ジュエリーOEM · 基礎知識
ジュエリーOEMの納期の目安と、遅れる要因
ジュエリーOEMの納期を、工場が公式サイトで公開している日数と受付サイクルをもとに整理し、原型・鋳造・仕上げの各工程で遅れが出る要因を説明します。
このページでは、ジュエリーOEMの納期の目安と、遅れる要因を説明します。根拠は工場が公式サイトで公開している日数と受付サイクルです。
納期は「工場の作業日数」だけでは決まりません。依頼側の確認や修正の時間も含めて読む必要があります。
工場が公開している納期の例
納期は会社と工程で異なります。公式サイトで日数を公開している例を、出典付きで示します。
日本アイボリーは、原型製作に約2〜3週間、量産後に約2〜3週間と案内しています。ENCODEはOEM製造サービスについて最短10日〜2週間、平均12営業日前後と公開しています(ネット鋳造のCASTYは最短12営業日)。
| 会社(出典) | 公開している日数 |
|---|---|
| 日本アイボリー(量産受注) | 原型製作 約2〜3週間、量産後 約2〜3週間 |
| 日本アイボリー(キャスト) | 約2週間で仕上げ、完成仕上げは14日間前後 |
| ENCODE(OEM製造サービス) | 最短10日〜2週間、平均12営業日前後 |
日本アイボリーは、めっきやエポキシなどの仕上げはさらに納期がかかる場合があると記載しています。仕上げ工程の有無で、合計日数は変わります。
公開されている日数は、原型があるか、データがあるかで前提が違います。ENCODEの日数は3Dデータからの製造を前提にしたもので、原型を手作りする場合とは比べられません。
納期の比較は、同じ前提(データの有無、素材、数量)でそろえてから行います。
工程ごとの日数の内訳
納期は、原型、ゴム型、鋳造、仕上げ、めっき、検品の合計です。各工程に確認のやり取りが挟まるため、単純な足し算より長くなります。
日本アイボリーは、鋳造後の工程別の日数も公開しています。鋳造そのものより、前後の工程が日数を占める例です。
- 原型製作:約2〜3週間(日本アイボリー)
- 湯道処理:2〜3営業日
- リングサイズの真円出し:3営業日
- スチールバレル研磨:2営業日
- 完成仕上げ:14日間前後
同社は大量注文時は要相談としています。数量が増えると、工程ごとの日数も延びる前提で計画します。
地金ごとの受付サイクル
鋳造は地金ごとにまとめて行うため、受付日と仕上がり日が決まっている工場があります。日本アイボリーは地金別のサイクルを公開しています。
K18WGやPT900は月2回の鋳造で、受付を逃すと次回まで待つことになります。納期を読むときは、このサイクルを最初に確認します。
| 地金(日本アイボリー 公開) | 受付と仕上がり |
|---|---|
| AG925(ワックスから) | 月曜午前着→水曜上がり、水曜午前着→金曜上がり |
| K18YG・PG | 毎週月曜午前着→金曜上がり |
| K18WG・PT900・銅 | 月2回、月曜午前着→その週の金曜上がり |
| K10WG | 第三月曜午前着→金曜上がり |
| PINK SILVER | 月1回、第二月曜午前着→金曜上がり |
同社はK18の小ロット時は枠待ちの可能性があるとも記載しています。少数の依頼ほど、他の依頼と同じ枠に乗るのを待つ場合があります。
納期が遅れる要因
遅れの多くは、工場の作業ではなく仕様の確定と確認の往復で起きます。原型確認で修正が入ると、原型製作の日数が再びかかります。
工場が免責を明示している事故も、遅れの要因です。日本アイボリーは鋳造時にキャスト枠が破裂する場合があると公開しており、その場合は作り直しになります。
- 仕様の未確定(素材、サイズ、刻印、仕上げが決まっていない)
- 原型の修正回数が増える
- 地金の受付サイクルを逃す(月2回の地金など)
- 鋳造の不良や枠の破裂による作り直し
- めっき、石留め、刻印など後工程の追加
