アクセサリーの小ロット製作 · 用途別
試作を2回、3回と作り直して形を詰めたい|修正の費用の扱いと、どの段階で直すと軽く済むか
アクセサリーの試作を何度か作り直して形を詰めたい人向けに、修正が軽く済む段階、修正料金の扱いを公開している会社、3Dの画像で分かることと現物でしか分からないこと、試作を早く回せる会社、試作の回数と総額の考え方、修正指示の書き方を各社の公式記載で整理します。
このページでは、アクセサリーの試作を何度か作り直して形を詰めたいときの進め方を説明します。修正の段階、費用の扱い、確認の方法、試作の速さ、総額の考え方、修正指示の順に整理します。
根拠は各社の公式サイトの記載です。修正の料金が公開されていない会社は、そのことを書いています。
修正がいちばん軽く済むのは、データと原型の段階
同じ修正でも、どの段階で直すかで手間と費用が変わります。GEMILYAは、承認の場面を4つに分け、前の段階に戻るほど修正は軽く済むと説明しています。
| 段階 | 決めること(GEMILYAの公式記載) | 修正の重さ |
|---|---|---|
| 1. 見積の承認 | 素材・重量・仕上げ・数量・費用の内訳 | 承認までは費用が発生しない |
| 2. 原型・データの確認 | 形状・寸法・刻印の位置。3Dなら画像で確認 | この段階の修正がいちばん軽い |
| 3. サンプルの承認 | 現物の仕上がり・重量・着け心地 | 承認した状態が、そのあと作る数量の基準になる |
| 4. 製作・検品 | 納品する数量と状態 | 量産後の仕様変更は原型からやり直しになる場合がある |
1個の特注ではサンプルの段階がなく、承認は3回になると同社は書いています。形の大きな修正は、なるべく2の段階で終えておくのが手戻りの少ない進め方です。
修正料金の扱いを公開している会社
試作を作り直すとき、修正のたびに費用がかかるかどうかは会社によって違います。公式に書かれている扱いを並べます。
| 会社 | 修正・作り直しの扱い(公式記載) |
|---|---|
| SUN DIGITAL JEWELRY SERVICE | 「即日修正〜大きなデザイン変更がない限り、修正料金は発生致しません」(3Dデータ) |
| 銀工房 | デザイン変更による作り直しは別途有料 |
| GEMILYA | 仕様の変更は、サンプルを作る場合はサンプル承認前までその都度受ける。有償の工程は見積の承認後に始める |
| OPULA | サンプルは全て有料。仕様確定後にモックアップ画像で確認 |
| トーキョードライブ | サンプル代15,000円からが目安。本生産が前提で、サンプルのみは不可 |
3Dデータの段階の修正が無料でも、原型や試作を作り直すと費用がかかる会社がほとんどです。どの段階の修正が有料になるかを、最初の見積で確かめておきます。
3Dの画像で分かること、現物でしか分からないこと
修正の回数を減らすには、画像で決められることは画像で決め、現物でしか分からないことだけを試作で確かめます。GEMILYAは、3Dの場合はレンダリング画像で形状・寸法を確認し、重量シミュレーションで地金コストの精度を上げると書いています。
| 確認の方法 | 分かること | 分かりにくいこと |
|---|---|---|
| 3Dの画像 | 形、寸法、刻印の位置、重量の見込み | 着け心地、仕上げの質感 |
| 試作の現物 | 重さの感じ方、着け心地、仕上げの見え方、めっきの色 | (作り直すと費用と日数がかかる) |
形の修正は画像の段階で、着け心地や仕上げの修正は試作の段階で、と分けると、試作の回数を減らせます。GEMILYAも、数量を作る場合はサンプルで現物の仕上がり・重量・着け心地を確かめるよう勧めています。
試作を早く回せる会社
試作を何度か作るなら、1回あたりの日数が短い会社の方が全体の日程を守りやすくなります。公開されている日数を並べます。
