3比較ハブバリ取り機

バリ取り機 · 用語集

バリ取り用語集

バリ取り機の比較・選定で出てくる用語を、バリの種類・方式・装置用語・導入の4分類で解説します。一般定義は当サイトの基礎知識記事の出典に沿い、具体例は掲載メーカーの公式記載から引いています。

公開 2026年9月29日 · 40語

板厚・加工幅いたあつ・かこうはば
板金用バリ取り機のカタログで最初に見る仕様。対応板厚はワークの厚さの範囲、加工幅はコンベヤ方向と直交する最大寸法で、最も大きいワークの短辺で決める。公式記載の例は、オーセンテックのAUDEBU IQNOIAが幅〜1,219mm・厚さ0.1〜20mm、AUDEBU CXが幅〜1,500mm、アマダのIBT-V/IBT-610Ⅱが板厚0.5〜12.7mm・板幅最大600mm、富士機工のツインバリトールが板厚0.5〜12mm(6.0以上は治具要)・加工幅最大600mm、マツノシステムのコンパクトバートルが加工最大幅500mm。最小ワークサイズ(富士機工MFDB-610Nは150×150mm、AUDEBU Miniは最大300mm角)と最大ワーク高さも併せて確認する。

関連: ワーク、ベルト研磨式(研磨ベルト・ディスク・ホイール式)、ブラシ式

ウォータージェット(高圧水)バリ取りうぉーたーじぇっとばりとり
高圧水をノズルから噴射し、その噴流でバリを除去する非接触方式。深穴や交差穴など工具が届かない場所に強く、部品洗浄機と技術を共有するため切りくず除去や洗浄と同時に処理できる。スギノマシンのJCC 104 HYBRIDは高圧水(最高50MPa)と高速スピンドル(最高18,000min-1)を1台に集約し、JCCシリーズは最高245MPaで気中バリ取り洗浄と水中洗浄に対応、プレスリリースではバリ取り専用装置JDMの最高圧力を70MPaとしている。リックスのAX-300はICリードフレームの樹脂バリを高圧ウォータージェットで連続除去する装置で、水溶性液の防錆管理と、大きなバリには向かない点が注意点。

関連: 裏バリ(交差穴バリ)、切りくず、電解バリ取り

裏バリ(交差穴バリ)うらばり
穴あけの出口側や、穴と穴が交差する内部に残るバリ。工具が届かないため、電解、ウォータージェット、砥粒流動加工などの非接触式か、専用の機上工具で処理する。アクリテックは電解方式で「手作業では届かない狭く、深い穴であっても電極治具が入ればバリを除去する事が可能」、スギノマシンは「工具が届かないバリを高圧水で破壊」と記載する。野宮産業のネジリブラシ・バリネードは交差穴・タップ穴などの難所向けブラシ。

関連: ロールオーバーバリ、電解バリ取り、ウォータージェット(高圧水)バリ取り

SIer(ロボットシステムインテグレータ)えすあいやー
ロボット本体・周辺装置・治具・安全設備を組み合わせ、システムとして設計・組立・立ち上げを担う事業者。ロボットバリ取りではロボット本体よりSI費用と周辺設備の比率が大きくなることがあるため、本体・周辺機器・SI費用を分けた見積を受け取る。日本ロボットシステムインテグレータ協会は導入相談時の事前チェックシートを公開している。掲載社では津田駒工業のTRI(ツダコマ・ロボティック・インテグレーション)が設計・製作・アフターフォローをワンストップで行い、FINESYSTEMはグループ会社にロボット導入・FA支援の株式会社ROBOSYSTEMを持ち、JOHNANは前後工程を含めた自動化提案とロボット特別教育を掲げる。

関連: ロボットバリ取り、リスクアセスメント、治具(電極治具・位相決めジグ)

