ショットブラスト機 · 用途別
熱処理・鍛造のスケール除去に使うショットブラスト機|テーブル・タンブリング・コンベアの選び方
熱処理品・鍛造品の酸化スケールや鋼材の黒皮・錆をショットブラストで落としたい工場向けに、新東工業(SNTX・SNBX)、サンポー、伊藤機工(ディスケーリング)、三龍社、JFEプラントエンジなどの機種と投射材の選び方を公式情報で整理します。
熱処理や鍛造のあとの部品には、黒い酸化スケールが付きます。スケールが残ったままでは、機械加工やめっき・塗装の品質に影響するため、ショットブラストで落とすのが一般的です。
このページでは、熱処理品・鍛造品のスケール除去を公式に用途として挙げているメーカーを整理します。
スケール除去を用途に挙げている会社
| メーカー | 公式に書かれた用途・事例 | 形式 |
|---|---|---|
| 新東工業 | SNTXの用途にスケール落とし、対象に熱処理品・鍛造品 | テーブル、ドラム、ゴムエプロン |
| サンポー | 鍛造品の酸化スケール除去用の導入事例 | 反転式バレル型 |
| 伊藤機工 | IMTの用途に中小型製品のディスケーリング、ICRに長尺物・H鋼・平板のディスケーリング(錆落し) | マルチテーブル、コンベア、ディスケーリング機 |
| 三龍社 | 熱処理後の酸化スケールの剥離、製缶品の黒皮落とし | クレーン、ハンガー、エプロン |
| JFEプラントエンジ | 鋼板の下地処理・スケール除去 | 鋼板ライン |
| 太洋マシナリー | 4000Wプレートディスケーラーの導入事例 | 鋼板用 |
伊藤機工は、表面処理装置としてショットブラストマシンとは別にディスケーリングマシンも製造していると会社概要に書いています。スケール除去の量が多い工場は、専用機の有無も確認してください。
熱処理品・鍛造品は打痕と量のバランス
熱処理品や鍛造品は重さがあり、ドラムでかき混ぜると製品同士が当たって打痕が付くことがあります。打痕を嫌うか、量を優先するかで形式が分かれます。
- 打痕を嫌う:新東工業SNTXは、テーブルの上に製品を並べて処理するため製品同士の接触による打痕が付かないと説明
- 量を優先:新東工業SNBXはエンドレスゴムエプロンのタンブリング処理で、スケール除去や付着物除去に使う
- 鍛造品の事例:サンポーは鍛造品の酸化スケール除去用に反転式バレル型を納めた事例を掲載
- 中小型品:伊藤機工IMTは中小型製品のディスケーリングを能率的に行うコンパクト設計
新東工業のSNTXは、テーブルが自転しながらスライドして全ての製品にまんべんなく当てるため、製品の位置替えが不要と説明しています。表裏を同時に処理する治具もオプションで用意しています。
テーブル式の大きさの目安
熱処理品や鍛造品をテーブル式で処理する場合は、1回に載せられる大きさと重さが処理能力を決めます。新東工業のSNTXの公式の数値は次のとおりです。
| 機種 | 最大処理製品サイズ(テーブル径) | 最大処理重量 |
|---|---|---|
| SNTX-Ⅰ | Φ800×H400mm | 400kg |
| SNTX-Ⅱ | Φ1,200×H600mm | 700kg |
| SNTX-Ⅲ | Φ1,500×H600mm | 700kg |
製品をテーブルに何個並べられるかで、1回あたりの処理数が決まります。製品の寸法と1日の数を伝えて、必要な台数と大きさを提案してもらってください。
鋼板・長尺物のスケールはコンベアで流す
鋼板やH鋼、長い棒材のスケールは、コンベアで流しながら上下から当てる方式が使われます。
- 伊藤機工 ICR:ローラーコンベアで投射室へ運び、上下の投射装置でショット。搬送速度はインバーターで変更可能
- JFEプラントエンジ:鋼板の下地処理・スケール除去から塗装まで。投射量100〜1,500kg/min
- 太洋マシナリー:4000Wプレートディスケーラーの導入事例
- ニッチュー:プレート・鋼板処理用のAF-114
