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ジュエリーOEM · 基礎知識

検品・品質基準の考え方|寸法公差・メッキ厚・石留めの確認と工場の検品体制

ジュエリーOEMの品質基準を、寸法公差・めっき厚・石留め・検品回数の4つに分けて説明します。数値は工場や業界団体が公式に記載しているものだけを使い、不良時の扱いと品質基準書に書く項目も整理します。

公開 2026年9月29日

このページでは、ジュエリーOEMで品質をどう決め、どう確かめるかを説明します。寸法公差、めっき厚、石留め、検品の回数の順に、公式に記載されている数値と体制だけを根拠にします。

品質基準は工場が勝手に決めるものではありません。発注側が基準を渡し、工場が検品で確かめる、という分担が前提です。

品質は「誰が・いつ・何を」見るかで決まる

同じ製品でも、検品の担い手と回数は会社で違います。公式サイトで検品体制を公開している会社を並べます。

会社検品の体制(公式記載)
GEMILYA国内提携工場に鋳造・研磨・メッキ・石留めを委託し、工程管理と納品前の検品を自社で行う。製作の流れで「1点ずつ検品し、納品します」
石友二重検品・全品検査体制。X線検査を工程に含む
ばん屋工場2回・国内1回の計3回検品
アクセサリーマルタカ工場検品・社内検品・第三者機関検品を使い分け
Tesoro海外生産品は本社で全数検品。国内基準で検品
トラスト全商品に原盤(設計図)と品質基準書、各工場に独立したQC
山勝検品で色合わせ・ポストチェック・石ゆれ・ダイヤチェック
ダイアート三枝ISO9001に基づく品質管理。CAD・原型・鋳造・研磨・石留め・検品まで社内一貫

GEMILYAのように製造を工場に委託し、検品を自社で行う体制は、工場と検品者が分かれる点で第三者検品に近い形です。発注側は、どの段階で誰が見るかを最初に聞いておきます。

寸法公差の公式記載例(±0.1mm・縮み約5%)

寸法の精度を数値で公開している会社は多くありません。ダイアート三枝は、CAD設計・3D造形と製造技術の組み合わせで±0.1mmレベルの高精度な製造を実現すると記載しています。

寸法がずれる原因として公開されているのは、ゴム型の縮みです。日本アイボリーは焼成する量産シリコンゴム型が約5%縮み、常温硬化型は縮みがほとんどない代わりに料金が約2倍と説明しています。

  • 精度の公開例:ダイアート三枝 ±0.1mmレベル
  • 縮みの公開例:日本アイボリー 量産シリコンゴム型 約5%、常温型はほぼなし
  • 厚みの下限:日本アイボリーはワックスで最低0.7mm
  • 造形サイズの上限:GEMILYAは一体造形で90×90×90mmまで
  • リングの真円:日本アイボリーは真円出しを1本500円〜、3営業日

GEMILYAは3Dモデリングの場合、レンダリング画像で形状・寸法を確認できると記載しています。公差を指定するなら、この画像確認の段階で数値を伝えます。

めっき厚の表示ルールと確認の方法

めっきの厚みは、日本ジュエリー協会の表示規定に表し方が定められています。厚みを表す場合は、最小の厚みをμmの数値で記号の後に付けます(例:GP 3μm)。

表示は最表面の皮膜金属で行い、めっきの色で地金の色と誤認させる表示は禁止です。ホワイトゴールドに施す白色めっきは、地金色との色差⊿E14以内が条件とされています。

確認項目根拠・公式記載
厚みの指定JJA規定:最小厚みをμmで記号の後に付す
下地めっきの有無日本皮膚科学会は主要アレルゲンに硫酸ニッケルを挙げる。JJAはNF表示に「安全」を付けないと規定
色の確認GEMILYAはメッキ8種(K24〜ブラックロジウム)と部分メッキ。山勝は検品で色合わせ
分析設備EDGE Castは蛍光X線分析機を設備に掲載。石友はX線検査を工程に含む

