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板金試作の材質の選び方|SPCC・SECC・SUS304・A5052の使い分けと在庫材【2026年版】

板金の試作でよく使うSPCC・SECC・SUS304・SUS430・A5052などの材質の性格と、掲載各社が公式に挙げる対応材質、在庫材で試作を早くする方法を整理します。ステンレスとアルミの選び分けや、材質が決まらないときの頼み方も解説します。

公開 2026年10月1日

板金の試作で材質を決めるときは、強さや錆びにくさだけでなく、加工会社が在庫しているかどうかも日程に効きます。在庫の無い材質は取り寄せから始まるため、試作の日数が延びます。

このページでは、板金でよく使う材質の性格と、掲載各社が公式に挙げる対応材質・在庫の状況を整理します。

板金でよく使う材質の記号と性格

板金の図面では、材質を記号で書きます。試作でよく使われる材質の大まかな性格は次のとおりです。

記号分類主な使いどころ
SPCC冷間圧延鋼板塗装して使うブラケットや内部部品
SPHC熱間圧延鋼板厚めの板を使う架台や補強部品
SECC・SGCCめっき鋼板後処理を省きたい電子機器の筐体やシャーシ
SUS304ステンレス錆を嫌う食品・医療・屋外の部品
SUS430ステンレス磁性があり、意匠パネルなどに使われる
A5052アルミ合金軽さが必要な筐体・カバー・ブラケット
C1100銅バスバーなど電気を流す部品

同じ部品でも、量産で塗装するならSPCC、塗装を省くならSECCというように、後工程と合わせて選ぶと費用が下がります。材質の記号は図面の表題欄に必ず書いてください。

掲載各社が公式に挙げる対応材質

対応材質の一覧を公式に載せている会社は多くあります。代表的な会社の記載を並べると次のとおりです。

会社公式に挙げる主な材質
CREST PRECISIONSPCC・SPHC、SUS304・316・430・410、チタン、A1050・A2017・A5052、黄銅、銅、リン青銅
平野製作所SUS303・304・316・430、A1050・A6063・A5052・A6061、SS・SGCC・SECC・SPCC、黄銅、リン青銅
平山技研SPCC・SECC・SPHC、SUS303・304・316・430、A1050・A1100・A5052、リン青銅
都留SUS304・SUS430、AL1100・5052、銅、SPCC・SPHC・SECC、ガルバニウム鋼板、亜鉛メッキ鋼板
遠松製作所鉄、ボンデ鋼板、ZAM鋼板、ステンレス、アルミ、銅、真鍮、チタン
小花製作所SUS304、SUS316L、SUS430、鉄、炭素鋼、チタン、アルミ、銅

チタンや銅、ZAM鋼板のように扱う会社が限られる材質は、一覧に載っているかを先に確かめると、問い合わせ先を絞れます。

一覧に無い材質でも、取り寄せで対応できる場合があります。その場合は材料の手配日数が加わるため、希望納期と一緒に聞いてください。

在庫材を使うと試作は早くなる

試作の日数を縮めるうえで、材料を待たずに加工に入れるかどうかは大きな差になります。在庫の多さを公式に書いている会社は次のとおりです。

  • ツツミ産業: 試作用の板金材料をおよそ800種類常備。板厚は材料により0.03〜8.0mm
  • かねよし: 150種類の板の在庫
  • モハラテクニカ: 158パレットの材料自動倉庫に鉄・アルミ・ステンレス・真鍮・銅・チタンを板厚ごとに常時ストック
  • アートウインズ・シートメタル: SPCC・SPHC、SECC・SGCC、ステンレスなどを種類と厚みのバリエーションごとに常備
  • CREST PRECISION: SPCCを在庫し、早く安く試作したい場合はSPCCでの試作を提案

CREST PRECISIONは、ステンレスやアルミの要望をSPCCで試作した実績も多いと書いています。形と組み付けだけを確かめる1回目の試作なら、在庫材で作ってもらう選択肢があります。

ただし、強度や錆、重さを評価する試作では、量産と同じ材質で作らないと結果が使えません。何を確かめる試作なのかを先に決め、材質を変えてよいかを加工会社に伝えてください。

ステンレスは仕上げと用途で選び分ける

ステンレスは種類だけでなく、表面の仕上げでも見え方と費用が変わります。掲載各社の記載から、選び分けの手がかりを挙げます。

  • 小花製作所: 食品・医薬品・化粧品向けにSUS304・SUS316L・SUS430を扱い、#800の鏡面までバフ研磨を自社で行う
  • 都留: 材料表記にSUS304・SUS430の2B、BA、HL、NO4、研磨材を挙げる
  • シマムラ製作所: 衛生面に優れたステンレスの加工を得意とし、厨房機器や医療機器に対応
  • CREST PRECISION: SUS304・SUS316・SUS430・SUS410を対応材質に掲載

