ブリスター包装機 · 基礎知識
ブリスター包装機の処理能力の読み方|錠/分・シート/分・ショット/分と機械の大きさ
ブリスター・PTP包装機の能力表示(錠/分、シート/分、ショット/分、回/分)の読み方と、必要能力の計算、機械寸法・電源・圧縮空気の確認点を、掲載メーカーの公式仕様で解説します。
ブリスター包装機のカタログには、錠/分、シート/分、ショット/分など、いくつもの単位が出てきます。単位をそろえないと、機種の比較を間違えます。
能力の単位は4種類ある
メーカーによって能力の書き方が違います。まず、それぞれが何を数えているのかを押さえます。
| 単位 | 数えているもの | 使っている例 |
|---|---|---|
| 錠/分 | 1分間に包める錠剤の数 | CKD FBP-800E 8,000錠/分 |
| シート/分 | 1分間に打ち抜くシートの数 | マルホ発條工業 EAGLE LP 20シート/分、ミューチュアル PRESTA1000 100シート/分 |
| ショット/分 | 1分間の成形・打ち抜きの回数 | CKD CFF-360E 最大20ショット/分、大森機械工業 FV-9000 20ショット/分 |
| 回/分 | 半自動機などの操作回数 | 大和化成工業 K-200KS 2〜4回/分 |
錠/分はシート当たりの錠数で計算されている
マルホ発條工業は、錠/分の値を1シート10錠で計算していると注記しています。たとえばEAGLE 100は100シート/分で1,000錠/分です。
- 1シートの錠数が少ないと、同じシート/分でも錠/分は小さくなる
- 1ショットで打ち抜けるシート数は、シートの形で変わる(マルホ発條工業の注記)
- 例:EAGLE MULTIで90×45mmのシートなら1ショットで3シート
自社の製品が1シート何錠かを先に決め、シート/分に直して比べると間違いがありません。
必要な能力を逆算する
必要な能力は、1日の生産数と稼働時間から逆算します。止まる時間を見込んで、計算値より余裕を持たせます。
- 1日に必要なシート数(または個数)を出す
- 1日の実稼働時間(分)で割る
- 段取り替えや停止を見込んで、7〜8割程度の稼働率で割り戻す
- その値を満たす機種を候補にする
大和化成工業は、K-200KSの例として1日7時間で70,000錠と書いています。半自動機でも、量が少なければ十分に間に合う場合があります。
掲載社の能力の幅
| 区分 | 機種 | 能力(公式記載) |
|---|---|---|
| 半自動 | 大和化成工業 K-200KS | 操作回数2〜4回/分 |
| 小型 | マルホ発條工業 EAGLE LP | 最大20シート/分 |
| 小型 | マルホ発條工業 EAGLE 50 | 最大500錠/分 |
| 少量生産用 | ミューチュアル PRESTA1000 | 100シート/分 |
| 中型 | CKD FBP-300E2 | 3,000錠/分 |
| 大型 | マルホ発條工業 PF-H6000 | 6,000錠/分 |
| 大型 | CKD FBP-800E | 8,000錠/分 |
機械の大きさと重さ
能力が上がるほど機械は長く重くなります。置き場所と床の強さは、能力と同じくらい大事な条件です。
| 機種 | 機械寸法・重量(公式記載) |
|---|---|
| マルホ発條工業 EAGLE LP | W1700×D750×H1700mm、約600kg |
| マルホ発條工業 EAGLE MULTI | W2050×D650×H1600mm、約800kg |
| ミューチュアル PRESTA1000 | 2,400×850×1,700mm |
| 大和化成工業 K-200KS | W950×D800×H1,685mm、400kg |
| CKD CFF-360E | 全長7,600mm、約3,800kg |
CKDは、CFF-360Eのメンテナンス寸法として前後各1mを設けるよう書いています。機械の寸法だけでなく、周りの作業スペースも図面に入れてください。
電源と圧縮空気も能力の一部
- マルホ発條工業 EAGLE LP:単相AC208V、圧縮空気600ℓ/分
- マルホ発條工業 EAGLE MULTI:3相AC200V、圧縮空気450ℓ/分
- CKD CFF-360E:AC200V 51kVA、圧縮空気1,600Nℓ/分(使用圧力0.6MPa)
- 大和化成工業 K-200KS:AC200V、ヒーター1.05kWh・モーター0.55kWh
圧縮空気の量が足りないと、成形が安定せず能力が出ません。コンプレッサーの増設が必要かどうかを、見積の段階で確かめてください。
台紙シール機は包装面積で比べる
台紙シール機は能力より、1回でシールできる面積で機種を分けています。台紙の大きさと1回に並べる数から機種を選びます。
| 機種 | 包装面積・シール面積 |
|---|---|
| タイセイテクノ TB3540 | W400×D350mm |
| タイセイテクノ TB5060 | W600×D500mm |
| タイセイテクノ TYH-50(シールトリマー) | W900×D600mm |
| ジェーピーインク BP-1A | 600×500mm |
能力の数字を比べるときの落とし穴
