ジュエリーOEM · 基礎知識
ジュエリーの素材一覧|K18・K10・Pt900・SV925・真鍮・ステンレス・チタンの特徴と表示ルール
ジュエリーOEMで使われる主な素材の品位区分と表示ルールを、日本ジュエリー協会の表示規定と造幣局の品位区分をもとに整理します。
このページでは、ジュエリーOEMで使う主な素材の特徴と表示ルールを説明します。根拠は日本ジュエリー協会(JJA)の表示規定と、造幣局の品位区分です。
素材名の書き方を間違えると、景品表示法の不当表示に当たるおそれがあります。発注前に確認しておく内容です。
貴金属の品位とは
品位は、合金に含まれる貴金属の最低含有率を千分率で表したものです。JJAの規定では、元素記号と数値を一体で表し、‰の記号は付けません。
金はカラット表示も認められています。K18は品位750、K10は品位416に当たります。
| カラット | 品位 | 金の純度 |
|---|---|---|
| K24 | 999 | 999‰以上 |
| K18 | 750 | 750‰以上833‰未満 |
| K14 | 585 | 585‰以上 |
| K10 | 416 | 416‰以上 |
純度の表示に1000‰を使うことは認められていません。単一金属の100%は理論上存在しないため、景品表示法上の不当表示になるとJJAは説明しています。
貴金属ごとの品位区分と表示
金、プラチナ、銀は、それぞれ品位の区分と表示の決まりが違います。JIS H6309:2022の区分をもとに、素材ごとに整理します。
漢字で「金」「白金」とだけ表示する場合は品位999でなければなりません。「銀」だけの表示は925以上、「銀製」は800以上が条件です。
- 金:333‰未満は金製品と表示できない
- プラチナ:850‰未満はプラチナ製品と表示できない
- 銀:800‰未満は銀製品と表示できない
金(K18・K10)
金の品位はJIS H6309:2022で999、990、916、833、750、585、416、375、333に区分されます。品位990にはカラット表示がありません。
色は割り金で決まり、記号を品位に連ねて表示します。表面のめっきや塗装の色でカラーゴールド名を名乗ることはできません。
- K18YG:イエローゴールド(銀と銅の比率が4:6〜6:4程度)
- K18PG:ピンクゴールド(銅の比率が高い)
- K18WG:ホワイトゴールド(主にパラジウムを割り金)
- 色みのある金にロジウムめっきをして「WG」と表示するのは不当な表示
プラチナ(Pt900・Pt950)
プラチナの品位区分は999、990、950、900、850です。銀900とプラチナの二元合金をプラチナ製品と表示することはできません。
表示にはPtの記号を使います。かつて使われたPmは現在使われていません。
- Pt900:国内で一般的な品位の一つ
- Pt950:ISO9202とJIS H6309の両方にある品位
- Pt850:チェーンなどに使われ、本体と別に表示する
- 純プラチナと名乗れるのは999‰以上
銀(SV925)
銀の品位区分は999、990、958、950、925、800です。SV、Silver、SILVERを使う場合は品位を併記し、記号だけなら925‰以上でなければなりません。
品位925の銀合金はSterlingとも表示できます。スターリングの割り金には銅が使われることが多いとJJAは説明しています。
- 表示例:Ag925、SV925、Silver925、925
- Ag958はブリタニアシルバー、Ag900はコインシルバー
- 銀製品は造幣局の品位証明刻印があれば品位表示を略せる
真鍮・ステンレス・チタン(非貴金属)
非貴金属は品位区分の対象外ですが、JJAの規定に性質が説明されています。真鍮は銅と亜鉛の合金で、銅58〜62%を六四黄銅、68〜72%を七三黄銅と呼びます。
チタンは強い耐蝕性をもつ灰色の硬い金属です。洋白はニッケルを含む銅合金で、銀の一種と間違われやすいと注意されています。
| 素材 | 主成分 | 特徴(JJA規定より) |
|---|---|---|
| 真鍮(黄銅) | 銅・亜鉛 | 鉛や錫などを微量添加して性質を調整 |
| ステンレス | 鉄・クロム等 | DMM.makeはSUS316Lを耐腐食性に優れると説明 |
| チタン | チタン | 純粋なものは強い耐蝕性、700℃超で酸化膜が成長 |
