クリーンブース · 基礎知識
クリーンブースのFFU台数と換気回数|必要風量の計算式、FFUの機能、電源とメンテナンス
クリーンブースに載せるFFU(ファン・フィルター・ユニット)の役割、清浄度から換気回数を決めて必要風量とFFU台数を出す計算の手順(三共空調の公開例)、FFUの風量調整・目詰まりの知らせ・内側からのフィルター交換といった機能、電源の考え方を整理します。
クリーンブースの清浄度を決めるのは、天井に載せるFFUの能力と台数です。このページでは、必要な風量の出し方と、FFUを選ぶときに見る機能を、メーカーの公式な記載をもとに整理します。
FFUとは
三共空調は、FFU(ファン・フィルタ・ユニット)をファン付きの高性能(HEPA)フィルタユニットと説明しています。クリーンルームやクリーンブース、精密製造装置の天井に置き、清浄空気を吹き出す装置です。
| 部分 | 役割 |
|---|---|
| ファン | 周りの空気を吸い込み、フィルターへ送る |
| プレフィルタ | 大きなホコリを取り、主フィルターを長持ちさせる(松定プレシジョンはプレフィルタを標準装備と記載) |
| 主フィルター(HEPA・ULPAなど) | 細かい粒子を取り除く |
必要な風量を出す手順
三共空調は、ブースの大きさと清浄度からFFUの台数を出す手順を公開しています。順番にたどると次のようになります。
- ブースの容積を出す: V(m³)=幅W(m)×奥行D(m)×高さH(m)
- 清浄度から換気回数N(1時間に空気を入れ替える回数)を決める
- 必要風量を出す: Q(m³/min)=N×V÷60
- FFU1台の処理風量で割って台数を出す
| 清浄度(三共空調の表記) | 換気回数の目安 |
|---|---|
| Class 5(100) | 300回程度 |
| Class 6(1,000) | 80回程度 |
| Class 7(10,000) | 40回程度 |
| Class 8(100,000) | 20回程度 |
計算例をたどる
三共空調が示している例を、そのままたどります。幅5.0m・奥行2.0m・高さ3.0mのブースを、Class 7(旧規格の10,000)にする場合です。
- 容積: 5.0×2.0×3.0=30m³
- 換気回数: Class 7なので40回
- 必要風量: 40×30÷60=20m³/min
- FFU: 処理風量10m³/minの型なら20÷10=2台
同じブースをClass 5(換気回数300回程度)にすると、同じ式で必要風量は300×30÷60=150m³/minになります。清浄度を2段階上げるだけで、FFUの台数は大きく増えることが分かります。
公開されている風量の例
製品の風量を公式に載せている例を並べます。計算した必要風量と見比べると、規模の見当が付きます。
| メーカー・型 | 清浄度 | 風量の記載 |
|---|---|---|
| 日本エアーテック MCB06-262820A5(全面層流型) | ISO5(クラス100) | 約120m³/min、循環回数約470回/時 |
| 日本エアーテック MCB06-303020T7(乱流式) | ISO7(クラス10,000) | 約15m³/min、約50回/時 |
| ホクト総研 タイプ1(1,500mm角) | クラス1,000〜100,000 | 約3.5〜7.0m³/min、換気回数約89〜45回/h |
| 伸榮産業 KCB-112(1,500mm角) | クラス10000 | 3.0m³/min、換気回数40回 |
| 伸榮産業 FCB6-3020(折りたたみ) | クラス1000 | 11.0m³/min×2台 |
| 環境エンジニアリング 標準仕様 | 記載なし | FFU 5〜20m³/min |
FFUの機能で比べる
FFUは、台数だけでなく機能でも選びます。メンテナンスや省エネに関わる機能を、公式の記載から並べます。
| 機能 | メーカーと公式の記載 |
|---|---|
| 風量の調整 | ホクト総研は弱〜強まで無段階調節。ニットー冷熱製作所、松定プレシジョンも風量調整機能あり。日本エアーテックのMCB06シリーズは清浄度に合わせた風量自動制御も可能 |
| 目詰まりの知らせ | 環境エンジニアリングは標準仕様に風速センサーによるフィルター詰り警告灯または微差圧計を挙げる。エーディエフはHEPAの交換の目安を24時間連続運転で約半年と案内 |
| 内側からのフィルター交換 | ニットー冷熱製作所(メインフィルターをブースの内側から交換) |
| 電源の選択肢 | 蒲田工業は単相100V(TM04SPS-H50・TM10SPS-H50)と三相200V(TM06TPS-H50・TM15TPS-H50)のHEPAタイプFFUをそろえる |
| 省電力 | 松定プレシジョンはDCブラシレスモータ。日本エアーテックのMCB06シリーズは省電力タイプのクリーンユニット |
ホクト総研は、夜間のワーク保管など汚染源の少ないときは出力を下げる省エネ運転ができると書いています。使わない時間の運転方法も、電気代に響きます。
層流と乱流の違い
同じFFUでも、空気の流し方で清浄度と風量が変わります。日本エアーテックのMCBは、層流型と乱流式を清浄度ごとに分けています。
| 方式 | 日本エアーテックMCBの例 | 奥野技術研究所の説明(クリーンルームの方式) |
|---|---|---|
