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ブリスター包装機 · 基礎知識

ブリスターの成形方式とシート材|真空・圧空・プラグアシスト・冷間成形の違い

ブリスター包装機の成形方式(真空・圧空・プラグアシスト・アルミの冷間成形)と、PVC・PP・PET・アルミなど対応シート材・蓋材の違いを、掲載メーカーの公式仕様から整理します。

公開 2026年10月1日

ブリスターの仕上がりは、シートをどう成形するかで大きく変わります。このページでは、成形方式とシート材の組み合わせを、メーカーが公式に書いている範囲で整理します。

成形方式は4つに分けて考える

掲載社の公式記載に出てくる成形方式は、真空・圧空・プラグアシスト・冷間の4つです。加熱したシートを型に吸い付けるか、空気で押し付けるか、棒で押し込むかの違いです。

方式仕組み向く形
真空成形加熱したシートを型の側から吸って成形浅く単純な形
圧空成形加熱したシートを空気の圧力で型に押し付ける角がはっきりした形
プラグアシスト成形プラグ(押し棒)でシートを押し込んでから成形深いポケット、肉厚を均一にしたい形
冷間成形(アルミ)加熱せずにアルミのシートをプラグで成形光や湿気を通さないアルミ/アルミの包装

メーカーごとの対応方式

同じ会社でも機種によって方式が違います。機種の仕様として方式の名前を書いている例を並べます。

メーカー機種対応方式(公式記載)
マルホ発條工業EAGLE LP圧空成形/プラグアシスト圧空成形/プラグ冷間成形(アルミ成形時)
マルホ発條工業EAGLE MULTI平板式圧空成形/平板式プラグアシスト成形
CKDCFFシリーズプラグアシスト圧空成形
フジヤマパックシステムFD-240/400プラグアシスト成形・圧空方式・真空方式
ムルチバック・ジャパン深絞り包装機圧空、真空、プラグアシスト

フジヤマパックシステムは、成形条件によって3つの方式のそれぞれに対応すると書いています。製品の形が決まっていない段階なら、方式を切り替えられる機種が比べやすくなります。

深さと肉厚はプラグで決まる

ポケットが深いほど、底や角のシートが薄くなりやすくなります。プラグアシストは、この肉厚の偏りを抑えるための仕組みです。

  • CKD:CFF-360Eの成形深さは最大60mmで、成形肉厚(プラグ動作量)をデジタルで設定できる
  • CKD:成形プラグ駆動をサーボ化し、品種切替時に自動で条件を切り換える
  • 大森機械工業:FV-9000の絞り深さは最大130mm
  • マルホ発條工業:EAGLE 50(PF-D1)のポケット深さは最大10mm

錠剤のPTPは浅いポケット、医療器具や食品は深いポケットになります。必要な深さを先に伝えると、機種の候補がすぐに絞れます。

容器フィルム(底材)の種類

ポケット側のシートは、透明で成形しやすい樹脂が中心です。バリア性を上げたい場合は、コートしたシートやアルミを使います。

機種使える容器フィルム(公式記載)
マルホ発條工業 EAGLE LPCPP、PVC、PVC複合、アクラー、軟質アルミ、PS、PET、PE
マルホ発條工業 EAGLE 50CPP、PVC、PVC複合、アクラー
CKD CFF-360EA-PET・PP・HIPS・PVC・PVDC(PPは10〜20℃の冷却水が必要)
大和化成工業 K-200KSPVC、PP、PET、AL複合シート等にシール可能

マルホ発條工業は、PVC、PVDCコートPVCやAclar、PP、アルミなどに対応し、AL/AL・AL/プラの仕様にも対応すると書いています。CKDの仕様表にあるとおり、PPは冷却水が必要になる機種もあります。

蓋材と台紙の種類

ふた側の材料は、PTPならアルミ箔、医療器具ならフィルムやタイベック、店頭商品なら台紙です。

  • マルホ発條工業 EAGLE LP:蓋フィルムにアルミ、PS、PET、PE、タイベック
  • CKD CFF-360E:フタに各種複合フィルム(例 PA+PE・PET+MPET+PE)
  • カナエ:低温シールが可能なPTP用アルミ箔や、アルミの代わりにグラシン紙を使った蓋材を扱う
  • カナエ:熱を加えず圧力だけで接着する台紙専用のローラー機EBS-A

アルミ成形が必要になる場面

光や湿気に弱い中身は、ポケット側もアルミにする場合があります。アルミは加熱せずにプラグで成形するため、専用のユニットが必要です。

メーカーアルミ成形の扱い(公式記載)
マルホ発條工業EAGLE 100Aはアルミ成形をプラス。EAGLE 50は標準機では不可で、AL成形ユニットの増設で対応
ミューチュアル公式製品ページでは記載を確認できず
CKDFBPシリーズの公式ページでは記載を確認できず

