切削加工の試作・小ロット · 用途別
難削材・ミクロン精度の切削試作を頼む|チタン・インコネルを削る会社と、精度の数字の読み方【2026年版】
チタン・インコネル・ハステロイなどの難削材や、ミクロン単位の公差が要る部品を切削で試作したいときに頼める会社を、公式に出している精度の数字、対応材質、設備、検査の体制で整理しました。
航空機や半導体装置、医療機器の部品では、難削材をミクロン単位の公差で削る試作が求められます。こうした部品は、扱える会社が限られ、会社選びで仕上がりが大きく変わります。
このページでは、難削材と高精度を公式に打ち出している会社を比べ、精度の数字の読み方も整理します。
難削材と高精度を打ち出している会社
難削材の対応と精度の数字を、公式の表記どおりに並べます。精度は多くの会社が形状や材質で変わると注記しています。
| 会社 | 所在地 | 精度の表記 | 難削材の記載 |
|---|---|---|---|
| 友栄精密 | 大阪府 | 輪郭精度±2μオーダー | チタン、ハステロイ、インコネル |
| 関東精密 | 神奈川県 | 1/1000㎜の高精度対応 | 64チタン、インコネル600 |
| ニッシン | 東京都 | 1000分の1ミリ単位 | チタン合金、特殊鋼・合金鋼 |
| CHAMPION CORPORATION | 大阪府 | ミクロン単位(研削でさらに高精度) | インコネル、ハステロイ、工具鋼 |
| 今橋製作所 | 茨城県 | 記載なし | インコネル、ハステロイ、チタン |
| 愛和精密製作所 | 栃木県 | ウォータージェットでSUS10mm厚±0.1程度 | インコネル、64チタン |
精度の数字と難削材の両方を出している会社から当たると、問い合わせの往復が減ります。
友栄精密:難削材を5軸で、試作から量産まで
友栄精密は大阪府富田林市の精密加工会社で、トップページに輪郭精度±2μオーダーの精密試作部品を作ると書いています。FAQでは、空調機圧縮機部品などで随時2〜3ミクロンのオーダーに対応してきたと答えています。
- チタン、ステンレス、ハステロイ、インコネルが切削可能。SUS304・SUS316系が得意
- マシニングφ10〜φ850mm、旋盤φ約3〜φ約350mm・長さ300mm
- 1個から発注でき、量産は100個〜10000個程度
- 熱処理・表面処理は協力工場のネットワーク
試作の後に同じ会社で量産まで進めたい難削材部品に向きます。納期と見積日数の数字はないため、図面を用意して相談する前提です。
関東精密:検査治具で培った積み上げの精度
関東精密は、創業時からゲージや検査治具を作ってきたため、部品単体の精度を高く加工する考え方を基本にしていると書いています。1/1000㎜の高精度対応をうたい、試作1点から受けます。
| 項目 | 公式の記載 |
|---|---|
| 対応サイズ | 角物 最小10㎜〜最大X1000×Y500×Z500㎜、丸物〜400Φ、〜20Kg |
| 材質の例 | 64チタン、インコネル600、SUS303・304・316・630、アルミ鋳物 |
| 図面なし | 現物を3Dスキャナーで読み取り再現 |
| 事例の納期 | 2週間〜4週間程度(事例) |
精度と図面なし対応の両方が要る、現物しかない精密部品の再製作にも向きます。
ニッシン・CHAMPION:研削と熱処理を持つ会社
ミクロン単位の精度は、切削だけでなく研削で仕上げることがあります。研削や熱処理を自社で持つ会社は、工程をまたいでも精度を管理しやすくなります。
- ニッシン: 切削・研削で1000分の1ミリ単位。多品種小ロット品でも24時間加工、全数検査、ISO9001・ISO14001
- CHAMPION CORPORATION: 単品1個から。旋盤・自動盤53台、フライス・MC8台、社内に熱処理・表面処理設備、恒温(22℃±2℃)の検査室
熱処理で硬さを出す鋼材部品や、研削仕上げが要るピン・軸は、こうした会社が向きます。
今橋製作所・愛和精密製作所:難削材を急ぐ
難削材でも日数を縮めたい場合は、短納期を打ち出す会社が候補です。それぞれ公式に次のように書いています。
| 会社 | 急ぎに関する公式の記載 |
|---|---|
| 今橋製作所 | 最短当日受付・当日出荷(基準材質はSS・S45C・AL・SUS・Cu)。全受注の約6割が納期1週間以内。インコネル・ハステロイ・チタンの切削にも実績 |
