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板金加工の試作・小ロット · 用途別

板金の試作から量産へ移す|10個・100個・1000個で変わる頼み方と会社【2026年版】

板金の試作が終わり、数十個から数百個の量産に移る段階の進め方を整理します。数量帯ごとの得意を公式に書いている会社、簡易金型・試作型で数百個をつなぐ方法、24時間稼働やロボットで単価をそろえる会社、量産で求められる書類と検査をまとめました。

公開 2026年10月1日

試作で形が固まると、次は同じ部品を数十個、数百個と作る段階に入ります。試作で頼んだ会社がそのまま量産に向くとは限らず、数量によって得意な会社が変わります。

このページでは、掲載各社が公式サイトに書いている数量帯・設備・検査の記載をもとに、試作から量産へ移るときの進め方を整理します。

試作と量産で変わる3つのこと

試作と量産では、加工会社に求めるものが変わります。移る前に、次の3点を見直してください。

  • 優先するもの: 試作は日数、量産は単価と品質のそろい方
  • 作り方: 試作は手作業の溶接や汎用の金型、量産はロボットや専用の治具・金型
  • 書類: 量産では検査成績書や材料の証明書を求められることが多い

試作の会社にそのまま量産を頼む場合も、数量が変われば作り方と見積の前提が変わります。量産の見積は、試作の見積とは別に取り直してください。

量産では、納入の頻度も条件に加わります。月に1回まとめて納めるのか、毎週少しずつ納めるのかで、加工会社の段取りと在庫の持ち方が変わるため、見積の依頼に書いておいてください。

数量帯ごとの得意を公式に書いている会社

どの数量が得意かを公式に書いている会社を、数量の小さい順に並べます。

会社公式の数量の記載
CREST PRECISION1個/ロット〜10個/ロットを得意とする
吉見鈑金製作所平均1〜3個の多品種少数生産から10〜100個程度の中ロット
竹村製作所小ロット(1個)〜量産(100個以上)
都留10〜500個の小・中ロットに特化、50〜1,000個の中ロット
島田工業ロボットベンダーで最小ロット10個程度から24時間の無人稼働
ワイビィー試作型で月100〜1000個程度
佐藤電機製作所ヌキだけの製品で月産1000個位までの実績

試作の1個と量産の数百個を同じ会社で続けたいなら、竹村製作所のように1個から量産までを書いている会社が候補になります。量産の単価を重視するなら、都留のように数百個の帯に特化した会社にも見積を取ってください。

同じ数量でも、部品の大きさで向く会社は変わります。都留は主な加工サイズを製品1,000mm×1,000mm以内とし、佐藤電機製作所は1m×2m×1mほどの筐体までを得意とするように、大きさの記載も一緒に見てください。

簡易金型・試作型で、数百個の帯をつなぐ

数百個の帯は、汎用の金型だけでは手間がかかり、量産の金型を作るには数が少ない、中途半端な数量です。この帯をつなぐ方法として、公式に挙げられている手段は次のとおりです。

  • ワイビィー: 量産型ではなく試作型を作り、月に100〜1000個程度も可能
  • CREST PRECISION: 専用金型を作らずに簡易金型(ダイレスフォーミング)で成形
  • 宝永起工: 社内で作る簡易金型で絞り加工。試作から小中ロット量産まで
  • ケーアイ精密板金: 簡易金型による絞り成型で低コスト・短納期
  • テクニカ: 簡易金型や治具、レーザー加工、ロボット溶接で低コスト・短納期の生産を提案
  • モハラテクニカ: プレスのノウハウを板金に展開し、プレス品の小ロット生産を提案

数千個以上になる見込みがあるなら、オーディーケーが説明するようにプレスの金型費と単価の差を比べる段階に入ります。数百個のうちは、簡易な型で単価を下げる方法を先に検討してください。

簡易な型は、量産の金型より寿命が短いのが一般的です。何個まで使えるかを見積の段階で聞き、型の作り直しが要る数量を把握しておいてください。

24時間稼働とロボットで単価と品質をそろえる

量産では、同じ部品を同じ品質で作り続けることが求められます。人の作業を機械に置き換える設備を公式に書いている会社は次のとおりです。

会社公式の記載
都留タレットパンチプレスをサイクルローダー付で24時間稼働し、生産性20%UP・納期30%短縮
島田工業ロボットベンダーで最小ロット10個程度から24時間の無人稼働
モハラテクニカ自動材料供給で24時間連続無人化運転
吉見鈑金製作所パンチ・レーザ複合加工機(24時間対応機)
深沢製作所曲げ工程を完全に自動化するオートベンダー
佐藤電機製作所自動金型交換ベンディングマシン、ファイバーレーザーロボット溶接機

ロボットや自動機は、段取りを済ませてしまえば同じ品質で何個でも作れます。そのぶん最初の段取りに手間がかかるため、何個から機械に乗せる方が安いかを見積で確かめてください。

都留は、曲げの工程でベンドキャムソフトを使い、リピート加工では前回の加工データを呼び出して再生できると書いています。リピートの多い部品では、こうした仕組みが品質のそろい方に効きます。

量産で求められる書類と検査

量産の取引では、部品と一緒に品質を示す書類を求められることが多くなります。公式に対応を書いている例を挙げます。

  • 都留: 要望に応じて検査成績書、RoHS等の環境対応書類、ミルシート(鋼材検査証明書)に対応。ISO9001システムに準拠して製造
  • 小花製作所: バフ粉など異物除去済みの証明として電解研磨証明書を提出した品質向上の事例を掲載
  • 深沢製作所: RoHSをはじめとした規格に対応するため、材料分析まで保障可能な品質管理体制
  • ISO9001の認証を公式に挙げる会社: ケイアイ、ツツミ産業、ワイビィー、アートウインズ・シートメタル、創円、モハラテクニカ、アーバンカンパニーなど

