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板金加工の試作・小ロット · 用途別

板金の筐体・カバー・ブラケットを試作する|大きさ・板厚・組立で選ぶ会社【2026年版】

装置の筐体・カバー・ブラケットを板金で試作したい開発部門向けに、掲載各社が公式に出している対応サイズと板厚、外観仕上げ、溶接・カシメ・組立の対応を整理します。試作した筐体を量産へつなぐときの注意点もまとめました。

公開 2026年10月1日

装置の筐体やカバーは、板金の試作で最も多い品物のひとつです。大きさ、板厚、外観、組立の範囲で、頼むべき会社が変わります。

このページでは、掲載各社の公式サイトに書かれている対応サイズ・板厚・組立の記載をもとに、筐体・カバー・ブラケットの試作先の選び方を整理します。

筐体の試作で会社選びが分かれる3つの数字

筐体の相談では、最初に次の3つの数字を伝えると、対応できる会社かどうかがすぐに分かります。

  • 外形の大きさ: 手で持てる小物か、床に置く装置か
  • 板厚: 薄板の精密な筐体か、厚板のフレームか
  • 台数: 試作の1台で終わるのか、続けて数十台・数百台を作るのか

大きさは、加工機の加工範囲と曲げられる長さで上限が決まります。台数は、試作の後に同じ会社で量産まで続けられるかの判断に使います。

板厚は、強度だけでなく重さと費用にも効きます。佐藤電機製作所は板厚0.8〜3.2mmの板金部品・筐体製作を多く扱い、その他は要相談と書いており、この範囲が筐体の中心的な板厚だと分かります。

筐体の大きさと板厚を公式に出している会社

対応できる大きさや板厚を数字で書いている会社を並べると次のとおりです。

会社公式の大きさの記載公式の板厚の記載
佐藤電機製作所10cm×10cm〜2m×1m。1m×2m×1mほどの筐体までが得意0.8〜3.2mmを多く扱う
CREST PRECISION電話BOX程度(1000×1000×h2000程度)まで6.0mmまで
都留製品1,000mm×1,000mm以内、部品500mm×500mm以内SPCC〜9.0t、SUS〜6.0t、AL〜3.0t
ワイビィー形状により10mm〜1800mm程度記載なし(事例はt0.2〜t2.3)
ハルナ工業形状により10mm〜1800mm程度記載なし
アスク板金は□3mm〜□500mmt0.01mm〜6mm
アートウインズ・シートメタルレーザーの加工範囲1,000mm×2,000mm記載なし

佐藤電機製作所は、ノートパソコン程度の大きさからの筐体製作が多いとも書いています。大型の装置カバーなら佐藤電機製作所やCREST PRECISION、手に持てる大きさならアスク(□500mmまで)、という分け方が公式の数字から読み取れます。

加工機の範囲を超える大きさの筐体は、部品を分けて溶接やボルトでつなぐ設計になります。分割の位置は外観と強度に効くため、試作の前に加工会社と相談して決めてください。

カバー・ブラケットの外観で決めておくこと

人の目に触れるカバーは、溶接の跡や表面の仕上げで評価が変わります。外観に関わる公式の記載を挙げます。

  • 都留: TIG溶接からファイバーレーザー溶接に変え、ヘアライン仕上げで仕上げたモニターカバーの事例を公開
  • 吉見鈑金製作所: 溶剤塗装と粉体塗装の設備を自社に持ち、ヘアライン加工やメッキまで一貫
  • 佐藤電機製作所: 塗装・メッキ・アルマイト・シルク印刷を協力会社で手配
  • ハルナ工業: 塗装・メッキ・シルク印刷等の処理も可能とFAQで回答
  • CREST PRECISION: 亜鉛メッキ、ニッケルメッキ、塗装、粉体塗装、アルマイト、アロジンに対応

外観の基準は、言葉だけでは伝わりにくい項目です。限度見本や写真を用意し、傷や溶接跡をどこまで許すかを図面の注記に書いてください。

処理鋼板を使うと、塗装やメッキを省ける場合があります。佐藤電機製作所は、処理鋼板など後処理のいらない材料も多く取り扱っていると書いています。

溶接・カシメ・組立をどこまで頼むか

筐体は、板金の部品を溶接やカシメでつなぎ、ナットやスタッドを付けて完成します。どこまでを一社で頼めるかを公式の記載で見ると次のとおりです。

会社接合・組立の公式の記載
都留ファイバーレーザー溶接、TIGロボット溶接、圧入加工。要望によりビス止め・リベットで組み立てて納品
佐藤電機製作所ファイバーレーザーロボット溶接機、スポット溶接機、自動供給カシメ機
島田工業精密板金に加え、電気配線・組付・塗装・検査・梱包まで一貫
ハルナ工業アルミ溶接による各種筐体の溶接組立が得意
HAYAMA大きな製品(筐体)から精密部品まで。5軸マシニングセンタも保有

電装品や配管まで組み込んだ状態で受け取りたい場合は、島田工業のように配線組立まで持つ会社が候補になります。板金だけを頼んで社内で組む場合は、穴位置とナットの種類を図面で確定させてください。

ナットやスタッドの取り付けは、溶接かカシメかで外観と費用が変わります。都留は、溶接に適さない金属の組み合わせや塗装鋼板の接合に圧入加工が適すると説明しています。

試作の筐体を、量産で作りやすくしておく

筐体は試作の後に台数が増えることが多く、試作の段階の設計が量産の費用を決めます。公式の記載から、量産を見据えた進め方の手がかりを挙げます。

  • 佐藤電機製作所: 試作段階から量産を見据えた設計を行い、ヌキだけの製品で月産1000個位までの実績
  • 都留: 10〜500個の小・中ロット生産に特化し、タレットパンチプレスを24時間稼働
  • 佐藤電機製作所: 年間100件を超える材質・加工方法変更のVA・VE提案
  • 都留: 水槽タンクで納期58%短縮・コスト40%削減の例