めっきの厚みを保証値として求める場合は、見積の段階でμm値を書き、検品でどう確かめるかを聞きます。数値の記載がない会社では「記載なし」として扱います。

石留め・部品・刻印の確認項目

石留めは鋳造後の手作業で、検品の対象が多い工程です。山勝は石ゆれとダイヤチェックを検品項目に挙げています。

石を支給する場合は、破損リスクの扱いを先に決めます。日本アイボリーは預かった石の破損リスクを注意点として公開しています。

  • 石留めの方式:GEMILYAは爪留め・覆輪留めなど5種。EDGE Castは爪留め・彫留・ふせこみ・ふくりん等
  • 石の品質証明:グラッシーはGIA認定宝石鑑定士が常駐し品質保証書を発行。ダイアート三枝はGIA検査済み天然ダイヤモンドを使用
  • 石の検査設備:クリエイトタカノは合成ダイヤモンド検査機等による検査
  • 部品:山勝はポストチェックを検品項目に。JJAはピアスのポストにニッケル含有貴金属を使用しないと規定
  • 刻印:GEMILYAは打刻・レーザー・鋳造一体。品位表示は主たる貴金属の種類と品位を本体に表示(JJA)

品位の証明を第三者に頼む方法

地金の品位そのものを第三者に確かめてもらう制度が、造幣局の品位証明です。任意の有料制度で、依頼者が事前に登録して製品を持ち込みます。

試験では製品の一部を削り取ります。造幣局は白金・金製品で0.3g、銀製品で1gを100個あたり1試料の割合で採取すると公開しています。

項目造幣局の公開値
手数料(1部品製品、1〜7個)金製品1,491円、白金製品2,401円、銀製品777円(税込)
試料の採取白金・金0.3g、銀1g(100個あたり1試料)
不合格品の返還手数料の80%と特別作業手数料
刻印の最小サイズ金・銀 縦0.8mm×横2.4mm、白金 縦0.8mm×横3.6mm

証明を受けた金・プラチナ製品は、種類と品位の表示を略せます。登録には製造業者または販売業者であることを証明する書類が必要です。

不良が出たときの扱いの公開例

不良の扱いは、工場側の免責と発注側の禁止行為の両方から決まります。公正取引委員会は取適法で、委託側の不当な返品や不当なやり直しの要求を禁止行為に挙げています。

工場側が免責を明示している例もあります。日本アイボリーは鋳造時にキャスト枠が破裂する場合があり、その際の弁償はできないと公開しています。

  • 納品後の対応:アクセサリーマルタカは納品後の破損・修理のアフターフォロー。ダイアート三枝は納品後のメンテナンス対応。山勝は修理・アフターケアまで対応。IVXJAPANは修理や追加生産に柔軟に対応
  • 修正の費用:SUN DIGITAL JEWELRY SERVICEは大きなデザイン変更がない限り3Dデータの修正料金なし。銀工房はデザイン変更による作り直しは別途有料
  • キャンセル:GEMILYAは正式な発注(受注)のあとのキャンセル不可(発注前の相談・見積は無料)
  • 免責:日本アイボリーはキャスト枠の破裂と預かり石の破損をリスクとして明示

品質基準書に書いておく7項目

トラストは全商品に品質基準書を持つと公開しています。発注側も、次の7項目を書面にして工場に渡すと、検品の基準がそろいます。

  1. 寸法と許容差(レンダリングまたは図面に数値で記入)
  2. 重量の目安(地金代の根拠になる)
  3. 仕上げの種類(鏡面・マット・いぶし・ヘアライン)と部位
  4. めっきの種類、厚み(μm)、部分めっきの範囲、下地の指定
  5. 石の種類・支給の有無・留め方・破損時の扱い
  6. 刻印の内容・位置・方法と、品位表示の文言
  7. 不良の定義と、修理・再製作・返品の条件

GEMILYAは数量製作の前にサンプルで現物を確認することを勧めています。7項目はサンプルの承認時に確定し、量産の検品はその承認品と比べる形が最も揉めません。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

ジュエリーOEMの寸法公差はどれくらいですか?

公開している会社は少なく、ダイアート三枝が±0.1mmレベルの高精度な製造を記載しています。ずれの原因はゴム型の縮みで、日本アイボリーは焼成する量産シリコンゴム型が約5%縮むと公開しています。公差を求めるなら、GEMILYAのレンダリング確認のような原型前の段階で数値を伝えます。

メッキの厚みはどう指定すればいいですか?

日本ジュエリー協会の表示規定に従い、最小厚みをμmで記号の後に付けて指定します(例:GP 3μm)。厚みを公開している工場は少ないため、見積で数値を書き、検品でどう確かめるかを聞きます。EDGE Castは蛍光X線分析機を設備に掲載しています。

納品された製品に不良があったらどうなりますか?

会社の公開条件によります。アクセサリーマルタカは納品後の破損・修理に対応し、ダイアート三枝は納品後のメンテナンスに対応すると記載しています。日本アイボリーはキャスト枠の破裂を免責としています。取適法では委託側の不当な返品も禁止されるため、不良の定義を発注前に書面で決めておきます。

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※2026年9月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

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