アルミ加工の会社 · 用途別
アルミの架台・タンク・ケースを溶接で作る|製缶の上限サイズ、板厚、溶接資格者を公式で比較【2026年版】
アルミ板や押出材を溶接で組んで、架台・タンク・ケース・ダクトなどの構造物を作るときの会社選びをまとめます。製缶の上限サイズと板厚、対応合金、溶接資格者の人数、一貫で受ける工程を掲載会社の公式情報で比べました。
アルミの架台やタンク、ケースは、鉄で作るより軽く、さびにくい構造物になります。こうした板や形材を切って曲げ、溶接で組み立てる加工を、製缶加工と呼びます。
アルミの溶接は、鉄よりも熱で歪みやすく、技術の差が出やすい作業です。このページでは、アルミの製缶を公式に打ち出している会社を比べ、頼むときの確認点を整理します。
アルミ製缶の会社を、大きさと板厚で比べる
製缶の会社を選ぶときは、まず作れる大きさと板厚の範囲を見ます。公式に数字を書いている会社を並べます。
| 会社 | 大きさ | 板厚 | ロット |
|---|---|---|---|
| 大常アルミ工業 | 最小10cm〜最大500cm、重さ1tまで | 2〜50mm | 1点から |
| 岩本鉄工所 | 製缶品最大2m、アルミ溶接は1500×1500mmの実績 | 溶接板金1.0〜20mm(アルミ溶接はt0.5〜20mm) | 記載なし |
| Crest Precision | 手のひらサイズから電話ボックス大まで | 0.5〜6.0mm | 大物1〜10ケ程度 |
数メートルの構造物や厚板なら大常アルミ工業、2m級までの中厚板なら岩本鉄工所、薄板のケースならCrest Precisionと、得意な範囲がはっきり分かれます。
鉄の製缶との違いを押さえておく
アルミの製缶は、鉄の製缶と同じ図面で頼めるとは限りません。材料の性質が違うため、設計や工程にも違いが出ます。
| 観点 | アルミの製缶で気をつけること |
|---|---|
| 重さ | 同じ形なら鉄よりかなり軽い。運搬や設置の負担が減る |
| 強度 | 同じ板厚では鉄より弱い。板厚やリブで補う設計が必要になる |
| 溶接 | 熱が逃げやすく、酸化皮膜もあるため、条件の管理が難しい |
| 歪み | 熱で伸び縮みしやすく、溶接後の歪み取りが必要になりやすい |
| さび | 赤さびは出ないが、環境によっては腐食するため表面処理を検討する |
鉄で作っていた架台をアルミに置き換える場合は、板厚や補強の見直しが必要です。強度の計算を含めて相談したいときは、用途と荷重を最初に伝えてください。
アルミと鉄の両方を扱う製缶の会社なら、材料の置き換えの相談もしやすくなります。岩本鉄工所は、建設機械やマテハン向けの製缶板金を主な事業としながら、アルミの製缶板金にも取り組んでいます。
大常アルミ工業:数メートルの製缶を1点から
横浜市都筑区の大常アルミ工業は、アルミ製缶板金とアルミ溶接を専門とする会社です。公式サイトで、加工できる範囲と対応合金を細かく公開しています。
- 大きさは最小10cmから最大500cm、板厚2〜50mm、重さ1tまで
- ロットは1点から。図面と納期によって小ロット生産も可能
- 対応材質はA1100・A1070・A1050・A3003・A5052・A5056・A5083・A6061・A6063・A7075などを例示
- 従業員9名のうち、JIS Z 3811アルミニウム溶接技術資格者が5名
- TIG溶接とMIG溶接の両方を行う
- 材料調達から切断、曲げ、溶接、歪み取り、仕上げ、合わせ確認まで一貫
実績には、インフラ設備、電力ケーブル、鉄道車両、船舶関連などを挙げています。横浜市の小中学校のプールの製作やメンテナンスも手がけていると書いています。
岩本鉄工所:中厚板の溶接構造品を溶接ロボットと職人で
石川県小松市の岩本鉄工所は、建設機械や物流搬送装置の製缶板金を手がける会社で、アルミの製缶板金にも取り組んでいます。建設機械などの製缶板金で使う設備と体制を、アルミにも生かしています。
- 溶接板金の板厚1.0〜20mm、最大2mの製缶品に対応
- 取り扱うアルミ材は1000・2000・5000・6000番台。A1100・A5052・A6063の実績が多い
- 溶接技術者と5台の溶接ロボットで製缶板金品を製作
- トルンプ製のレーザー切断機とベンダーを保有
- ISO9001・ISO14001を取得
