ジュエリーOEM · 基礎知識
ジュエリーOEMとは?ODM・自社製造との違いと依頼の流れ
ジュエリーOEMの意味、ODM・自社製造との違い、問い合わせから納品までの流れを、工場の公式サイトと公的機関の情報をもとに整理します。
このページでは、ジュエリーOEMの基本と、ODM・自社製造との違いを説明します。工場の公式サイトが公開している依頼の流れも紹介します。
初めて外注する担当者が、見積もり前に何を決めるべきかが分かる内容です。
ジュエリーOEMとは
OEMは、依頼者のブランド名で販売する製品を、製造会社が作る取引です。ジュエリーでは、デザインや仕様を依頼者が決め、工場が鋳造や仕上げを行います。
発注側は設計と販売に集中でき、工場は設備と職人を活かせます。両者の役割分担が、OEMの基本です。
- 依頼者:デザイン、素材、数量、販売価格を決める
- 工場:原型、鋳造、研磨、石留め、めっきを行う
- 完成品:依頼者のブランド名で販売される
OEM・ODM・自社製造の違い
ODMは、工場側がデザインまで担う形です。自社製造は、設備と職人を自社で抱えて作ることを指します。
違いは「誰がデザインするか」と「誰が設備を持つか」の2点です。下の表で整理します。
| 方式 | デザイン | 製造設備 |
|---|---|---|
| OEM | 依頼者 | 工場 |
| ODM | 工場(依頼者が選ぶ) | 工場 |
| 自社製造 | 自社 | 自社 |
三雄工芸はOEMとODMの両方を掲げ、対応品目にブライダル、シルバー製品、真鍮製品などを挙げています。同社のように両方式を扱う工場もあります。
自社製造は設備投資と職人の確保が必要です。小規模ブランドがOEMを選ぶ理由は、この固定費を持たずに製品化できる点にあります。
工場が公開している対応範囲の例
OEM工場は、素材ごとの最小ロットや納期を公式サイトで公開していることがあります。数字は会社ごとに異なるため、例として出典付きで示します。
三雄工芸は素材別の最小ロットを、ENCODEはOEM製造サービスの対応数量と納期を公開しています。
| 会社(出典) | 公開している条件 |
|---|---|
| 三雄工芸 | Ag925は30個〜、真鍮は100個〜、金・プラチナは10個〜(1個〜相談可) |
| ENCODE(OEM製造サービス) | 最低ロット1個、1〜1,000個、平均12営業日前後 |
| 日本アイボリー | キャストは1個から受注、約2週間で仕上げ |
同じ「OEM」でも、1個から受ける会社と数十個からの会社があります。自社の数量に合う会社を探すことが、最初の絞り込みです。
依頼から納品までの流れ
工場の公式サイトには、依頼の手順が段階で示されています。三雄工芸は7ステップ、日本アイボリーは6段階を公開しています。
共通するのは、見積もりのあとにサンプルや原型を確認してから量産に進む点です。順序を知っておくと、日程の見通しが立ちます。
- 相談・問い合わせ(用途、数量、希望納期を伝える)
- 打ち合わせ・概算見積もり
- 原型製作またはサンプル製作
- 原型・サンプルの確認と仕様調整
- 量産(鋳造・仕上げ・めっき)
- 納品と追加発注
日本アイボリーは、原型製作に約2〜3週間、量産後にも約2〜3週間かかると案内しています。めっきやエポキシなどの仕上げは、さらに日数がかかる場合があると記載しています。
原型確認は、量産前の最後の分岐点です。ここで形、厚み、刻印位置、サイズを承認すると、以降の変更は原型の作り直しになります。
3Dデータを持ち込む場合は、流れが短くなります。ENCODEのCASTYは、3Dデータのアップロードで自動見積もりを行うと公開しています。
見積もり前に決めておくこと
見積もりの精度は、依頼者が渡す情報の量で決まります。数量と素材が未定だと、工場は幅のある金額しか出せません。
最低限、次の項目を整理してから問い合わせると、やり取りが短くなります。
- アイテムと点数(リング、ペンダントなど)
- 素材(SV925、K18、真鍮など)と仕上げ
- 数量(初回と追加の見込み)
- 原型データの有無(図面、3Dデータ、現物)
- 希望納期と販売予定日
- 刻印の内容(品位表示、ブランドマーク)