エッジ品質(エッジ指示・JIS B 0051)えっじひんしつ
エッジは「二つの面の交わり部」で、その仕上がり状態(バリの有無・大きさ、アンダーカットの深さ、R面かC面か)がエッジ品質。JIS B 0051では図面のエッジに「+」(バリ許容・アンダーカット不可)「−」(バリ不可)「±」(両方許容)の記号と数値を付けて許容範囲を指示し、2023年改正で名称が「製品技術文書情報―形状を定義しないエッジ―寸法の指示方法」(対応国際規格ISO 13715)になった。バリ取り機の仕上がり評価はこの指示と照らして行い、「バリなきこと」だけの図面では合格基準が決まらない。ブラシ式はエッジがR面に、研磨ベルト式は面取り状になりやすく、オーセンテックは「R面取りバリ取り機」、ワイテックは「C面取り」を対応項目として掲げている。

関連: バリ、ブラシ式、テスト加工(トライ・サンプル加工・デモ機)

遠心バレルえんしんばれる
複数(通常4個)の槽を公転・自転させるバレル研磨で、新東工業は「バレル研磨機の中では最も研磨力が強く短時間で重切削から精密仕上まで行える」と説明する。硬いバリを短時間で取りたい小物・薄物部品の第一候補。新東工業のSKC-32S型/ACF-204A型は金属・セラミック・プラスチックの小物薄物部品向け、チップトンのHS-Vシリーズは「世界初のオリジナル特許」で「超短時間研磨で精密加工を実現」と記載している。

関連: バレル研磨、振動バレル、流動バレル(重圧バレル)

加圧成形方式(削らないバリ取り)かあつせいけいほうしき
研削・研磨をせず、ローラーでバリ(返り)を押し潰して成形する方式。粉じんが出ず、シャーリングやスリッター後の返りの処理に向くが、レーザードロスの除去には研磨式が必要。富士機工のバリマスターは「研削・研磨方式でなくバリを加圧成形加工するため粉塵が出ず、4コーナー同時に成形加工」し、板厚0.6〜6.0mm・板幅25〜300mm(型式により異なる)の端面専用機。同社のMFDB-610Nは超硬ボール+ウレタンローラーで「被膜を取らずにバリを取る(2次バリなし)」平面専用機。

関連: カエリ、二次バリ、粉じん

カエリかえり
プレス・シャーリングなどのせん断加工で、ダイとポンチのクリアランスに素材が流れ込んで切断面に残る返り。薄く均一に出るため、ブラシ式で除去してR付けするか、ローラー式で押し潰す処理が一般的。マツノシステムのスカットエンドレスは「低速で弾性ラバージスクを採用しておりますので、カエリがでにくく、均一な微バリ取りが可能」と記載し、バリ取り時に新たなカエリを出さない点を売りにしている。

関連: バリ、二次バリ、加圧成形方式(削らないバリ取り)、ブラシ式

型バリ(成形バリ・鋳バリ)かたばり
鋳造・ダイカスト・射出成形・ゴム成形で、型の合わせ目(パーティングライン)の微細なすき間に素材が流れ込んで凝固したバリ。パーティングラインに沿って発生するため、トリミングで落とした後にロボットや熱、ブラスト、バレルで残りを処理する。岩城工業はアルミダイキャストのバリを金型で打ち抜く油圧プレスを、日本酸素はゴム成形品を液化窒素で脆化させて樹脂製メディアで飛ばす冷凍バリ取り装置を、NSKは樹脂成形品の縮み・狂いに追従する超音波ならいバリ取り機を掲載している。

関連: ロボットバリ取り、熱バリ取り(TEM)、ブラスト(エアーブラスト・ウェットブラスト・冷凍ブラスト)

乾式・湿式かんしき・しっしき
水を使わず集じん機で粉じんを吸う乾式と、水(湿式バレルでは水とコンパウンド)を使う湿式の区分。湿式は粉じんと発熱を抑えられ、アマダは「湿式加工で粉塵発生を抑え、作業環境を大幅に改善」と記載する一方、水タンク・廃水処理と防錆管理が必要。乾式は設備が簡素で乾燥工程を省けるが粉じん対策が要る。トーバン工業はBURRY TACK Ⅲ-CT型(乾式)とⅢ-CT-W型(湿式)を並行して揃え、マツノシステムのコンパクトバートルは乾式で集塵機の吸引でワークを固定、新東工業の乾式回転バレルEK-100型は「乾式で湿式と同等の平滑を実現」し廃水処理不要とする。