シート材が変わるときに確認すること

環境対応で材料を切り替えると、成形温度やシール条件が変わります。CKDはバイオマス素材を使ったPTP包装で、二酸化炭素排出量を従来比で約40〜60%減らせると書いています(削減比率は三菱ケミカルリサーチ社の算出で、使う係数により数値は異なるとの注記つき)。

  1. 新しい材料で同じ深さまで成形できるか
  2. 冷却水など設備の追加が要るか
  3. 蓋材とのシール温度が合うか
  4. 打ち抜き刃の摩耗が変わらないか

成形の不具合はどこに出るか

成形がうまくいかないと、ポケットの角が薄くなったり、しわが出たりします。シール面に影響すると密封が保てないため、サンプルの段階で必ず確かめます。

見る場所よくある不具合確かめ方
ポケットの角薄くなる・破れる光に透かして厚みのむらを見る
ポケットの底深さが足りない製品を入れて浮きがないか見る
シール面しわ・波打ちシール後に剥がして密着を見る
シート全体反り平らな台に置いて浮きを見る

シートの反りは、後工程の集積や箱詰めにも響きます。反りの出にくさも、見積の段階で聞いておきます。

サンプル成形を頼むときに渡すもの

成形の可否は、実物で試さないと分からないことが多くあります。メーカーにサンプルを頼むときは、次のものをそろえます。

  1. 製品の実物(錠剤なら数百錠程度、製品なら数十個)
  2. 使いたい容器シートと蓋材・台紙の実物
  3. ポケットの希望寸法と深さ
  4. 1シート・1パックの入り数と並び方
  5. 求める検査の内容

浅野研究所は成形テストの案内ページを公開しています。包装機メーカーへの問い合わせでも、サンプルの可否を最初に聞いてください。

成形方式を決める順番

最初に中身の形と必要な深さを決め、次にバリア性からシート材を決めます。方式は、その2つから機械側で選ぶものです。

順番決めること伝える相手
1中身の寸法と必要なポケットの深さ包装機メーカー
2バリア性(湿気・光)からシート材包装機メーカーと資材メーカー
3蓋材・台紙の種類資材メーカー
4成形方式と金型包装機メーカー

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

真空成形と圧空成形はどちらがよいですか?

用途によります。フジヤマパックシステムのFD-240/400のように、成形条件によりプラグアシスト成形・圧空方式・真空方式のそれぞれに対応する機種もあります。中身の形と深さを伝えて、メーカーに選んでもらうのが確実です。

PP(ポリプロピレン)のシートは使えますか?

CKDのCFF-360Eは容器にPPを使えますが、PPは10〜20℃の冷却水が必要と仕様表に書かれています。マルホ発條工業のEAGLE LPもCPPに対応します。

アルミ/アルミのPTPは作れますか?

マルホ発條工業のEAGLE LPはアルミ成形時のプラグ冷間成形に対応し、EAGLE 100Aはアルミ成形をプラスした機種です。EAGLE 50はAL成形ユニットの増設で対応します。

【用途別】ブリスター包装機メーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

医薬品のPTPを、治験の少量から量産まで同じメーカーで揃えるなら

マルホ発條工業株式会社

最大500錠/分の小型機から6,000錠/分まで、PTP包装機を1枚の比較表で公開

PTP包装機はEAGLE 50(最大500錠/分)、EAGLE 100(1,000錠/分)、EAGLE 200(2,000錠/分)からPF-H6000(6,000錠/分)まで段階的にそろい、能力・最大シートサイズ・機械外寸を比較表で公開している。小型のEAGLE LPは圧空・プラグアシスト圧空・プラグ冷間(アルミ)成形に対応し、クリニックや研究所での運用を挙げる。高薬理製剤向けの水洗い対応も説明している。

マルホ発條工業株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

食品・日用品のブリスターを高速で量産するなら

CKD株式会社

プラグアシスト圧空成形のCFFシリーズ。医薬品PTPは最大8,000錠/分のFBP

食品・日用品ブリスター包装機CFF-360Eはプラグアシスト圧空成形で最大20ショット/分、成形深さ最大60mm、容器にA-PET・PP・HIPS・PVC・PVDCを使える。オプションのフラッシュMAPで機内の窒素充填、チェーン洗浄装置なども選べる。医薬品向けのFBPシリーズは最大8,000錠/分で、異物検査・集積・バンド・ピローまでライン一式がそろう。

CKD株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

歯ブラシ・文具などの台紙ブリスターを、受託から始めて自社機に移るなら

株式会社ジェーピーインク

2〜6ステーションのシール機BPシリーズ。インパルスシールも選べ、成形品と受託加工もある

ブリスターパックシール機は2ステーションのBP-02、多品種中量向けのBP-4、大型テーブルのBP-6、600×500mmのシール面積を持つBP-1Aの4機種。一般的なヒートシールに加え、熱プレスを使わないインパルスシールも選べる。成形品(ブリスター容器)は親会社の工場で製造し、成形品の購入を条件にブリスターパック加工も受託している。

株式会社ジェーピーインクの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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