| 全面層流型 | ISO5、約120m³/min、約470回/時 | 垂直層流は天井全面のHEPAから下向きに吹き、床全体で吸い込む。高い清浄度が得られるが、設置・運転のコストが高い |
| 拡散層流型 | ISO5、約88m³/min、約293回/時 | ― |
| 乱流式 | ISO6は約25m³/min、ISO7は約15m³/min | 乱流は吹出口から清浄空気を吹き、壁面下方から循環させる。設置コストが安く主流 |
運転しながら確かめること
FFUは、取り付けたあとの運転のしかたでも性能が変わります。日々の運転で確かめたい点を並べます。
- 風量の設定が、決めた清浄度に足りているか(風量調整機能のある型は設定値を記録する)
- 目詰まりの警告灯や差圧計の表示が出ていないか
- カーテンの裾や出入口が、決めた形のまま開いているか(空気の逃げ道がふさがると陽圧が保てない)
- 夜間や休日の運転のしかた(ホクト総研は出力を下げる省エネ運転ができると説明)
電源の考え方
FFUの電源は、ブースの置き場所を決める条件になります。公式に書かれている電源を並べます。
- ホクト総研: タイプ1はAC100〜240V、タイプ2・3はAC100V。家庭用100Vのコンセント付コード(5m)を付属し、電気工事なしで運転開始できる
- 松定プレシジョン、SCREEN SPE サービス、三宝電機(KACBシリーズ): AC100〜240Vに対応
- 奥野技術研究所、環境エンジニアリング: 100Vまたは200V
- 日本エアーテック MCB06シリーズ: AC100V 1Φ(全面層流型は設備電力約1100VA)
FFUの台数を相談するときの準備
FFUの台数は、メーカーと一緒に決めるのが確実です。相談の前に、次の情報をそろえておいてください。
- ブースの内寸(幅・奥行・高さ)
- 必要な清浄度(ISOクラス)
- ブースの中で発塵する作業や装置の有無
- 使える電源と、天井から上の空きスペース
- フィルター交換を内側でしたいか
この記事に出てくるメーカー
- 株式会社エーディエフあとから広げるなら
- 日本エアーテック株式会社高い清浄度を型式で選ぶなら
- 株式会社ホクト総研規格品をすぐ買うなら
- 蒲田工業株式会社特殊仕様を作るなら
- 有限会社環境エンジニアリング柱のない大空間なら
- 松定プレシジョン株式会社標準品の種類で選ぶなら
- 株式会社ニットー冷熱製作所食品ラインのトンネル化なら
- 株式会社奥野技術研究所温湿度と清浄度を両方そろえるなら
- 三共空調株式会社食品の充填・包装なら
- 三宝電機株式会社防爆・温湿調が要るなら
- 株式会社SCREEN SPE サービスイエロー・暗室が要るなら
- 伸榮産業株式会社移設・折りたたみなら
参照元
よくある質問
FFUの台数はどう決めますか?
三共空調は、ブースの容積と清浄度から換気回数を決め、必要風量(Q=N×V÷60)を出してFFU1台の処理風量で割る手順を示しています。5.0×2.0×3.0mでClass 7なら20m³/min、10m³/minのFFUで2台という例です。
FFUは100Vで使えますか?
使える型が多くあります。ホクト総研は家庭用100Vのコンセント付コードが付属し(タイプ1はAC100〜240V、タイプ2・3はAC100V)、松定プレシジョンやSCREEN SPE サービスもAC100〜240Vに対応しています。
FFUのフィルター交換は高い所でしないといけませんか?
内側から交換できる型があります。ニットー冷熱製作所の組立式アルミクリーンブースは、メインフィルターをブースの内側から交換できると書いています。
【用途別】クリーンブースメーカーおすすめ3選
価格を見て、できるだけ早く入れたいなら
トヨシマ電機株式会社
即納品は在庫があれば1週間程度。税込価格を型式とサイズごとに公開
即納対応品TBU-Aシリーズはクラス10,000の3サイズで在庫があれば1週間程度、オーダーメイドのCBシリーズとサイズ変更対応のTBU-Bシリーズは最短2週間程度と公式に書いている。価格例を税別・税込の両方で公開し、TBU-Aの1,500角は195,000円(税込214,500円)、CBの3000W×2000D×2000H・クラス10,000は409,000円(税込449,900円)。
ISO5などの高い清浄度を、型式の数値で比べて選ぶなら
日本エアーテック株式会社
全面層流型のISO5から乱流式のISO7まで、風量と循環回数を型式ごとに公開
アルミ型クリーンブースMCBはISO5(クラス100)、ISO6(クラス1,000)、ISO7(クラス10,000)などに対応し、全面層流型MCB06-262820A5はISO5で処理風量約120m³/min・循環回数約470回/時、乱流式MCB06-303020T7はISO7で約15m³/min・約50回/時と公開している。主要部品の標準化・在庫化で短納期を実現したと書く。
防爆・空調付き・装置囲いなど、既製品に合わない特殊仕様なら
蒲田工業株式会社
富士・三重の自社工場でアルミフレームを加工し、完全オーダーメイドで施工
現地測量・設計からアルミフレームの加工・切断、施工まで一括で請け負うと書き、清浄度はクラス100〜100000(ISOクラス5〜8)。空調付き、ステンレス製、防爆、防塵・防虫、射出成形機用、フィルム巻取り用、包装機用、充填用のブースとマシンカバーをラインナップしている。