関連: 粉じん、ブラシ式、バレル研磨

切りくずきりくず
切削加工で削り取られた材料のかけら。バリとは別物だが、交差穴や深穴に残ると脱落して不具合の原因になるため、バリ取りと洗浄を同じ装置で行う方式が選ばれる。スギノマシンのJCC 104 HYBRIDは「バリ取り・洗浄の工程集約で生産性向上」を謳い、マコーのウェットブラストは「金属バリ除去と脱脂・洗浄を同時に実現」と記載している。ロボットバリ取りでは、切りくずと粉じんが関節や治具に入らないよう集じんやカバーを含めて設計する。

関連: ウォータージェット(高圧水)バリ取り、粉じん、裏バリ(交差穴バリ)

コンパウンドこんぱうんど
バレル研磨で水とともに槽に入れる潤滑材(研磨助剤)で、液体と粉末がある。研磨力向上、光沢、清浄、防錆などの目的で選び、メディアとの組み合わせで仕上がりが決まる。湿式バレルは削りかすを流し発熱を抑えられる反面、処理後の乾燥と防錆が必要になる。新東工業の用語集ではバレル研磨を「ワークとメディア(研磨石、研磨材)、コンパウンド(研磨助剤)との相対摩擦により加工を行う研磨方法」と定義している。

関連: メディア、バレル研磨、乾式・湿式

サイクルタイム(タクト)さいくるたいむ
ワーク1個(または1バッチ)の処理にかかる時間。方式で桁が変わり、公式記載の例では、大同興業のUNI-DEBURRINGがパイプ1本あたり2〜3秒、不二製作所のニューマ・ブラスターGTが樹脂成形品のバリ取り15〜20秒、岩城工業の高速ゴムバリ取り装置がOリング状製品で1サイクル約60秒、熱バリ取りは「30〜60秒のサイクルで数百個」。マコーは自動車部品のリング形状品で20分→2分、FINESYSTEMは生産性30%向上、日本酸素は処理時間最大1/50を謳う。自社ワークでの実測が必要で、テスト加工時に処理時間・消耗品の減り・段取り時間を記録してもらう。

関連: テスト加工(トライ・サンプル加工・デモ機)、段取り替え、ロボットバリ取り

治具(電極治具・位相決めジグ)じぐ
ワークを決まった位置・姿勢で固定する道具。ロボットや専用機ではワーク専用に設計するため品種数に比例して費用が増え、電解バリ取りでは電極そのものがワークごとの専用設計になる。アクリテックは「お客様のワークに合わせて独自に専用設計した電極治具」、中央製作所は電極・治具をカートリッジ方式にして「電極治具の交換はワンタッチ」、津田駒工業は位相調整ジグと2Dカメラでワークの位置割出を行うと記載する。熱バリ取りは治具が簡易で自動化しやすいとされる。

関連: 電解バリ取り、段取り替え、ロボットバリ取り

振動バレルしんどうばれる
槽に振動を与えてワークとメディアを摩擦させるバレル研磨。ボックスタイプとサークルタイプがあり、新東工業は「回転バレルの3~4倍の研磨力」で機械加工部品・プレス部品・ダイカスト部品、大物・長尺部品向けとする。チップトンのCQ/CL/CCL/CWSシリーズは「バリ取り量産加工に強い」とされ、河新の取扱品ではCCLが「研磨から簡易水洗・選別までの工程を、本機1台で対応が可能」、CWSがインライン化向けタクト研磨専用機と記載される。

関連: バレル研磨、遠心バレル、メディア

段取り替えだんどりがえ
品種を切り替える際の治具・工具・条件の交換作業。多品種少量では段取り時間が1個あたりのコストを左右するため、交換の速さが比較項目になる。オーセンテックのAUDEBU 600は「工具不要で3.5秒のブラシ交換」、中央製作所の汎用タイプECB 210-NO2-Oは「電極治具の交換はワンタッチ。一台で各種ワークに対応」、FINESYSTEMのFDM-002はATCマガジンで2種類の刃具を自動交換可能(オプション)と記載する。少品種大量なら専用機・電解・熱、多品種少量ならロボット・汎用機が向く。

関連: 治具(電極治具・位相決めジグ)、ティーチング、サイクルタイム(タクト)

