アクセサリーの小ロット製作 · 基礎知識
最小ロットの書き方を読み解く|1個・1色・1型1色・ペア・最低取引金額の違いと確かめ方
アクセサリーの製作会社が公式サイトに書く最小ロットは、「1色30個」「1型1色各36個」「30組」「最低取引金額20万円」など数え方がばらばらです。表記ごとの意味、色やペアの数え方、素材でロットが変わる例、小ロット対応とだけ書く会社への確かめ方を整理します。
小ロットで作れる会社を探すと、最小ロットの書き方が会社ごとに違うことに気づきます。この記事では、表記ごとの数え方、色やペアの扱い、最低取引金額、素材による違い、確かめ方を順に整理します。
表記の例は、各社の公式サイトに書かれているものをそのまま引いています。
同じ30個でも、数え方が違う
最小ロットの数字だけを見て比べると、実際に必要な数を読み違えることがあります。各社の公式記載を、数え方の単位ごとに並べます。
| 表記の単位 | 公式記載の例 | 数え方 |
|---|---|---|
| 1個・1点 | JEWELRY TAKEDA「MINIMUM ORDER 最小注文 1」、ラッキーアンドカンパニー「1点よりOEMご相談ください」 | 1つから |
| pcs | Tesoro「1pcs ~ 30pcs~ 50pcs ~ 100pcs ~ 500pcs ~ など」 | 個数。数量で加工の可否が変わる |
| 1色 | トーキョードライブ「ロット1色50個〜」、スペース「1色30個/ペア」 | 色ごとに数える |
| 1型1色 | サンワ製作所「最低ロット:1型1色各36個~」(問屋向けに卸す既製アクセサリーの条件) | デザインごと・色ごとに数える |
| 組 | OPULA「ピアスは30組〜」 | 左右で1組 |
| 金額 | OPULA「最低取引金額20万円〜」 | 個数とは別に金額の下限 |
「1色50個」と「1型1色各36個」では、色を増やしたときに必要な数がどちらも色の数だけ増えます。合計で数えるのか、色ごとに数えるのかを、まず表記から読み取ります。
色とデザインを増やすと、必要な数は掛け算になる
1型1色で数える条件では、デザインと色を増やすほど、最小ロットの合計が掛け算で増えます。サンワ製作所が既製アクセサリーの卸に付けている「1型1色各36個」を例に、必要な数を数えます。
- 1デザイン×1色: 36個
- 1デザイン×2色: 36個×2色=72個
- 2デザイン×2色: 36個×4=144個
色違いで展開したい場合は、最小ロットが小さい会社か、色ごとの数え方が柔らかい会社を選ぶ必要があります。GEMILYAは最低ロットを設けておらず、同じデザインでサイズ違い・色違いを混ぜる場合は仕様ごとに内訳を分けて見積もると書いています。
ピアスやペアの品目は「組」と「個」を確かめる
ピアスやイヤリングは左右で1組です。最小ロットが「個」なのか「組」なのかで、作る数が倍違うことがあります。
- OPULA: ピアスは30組から(簡易カスタマイズ)
- スペース: 合金は1色30個/ペアから、SV925は12個/ペアから、K10・K18・プラチナは6個/ペアから
スペースの「30個/ペア」のように、個とペアが並べて書かれている場合は、ピアスなら30ペアなのか30個なのかを確かめます。見積を頼むときに、組で数えた数量を書いておくと誤解が防げます。
最低取引金額という、もう1つの条件
個数の下限とは別に、1回の取引の金額に下限を設けている会社もあります。OPULA(2026年10月1日時点でOEMの新規受付を一時停止中)は、簡易カスタマイズは最小30個かつ最低取引金額20万円から、フルカスタマイズは最小100個かつ50万円からとしています。
| 作り方 | 最小ロット | 最低取引金額 | 1個あたりに直すと(単純計算) |
|---|---|---|---|
| 簡易カスタマイズ | 30個 | 20万円 | 30個なら1個あたり約6,700円分 |
| フルカスタマイズ | 100個 | 50万円 | 100個なら1個あたり5,000円分 |
単価が安い品目を30個作るだけでは、最低取引金額に届かないことがあります。OPULAはシルバー925のピアスの概算単価を1,500〜6,000円(税抜)としているため、単価の低いピアスだけなら30組より多く作る計算になります。
素材によって、同じ会社でもロットが変わる
同じ会社でも、素材によって最小ロットが大きく違うことがあります。公式に素材別のロットを書いている会社を並べます。
| 会社 | 少ない数で作れる素材 | ロットが大きくなる素材 |
|---|---|---|
| スペース | K10・K18・プラチナ1色6個、SV925 12個(国内) | 真鍮50個、ステンレス100個(中国生産) |
| Tesoro | シルバー・ゴールド・プラチナは1pcsから | 真鍮・メタルは数千個単位から |
| ワン・パシフィック | K18は1個から | SV925は原則20個から(相談可) |
| トーキョードライブ | 18金のオリジナル30個から | 合金・真鍮・シルバー925のオリジナル1色50個から |