カタログの能力は、機種ごとに前提が違います。同じ数字に見えても、比べ方を間違えると機種選びがずれます。
- 最大値と標準値の違い(CKDは被包装品により異なると注記)
- 1シートの錠数の前提(マルホ発條工業は1シート10錠で計算)
- 手供給か自動供給か(手供給だと人の速さが上限になる)
必要能力の計算例
1日に10錠入りのPTPシートを30万錠ぶん作る場合を例に、必要な能力を計算します。数字は計算の流れを示すための仮の値です。
| 手順 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 1日の錠数 | 300,000錠 | 30,000シート |
| 実稼働時間 | 8時間×60分 | 480分 |
| 単純な必要能力 | 30,000÷480 | 約63シート/分 |
| 稼働率75%で割り戻し | 63÷0.75 | 約84シート/分 |
| 錠/分に直す | 84×10錠 | 約840錠/分 |
この例なら、1,000錠/分クラスの機種が候補になります。マルホ発條工業のEAGLE 100(1,000錠/分)やミューチュアルのPRESTA1000(100シート/分)が同じ区分です。
能力より効くのは止まる時間
包装機は、フィルム交換や型替え、トラブルで止まる時間が生産量を大きく左右します。最大能力の高さだけで選ぶと、実際の生産量が思ったほど伸びないことがあります。
- フィルムの掛け替えのしやすさ(CKDはフィルム通しのアシスト台を装備と記載)
- 品種切り替えの時間(CKDは品種切替時に条件を自動で切り換え)
- スクラップの処理(CKDはスクラップ受袋の交換頻度を「1回/2時間以上」と記載。仕様により異なる場合あり)
- トラブル箇所の表示(CKDはタッチパネルでトラブル箇所と詳細情報を表示)
能力を比べるときのチェックリスト
- 単位(錠/分・シート/分・ショット/分)をそろえたか
- 1シートの錠数と、1ショットのシート数を伝えたか
- 最大値か、自社製品での実力値か
- 段取り替えの時間を含めた1日の生産量で比べたか
- 電源・圧縮空気・冷却水の追加が要るか
この記事に出てくるメーカー
- CKD株式会社量産PTPと食品ブリスターの本命
- 大和化成工業株式会社治験・少量PTPの半自動機
- 株式会社ジェーピーインク台紙ブリスターを受託から機械へ
- マルホ発條工業株式会社治験から量産までPTPを一社で
- 株式会社ミューチュアルPTPを治験の半自動から
- 大森機械工業株式会社深絞り型でブリスターも包むなら
- 株式会社タイセイテクノ台紙ブリスターを手堅く
参照元
よくある質問
錠/分とシート/分はどう換算しますか?
シート/分に1シートの錠数を掛けると錠/分になります。マルホ発條工業は1シート10錠で計算しており、EAGLE 100の場合は100シート/分=1,000錠/分と注記しています。
カタログの能力はそのまま出ますか?
多くは最大値です。CKDは生産速度について被包装品により異なると注記しています。自社の製品とシートで、実際に出る能力を確かめてください。
小型機でも1日にどのくらい包めますか?
大和化成工業の半自動PTP包装機K-200KSは、操作回数2〜4回/分で、例として1日7時間で70,000錠と書いています。
【用途別】ブリスター包装機メーカーおすすめ3選
医薬品のPTPを、治験の少量から量産まで同じメーカーで揃えるなら
マルホ発條工業株式会社
最大500錠/分の小型機から6,000錠/分まで、PTP包装機を1枚の比較表で公開
PTP包装機はEAGLE 50(最大500錠/分)、EAGLE 100(1,000錠/分)、EAGLE 200(2,000錠/分)からPF-H6000(6,000錠/分)まで段階的にそろい、能力・最大シートサイズ・機械外寸を比較表で公開している。小型のEAGLE LPは圧空・プラグアシスト圧空・プラグ冷間(アルミ)成形に対応し、クリニックや研究所での運用を挙げる。高薬理製剤向けの水洗い対応も説明している。
食品・日用品のブリスターを高速で量産するなら
CKD株式会社
プラグアシスト圧空成形のCFFシリーズ。医薬品PTPは最大8,000錠/分のFBP
食品・日用品ブリスター包装機CFF-360Eはプラグアシスト圧空成形で最大20ショット/分、成形深さ最大60mm、容器にA-PET・PP・HIPS・PVC・PVDCを使える。オプションのフラッシュMAPで機内の窒素充填、チェーン洗浄装置なども選べる。医薬品向けのFBPシリーズは最大8,000錠/分で、異物検査・集積・バンド・ピローまでライン一式がそろう。
歯ブラシ・文具などの台紙ブリスターを、受託から始めて自社機に移るなら
株式会社ジェーピーインク
2〜6ステーションのシール機BPシリーズ。インパルスシールも選べ、成形品と受託加工もある
ブリスターパックシール機は2ステーションのBP-02、多品種中量向けのBP-4、大型テーブルのBP-6、600×500mmのシール面積を持つBP-1Aの4機種。一般的なヒートシールに加え、熱プレスを使わないインパルスシールも選べる。成形品(ブリスター容器)は親会社の工場で製造し、成形品の購入を条件にブリスターパック加工も受託している。