試作の段階では要らなかった書類も、量産では取引の条件になる場合があります。必要な書類を、量産の見積を頼むときに一覧で伝えてください。

書類の有無で、検査の工数と見積の金額が変わることもあります。検査成績書を全数に付けるのか、ロットごとに付けるのかまで決めて伝えると、見積の前提がそろいます。

量産で頼む会社を変えるときの引き継ぎ

試作の会社と量産の会社を分ける場合は、試作で決まったことを確実に引き継ぐ必要があります。引き継ぐものを挙げると次のとおりです。

  1. 試作で確定した最新の図面と、変更の履歴
  2. 曲げRや溶接の方法など、試作で決めた加工条件
  3. 外観の限度見本と、検査で見る寸法
  4. 試作品の現物(量産先の基準になる)
  5. 量産の数量と、納入の頻度

引き継ぎで抜けやすいのは、図面に書かれていない加工の工夫です。試作の会社に、量産に移すときの注意点を聞いておくと、量産先での手戻りを減らせます。

量産に向けた設計変更の提案を公式に掲げる会社もあります。佐藤電機製作所は年間100件を超えるVA・VE提案を行い、都留は水槽タンクで納期58%短縮・コスト40%削減の例を公開しています。

量産先を決める前に、試作の会社へ聞くこと

試作を頼んだ会社に量産まで続けて頼めるかは、次の質問で確かめられます。答えを比べれば、試作の会社に続けるか、量産に強い会社に移るかを決められます。

  • 量産の数量で見積を出してもらえるか
  • 量産向けに設計を変えると単価がいくら下がるか
  • 必要な検査成績書や証明書に対応できるか
  • 月ごとの納入にどこまで対応できるか

佐藤電機製作所のように、試作の段階から量産を見据えた設計を行うと書いている会社なら、試作の時点でこの話を始められます。試作の見積を取るときに、量産の見込み数も一緒に伝えておいてください。

量産の見込みが変わったときも、早めに伝えておくと設備や材料の準備を合わせてもらえます。島田工業のように試作・設計から多品種中量産までを一貫で受ける会社なら、数量の変化にも同じ窓口で対応できます。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

板金の試作の後、数百個の量産も同じ会社に頼めますか?

頼める会社があります。竹村製作所は1個から100個以上の量産まで、都留は10〜500個の小・中ロットに特化しています。佐藤電機製作所は試作から量産を見据えた設計を行い、ヌキだけの製品で月産1000個位までの実績があります。

数百個の板金部品を安く作る方法はありますか?

簡易金型や試作型を使う方法があります。ワイビィーは量産型ではなく試作型を作り月に100〜1000個程度に対応し、宝永起工やケーアイ精密板金は簡易金型で絞りを成形します。都留のように24時間稼働の設備で単価を下げる会社もあります。

量産の板金部品で検査成績書やミルシートを出してもらえますか?

都留は要望に応じて検査成績書、RoHS等の環境対応書類、ミルシートに対応します。深沢製作所は、RoHSをはじめとした規格に対応するため材料分析まで保障できる品質管理体制をとると書いています。必要な書類は、量産の見積を頼むときに一覧で伝えてください。

【用途別】板金加工の試作会社おすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

1個からの試作を、とにかく急ぐなら

CREST PRECISION株式会社

新規試作を月平均3955件。最短当日、初めての取引でも最短3日で出てくる

長野県岡谷市の精密板金会社で、新規の試作板金を月平均3955件手がけると公式に記載している。FAQで最短納期は当日、初回は品質レベル合わせのため最短3日間と答え、溶接ものも最短当日中の納品に対応する。見積は試作ページで1時間以内をうたい、FAQでは営業時間内の平均4時間、15時までの依頼の95%を当日回答。少量は「1個/ロット~10個/ロットが大好きです。」と書いている。

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2

装置の筐体・カバーを、量産を見据えて試作するなら

株式会社佐藤電機製作所

筐体・フレーム専門サイトを運営。10cm角〜2m×1m、試作から月産1000個まで

山梨県山梨市の精密板金会社で、筐体とフレームに特化した「精密筐体・フレームファクトリー」を運営する。10cm×10cm〜2m×1mの筐体・フレームを得意とし、最短3日・通常30日以内。試作は1個から受け、試作段階から量産を見据えた設計を行うと記載する。板厚は0.8〜3.2mmの筐体を多く扱い、量産はヌキだけの製品で月産1000個位まで実績がある。

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3

ステンレスを溶接して、研磨まで仕上げるなら

株式会社小花製作所

食品・医薬品機械向けのステンレス板金。TIGからロボット溶接、#800のバフ研磨まで自社

群馬県佐波郡玉村町で1964年4月に創業した板金・製缶の会社で、「ステンレス精密板金・製缶加工センター」を運営する。ロット1個から受け、SUS304・SUS316L・SUS430のほか鉄、チタン、アルミ、銅に対応。板厚はt0.5〜t25の実績が多く、t30〜t40クラスもある。溶接はTIG、ファイバーレーザー溶接、半自動、ロボット溶接、バフ研磨は#800の鏡面まで自社で行う。

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自社の部品に合う板金会社を、無料で相談する

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