中小企業省力化投資補助金ちゅうしょうきぎょうしょうりょくかとうしほじょきん
中小企業基盤整備機構が案内する補助金で、カタログに掲載された省力化製品を導入する「カタログ注文型」(補助上限は最大1,500万円)と、個別現場に合わせた設備導入・システム構築の「一般型」(補助上限は最大1億円)がある。掲載33社の中で公式製品ページに対象機種と明記しているのは富士機工のツインバリトール(BTW-600)「中小企業省力化投資補助金(カタログ型)対象機種」のみ。ロボットセルや電解装置など個別設計の設備は一般型やものづくり補助金の検討対象になる。交付決定前の契約・発注は対象外になるのが通例のため、発注時期を制度とメーカーの両方で確認する。

関連: ものづくり補助金、SIer(ロボットシステムインテグレータ)、テスト加工(トライ・サンプル加工・デモ機)

ティーチングてぃーちんぐ
ロボットにワークの形状に沿った動作を教示する作業。品種ごとに必要なため、品種が多いほど初期工数が増え、3D CADからオフラインで軌道を生成する方法が検討対象になる。ヤマハファインテックのティーチング支援ソフトは「3Dデータを取り込み加工経路を自動作成、ロボットを止めずにデータ作成が可能」で、仕上げロボット専用操作性向上パッケージにより「負担の大きいティーチング作業やデータ編集にかかる時間を大幅短縮」と記載する。先生精機の現物倣い式面取り機PLC-201のように「プログラム及び位置決め不要」を売りにする専用機は、教示工数を省く別のアプローチ。

関連: ロボットバリ取り、倣い(フローティング)、段取り替え

テスト加工(トライ・サンプル加工・デモ機)てすとかこう
導入前に自社のワークをメーカーに送るか持ち込み、実機で仕上がり・処理時間・消耗品を確認すること。本番と同じ材質・板厚・加工条件のサンプルを複数用意し、最も難しいワークと最も小さいワークの両方を送るのが確実。掲載社ではFINESYSTEMが「無償のバリ取りトライ」、野宮産業が「バリ取り・洗浄テストが無料」、オーセンテックが相模原のショールーム(11種類の機械、要予約)、トーバン工業が横浜ショールームでのサンプル研磨、マツノシステムが江南市の展示場で「常時、展示機見学、サンプル加工が可能」、新東工業がロルコセンター、豊電子工業が社内トライルーム、アマダがAGIC(90種類を超えるマシン)と、窓口の形が異なる。テスト加工・デモ機の記載が公式に無い会社(中央製作所、クロイツ、津田駒工業など)は問い合わせで確認する。

関連: ワーク、サイクルタイム(タクト)、エッジ品質(エッジ指示・JIS B 0051)

電解バリ取りでんかいばりとり
ワークを陽極、バリ取り箇所に合わせて製作した電極を陰極として電解液を流し、直流電流でバリを優先的に溶かす非接触方式。突起部に電流が集中するため平滑面はほとんど削れず、熱や力を加えないので歪みが残らず、二次バリも出ない。中央製作所は「被加工物の材質、硬度に関係なくバリ取りができます」、アクリテックは「通電性がある加工対象物であれば、材料の硬度に関係なく」加工でき、加工できるバリは「根元の厚みが0.05mm以内」と記載する。電極はワークごとの専用設計で、電解液の管理と後洗浄が付帯工程になり、リックスのAX-930はICリードフレームの樹脂バリを電解で浮かせてからウォータージェットで除去する組み合わせ。

関連: 二次バリ、裏バリ(交差穴バリ)、治具(電極治具・位相決めジグ)、熱バリ取り(TEM)

ドロスどろす
レーザー切断で溶けた金属が切断部の裏側に再固化して付着したもので、オーセンテックの解説では「切断部の裏側に付着する溶解金属」とされる。厳密にはバリと別物だが同じ後工程で処理され、亜鉛めっき鋼板やステンレス鋼は特に出やすい。バリより硬く量が多いことがあり、切断側面の酸化被膜とあわせて研削力の強い方式で落とす。オーセンテックのAUDEBU BlackLineは「酸化被膜除去や溶着ドロス除去に特化」、アマダのIBT-Vは「レーザドロス除去とR面取りに効果」、エステーリンクのメタルスライダーはドロス・バリ同時処理機と記載している。