数量は、初回分だけでなく追加の見込みも伝えます。原型やゴム型の扱いが、追加生産の有無で変わるためです。
販売価格が決まっている場合は、その金額も伝えると仕様の提案を受けやすくなります。素材と重量が価格の大部分を占めるためです。
契約で確認しておく点
製造委託には、2026年1月1日施行の「取適法」(中小受託取引適正化法)が関わります。公正取引委員会は、発注書面の交付や支払期日などの義務を示しています。
発注側が委託事業者に当たる場合、次の点を書面で明確にしておくと安全です。
- 発注内容と代金を記した発注書面を交付する
- 支払期日は受領後60日以内を基準とする
- 受領拒否、代金減額、不当な返品、買いたたきは禁止行為
- 不当なやり直しの要求も禁止行為に含まれる
原型やゴム型の所有と保管も、事前に決めておきます。三雄工芸は、原型とゴム型を納品時に返却し、約半年以上発注がない型は整理時に廃棄すると公開しています。
不良品の扱いと修正回数も、書面に入れておく項目です。鋳造には枠の破裂など工場が免責を明示する事故があり、日本アイボリーはその場合の弁償はできないと公開しています。
地金代は相場に連動します。日本アイボリーは銀の鋳造料金を「完成品重量×(銀地金相場+鋳造工賃)」と公開しており、見積もりの有効期限を確認しておく必要があります。
表示と刻印の責任
完成品の品位表示は、販売するブランド側の責任です。日本ジュエリー協会の表示規定は、主たる貴金属の種類と品位を本体に表示すると定めています。
表示の加工方法や、造幣局の品位証明の扱いも、この規定にまとまっています。工場に刻印を依頼する際は、規定に沿った内容を指定します。
- 本体への表示は打刻、彫刻、レーザー、印刷で行う
- 原型・金型・ワックスへの表示は打刻または彫刻
- 金・プラチナ製品に造幣局の品位証明刻印があれば、種類と品位の表示を略せる
- 造幣局の品位証明は任意の制度で、有料
原産国の表示も確認します。JJAの規定では、ロストワックス鋳造の原産国は本体の鋳込み工程を行った国で決まります。
海外で鋳造し国内で仕上げた製品を「日本製」と表示すると、景品表示法の不当表示に当たるおそれがあります。消費者庁は原産国に関する不当な表示を、法5条3号の指定表示として挙げています。
OEMに向く案件・向かない案件
OEMは、同じ形をある程度の数量作る案件で力を発揮します。逆に、1点ごとに形が違う案件は、原型代が毎回かかるため割高になります。
向き不向きを整理すると、次のようになります。
- 向く:同じデザインを数十個以上、追加生産の見込みがある
- 向く:既製の金具やチェーンと組み合わせるオリジナルトップ
- 向かない:毎回形が変わる一点物(原型代が都度発生)
- 向かない:素材と数量が未定のまま見積もりだけ取りたい
この記事に出てくるメーカー
- CASTY3Dデータ持ちの1個試作に最速
- 日本アイボリー株式会社料金体系が最も透明な鋳造工場
- 三雄工芸小ロットは不向き、中ロット以上で
参照元
よくある質問
ジュエリーのOEMとODMはどちらを選べばいいですか?
デザインが自社で決まっているならOEM、デザインから工場に任せたいならODMです。三雄工芸のように両方を扱う工場もあるため、問い合わせ時にどちらを希望するか伝えると話が早く進みます。
ジュエリーOEMの依頼から納品までどれくらいかかりますか?
日本アイボリーは原型製作に約2〜3週間、量産後にも約2〜3週間と案内しています。めっきなどの仕上げはさらに日数がかかる場合があると記載されており、工程数で前後します。
OEMで作った製品の品位表示は誰が責任を持ちますか?
販売するブランド側です。日本ジュエリー協会の表示規定に沿って、主たる貴金属の種類と品位を本体に表示します。刻印内容は発注時に工場へ指定します。
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1個から試作・小ロットで始めるなら
PRGEMILYA(ジェミリア)
「1個だけ作りたい」に、ちゃんと答える会社
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