| 会社 | 公開されている日数 | 条件 |
|---|---|---|
| EDGE Cast | 最短翌日 | 店舗持込・店舗受取。原型やデータは自分で用意 |
| アメス | 最短1週間(シリコンゴム型からの制作) | シリコンゴム型がある場合は最短3日 |
| CASTY | 最短12営業日 | 3Dデータ入稿 |
| スペース | サンプル約2週間 | 国内生産 |
| GEMILYA | 最短2週間ほどの場合あり(目安はおよそ4週間) | 原型データがそろい、石留めや修正が少ない場合 |
日本アイボリーは、量産受注で仕上げ方法を変えたサンプルを作れると書いています。仕上げで迷っているなら、仕上げ違いを同時に作って並べると、試作の回数を1回減らせます。
試作の回数と、総額の考え方
試作を増やすと、その分の費用と日数がかかります。それでも、量産に入ってから直すよりは安く済むことが多い、というのが各社の説明に共通する考え方です。
- GEMILYA: まずサンプル1個で現物を確かめ、良ければ数量を作る進め方を勧め、初回は割高に見えても作り直しを防げる分、総額を抑えられる場合があると説明
- GEMILYA: 量産に入ったあとの仕様変更は、原型からやり直しになる場合がある
- 銀工房: 量産品のサンプルは希望時に有料(〜5,000円)
- sansyo: サンプルを有料で作り、製作前に細部を確認できる
試作の費用は、量産の単価の見積とは別の行で出してもらうと、何回目までにいくらかかるかが読みやすくなります。見積を頼むときに、試作の回数ごとの費用を分けて書いてもらえるか聞いておきます。
試作の回数を最初から2回と決めておき、1回目で形、2回目で仕上げを確かめるように役割を分けると、際限なく作り直すことを防げます。
試作の前に、何を用意しておくか
試作の1回目を形に近づけるほど、作り直しの回数は減ります。会社ごとに受け付ける資料が違うため、手元の資料に合う会社を選びます。
- 3Dデータがある: GEMILYAは.3dm・.stl・.igs・.stpで入稿でき、CASTYはSTL・OBJをアップロードすると自動見積が出る
- 手描きの絵や写真しかない: SUN DIGITAL JEWELRY SERVICEはラフスケッチ・手書きの絵・写真・実物から3Dデータを作る
- 対面で詰めたい: JEWELRY TAKEDAは池袋のオフィスで打ち合わせ、3Dモデリングやサンプルで形にする
- 現物がある: GEMILYAは現物の3Dスキャンに対応(権利者本人か許諾がある場合に限る)
参考にしたい既製品の写真を添えるときは、形を参考にしたいのか、大きさや厚みを参考にしたいのかも書いておきます。
寸法の分かる資料があると、試作の精度が上がります。手描きの場合も、実物大で描くか、mm単位の寸法を書き添えておきます。
決まった試作を、量産の基準にする
試作を重ねて形が決まったら、その1個を量産の基準として扱います。GEMILYAは、サンプルの承認で決めた状態が、そのあと作る数量の基準になると書いています。
- 基準の見本: 承認した試作を手元に残し、量産品と並べて確かめる
- 許容の範囲: 鋳造品は微細な質感の個体差が出るため、どこまで許容するかを先に共有する
- 確認の項目: 寸法、仕上げの見え方、めっきの色味、刻印、数量など、外せない点を相談の段階で合意する
- 変更の締切: サンプルを承認したあとの変更は、原型からやり直しになる場合がある
試作の段階で迷いを残したまま量産に進むと、届いてから気づいても直せません。承認する前に、もう一度だけ全体を見直す時間を取っておきます。
修正指示は、1回でまとめて書く
修正を小出しにすると、そのたびに往復の日数がかかります。試作を見たら、気になる点をまとめて1回で伝えます。
- どこを: 部位の名前か、写真に印を付けて示す
- どうしたいか: 太く・薄く・丸くなど、方向を書く
