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3D CADデータを持ち込んで製作したい|入稿形式・原型出力・注意点

3D CADデータを持ち込んでジュエリーをOEM製作するときの入稿形式、原型の出力方法、肉厚や縮みなどデータ作成の注意点、データの所有と保管を、工場とメーカーの公開情報をもとに整理します。

公開 2026年9月24日

このページでは、3D CADデータを持ち込んでジュエリーを製作するときの入稿形式と注意点を説明します。原型の出力方法、データ作成の制約、データの所有と保管の順に整理します。

データがあれば原型工程が短くなり、費用も下がります。根拠は工場と3Dプリンタメーカーの公開情報です。

受け付けられるデータ形式

ジュエリー工場が受け付ける形式は、STLが中心です。ENCODEのCASTYはSTLとOBJ形式に対応すると公開しています。

日本アイボリーはRhinocerosとJCADでCADデータを作成し、STL形式で出力できればよりリーズナブルに切削できると案内しています。

形式公開例備考
STLCASTY、日本アイボリーメッシュ形式、最も一般的
OBJCASTYメッシュ形式
Rhinoceros(3dm)日本アイボリー(使用ソフト)サーフェス形式、修正しやすい
JCAD日本アイボリー(使用ソフト)ジュエリー専用CAD

メッシュ形式は修正が難しいため、元のCADファイルも保管しておきます。工場に修正を頼む場合は、元ファイルの形式が扱えるかも確認します。

Formlabsはジュエリー設計用のCADソフトの選び方をガイドとして公開しています。ソフトの選定段階から、工場の対応形式を見ておくと入稿がスムーズです。

品位表示やブランドマークは、データの段階で入れておくと工程が減ります。JJAの表示規定は、原型・金型・ワックスへの表示は打刻または彫刻で行うとしています。

データに文字を入れる場合は、鋳造で潰れない深さと太さが必要です。刻印を後工程のレーザーで入れるなら、データには平らな面だけを残します。

原型の出力方法

データから原型を作る方法は、切削と3Dプリントの2つです。どちらも同じデータから出力できますが、料金と得意な形が違います。

日本アイボリーはNC彫刻(切削)を切削時間制で公開しており、1時間以内6,000円、12時間以内45,600円です。データセット1,200円〜などの費用が別にかかります。

方法特徴公開例
NC切削(ワックス・金属)時間制料金、面がきれい日本アイボリー 1時間以内6,000円
3Dプリント(鋳造用レジン)複雑な形に強い、24時間以内に原型Formlabs 鋳造用レジン3種
金属3Dプリント型を経ず金属で直接出力DMM.make SUS316L 1cm³あたり1,936円〜

Formlabsは鋳造用レジンの使い分けを公開しています。繊細な形にはCastable Wax、中〜重量のある形には最大5mm厚まで鋳造できるTrue Castが挙げられています。

3Dプリントした原型は、そのまま鋳造するか、ゴム型を取って量産に使います。数量が少なければ直接鋳造、数十個以上ならゴム型が一般的です。

データ作成時の制約

データ上で作れる形と、鋳造で作れる形は同じではありません。工場が公開している肉厚とサイズの条件に合わせて設計します。

日本アイボリーはワックスで最低0.7mmの厚みが必要とし、シルバーの鋳造可能サイズを最大縦13cm×横6cmと公開しています。

  • 最小肉厚:ワックスで0.7mm(日本アイボリー)
  • 最大サイズ:縦13cm×横6cm(同社、シルバー)
  • 中空:金属3DプリントのSUS316Lは中空不可(DMM.make)
  • メッシュ:閉じた形状(穴のないソリッド)で出力する
  • 単位:mmで作成し、実寸で出力する
  • 刻印:品位表示とブランドマークの位置を確保する

DMM.makeは、細かい突起は再現できるが細長い形状は不向きとし、STLデータのトレランス設定が重要と説明しています。曲面の粗さは、出力時のメッシュ精度で決まります。

重量もデータで見積もれます。日本アイボリーは、ワックス重量の約10倍がシルバー925の重量になると案内しており、体積から地金代の目安を出せます。

縮みと寸法の補正

データの寸法どおりに製品ができるわけではありません。ゴム型を取ると縮みが生じ、鋳造と研磨でも寸法が変わります。

日本アイボリーは、140度で焼成する量産シリコンゴム型は約5%の縮みが発生し、常温シリコンゴム型は縮みがほとんどないと公開しています。

  • 量産シリコンゴム型:約5%縮む(日本アイボリー)
  • 常温シリコンゴム型:縮みがほとんどない、料金は約2倍
  • リングの内径:JIS S4700は号数ごとのサイズ棒の直径を定める(サイズ棒の許容差±0.02mm)。鋳造後に真円出し(同社3営業日)
  • 研磨:表面を削るため、薄い部分はさらに薄くなる