関連: バリ、ベルト研磨式(研磨ベルト・ディスク・ホイール式)、ブラシ式

倣い(フローティング)ならい
ワークの寸法ばらつきに合わせて工具の位置や押し当て力を自動で追従させる仕組み。ロボットの位置精度だけでは鋳物のばらつきに追従できないため、ツール側を空気圧などで浮動させるフローティングツールか、ロボット側の力覚センサで実現する。FINESYSTEMのエアフロート機構は「0.01MPa単位という極めて微細なエア圧制御」で「空振り・えぐりゼロ」、豊電子工業は可変ラジアンフローチング機能、スギノマシンはラジアルフローティング加工、NSKは熱収縮や形状変化に追従する「ならい機構」、先生精機はスタイラスで現物を倣う面取り機と、各社が異なる方式で実装している。

関連: 力覚センサ、ロボットバリ取り、面取りカッター(機上バリ取り工具)

二次バリにじばり
バリ取り工程で工具がワークに触れることによって新たに発生するバリ。接触式(ブラシ・ベルト・カッター)で削りすぎたときに出やすく、熱・電解・ウォータージェットなどの非接触式は原理上発生しない。中央製作所は電解バリ取り機について「機械的バリ取りではないので、バリ取りをすることによって新たにバリやカエリを発生する事がありません」、アクリテックは「二次バリが発生しない」と記載している。接触式でも富士機工のMFDB-610Nは「2次バリなし」、NSKのミーリング・タイプは「二次バリが大幅に削減」を謳う。

関連: バリ、カエリ、電解バリ取り

熱バリ取り(TEM)ねつばりとり
密閉チャンバーにワークを入れ、メタンガスと酸素の混合ガスを充填して点火し、バリを酸化除去する非接触方式。装置メーカー(エクスツルードホーン)の公式サイトでは「数ミリ秒で最大3,300℃の熱が発生」し、「30〜60秒のサイクルで数百個の部品まで加工」できるとされる。バリの向きや位置を教示する必要がなく、ダイカストや切削部品の全周バリに向くが、酸化物粉末を洗い流す後工程が必要。掲載33社の中では日電工業が設備紹介に「サーマルディバリングマシン」を自社保有設備として記載しているのみで、装置販売や受託加工の説明は公式サイトにない。

関連: 電解バリ取り、二次バリ、型バリ(成形バリ・鋳バリ)

バリばり
JIS B 0051(2004年版「製図−部品のエッジ−用語及び指示方法」)では「かどのエッジにおける、幾何学的な形状の外側の残留物」と定義され、機械加工または成形工程で部品上に残った材料を指す。発生の仕組みは加工法で異なり、切削・研削は塑性流動、せん断は素材の引きちぎれ、鋳造・射出成形は型の合わせ目への流れ込みで生じる。放置すると組み付けの邪魔、性能低下、使用中の脱落、人への傷害につながるとジーベックテクノロジーの解説は4つのトラブルを挙げており、図面には「バリなきこと」と書かれることが多い。

関連: 二次バリ、カエリ、エッジ品質(エッジ指示・JIS B 0051)、ドロス

バレル研磨ばれるけんま
新東工業の用語集では「ワークとメディア(研磨石、研磨材)、コンパウンド(研磨助剤)との相対摩擦により加工を行う研磨方法」と定義される。槽にワーク・メディア・コンパウンド・水を入れて回転や振動を与え、複数個を同時に処理するため小物の大量処理に向くが、全面に作用するので狙った場所だけは削れず、交差穴内部には届かない。槽の動かし方で回転式・振動式・遠心式・流動式に分かれ、チップトンは「バレル研磨に関する全てをラインナップするオンリーワンメーカー」を掲げる。回転磁界でメディアを動かす電磁バレル研磨機(コガネイプレシジョン〈旧イマハシ製作所〉のEMBシリーズ「機械的回転部がないので長寿命」)もある。