| 愛和精密製作所 | 高精度な物はウォータージェットで粗取りしてマシニングで仕上げる。超短納期をうたう |
愛和精密製作所のウォータージェットは、条件によっては後加工不要の精度が出せるとし、SUS10mm厚で±0.1程度としています。最終の公差はマシニングの仕上げで決まるため、厳しい箇所を図面で明確にしてください。
極小・微細部品で精度が要る場合
数mm以下の小さな部品では、精度に加えて、小さな工具を扱う設備と技術が要ります。微細な加工を公式に打ち出している会社は次のとおりです。
| 会社 | 微細加工についての公式の記載 |
|---|---|
| 牧野精工 | 最小0.6mm(米粒の30分の1サイズ)の極小パーツ。1mm以下の小径部品を最短1週間以内 |
| 八木製作所 | ミクロン単位での超精密加工・微細加工の事例 |
| 大日精機 | 高速マシニングセンターでΦ0.5の小径ボールエンドミルによる高精度加工 |
| アスク | 得意領域は米粒大(約1mm)〜手のひらサイズ(約150mm)の小物部品 |
小さな部品は、測定にも専用の機器が要ります。図面の寸法だけでなく、どう測って合否を決めるかも事前に相談してください。
試作と量産で精度をそろえる
試作では精度が出ても、量産で別の会社に移ると仕上がりが変わることがあります。量産まで同じ会社で見られるかを、試作の段階で確かめておくと安心です。
- 友栄精密: 1個から、量産は100個〜10000個程度
- 八木製作所: 1個から、10個〜10000個程度
- CHAMPION CORPORATION: 大ロットは量産に強い協力メーカーで対応
試作と量産の加工条件をそろえられれば、評価の結果をそのまま量産に引き継げます。
精度の数字を読むときの注意
公式の精度の数字は、そのまま全部の部品に当てはまるわけではありません。読むときは次の点に気をつけてください。
- 形状・材質によると注記されている数字は、条件がよいときの値
- 輪郭精度や同軸度など、どの種類の精度かを確かめる
- トップページの表記と、FAQの実績の数字は分けて読む
- 樹脂と金属では、出せる精度が違う
友栄精密もFAQでは、加工内容によって異なるため図面を用意して相談するよう書いています。数字は会社を絞る目安にし、最終的には自分の図面で確かめてください。
検査と温度管理を確かめる
ミクロン単位の部品では、測る環境が仕上がりを左右します。温度で金属が伸び縮みするためです。
- CHAMPION CORPORATION: 恒温(22℃±2℃)の検査室
- ニッシン: 全数検査、三次元測定機などの測定器
- 永和工業: 三次元測定機と、検査機器のJQAでの年1回校正
- アスク: 公差部に実測値を1/100単位まで記入
検査成績書が必要なら、見積の段階で項目を伝えてください。測定の項目と方法を先に決めておくと、受け入れの判断がぶれません。
難削材の費用が上がる理由
難削材は、同じ形でもアルミや一般の鋼材より費用が上がるのが普通です。主な理由は次のとおりです。
- 工具の摩耗が早く、工具代がかさむ
- 切削の速度を落とすため、加工時間が長くなる
- 材料そのものが高価で、入手に日数がかかることがある
- 熱で変形しやすく、仕上げの工程が増える
強度や耐熱の条件が許すなら、試作の一部を削りやすい材料で先に確かめる方法もあります。
依頼の前にそろえる情報
難削材・高精度の試作では、次の情報を最初にそろえてください。
- 材料の記号と、材料証明(ミルシート)の要否
- 精度が厳しい箇所と、その精度の種類(寸法・同軸度・平面度など)
- 熱処理・表面処理の有無と順番
- 検査成績書の項目
- 数量と、量産の見込み
情報がそろっていれば、加工会社は工程と検査の段取りを最初から組めます。
難削材の精密部品は、数字と体制の両方で選ぶ
- 難削材をミクロン単位で: 友栄精密
- 現物しかない精密部品: 関東精密
- 研削・熱処理込み: ニッシン、CHAMPION CORPORATION
- 難削材を急ぐ: 今橋製作所、愛和精密製作所
難削材をミクロン単位で削るなら友栄精密、現物しかない精密部品なら関東精密、研削や熱処理込みならニッシンやCHAMPION CORPORATIONが候補です。急ぐなら今橋製作所や愛和精密製作所に、材料の手配から相談してください。
この記事に出てくる会社
参照元
よくある質問
チタンやインコネルを1個から削ってもらえますか?