外観部品なら、最初から仕上げ済みの材料を使うと研磨の工程を減らせます。図面には材質の記号と一緒に、表面の仕上げの指定も書いてください。

食品機械のように衛生面が問われる部品では、溶接のビードや研磨まで含めて材質を決めます。小花製作所はビードカットやバフ研磨、電解研磨で雑菌の繁殖や粉詰まりを防ぐと説明しています。

アルミは曲げと溶接のしやすさで選ぶ

アルミは軽い反面、材質によって曲げの割れやすさと溶接のしやすさが違います。掲載各社が公式に挙げる主な材質は次のとおりです。

会社アルミの材質の記載
上村製作所主要材質はA5052およびA6061-T6
オーディーケーA5052、A1050、A6063
平野製作所A1050、A6063、A5052、A6061
アーバンカンパニーコラムでA5052-H32の最小曲げRを解説

アーバンカンパニーは、A5052-H32を試作板金で広く使われる材質として解説しています。曲げRの目安は、図面の書き方のページで詳しく扱っています。

材質が決めきれないときの頼み方

材質が決まっていなくても、見積は取れます。次の情報を伝えると、加工会社が候補を提案しやすくなります。

  1. 使う環境: 屋内・屋外・水回り・食品に触れるか
  2. 求める性質: 軽さ・強さ・錆びにくさ・電気を通すか
  3. 外観: 塗装するか、素地のまま見せるか
  4. 量産の見込み: 量産で同じ材質を使い続けるか

材質の提案から相談できる会社もあり、ツツミ産業は製品仕様に応じて材質の選定から提案すると書いています。候補を2つに絞って見積を並べると、費用と日数の差が分かります。

材質を変えると、曲げRや溶接の方法、表面処理まで連動して変わります。候補ごとに同じ図面で見積を取り、加工方法の違いも一緒に説明してもらってください。

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参照元

よくある質問

板金の試作でSPCCとSECCはどう使い分けますか?

量産で塗装する部品はSPCC、塗装を省いて錆を防ぎたい電子機器の筐体やシャーシはめっき鋼板のSECCが使われます。都留、平野製作所、平山技研、CREST PRECISIONなどが両方を対応材質に挙げています。

ステンレスの試作を早く安く作る方法はありますか?

形と組み付けだけを確かめる試作なら、在庫材で作る方法があります。CREST PRECISIONは、ステンレスにこだわりがなければ在庫しているSPCCで試作することを提案し、ステンレスやアルミの要望をSPCCで製作した実績も多いと書いています。

チタンや銅の板金を頼める会社はありますか?

あります。CREST PRECISION(チタン材・銅・リン青銅)、遠松製作所(銅・真鍮・チタン)、小花製作所(チタン・銅)、モハラテクニカ(銅・チタンを在庫)などが公式に挙げています。

【用途別】板金加工の試作会社おすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

1個からの試作を、とにかく急ぐなら

CREST PRECISION株式会社

新規試作を月平均3955件。最短当日、初めての取引でも最短3日で出てくる

長野県岡谷市の精密板金会社で、新規の試作板金を月平均3955件手がけると公式に記載している。FAQで最短納期は当日、初回は品質レベル合わせのため最短3日間と答え、溶接ものも最短当日中の納品に対応する。見積は試作ページで1時間以内をうたい、FAQでは営業時間内の平均4時間、15時までの依頼の95%を当日回答。少量は「1個/ロット~10個/ロットが大好きです。」と書いている。

CREST PRECISION株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

装置の筐体・カバーを、量産を見据えて試作するなら

株式会社佐藤電機製作所

筐体・フレーム専門サイトを運営。10cm角〜2m×1m、試作から月産1000個まで

山梨県山梨市の精密板金会社で、筐体とフレームに特化した「精密筐体・フレームファクトリー」を運営する。10cm×10cm〜2m×1mの筐体・フレームを得意とし、最短3日・通常30日以内。試作は1個から受け、試作段階から量産を見据えた設計を行うと記載する。板厚は0.8〜3.2mmの筐体を多く扱い、量産はヌキだけの製品で月産1000個位まで実績がある。

株式会社佐藤電機製作所の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

ステンレスを溶接して、研磨まで仕上げるなら

株式会社小花製作所

食品・医薬品機械向けのステンレス板金。TIGからロボット溶接、#800のバフ研磨まで自社

群馬県佐波郡玉村町で1964年4月に創業した板金・製缶の会社で、「ステンレス精密板金・製缶加工センター」を運営する。ロット1個から受け、SUS304・SUS316L・SUS430のほか鉄、チタン、アルミ、銅に対応。板厚はt0.5〜t25の実績が多く、t30〜t40クラスもある。溶接はTIG、ファイバーレーザー溶接、半自動、ロボット溶接、バフ研磨は#800の鏡面まで自社で行う。

株式会社小花製作所の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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