関連: 振動バレル、遠心バレル、流動バレル(重圧バレル)、メディア、コンパウンド

ブラシ式ぶらししき
研磨材入りの毛材を持つブラシを高速回転させ、ワークのエッジに当てて削る方式。毛材がしなるためエッジに沿って均一に当たり、R面付け、酸化被膜除去、薄板の返り取りに向く一方、硬く大きなドロスを単独で落とすには時間がかかり、ブラシは消耗品として摩耗管理が要る。板金向けではエステーリンクのメタルエステ(1000mm幅のベルトコンベアに載せるだけ)、オーセンテックのAUDEBU 600(工具不要で3.5秒のブラシ交換)、切削部品向けでは野宮産業の遊星軌道バリ取り機バリンガ、ジーベックテクノロジーのセラミックファイバーブラシ(1本の線材に1000個の切れ刃)、新東工業の精密ブラシ研磨機エッジマスターがある。

関連: ベルト研磨式(研磨ベルト・ディスク・ホイール式)、ドロス、乾式・湿式、面取りカッター(機上バリ取り工具)

ブラスト(エアーブラスト・ウェットブラスト・冷凍ブラスト)ぶらすと
研磨材(メディア)を圧縮空気や水とともに噴射して、バリを折ったり角を丸めたりする方式。乾式のエアーブラストは不二製作所が専業で、間欠回転テーブル型ニューマ・ブラスターGTはPPS樹脂成形品で「バリ取りを15~20秒で完了」「月産2万個の安定生産を実現」した事例がある。ウェットブラストは水と研磨材のスラリーを圧縮エアで投射する方式で、マコーは「水を使うことで粉塵を抑え、熱や静電気の発生も少ない」ため精密部品・電子部品に適するとし、自動車部品で20分→2分(90%削減)の事例を載せる。冷凍ブラストは日本酸素のソフトブラスターのように液化窒素(−196℃)でゴム製品を脆化させてから樹脂製メディアをショットする。

関連: メディア、型バリ(成形バリ・鋳バリ)、粉じん

粉じんふんじん
研削・研磨で発生する微細な粉。作業者の健康と設備の故障に関わり、アルミの粉じんは発火リスクの低減のため湿式で扱うのが一般的。乾式機は集じん機を付帯設備として見積に入れ、ロボットは関節や治具に粉じんが入らないようカバーを含めて設計する。富士機工のバリマスターは加圧成形のため「粉塵が出ず」、津田駒工業は「粉塵が発生する作業環境から作業者を開放」、ヤマハファインテックのWS056は「粉塵処理を考慮した安全柵」を採用と記載する。

関連: 乾式・湿式、加圧成形方式(削らないバリ取り)、リスクアセスメント

ベルト研磨式(研磨ベルト・ディスク・ホイール式)べるとけんましき
研磨材を貼った帯状のベルトや円盤・ホイールを回転させ、ワークの表面とエッジを削る方式。接触面積が広く研削力が大きいため、レーザードロスや厚板の大きなバリの荒取り、ヘアライン仕上げに向くが、エッジは面取り状になりやすく、穴の内側や凹部には当たりにくい。実務では研磨ベルトで荒取りしてブラシで仕上げる複合機が多い。アマダのIBT-610Ⅱはセラミック/CPVFホイールで「粗削りから仕上げ削りの一貫作業」を従来機比5倍の5m/minで行い、板厚0.5〜12.7mm・板幅最大600mmに対応し、手持ちでは日東工器のベルトン(空気式/電動式ベルトサンダ)がある。

関連: ブラシ式、ドロス、板厚・加工幅

ポアソンバリぽあそんばり
切削バリの分類で使われる呼び名で、工具が素材に食い込む際に材料が側方へ押し広げられる塑性流動によってエッジに盛り上がるバリを指す。工具メーカーの解説では、切削・研削のバリは工具が素材に食い込む際の塑性流動で発生するとされている。除去には機上バリ取り工具(ジーベックテクノロジーのXEBECブラシやバリレス面取りカッター)や電解、ブラシ式が使われる。

関連: ロールオーバーバリ、裏バリ(交差穴バリ)、面取りカッター(機上バリ取り工具)

