産業用集塵機 · 用途別
レーザー切断・レーザーマーカーの集塵機|付着性ヒュームの目詰まりと、交換時期で選ぶ
ファイバーレーザー切断やレーザーマーカーで出る付着性ヒュームを吸う集塵機の選び方を、目詰まり対策、フィルター交換の目安、火の粉対策、機種例に分けて、ユーザック・アマノ・アピステなど掲載メーカーの公式記載で整理します。
レーザー加工のヒュームは細かく、フィルターにこびりつきやすいのが特徴です。このページでは、レーザー切断機とレーザーマーカーに付ける集塵機の選び方をまとめます。
レーザー加工のヒュームが厄介な理由
レーザー切断では、金属が溶けて蒸発したヒュームが大量に出ます。レーザーマーカーでは量は少ないものの、付着性が強く臭いを伴うことがあります。
- アマノは、レーザマーカ工程などで発生する付着性ヒュームに適した集塵機をレーザ加工用として分けている
- ユーザックは、ヒュームは細かくて目詰まりしやすく、一般的な集塵機のフィルターは2,000〜3,000時間で交換が必要になると説明
- ユーザックは、油煙や粘度があるヒュームは詰まることがあるとも明記
目詰まりへの3つの対策
メーカーの対策は、フィルターの払い落としを強くする、フィルターを保護する、フィルターを大きくする、の3つに分かれます。どれを使うかで、手間とランニングコストが変わります。
| 対策 | 公式記載の例 |
|---|---|
| 払い落としを強くする | ユーザックのMachWaveMV3(超音速流体の衝撃波でクリーニング) |
| フィルターを保護する(プレコート) | アマノのPiF-Hはプレコート機構でフィルター長持ち、アピステのGDE-Aは自動フィルターエイド供給(オプション) |
| フィルターを大きくする | アピステのGDE-Aは超微粒子フィルターで標準の約2倍のろ過面積 |
| 風量を一定に保つ | アマノのVF-5HGは自動風量一定制御、アピステのGDE-Aはインバータの自動風量制御 |
レーザー切断機向けの機種
板金のレーザー切断機は、切断テーブルの下から大量のヒュームを吸います。中型以上の風量と、長時間の連続運転に耐える機種が必要です。
| メーカー・機種 | 公式記載 |
|---|---|
| ユーザック コスモクリーンX | 3.7kW・初期風量55m³/min、5.5kW・70m³/min、7.5kW・100m³/min(インバータ制御) |
| アマノ PiF-H | 付着性ヒュームと臭気を除去、脱臭機能付き、プレコート機構 |
| アピステ GDE-A | ヒューム除去ボックスと自動フィルターエイド供給でレーザー切断に対応 |
| スイデン L-BPT3 | レーザー加工、プラズマ加工、溶接作業など火の粉が発生する作業向け |
| 新東工業 | 溶接工程やレーザ加工機、プラズマ加工機の使用時におすすめの集塵機 |
フィルター交換の目安を比べる
レーザー切断の集塵機では、フィルター交換の頻度が維持費を大きく左右します。交換の目安を公式に書いている会社は多くありません。
- ユーザック:レーザー加工機での使用で10,000時間程度性能を維持、10,000時間又は5年のいずれか早いほうでの交換を推奨
- ユーザック:一般的な集塵機のフィルターは2,000〜3,000時間で交換が必要になると説明
- 淀川電機製作所:差圧計取付をフィルター交換の目安の指標として案内
ほかの会社を比べるときは、同じ条件で何時間で交換になるかフィルター1回分の価格を見積に書いてもらってください。時間あたりのフィルター費で比べると差がはっきりします。
粉じんの捨て方も見ておく
ダストボックスにたまったヒュームを捨てるとき、粉が舞って作業者が吸い込むことがあります。捨てやすさも機種選びの条件です。
- ユーザック:鉄ヒューム(SPHC、SS400など)はフレーク状になり、廃棄時にヒュームの飛散がほとんどないと説明。SUS材ではフレーク状にならない場合もあると注記
- 日本精密 SSW:清掃性を考え、軽量で持ちやすいボックスコンテナをダストボックスに採用
- アマノ TFP:粉体に触れずにフィルター交換
レーザーマーカー向けの小型機
レーザーマーカーは発生量が少ないため、小型機で足ります。臭いが出る材料なら、脱臭機能のある機種を選びます。
| 機種 | 公式記載 |
|---|---|
| アマノ VF-5HG | レーザマーカ専用、脱臭機能付き、自動風量一定制御 |