- どのくらい: mm単位か、今の何割増しかで書く
- 優先順位: 必ず直したい点と、できれば直したい点を分ける
- 次の段階: 画像で確認してから試作するか、すぐ試作するか
GEMILYAは、修正回数は納期が前後する要因の1つだと書いています。修正の指示をまとめるほど、全体の日数は短くなります。
この記事に出てくる会社
- アメス少数を短納期で、型から作り足すなら
- CASTY3Dデータで1個から、すぐ見積を見たいなら
- EDGE Cast原型持込で1点ずつ鋳造するなら
- GEMILYA(ジェミリア)1個から始めて、売れた分だけ作り足すなら
- 銀工房少数で、原型代とサンプル代を抑えて
- JEWELRY TAKEDA1個から、池袋で対面で詰めるなら
- 日本アイボリー株式会社自分の原型を1個から鋳造するなら
- OPULAロゴ入れを30個から、予算を先に決めて
- 株式会社sansyo少数を、原型から自社工場で
- 有限会社スペース6個〜30個の初回ロットを国内で
- SUN DIGITAL JEWELRY SERVICE手描きから1点だけ、対面で作るなら
- トーキョードライブ50個未満を割増で作るか比べるなら
参照元
よくある質問
アクセサリーの試作は何回まで作り直せますか?
回数の上限を公式に書いている会社は見当たりませんでしたが、作り直すほど費用と日数がかかります。銀工房はデザイン変更による作り直しを別途有料とし、GEMILYAはサンプル承認前までの仕様変更をその都度受けるとしています。
試作の修正にお金はかかりますか?
段階と会社で違います。SUN DIGITAL JEWELRY SERVICEは、大きなデザイン変更がない限り3Dデータの修正料金は発生しないとしています。原型や試作を作り直す場合は費用がかかる会社がほとんどで、OPULAはサンプルを全て有料としています。
修正を少なくするコツはありますか?
形の修正は3Dの画像の段階で終え、着け心地や仕上げだけを試作で確かめることです。GEMILYAは、原型・データの確認の段階の修正がいちばん軽く済むと書いています。修正の指示は1回でまとめて伝えます。
【数量別】アクセサリーの小ロット製作会社おすすめ3選
1個から始めて、売れた分だけ作り足すなら
PRGEMILYA(ジェミリア)
1個の特注も、サンプル1個も、見積の形を分けて
最低ロットを設けず、シルバー925・K18・K10・プラチナ900・真鍮のいずれも1個から製作する。1個の特注とサンプル1個で見積の形を分け、2〜30個・31〜99個の進め方まで公式に示している。原型は最終発注から6か月保管し、期間内の作り足しは原型代がかからない。
3Dデータがあり、1個をすぐ金属にしたいなら
CASTY
データを上げれば、1個の金額がその場で出る
「1個から製作OK」とうたうネット金属鋳造で、STL・OBJの3Dデータをアップロードすると自動で見積が出る。SV925のペンダント8,500円から(鏡面研磨込)、真鍮の精密パーツは量産価格で3,500円からなど参考製作価格を公開し、納期は最短12営業日。
6個〜30個の初回ロットを国内生産で作るなら
有限会社スペース
素材で決まる初回ロット。貴金属なら6個から
素材別の最小ロットを公開していて、K10・K18・プラチナは1色6個/ペアから、SV925は12個から、合金は30個からで、いずれも国内生産。サンプル約2週間・量産約4〜6週間と日数も明快で、FAQでは個人でも条件に同意すれば卸・OEM/ODMのいずれも取引できるとしている。
1個〜数十個に対応する会社から提案を受ける
作りたいもの・数量(1個/数個/数十個)・素材の候補・納期を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載会社へ匿名で概要をお伝えし、対応可能な会社からの連絡をおつなぎします。費用はかかりません。