ会社もあります。

【用途別】集塵機メーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

アルミ・マグネシウムなど爆発性の金属粉を吸うなら

アマノ株式会社

Kst値ごとに選べる粉塵爆発圧力放散型。溶接・レーザ用まで1社で比べられる

アルミニウム、チタン、マグネシウムなどにも対応可能と公式に書き、粉塵爆発圧力放散型の集塵機をKst値の対応範囲つきで出している(VN-SD〜400、PiF-SD/D〜300、マグネシウム合金粉体専用スクラバーSA〜500)。国産ラプチャーディスクはKst値800対応。小型のPiFから大型のWRT(フィルタ面積〜1,055m²)、溶接作業用FCN、レーザ加工用PiF-Hまで同じ窓口で選べる。

アマノ株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

溶接ヒュームを、デモ機で確かめてから入れるなら

株式会社赤松電機製作所

手溶接は100Vのフィルターレス、ロボット溶接は水で消火する乾湿複合型

ヒュームスモーカーFSM-15はフィルターレスで1μm以上を99%捕集し、風量10m³/min・単相AC100Vで使える。スーパーコレクターFM-220は水を使う乾湿複合型で風量30/35m³/min、「水を使った2重の消火機能で火の粉も安全」。主力製品のデモ機貸出と、専門技術者による現地調査を公式に案内している。

株式会社赤松電機製作所の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

工程の小型機から3,000m³/min級まで、工場全体をそろえるなら

新東工業株式会社

小型ダスミックの各区分に粉塵爆発対策型。中・大型は3,000m³/minクラスまで

小型集塵機ダスミックシリーズは混合・袋詰め・投入・切断・バフ研磨などの工程向けで、連続運転・間欠運転・低濃度のそれぞれに粉塵爆発対策型がある。中・大型集塵機は3,000m³/minクラスの大風量用途まで対応し、高温ガス用、泡で重金属を捕集する機種、可燃性・爆発性粉塵対応機もそろう。生産終了機の後継機・部品供給の窓口を公開している。

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