中厚板のアルミは、薄板とは別の難しさがあると同社のコラムは解説しています。板厚が10mmを超えるような構造物では、厚板の実績がある会社を選んでください。
押出材や形材を組む場合
架台やフレームは、板ではなく押出材や形材を切って溶接で組むことも多くあります。押出から組立までを1社で受ける会社もあります。
| 会社 | 公式の記載 |
|---|---|
| アルミファクトリー | 押出形材の提案から削り出し、TIG溶接、曲げ、組立まで。4500坪の敷地内で一貫生産 |
| 加藤軽金属工業 | 押出は社内、穴あけ・カット・組立などは協力会社と連携して一括手配 |
| 大常アルミ工業 | 実績にアルミフレーム、アルミ枠、架台、パイプ |
専用の断面が必要なら押出から、市販の形材で足りるなら製缶の会社に直接相談するのが早道です。断面の形で強度と重さが決まるため、用途を伝えて提案をもらってください。
溶接資格者と品質の確かめ方
アルミの溶接品質は、作業者の技能に大きく左右されます。公式に有資格者の人数を書いている会社は、品質の目安として参考になります。
| 会社 | アルミ溶接の資格者(公式の記載) |
|---|---|
| 大常アルミ工業 | JIS Z 3811アルミニウム溶接技術資格者5名 |
| 鈴木製作所 | JIS Z 3811アルミニウム溶接技能者資格2名 |
JIS Z 3811は、アルミニウムの溶接技能を確かめる資格として各社が挙げています。資格の種類や人数は、見積のときに確認しても失礼にはあたりません。
資格者の人数に加えて、似た製品の実績があるかも聞いてみてください。気密や強度が要る構造物では、検査の方法まで決めておくと受け入れがスムーズです。
歪みへの対策を事前に確かめる
アルミの製缶で最も多いトラブルが、溶接の熱による歪みです。各社が公式に説明している対策の考え方をまとめます。
- 大常アルミ工業: 溶接のスピードや電流・電圧を計算し、歪みを予測して最小限に抑える。工程に歪み取りと合わせ確認を含める
- Crest Precision: 溶接条件を最適化して歪みを小さくし、強度と歪みのどちらを重視するかで溶接方法を選ぶ
- 岩本鉄工所: 中厚板では事前の溶接プロセスの検討と熟練者の作業が欠かせないと解説
寸法の精度が要る面は、溶接の後に機械加工で仕上げる方法もあります。どの面に精度が要るかを図面で示せば、工程を提案してもらえます。
製缶品を頼むときの確認表
製缶品は、図面だけでは分からない条件が多くあります。依頼のときに、次の表の項目を埋めて送ってください。
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 用途 | 架台、タンク、ケース、ダクトなど。中に入れるものや載せるもの |
| 合金と板厚 | A5052の6mm、A6063の形材など |
| 大きさと重さ | 外形寸法と、完成品の重さの上限 |
| 溶接の条件 | 気密・水密、強度、外観の要求 |
| 精度 | 平面度や穴位置など、精度が要る箇所 |
| 仕上げ | アルマイト、塗装、ヘアラインなど |
| 運搬 | 配送先、荷下ろしの方法 |
大常アルミ工業は、横浜・横須賀・相模原・東京を自社で配送すると書いています。大物の構造物は運賃も費用に響くため、配送の条件を見積の段階で確かめてください。
製缶の相談先をひと目で整理
最後に、作りたいものごとの相談先を整理します。大きさと板厚を基準に選ぶと、候補を2社程度に絞れます。
- 数メートルの架台・タンク・プールのような大物を1点から: 大常アルミ工業
- 中厚板の溶接構造品を、溶接ロボット5台の体制で: 岩本鉄工所
- 板厚6mmまでのケースや筐体を歪み少なく: Crest Precision
- 専用断面の押出材から組み立てまで: アルミファクトリー
同じ構造物でも、板で組むか形材で組むかで費用は変わります。複数の作り方を比べられるよう、用途と荷重の条件を伝えて相談してください。
設置場所が屋外か屋内かも、表面処理の選び方に関わります。
この記事に出てくる会社
- アルミファクトリー株式会社小ロット押出から組立まで
- Crest Precision株式会社薄板アルミ溶接の専用窓口
- 大常アルミ工業有限会社大物のアルミ溶接・製缶に
- 株式会社岩本鉄工所中厚板アルミの製缶に
- 加藤軽金属工業株式会社押出試作の日数が明確
- 株式会社鈴木製作所薄板アルミの板金と溶接に
参照元
よくある質問
アルミの架台を1点だけ作れますか?