| アマノ VF-5HN | レーザマーカ専用、脱臭機能付き |
| コトヒラ工業 KDC-US01 | 風量5m³/min、用途にレーザーマーカー時の集じんを挙げる |
導入前に実機を見る
レーザー切断のヒュームは、切る材料と出力で性質が変わります。自社の条件で試せるか、実機を見られるかを最初に聞いてください。
- ユーザック:ショールームとテクニカルセンターで実機見学
- アピステ:無料テスト機の貸出
- 切る材料(軟鋼・ステンレス・アルミ)と板厚、レーザーの出力を伝える
- 1日の稼働時間と、今のフィルター交換頻度を伝える
レーザー切断機の集塵機で比べる項目
レーザー切断機の集塵機は、カタログの風量だけでは差が分かりにくい製品です。見積の段階で次の項目をそろえて比べてください。
| 比べる項目 | 確認のしかた |
|---|---|
| 風量の維持 | 運転を続けたときに風量がどれだけ落ちるか(ユーザックは新品の90%程度の風量を長時間維持と説明) |
| フィルター交換の目安 | 何時間で交換になるか、1回分の費用 |
| 圧縮空気の消費 | 払い落としに使うエアの量 |
| 火の粉への対策 | 切断時の火の粉がフィルターに届かない仕組み |
| 粉じんの捨て方 | ダストボックスの取り出しやすさ、廃棄時の飛散 |
切る材料ごとの注意点
レーザー切断のヒュームは、材料で性質が変わります。自社で切る材料を並べて、メーカーに伝えてください。
- 軟鋼(SPHC、SS400など):ユーザックは鉄ヒュームがフレーク状になり廃棄しやすいと説明
- ステンレス:ユーザックはSUS100%ではフレーク状にならない場合があると注記
- アルミ:粉じん爆発のおそれがあるため、爆発対策の要否をメーカーに確認する
- 樹脂・木材:臭気が出るため、脱臭機能の有無を確認する(アマノのPiF-Hは脱臭機能付き)
レーザー加工向けのメーカーを整理する
レーザー加工のヒューム向けの製品を公式に持つメーカーを、用途ごとにまとめます。切断機かマーカーかで、最初に当たる会社が変わります。
| 用途 | メーカー | 公式記載の特徴 |
|---|---|---|
| ファイバーレーザー切断(鉄) | ユーザック | 衝撃波クリーニング、交換推奨は10,000時間か5年、実機見学 |
| レーザー切断・溶接の汎用 | アピステ | ヒューム除去ボックス、自動フィルターエイド供給、無料テスト機 |
| レーザ加工の付着性ヒューム・臭気 | アマノ | PiF-H(プレコート機構・脱臭機能付き) |
| レーザー・プラズマ・溶接の火の粉 | スイデン、新東工業 | L-BPT3、火の粉を分離する集塵機 |
| レーザーマーカー | アマノ、コトヒラ工業 | VF-5HG・VF-5HN、KDC-US01 |
切断機のメーカーが推奨する集塵機がある場合は、その条件も確認してください。吸い込み口の径や必要風量が決まっていることがあります。
導入後のコストを見積に入れる
レーザー切断の集塵機は、買ったあとの費用が目立ちやすい設備です。次の費用を年額に直して、見積と一緒に比べてください。
- フィルターの交換費(交換回数×1回分の価格)
- 払い落としに使う圧縮空気の電気代
- フィルターエイドなど消耗品の費用
- ダスト廃棄の手間と処分費
今の集塵機に不満があるときの見直し方
すでに集塵機を使っていて、目詰まりや吸い込みの弱さに困っている工場も多いはずです。買い替えの前に、次の順で原因を切り分けてください。
- 差圧が高くなっていないか確認する(高ければフィルターの目詰まり)
- 払い落としが動いているか、圧縮空気の圧力が足りているか確認する
- 切断機の出力や材料を変えていないか確認する(ヒュームの量と性質が変わる)
- ダクトに粉じんがたまっていないか確認する
- それでも改善しなければ、衝撃波やプレコートなど目詰まり対策のある機種への更新を検討する
この記事に出てくるメーカー
- アマノ株式会社爆発性の金属粉に
- 株式会社アピステテスト機で試すなら
- コトヒラ工業株式会社卓上・投入口の小型機に
- 日本精密株式会社早く入れたい汎用機に
- 新東工業株式会社小型から大風量まで一社で
- 株式会社スイデン汎用機を型式で選ぶなら
- ユーザック株式会社レーザー切断ヒュームに
- 株式会社淀川電機製作所溶接ヒュームの小型機に
参照元
よくある質問
レーザー切断機の集塵機のフィルターはどれくらい持ちますか?