鋼板の処理は塗装前の下地づくりと一体で考えることが多いため、鉄骨・鋼板の用途別ページも参考にしてください。
スケール除去の仕上がりを左右する投射材
スケールを落とすには、ある程度の硬さと角のある投射材が使われます。サカヱ工業は、グリットを丸い研掃材を破砕して角を持たせた金属粒と説明しています。
| 投射材 | 公式の説明 | 使い分けの目安 |
|---|---|---|
| グリット | 破砕して角を持たせた小さな金属粒(サカヱ工業) | スケールを削り落とす、表面を粗す |
| ショット | 丸い鋼球(サカヱ工業) | 表面をならす、ピーニング |
| カットワイヤー | 鋳鋼ショットの数十倍の寿命(サカヱ工業) | 寿命を重視する処理 |
処理後にめっきや塗装をする場合は、必要な面の粗さを先に決めておくと、投射材を選びやすくなります。
製缶品・溶接構造物の黒皮落とし
鋼板を曲げたり溶接したりして作る製缶品や溶接構造物も、塗装の前に黒皮や錆を落とします。形が大きく複雑なため、吊って回す形式がよく使われます。
- 三龍社:製缶品の黒皮落としを用途に挙げ、クレーンブラストで製品を吊ってXYZの3方向に動かしながら回転
- 太洋マシナリー TCR:溶接構造物などの大物を1つの工程で処理
- 伊藤機工 ILH:大物鋼材の塗装前用ショット
- ニッチュー:クレーンタイプHDF-651、ハンガータイプSHF-8C・FHF-16SN
溶接構造物は内側に投射材がたまりやすいので、処理後に投射材を抜く方法もあわせて確認してください。
ディスケーリング向けの機種をそろえる会社
スケール除去の量が多い工場では、ディスケーリングを前提にした機種を持つ会社に相談すると、提案が具体的になります。伊藤機工は次のシリーズを掲載しています。
| シリーズ | 形式 | 公式の用途 |
|---|---|---|
| IMT | マルチテーブル式 | 中小型製品のディスケーリング、砂落とし、バリ取り、ピーニング |
| ICR・ICRP | コンベア式 | 長尺物・H鋼・平板のディスケーリング(錆落し)、塗装・めっき前処理 |
| IDFN | ディスケーリング | 製品ページあり |
| ILH | クレーン式 | 鋳物の砂落、大物鋼材の塗装前用ショット、バリ取り |
伊藤機工は表面処理工場で受託加工も行い、サンプルテストにも対応しています。スケールの厚さは熱処理の条件で変わるため、実物でのテストが確実です。
テストと受託で処理条件を決める
スケールの落ち方は、熱処理の温度や時間、材料で変わります。テスト加工や受託加工の窓口を持つ会社で、実際の製品を処理して条件を決めてください。
- 新東工業:加工サービス「ロルコセンター」でテスト加工・試作・量産加工
- 伊藤機工:受託加工でサンプルテストに対応
- 不二製作所:エアーブラストのサンプルテスト加工(来社立ち会い・郵送)
- サンポー・三龍社:テスト加工の記載はなく、問い合わせで確認が必要
後工程に合わせて面の状態を決める
スケールを落としたあとに何をするかで、必要な面の状態が変わります。後工程の担当者と、求める状態を先にすり合わせてください。
| 後工程 | 求められることが多い状態 | 公式に用途として挙げている例 |
|---|---|---|
| 機械加工 | スケールが残らず、刃物を傷めない | 新東工業 SNTX(対象に熱処理品・鍛造品・機械加工品) |
| めっき | スケールや錆がなく、均一な面 | 伊藤機工 ICR(塗装・めっき前処理) |
| 塗装 | 塗料が付きやすい適度な粗さ | 新東工業 SNTX(用途に面粗し)、JFEプラントエンジ(塗装まで一体のライン) |
面の状態は、投射材の種類と大きさ、処理時間で調整します。テスト加工のときに、後工程の基準で合否を判断してもらうと確実です。
スケール除去で機械を選ぶ手順
スケール除去は、処理する製品の形と、後工程が何かで条件が決まります。次の順で整理してから相談してください。