作れます。大常アルミ工業はアルミ製缶を1点から受け、最大500cm、板厚2〜50mm、重さ1tまでに対応すると公式に書いています。
アルミの溶接で歪みは出ませんか?
アルミは熱で歪みやすい材料です。大常アルミ工業は溶接条件を計算して歪みを予測し、歪み取りと合わせ確認を工程に含めています。精度が要る面は、溶接後に機械加工で仕上げる方法もあります。
厚いアルミ板の溶接構造品はどこに頼めますか?
大常アルミ工業は板厚50mmまで、岩本鉄工所は溶接板金で板厚20mmまで、最大2mの製缶品に対応すると書いています。
【用途別】アルミ加工の会社おすすめ3選
アルミの切削部品を、アルマイト込みで1個から頼みたいなら
株式会社トクヨシ精機
A5052・A6061・A7075を1〜2,000個。平均2週間以内、最短即日。アルマイトや無電解ニッケルも一括で手配
埼玉県川口市で1970年に創業した精密加工会社で、アルミ切削加工の専用ページにA5052・A6061・A7075を中心に1〜2,000個の小ロットを受けると書いている。標準的な納期は平均2週間以内、切削部品は最短即日とし、アルマイト・三価クロメート・無電解ニッケルの表面処理と焼入れ・溶接・塗装などの前後工程を一括で手配する。
1mを超えるアルミのベースやフレームを削り出すなら
株式会社カジテック
門型5面加工機で4000×2400×1200mm。1000×1000なら平面度・平行度0.05を切削のみで
大阪府門真市のアルミ切削加工会社で、専用サイト「アルミ切削.COM」に三菱重工の5面門型マシニングセンタで4000×2400×1200mmの大物アルミを削ると記載している。1000×1000mmなら平面度・平行度0.05を切削のみで対応するとし、大物マシニング・5面加工は1〜20ケ、5軸加工は1〜50ケと加工ごとのロットを公開している。
アルミの架台・タンク・ケースを溶接で1点から作るなら
大常アルミ工業有限会社
最大500cm・板厚2〜50mm・重さ1tまで。資格者5名のTIG・MIG溶接で1点物から
横浜市都筑区のアルミ製缶板金・アルミ溶接の専門会社で、加工範囲を最小10cmから最大500cm、板厚2mm〜50mm、重さ1tまで、ロット1点からと公開している。従業員9名のうち5名がJIS Z 3811アルミニウム溶接技術資格者で、A1050からA7075まで対応する合金を番台ごとに例示している。
自社の部品に合うアルミ加工会社を、無料で相談する
部品の形(削り出し・板金・押出)、合金名とおおよその寸法、数量と希望納期、図面の有無(3D・2D・手書き・現物)、アルマイトなど表面処理の要否を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載会社へ匿名で概要を伝え、見積の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。