使用条件で変わります。ユーザックは一般的な集塵機のフィルターは2,000〜3,000時間で交換が必要になるとし、自社のコスモクリーンはレーザー加工機での使用で10,000時間程度性能を維持、10,000時間又は5年の早いほうでの交換を推奨しています。
レーザーマーカー用の集塵機はありますか?
アマノがレーザマーカ専用集塵機VF-5HG・VF-5HN(脱臭機能付き)を出しています。コトヒラ工業の粉体用小型集塵機KDC-US01も、用途にレーザーマーカー時の集じんを挙げています。
ステンレスを切るヒュームでも目詰まりしにくいですか?
機種と条件によります。ユーザックは、レーザー加工機で軟鋼・SUS・アルミなどの金属の切断でフィルターが詰まったことはないとする一方、SUS100%ではフレーク状にならない場合があり、油煙や粘度があるヒュームは詰まることがあると書いています。実機見学やテスト機で確かめてください。
【用途別】集塵機メーカーおすすめ3選
アルミ・マグネシウムなど爆発性の金属粉を吸うなら
アマノ株式会社
Kst値ごとに選べる粉塵爆発圧力放散型。溶接・レーザ用まで1社で比べられる
アルミニウム、チタン、マグネシウムなどにも対応可能と公式に書き、粉塵爆発圧力放散型の集塵機をKst値の対応範囲つきで出している(VN-SD〜400、PiF-SD/D〜300、マグネシウム合金粉体専用スクラバーSA〜500)。国産ラプチャーディスクはKst値800対応。小型のPiFから大型のWRT(フィルタ面積〜1,055m²)、溶接作業用FCN、レーザ加工用PiF-Hまで同じ窓口で選べる。
溶接ヒュームを、デモ機で確かめてから入れるなら
株式会社赤松電機製作所
手溶接は100Vのフィルターレス、ロボット溶接は水で消火する乾湿複合型
ヒュームスモーカーFSM-15はフィルターレスで1μm以上を99%捕集し、風量10m³/min・単相AC100Vで使える。スーパーコレクターFM-220は水を使う乾湿複合型で風量30/35m³/min、「水を使った2重の消火機能で火の粉も安全」。主力製品のデモ機貸出と、専門技術者による現地調査を公式に案内している。
工程の小型機から3,000m³/min級まで、工場全体をそろえるなら
新東工業株式会社
小型ダスミックの各区分に粉塵爆発対策型。中・大型は3,000m³/minクラスまで
小型集塵機ダスミックシリーズは混合・袋詰め・投入・切断・バフ研磨などの工程向けで、連続運転・間欠運転・低濃度のそれぞれに粉塵爆発対策型がある。中・大型集塵機は3,000m³/minクラスの大風量用途まで対応し、高温ガス用、泡で重金属を捕集する機種、可燃性・爆発性粉塵対応機もそろう。生産終了機の後継機・部品供給の窓口を公開している。
自社の粉じんに合う集塵機を、無料で相談する
吸いたい粉じんの種類(金属粉・ヒューム・粉体・ミストなど)、発生する工程と箇所の数、今の換気や集塵の状況、置ける場所の広さを送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載メーカーへ匿名で概要を伝え、デモ機やテストの窓口をおつなぎします。費用はかかりません。