- 製品の形(小物、中物、鋼板・長尺物)と1日の数を出す
- 打痕を嫌うかどうかで、テーブル式かタンブリング式かを決める
- 後工程(機械加工、めっき、塗装)に必要な面の状態を決める
- 投射材の種類と大きさの候補を出す
- テスト加工でスケールの残りと処理時間を確かめる
熱処理品・鍛造品の中小型なら新東工業や伊藤機工、鍛造品の専用設計ならサンポー、鋼板ならJFEプラントエンジや伊藤機工のコンベア式が入口になります。
この記事に出てくるメーカー
- 株式会社不二製作所エアー式とテスト加工
- 伊藤機工株式会社大物の砂落としと受託テスト
- JFEプラントエンジ株式会社鋼板の下地処理ライン
- 株式会社ニッチューショットもエアーも一社で
- サカヱ工業株式会社ピーニング・専用機の設計製作
- 株式会社サンポー投射配置から設計する専業
- 株式会社三龍社大物鋳物のクレーンブラスト
- 新東工業株式会社形式の幅と鋳砂の分離
- 太洋マシナリー株式会社大物・重量鋳物の砂落とし
参照元
よくある質問
熱処理品のスケールは打痕なく落とせますか?
新東工業のテーブル式SNTXは、テーブルに製品を並べて処理するため製品同士の接触による打痕が付かないと説明しています。量を優先するならゴムエプロン式やバレル式も候補です。
鍛造品の酸化スケール除去の事例はありますか?
サンポーは、鍛造品の酸化スケール除去用に反転式バレル型ブラストマシンを納めた導入事例を公式に掲載しています。
ディスケーリング専用の機械はありますか?
伊藤機工は、ショットブラストマシンとは別にディスケーリングマシンを製造していると会社概要に書いており、コンベア式ICRは長尺物・H鋼・平板のディスケーリングに使えます。
【用途別】ショットブラスト機メーカーおすすめ3選
鋳物の砂落とし・小物〜中物の量産なら
新東工業株式会社
ドラム・テーブル・エプロン・ハンガーを1社で。鋳砂を分けるドラム機も
テーブル式SNTX(最大Φ1500×H600mm・700kg)、ドラム式CNDX・CND・STB、ゴムエプロン式SNBX、ハンガー、モノレールまでそろえる。ドラム式CNDP-Ⅱはマグネットセパレータを積み、砂分離性能95%向上(公式の一例)。加工サービス「ロルコセンター」で表面処理のテスト加工・試作・量産加工を受ける。
大物・長尺物をクレーンやコンベアで研掃するなら
伊藤機工株式会社
クレーン・トロリー・ハンガー・コンベアまで。受託加工でサンプルテスト
テーブル式・マルチテーブル式・ドラム式・バレル式・エプロン式・ロータリーハンガー式・トロリー式・クレーン式・コンベア式・エアー式をそろえる。クレーン式ILHは製品を吊って投射ゾーン内で自転させ、鋳物の砂落としや大物鋼材の塗装前処理に使う。表面処理工場で受託加工を行い、サンプルテストにも対応する。
精密部品・金型・樹脂の下地処理やピーニングをエアーで行うなら
株式会社不二製作所
エアーブラスト専業。重力式・直圧式からピーニング、受託加工まで
SG重力式、FD直圧式(重力式と比べ加工時間が大幅に短いと説明)、SF省スペース型の手動機から、自動回転テーブル・自動台車テーブル・大型ブラストルームまでそろえる。FDD・CDのショットピーニング装置、ウェットブラスト、ドライアイスブラストもある。サンプルテスト加工は来社立ち会いとサンプル郵送の両方に対応し、受託加工の専門工場と子会社を持つ。
自社のワークに合うショットブラスト機を、無料で相談する
処理したいワークの材質・最大寸法・質量、目的(砂落とし・スケール除去・下地処理・ピーニング)、1日の処理数、置ける場所の広さを送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載メーカーへ匿名で概要を伝え、テスト加工や受託加工の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。