溶接を曲げに置き換える、ナットの溶接をカシメに変えるといった変更は、量産での手間を減らします。試作の見積を取るときに、量産を考えた場合の変更案も一緒に聞いてください。

試作と量産で会社を変える場合は、試作で使った展開データや治具の扱いも決めておく必要があります。同じ会社で続けられるなら、その手間は要りません。

ブラケット・小物部品は精度と数量で選ぶ

筐体の内部に付けるブラケットやステーは、小さい代わりに穴位置や曲げの精度が組み付けに効きます。小物の精度を公式に示している会社は次のとおりです。

  • ミューテック35: 抜き±0.02、曲げ±0.05、溶接±0.1。事例にSUS304 t1.0の部品50個を納期5日
  • 都留: 曲げの寸法公差±0.2以内、部品500mm×500mm以内
  • ワイビィー: 絞り加工ブラケットSPCC t2.3の事例。試作型で月100〜1000個程度も可能
  • HAYAMA: SUS304CSP t0.15やA5052 t0.6の精密部品の事例

ブラケットは同じ形を何個も使うことが多く、試作の段階で数十個が必要になる場合もあります。精度の数字と、数十個のときの日数を一緒に比べてください。

ミューテック35の事例のように、50個でも5日で納めた例を公開している会社もあります。個数が増えても日数があまり延びない会社を選ぶと、評価用の台数をそろえやすくなります。

筐体の試作を依頼するまでの手順

筐体の試作を頼むときは、次の順に準備すると、見積と製作の手戻りが少なくなります。

  1. 外形・板厚・台数の3つの数字を決める
  2. 対応サイズと板厚を公式に出している会社から2〜3社を選ぶ
  3. 外観の基準と表面処理の仕様を注記にまとめる
  4. 溶接・カシメ・組立のどこまでを頼むかを決める
  5. 量産の台数の見込みを伝え、量産向けの変更案も聞く

試作の期間は、表面処理の有無で大きく変わります。佐藤電機製作所は処理なしで3〜4週間、処理ありで6〜8週間としており、評価の日程から逆算して処理の手配を決めてください。

急ぐ評価が形と組み付けだけなら、処理なしで先に1台を受け取り、外観の評価用は処理ありで追加する方法もあります。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

大きな装置の筐体を板金で試作できる会社はありますか?

あります。佐藤電機製作所は10cm×10cm〜2m×1mの筐体・フレームを得意とし、1m×2m×1mほどの筐体までが得意なサイズと書いています。CREST PRECISIONは電話BOX程度(1000×1000×h2000程度)の大きさまで対応します。

筐体の試作に塗装やシルク印刷まで頼めますか?

頼める会社があります。佐藤電機製作所は協力会社で塗装・メッキ・アルマイト・シルク印刷に対応し、吉見鈑金製作所は溶剤塗装と粉体塗装の設備を自社に持っています。ハルナ工業もFAQで、塗装・メッキ・シルク印刷等の処理に対応すると答えています。

板金の筐体に配線まで組み込んで納品してもらえますか?

島田工業は、精密板金加工に加えて電気配線・組付・塗装・検査・梱包まで一貫で対応し、試作から多品種中量産までのOEM生産を掲げています。

【用途別】板金加工の試作会社おすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

1個からの試作を、とにかく急ぐなら

CREST PRECISION株式会社

新規試作を月平均3955件。最短当日、初めての取引でも最短3日で出てくる

長野県岡谷市の精密板金会社で、新規の試作板金を月平均3955件手がけると公式に記載している。FAQで最短納期は当日、初回は品質レベル合わせのため最短3日間と答え、溶接ものも最短当日中の納品に対応する。見積は試作ページで1時間以内をうたい、FAQでは営業時間内の平均4時間、15時までの依頼の95%を当日回答。少量は「1個/ロット~10個/ロットが大好きです。」と書いている。

CREST PRECISION株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

装置の筐体・カバーを、量産を見据えて試作するなら

株式会社佐藤電機製作所

筐体・フレーム専門サイトを運営。10cm角〜2m×1m、試作から月産1000個まで

山梨県山梨市の精密板金会社で、筐体とフレームに特化した「精密筐体・フレームファクトリー」を運営する。10cm×10cm〜2m×1mの筐体・フレームを得意とし、最短3日・通常30日以内。試作は1個から受け、試作段階から量産を見据えた設計を行うと記載する。板厚は0.8〜3.2mmの筐体を多く扱い、量産はヌキだけの製品で月産1000個位まで実績がある。

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3

ステンレスを溶接して、研磨まで仕上げるなら

株式会社小花製作所

食品・医薬品機械向けのステンレス板金。TIGからロボット溶接、#800のバフ研磨まで自社

群馬県佐波郡玉村町で1964年4月に創業した板金・製缶の会社で、「ステンレス精密板金・製缶加工センター」を運営する。ロット1個から受け、SUS304・SUS316L・SUS430のほか鉄、チタン、アルミ、銅に対応。板厚はt0.5〜t25の実績が多く、t30〜t40クラスもある。溶接はTIG、ファイバーレーザー溶接、半自動、ロボット溶接、バフ研磨は#800の鏡面まで自社で行う。

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