メディアめでぃあ
バレル研磨やブラストでワークに当てる研磨石・研磨材。材質はセラミック(研磨力が高く金属のバリ取り向け)、樹脂(穏やかでアルミや光沢仕上げ向け)、金属、天然石、植物(乾式の艶出し)などがあり、形状は三角・円柱・球など。ワークの穴や溝に詰まらず、かつエッジに届く大きさを選び、摩耗して小さくなる前に交換する周期を消耗品費に含める。チップトンの渦流バレルClearance-0は「3mm以下の研磨石の使用が可能」、重圧バレルMighty-Mildは「研磨石の磨耗を25~70%削減」を謳い、ブラストでは不二製作所が樹脂研磨材、日本酸素が樹脂製メディア、マコーが「微細・軟質研磨材」を使う。

関連: バレル研磨、コンパウンド、ブラスト(エアーブラスト・ウェットブラスト・冷凍ブラスト)

面取りカッター(機上バリ取り工具)めんとりかったー
マシニングセンタなどの工作機械に取り付け、加工と同じ段取りの中でバリ取り・面取りを行う工具。ジーベックテクノロジーのXEBECバリレス面取りカッターは「世界初のV字型切れ刃(特許取得済)」、同社のXEBECブラシは砥粒でなくセラミックファイバーを研磨材に使う機上バリ取り工具で、フロートホルダーや自動調整スリーブで自動追従させる。クロイツはクロス穴面取り、ギア・端面バリ取り用のフローティング機構内蔵工具(Xツール、Nバイト等)を製造販売する。工具は消耗品で、刃物の摩耗で仕上がりが変わるため交換周期の管理が要る。

関連: ポアソンバリ、ロールオーバーバリ、ブラシ式、倣い(フローティング)

ものづくり補助金ものづくりほじょきん
正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」。公式サイトでは23次締切の申請締切が令和8年5月8日17時と記載されている。事業実施期間は、22次締切では枠により交付決定日から10〜12か月以内とされた(23次は公募要領で確認)。実施期間内に納入・据付・検収を終える必要があり、アクリテックの標準機ECMB-N1のように納期「約4か月程」と公式に記載している会社はまれなので、見積時に納期を書面で受け取る。補助率・対象経費は公募回ごとに変わるため、申請前に公式サイトで最新の公募要領を確認する。

関連: 中小企業省力化投資補助金、テスト加工(トライ・サンプル加工・デモ機)

力覚センサりきかくせんさ
ロボット手首に取り付けて接触力を検知し、軌道を補正するためのセンサ。ファナックの公式資料では力センサの定格は147Nから2500Nまで5種類があり、協働ロボットでは内蔵センサのみで「倣い(研磨、バリ取り)」ができる機能も案内されている。ワーク寸法がばらつく鋳物に追従させる手段の一つで、ヤマハファインテックの仕上げロボットは負荷フィードバック制御・押し付け力制御・オフセット/回転数制御を備える。

関連: 倣い(フローティング)、ロボットバリ取り、ティーチング

リスクアセスメントりすくあせすめんと
産業用ロボットの運転に適用される労働安全衛生規則第150条の4に関連し、接触による危険の有無を評価・記録する手続き。厚生労働省の通達では、ISO 10218-1・10218-2に基づき設計・製造・設置されたロボットを使用条件に基づき適切に使い、リスクアセスメントで危険性がないと評価できれば、さく等の代替が可能とされ、評価結果の記録・保管が求められる(駆動用原動機の定格出力80W以下は規制対象外)。バリ取りは回転工具を使うため、ロボット本体が協働仕様でも工具側の危険源が残り、柵なし運用の可否は工具とワークを含めて判断する。FINESYSTEMのFDM-001は「標準で安全機能装備」、ヤマハファインテックのWS056は「粉塵処理を考慮した安全柵」と記載している。

関連: SIer(ロボットシステムインテグレータ)、ロボットバリ取り、粉じん

流動バレル(重圧バレル)りゅうどうばれる
底部回転盤で槽内に流動状態をつくるバレル研磨で、軽量・薄肉の製品に向くとされる。新東工業の流動バレル「パワーロールフロー」は「厚さ1㎜製品でも流動バレルで研磨可能」、回転・振動バレルと比べ「高研削力(2~10倍)のため加工時間を短縮」と記載する。低速高圧で流動させる重圧バレルとしては、チップトンのMighty-Mildが「研磨石の磨耗を25~70%削減、工作物のキズ・カケが85%減少」、業界最高の40Gを謳う。