| 洋白 | ニッケル・銅・亜鉛 | 銀白色でニッケルを含む |
ステンレスやチタンは鋳造ではなく、切削や3Dプリントで作られることが多い素材です。DMM.makeはSUS316Lの金属3Dプリントを1cm³あたり1,936円からと公開しています。
非貴金属を主体にした製品には品位表示がありません。代わりに素材名を正しく書くことが、表示の基本になります。
めっき・張り・中空の表示
貴金属の地金にめっきをした製品は、貴金属表示に続けてめっき記号を付けます。めっきの色で地金の色と誤認させる表示は禁止です。
金張りは厚みではなく質量比で区分します。中空製品には[H]または[中空]を付けます。
- GP:金めっき、RHP:ロジウムめっき、PGP:ピンクゴールドめっき
- GF:金合金の質量比が1/20以上、RG:1/20未満
- Au750[H]:金750の中空製品
- キャッチや引輪のスプリングなど非貴金属の機能部品は表示を省略できる
説明文での表現にも決まりがあります。ロジウムめっき製品は「ロジウムめっき仕上げ」や「ロジウムコーティング」と書き、「ロジウム仕上げ」は不適切とされています。
金めっき製品も同様で、「金仕上げ」ではなく「金めっき仕上げ」と書きます。商品ページの文言を工場任せにせず、ブランド側で確認します。
素材を選ぶときの比較軸
素材は、価格、色、重さ、肌への影響の4点で選びます。価格は地金の相場と重量でほぼ決まるため、同じ形でも素材で大きく変わります。
公式サイトで参考価格を公開している例として、ENCODEはOEM製造サービスのページに素材別の参考製作価格を掲載しています。
| 素材 | ENCODE公開の参考価格 | 備考 |
|---|---|---|
| 真鍮 | 2,500円〜(量産価格) | めっき前提が多い |
| SV925 | 8,000円〜 | いぶし加工が可能 |
| Pt900 | 90,000円〜 | 白色の地金 |
| K18 | 128,000円〜 | YG/PG/WGを選べる |
肌への影響については、日本皮膚科学会が汗で溶け出した金属が接触皮膚炎を起こすと説明しています。日本の主要アレルゲンには硫酸ニッケルや塩化コバルトが挙げられています。
JJAの規定は、ピアスやボディピアスのポストにニッケル含有貴金属を使用しないとしています。ニッケルフリー(NF)を表示する場合、「安全」という表現を付けてはならない点にも注意が必要です。
造幣局の品位区分
造幣局の品位証明は任意の制度で、依頼者が有料で受けます。2012年4月からISO9202とJIS H6309に従った表示に変更されました。
金製品は6区分、白金製品は4区分、銀製品は5区分で証明されます。刻印は日章、ひし形内の品位数値、金属記号で構成されます。
- 金製品の区分:999、916、750、585、416、375
- 造幣局の刻印がある金・プラチナ製品は種類と品位の表示を略せる
- 依頼には事前の登録届出が必要
品位試験では製品の一部を削り取って分析します。造幣局は、白金・金製品で0.3g、銀製品で1gを100個あたり1試料の割合で採取すると公開しています。
刻印の最小サイズも決まっています。金・銀製品は縦0.8mm×横2.4mm、白金製品は縦0.8mm×横3.6mmで、小さな製品では刻印場所の確保が必要です。
参照元
よくある質問
K18とAu750は同じ意味ですか?
同じ品位です。JJAの表示規定では、K18は品位750に対応し、金の純度750‰以上833‰未満を意味します。造幣局の品位証明でも750はK18に対応します。
SV925と925は表示として両方使えますか?
使えます。JJAの規定では、品位925の銀はAg925、SV925、Silver925のほか、Agを省略した925やSterlingの表示が認められています。
ロジウムめっきしたK18をホワイトゴールドと表示できますか?
地金がイエローゴールドなら表示できません。JJAの規定では、K18 RHPまたはAu750 RHPと表示し、K18WGとする表示は不可とされています。
造幣局のホールマークは必ず必要ですか?
必須ではありません。造幣局は任意の制度と説明しており、市販品にはマークのない製品もあります。依頼する場合は事前登録と手数料が必要です。
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