- 連休や工場の休業日
石留めがある製品は、預かり石の破損リスクも遅れの要因です。日本アイボリーは預かった石の破損リスクを注意点として挙げており、代替石の手配で日数が延びることがあります。
数量の追加も遅れにつながります。ゴム型は消耗品で、追加分の途中で型が切れると作り直しが必要になります。
納期に含まれない時間
工場が示す日数は、通常は仕様確定後の作業日数です。デザイン検討、社内承認、データ作成の時間は含まれません。
販売日から逆算する場合は、次の時間を工場の日数に足して計画します。
- デザインと仕様の決定(社内の承認を含む)
- 3Dデータの作成と修正
- 原型・サンプルの確認と承認
- 造幣局の品位証明を受ける場合の日数(任意制度)
- 納品後の検品と梱包、撮影
造幣局の品位証明は、事前登録の上で製品を預けて試験を受ける仕組みです。刻印を入れる場合は、この往復の日数も見込みます。
造幣局の品位証明にかかる手続き
造幣局の品位証明は任意の制度で、依頼者が有料で受けます。受付はさいたま支局で、受付時間は平日の午前8時30分〜11時15分と公開されています。
依頼の前に、貴金属製品の製造業者または販売業者であることを証明する書類を添えて登録の届出を行います。届出から証明までの日数は公開されていません。
- 登録届出(新規依頼届出書、印鑑届、定款や登記簿謄本の写し)
- 製品を持ち込み、品位試験(試料の削り取り)を受ける
- 合格した製品に証明記号が打刻される
- 手数料を支払い、製品を受け取る
試料は白金・金製品で0.3g、銀製品で1gを100個あたり1試料の割合で採取されます。不合格品を返還する場合も、手数料の80%と特別作業手数料がかかります。
納期を短くする進め方
納期を縮める確実な方法は、仕様を先に固めて修正を減らすことです。原型確認で一度に承認できるよう、確認項目をあらかじめ決めておきます。
3Dデータを持ち込めば、原型製作の日数が短くなります。日本アイボリーはSTLで出力できればよりリーズナブルに切削できると案内しており、日数にも影響します。
3Dプリントで原型を作る場合、Formlabsは高品質な原型を24時間以内に製作できると公開しています。手作り原型に比べ、原型工程の日数が読みやすくなります。
金属3Dプリントで直接作る場合も、日数の公開例があります。DMM.makeはSUS316Lの標準納期を10〜25日と案内しています。
- 素材、サイズ、刻印、仕上げを見積もり時に確定する
- 3Dデータ(STL)を用意して持ち込む
- 地金の受付サイクルに合わせて入稿する
- 試作は1個の直接造形で行い、量産の修正を減らす
- 後工程(めっき、石留め)を必要最小限にする
急ぎの場合は、その旨を最初に伝えます。日本アイボリーは「お急ぎの場合はご相談ください」と案内しており、相談の余地がある工場もあります。
この記事に出てくるメーカー
- CASTY3Dデータ持ちの1個試作に最速
- 日本アイボリー株式会社料金体系が最も透明な鋳造工場
参照元
よくある質問
ジュエリーOEMの納期はどれくらいですか?
会社と工程で異なります。日本アイボリーは原型製作に約2〜3週間、量産後に約2〜3週間と案内し、ENCODEはOEM製造サービスで最短10日〜2週間、平均12営業日前後と公開しています。仕様確定前の時間は含まれません。
K18やプラチナは納期が長くなりますか?
鋳造の受付サイクルによります。日本アイボリーはK18WGとPT900の鋳造を月2回と公開しており、受付を逃すと次回まで待ちます。K18YG・PGは毎週の受付です。
納期が遅れる一番の原因は何ですか?
仕様の未確定と原型の修正です。原型確認で修正が入ると原型製作の日数が再びかかります。素材、サイズ、刻印、仕上げを見積もり時に確定しておくと防げます。
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