| GEMILYA | 5素材とも1個から | 素材でロットは変わらないと明記 |
真鍮のように地金が安い素材の方が、ロットが大きくなる会社があるのは意外かもしれません。少ない数で作るなら、まず素材ごとのロットを見て、候補の素材を決めます。
小ロット対応とだけ書く会社への確かめ方
公式サイトに具体的な数を書かず、小ロットに対応するとだけ書いている会社もあります。sansyoは最小ロットの数を公開しておらず、ピューターのラバーキャストについて「小ロットでも安価に」作れると書いています。銀工房は少ない数の発注に「もちろん大歓迎です」と答えていますが、個数は公開していません。
- 何個から受けるか: 1個からか、10個からか、色ごとの数え方はどうか
- 少ない数の単価: 割増になるか、初期費用はどう割り当てられるか
- サンプルの扱い: sansyoはサンプルを有料で作り、銀工房は量産品のサンプルを〜5,000円の有料で作る
- 型の保管: 作り足すときに型が残っているか。銀工房は原型を保管してリピートに使う
数字が書かれていない会社には、作りたい数を先に伝えて、受けられるかどうかを聞くのが確実です。問い合わせの最初の1通で、デザインの数と色の数もあわせて書いておくと、条件が合うかの返事が早くなります。
ロットの条件を、問い合わせ文で確かめる
ロットの表記を読んだうえで、最後は問い合わせで条件を確かめます。次の項目を1通に入れておくと、条件が合わない会社がすぐ分かります。
- デザインの数と、それぞれの色の数
- 品目ごとの数量(ピアスは組で数える)
- 素材の候補(2案あれば両方)
- 予算の総額(最低取引金額に届くか)
- 作り足しの予定(型を何か月残したいか)
GEMILYAの発注仕様シートは、想定数量を1(特注)、2〜10、11〜50、51〜99、100〜299、300〜999、1,000以上の7区分で選ぶ形にしています。数が決まっていなくても、区分で伝えれば相談を始められます。
この記事に出てくる会社
- GEMILYA(ジェミリア)1個から始めて、売れた分だけ作り足すなら
- 銀工房少数で、原型代とサンプル代を抑えて
- JEWELRY TAKEDA1個から、池袋で対面で詰めるなら
- 株式会社ラッキーアンドカンパニー法人が1点から本格的に作るなら
- ワン・パシフィックK18を1個、総額を先に組むなら
- OPULAロゴ入れを30個から、予算を先に決めて
- 株式会社sansyo少数を、原型から自社工場で
- 株式会社サンワ製作所錫合金を国内の自社工場で、少数から
- 有限会社スペース6個〜30個の初回ロットを国内で
- トーキョードライブ50個未満を割増で作るか比べるなら
参照元
よくある質問
「1型1色各36個」とはどういう意味ですか?
デザインごと、色ごとに36個ずつが最小という意味です。サンワ製作所が問屋向けに卸す既製アクセサリーの表記で、1デザインを2色で作るなら36個×2色=72個が必要になります。色違いを少ない数で作りたいなら、最低ロットを設けない会社の方が向きます。
最低取引金額があると、何個作ればいいのですか?
個数の下限と金額の下限の両方を満たす数です。OPULAの簡易カスタマイズは30個かつ20万円からのため、単純計算で1個あたり約6,700円分に届かない品目なら、30個より多く作る必要があります。
素材によって最小ロットが変わるのはなぜですか?
理由までは公式に書かれていませんが、素材によって生産国や製法を分けている会社があります。スペースはK10・K18・プラチナを1色6個から国内で、真鍮は50個から中国で生産すると書いています。Tesoroは貴金属は1pcsから、真鍮・メタルは数千個単位からです。GEMILYAは5素材とも1個からとしています。
【数量別】アクセサリーの小ロット製作会社おすすめ3選
1個から始めて、売れた分だけ作り足すなら
PRGEMILYA(ジェミリア)
1個の特注も、サンプル1個も、見積の形を分けて
最低ロットを設けず、シルバー925・K18・K10・プラチナ900・真鍮のいずれも1個から製作する。1個の特注とサンプル1個で見積の形を分け、2〜30個・31〜99個の進め方まで公式に示している。原型は最終発注から6か月保管し、期間内の作り足しは原型代がかからない。
3Dデータがあり、1個をすぐ金属にしたいなら
CASTY
データを上げれば、1個の金額がその場で出る
「1個から製作OK」とうたうネット金属鋳造で、STL・OBJの3Dデータをアップロードすると自動で見積が出る。SV925のペンダント8,500円から(鏡面研磨込)、真鍮の精密パーツは量産価格で3,500円からなど参考製作価格を公開し、納期は最短12営業日。
6個〜30個の初回ロットを国内生産で作るなら
有限会社スペース
素材で決まる初回ロット。貴金属なら6個から
素材別の最小ロットを公開していて、K10・K18・プラチナは1色6個/ペアから、SV925は12個から、合金は30個からで、いずれも国内生産。サンプル約2週間・量産約4〜6週間と日数も明快で、FAQでは個人でも条件に同意すれば卸・OEM/ODMのいずれも取引できるとしている。