頼めます。友栄精密は1個でも発注でき、チタン・ハステロイ・インコネルが切削可能と書いています。関東精密も試作1点から、64チタンやインコネル600を扱います。
ミクロン単位の精度を出せる会社はどこですか?
公式の表記では、友栄精密が輪郭精度±2μオーダー、関東精密が1/1000㎜、ニッシンが1000分の1ミリ単位、CHAMPION CORPORATIONが切削でミクロン単位としています。いずれも形状や材質で変わるため、図面で確かめてください。
難削材を急いで削ってもらえますか?
今橋製作所はインコネル・ハステロイ・チタンの切削に実績があり、最短当日受付・当日出荷もうたっています。ただし当日出荷の基準はSS・S45C・AL・SUS・Cuで、難削材は材料の入手に日数がかかることがあるため、手配から相談してください。
【用途別】切削加工の試作会社おすすめ3選
金属の小物を1個、とにかく早く手に入れたいなら
株式会社アスク
見積最短1時間、最短当日出荷、平均リードタイム4日。旋盤から5軸、放電まで社内一貫
大阪府枚方市の部品加工会社で、見積回答は最短1時間、出荷は最短当日、平均リードタイムは4日と公式に書いている。旋盤・5軸マシニング・放電・板金・溶接を社内で行い(表面処理・熱処理は協力工場で手配)、年間約13,000件の実績がある。単品1個から受け、得意は米粒大(約1mm)から手のひらサイズ(約150mm)の小物部品。
PEEKやPOMなど、樹脂部品の試作を急ぐなら
湯本電機株式会社
最短納期1.0日、見積最短2時間。汎用樹脂からスーパーエンプラまで35種類以上を常時在庫
大阪市東成区のプラスチック切削加工の会社で、最短納期1.0日、見積は最短2時間と公式に記載している。汎用樹脂からスーパーエンプラまで35種類以上の材料を常時在庫し、PEEK・PPS・MCナイロン・POMなどに対応する。5軸加工機、NC旋盤、マシニングセンタを持ち、年間18,000品目以上を加工している。
チタン・インコネルなどの難削材を、ミクロン単位で削るなら
株式会社友栄精密
輪郭精度±2μオーダー。チタン・ハステロイ・インコネルを5軸で、1個から量産まで
大阪府富田林市で1960年に創業した精密加工会社で、トップページに輪郭精度±2μオーダーの精密試作部品を作ると記載している。FAQでは空調機圧縮機部品などで随時2〜3ミクロンのオーダーに対応してきたと答え、チタン、ステンレス、ハステロイ、インコネルが切削可能とする。1個でも発注でき、量産は100個〜10000個程度まで受ける。
自社の部品に合う切削加工会社を、無料で相談する
部品の材質・おおよその大きさ・必要な公差、数量と希望納期、図面の有無(3D・2D・手書き・現物)、表面処理や熱処理の要否を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載会社へ匿名で概要を伝え、見積の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。