関連: バレル研磨、遠心バレル、メディア

ロールオーバーバリろーるおーばーばり
切削バリの分類で使われる呼び名で、工具が抜ける側で材料が切り離されずに押し倒されて残るバリを指す。穴あけの出口側に出る裏バリが典型で、工具が届きにくい位置に残るため手作業では処理しにくい。ジーベックテクノロジーは交差穴・裏バリの自動化向けに「XEBEC裏バリカッター&バリ取りプログラム」を、野宮産業は面取り後の二次バリ取り用にネジリブラシやバリネードを掲載している。

関連: ポアソンバリ、裏バリ(交差穴バリ)、面取りカッター(機上バリ取り工具)

ロボットバリ取りろぼっとばりとり
産業用ロボットの手先に回転工具を持たせ、ワークの稜線に沿って動かしてバリを除去する方式。ワークを固定してロボットが動く方式と、ロボットがワークを持って固定工具に当てるワーク把持型があり、鋳物・ダイカスト・溶接構造品など立体形状で多品種の現場に向く。ロボットを買うだけでは足りず、ツール選定・ティーチング・加工条件の最適化の3要素が必要とFINESYSTEMは解説する。掲載社ではFINESYSTEM(FDM-002は畳1畳に収まる)、JOHNAN(BurrS Bird、ワーク質量10kg以下)、クロイツ(オリジナル5軸ロボルータ)、豊電子工業(可変ラジアンフローチング)、ヤマハファインテック(ワーク把持型WS056)、津田駒工業(鋳物バリ取り自動化ライン)がある。

関連: 倣い(フローティング)、力覚センサ、ティーチング、SIer(ロボットシステムインテグレータ)、リスクアセスメント

ワークわーく
バリ取りの処理対象となる部品・材料。方式選定の最初の分かれ目はワークの形状で、平板(板金)はブラシ式・研磨ベルト式、立体(鋳物・ダイカスト)はロボット式・熱、小物大量はバレル・熱、穴・内部通路主体は電解・ウォータージェットが候補になる。材質・寸法・重量の上限と下限を両方伝える必要があり、各社は「対応ワーク」として、オーセンテックなら板金・立体形状品・長尺ワーク、日本酸素なら極小径Oリング、JOHNANならワークサイズ□400mm×H200mm・質量10kg以下のように明記している。

関連: 板厚・加工幅、テスト加工(トライ・サンプル加工・デモ機)、治具(電極治具・位相決めジグ)

【用途別】バリ取り機メーカーおすすめ3選

※2026年9月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

レーザー・パンチ加工後の板金なら

オーセンテック株式会社

板金のバリ取りを機械化するなら、まずショールームへ

板金専用のブラシ式バリ取り機「AUDEBU」シリーズを幅0.1〜1,500mm・厚さ0.1〜20mmまで揃え、酸化被膜・ドロス除去専用の「BlackLine」も持つ。相模原のショールームに11機種を展示し、持ち込みワークでのテスト加工とオンラインデモに対応している。

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2

鋳物・鍛造品の自動化(ロボット)なら

株式会社クロイツ

バリ取りロボット専業。工作機械と同じGコードで動く

バリ取りロボット専業で、ロボット本体・工具・ツーリング・周辺機器を一社で製造する。アルミダイカスト・鉄鋳物・ギア・鍛造品の製作事例を機種別に公開し、5軸CNC制御でGコードと3D CAD/CAMに対応する「BARISTA」も持つ。

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3

小物・薄物を大量に処理するなら

新東工業株式会社

1mmの薄物から一括処理。テスト加工も量産加工も受ける

回転・振動・遠心・流動と全種類のバレル研磨機を揃え、厚さ1mmの薄物や小物の大量バリ取りに対応する。公式事例ではスラストレースやクラッチプレートの面粗さ改善を数値で示し、加工サービス「ロルコセンター」でテスト加工・試作・量産加工まで受ける。

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