縮みの補正をデータ側で行うか、工場側で行うかを決めます。リングは鋳造後の真円出しで内径を合わせられるため、号数の指定を優先します。

Formlabsは、True Castレジンは熱膨張率が低く収縮も最小限と説明しています。直接鋳造なら、ゴム型の縮みは発生しません。

データの所有と保管

持ち込んだデータと、工場が修正したデータの所有をはっきりさせます。追加発注や他社への切り替えのときに、データを使えるかが変わります。

日本アイボリーはデータ保管期間を1年間と公開しています。三雄工芸は原型とゴム型を納品時に返却し、約半年以上発注がない型は廃棄すると公開しています。

  • 入稿データの所有:依頼者
  • 工場が修正・追加したデータの所有:契約で決める
  • 保管期間:日本アイボリーは1年間
  • 原型・ゴム型:三雄工芸は納品時に返却
  • 第三者提供の禁止:デザインの流用を防ぐために書面に入れる

製造委託には取適法(中小受託取引適正化法)が関わります。公正取引委員会は発注書面の交付と受領後60日以内の支払期日を委託事業者の義務として示しています。

見積もりに必要な情報と流れ

データ入稿の見積もりは、データ自体に加えて素材、数量、仕上げの情報が必要です。CASTYは3Dデータのアップロードで自動見積もりを行うと公開しています。

データがない場合は、スケッチや画像から3Dモデリングを行う会社もあります。ENCODEはOEM製造サービスでその対応を、日本アイボリーはRhinocerosとJCADでのCAD設計を案内しています。

  1. データ(STLまたはOBJ)と元のCADファイルを用意する
  2. 素材、数量、仕上げ、刻印を決める
  3. 肉厚とサイズが工場の条件に合うか確認する
  4. 見積もりを取る(数量別に複数案)
  5. 原型を出力し、実物で形と重量を確認する
  6. 直接鋳造かゴム型かを決めて量産する

原型の出力後は、実物での確認が必要です。画面上では見えない厚みの不足や、着けたときの当たりは、実物でしか分かりません。

原型出力後の確認項目

出力した原型は、量産前の最後の確認点です。ここで承認した形がゴム型になるため、確認項目を決めて一度で済ませます。

確認は、寸法、重量、表示、着け心地の4つに分けると漏れが減ります。

  • 寸法:リング内径(JIS S4700の号数)、ペンダントのバチカン内径
  • 重量:ワックス重量の約10倍がSV925の重量(日本アイボリー)、地金代の目安
  • 表示:品位表示とブランドマークの位置と大きさ、造幣局証明の面積
  • 着け心地:角の当たり、ポストやバチカンの位置
  • 強度:0.7mm前後の薄い部分、細い突起の根元

修正が出た場合は、データを直して再出力します。日本アイボリーのNC彫刻は時間制料金のため、修正回数がそのまま原型費に反映されます。

承認後は、データのバージョンを固定します。工場と自社で同じファイルを保管し、追加発注時に取り違えないようにします。

ゴム型を取る場合は、承認した原型が型の元になります。原型は返却か保管かを決め、三雄工芸のように返却する工場では自社で保管します。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

ジュエリー工場に持ち込める3Dデータの形式は何ですか?

STLが中心です。CASTYはSTLとOBJに対応すると公開し、日本アイボリーはSTLで出力できれば切削費を抑えられると案内しています。修正に備えて元のCADファイルも保管します。

3Dデータの肉厚はどれくらい必要ですか?

工場の条件によります。日本アイボリーはワックスで最低0.7mmの厚みが必要とし、シルバーの鋳造可能サイズを最大縦13cm×横6cmと公開しています。

データの寸法どおりに製品はできますか?

縮みがあります。日本アイボリーは焼成する量産シリコンゴム型で約5%縮み、常温型はほとんど縮まないと公開しています。リングは鋳造後の真円出しで内径を合わせます。

持ち込んだ3Dデータは工場に保管されますか?

会社によります。日本アイボリーはデータ保管期間を1年間と公開しています。工場が修正したデータの所有と、第三者提供の禁止は書面で決めておきます。

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