3比較ハブクリーンブース

クリーンブース · 基礎知識

クリーンブースとは|クリーンルームとの違い、構造(ソフトウォールとハードウォール)、向く場面と向かない場面

クリーンブース(簡易クリーンルーム)の仕組みと構造、クリーンルームとの違い、ビニールで囲むソフトウォールとパネルで囲むハードウォールの違い、壁で囲まない開放式、向く場面と向かない場面を、掲載メーカーの公式記載で整理します。

公開 2026年10月1日

クリーンブースは、工場や研究室の中の一部だけをきれいな空気で満たす設備です。このページでは、仕組みと構造、クリーンルームとの違いを、メーカーの公式な説明をもとに整理します。

簡易クリーンルームと呼ばれることもあり、メーカーによって呼び方が少しずつ違います。

クリーンブースの仕組み

多くのクリーンブースは、フレームで枠を作り、周りをビニールやパネルで囲み、天井のFFU(ファン・フィルター・ユニット)から清浄な空気を送ります。トヨシマ電機は、ブース内に送った清浄な空気が塵埃とともにブース下の隙間から出ていき、清浄度を保つと説明しています。

  1. 天井のFFUが周りの空気を吸い込む
  2. HEPAなどのフィルターで粒子を取り除く
  3. 清浄な空気をブースの中へ下向きに吹き出す
  4. ブースの中が外より高い圧力(陽圧)になる
  5. 塵埃を含んだ空気が、カーテンの裾や開口部から外へ押し出される

ニットー冷熱製作所も、上部にHEPAフィルタユニットを置き、帯電防止ビニールシートで囲んで内部を陽圧に保つ構造だと書いています。外より圧力が高いので、外のホコリが入りにくくなります。

クリーンルームとの違い

クリーンルームは部屋全体を、クリーンブースは必要な場所だけをきれいにします。メーカーの説明から違いを並べます。

比べる点クリーンブースクリーンルーム
範囲工程や装置のまわりだけ部屋全体
建設のコスト蒲田工業は建物全体をクリーン環境にするより建設コストを削減できると説明建屋の工事を伴う
動かしやすさトヨシマ電機はキャスター仕様でブース本体を移動できると記載動かせない
温湿度の管理空調付きの型を選べば対応(蒲田工業、三宝電機など)空調設計に組み込む

蒲田工業は、部屋全体を低い清浄度にして生産装置の重要な箇所だけを高清浄度にするミニエンバイロメントの考え方で、クリーンブースの需要が大きくなっていると書いています。クリーンルームの中にブースを置き、さらに一部だけ清浄度を上げる使い方もあります。

ソフトウォールとハードウォール

周りを何で囲むかで、クリーンブースは大きく2つに分かれます。軽さと動かしやすさを取るか、気密や断熱を取るかの選択です。

種類囲う材料公式の例
ソフトウォール(ビニール・フィルム)帯電防止ビニールカーテンなど日本エアーテックMCB、トヨシマ電機CBシリーズ、ホクト総研、伸榮産業CB-1、松定プレシジョンのフィルム式
ハードウォール(パネル)アルミサンドイッチパネル、樹脂板、断熱パネル村津産業のパネルブース、伸榮産業CB-2・CB-3、プレシードの115パネルブース、松定プレシジョンのパネル式
オーダーの密閉構造制電PVCなどで床面まで密閉蒲田工業(ビニールカーテン方式より少ない風量で同じ清浄度と説明)

環境エンジニアリングは、ビニールカーテンの代わりに周壁をアルミサンドイッチパネルにし、空調機やエアシャワーと組み合わせれば本格的なクリーンルームに近い性能を発揮すると書いています。囲いの材料は、あとから変えられるかもあわせて確かめてください。

フレームの材質

フレームは、ブースの強さと動かしやすさを決めます。公式に書かれている材質を並べます。

  • アルミ: 日本エアーテック、トヨシマ電機、ホクト総研、蒲田工業、村津産業、松定プレシジョン、エーディエフ(自社アルミフレーム)
  • 鋼製: SCREEN SPE サービス(強度のある鋼製で軽量の骨組)、アクティブの鋼板製、奥野技術研究所(鋼製またはアルミ製)
  • ステンレス: トヨシマ電機のSUS製、三宝電機、コトヒラ工業(ステンレス製も可)
  • 導電性の樹脂被覆鋼管: 伸榮産業の組立式KCB

ブースを構成する部品

クリーンブースは、いくつかの部品の組み合わせでできています。部品ごとに選べる幅があるので、見積の前に把握しておくと話が早く進みます。

部品選べる例(公式記載)
出入口ビニールカーテン(ラップ式・カーテンレール式)、アルミ扉、エアーシャワー設置(日本エアーテック)。重ね合わせ式(ホクト総研)
カーテンの種類透明・イエロー・暗室(SCREEN SPE サービス)、UVカット・暗幕・樹脂板(トヨシマ電機、コトヒラ工業)
照明LED照明(日本エアーテックMCB、伸榮産業CB-1)
移動キャスター(トヨシマ電機、アクティブの鋼板製、SCREEN SPE サービス、奥野技術研究所)

どんな業種で使われているか

クリーンブースは、精密機器から食品、医療まで幅広く使われています。トヨシマ電機は、産業ごとの清浄度の分類を次のように示しています。

産業分野適用内容清浄度クラス
光学機器関連レンズ・カメラ・レーザーなど100〜10,000
電子部品関連プリント基板・ディスク・コンデンサなど100〜10,000
病院関連手術室・ICU・検査室など1,000〜10,000
食品工業関連乳製品・醸造品・食肉加工など1,000〜100,000

壁で囲まない方式もある

興研のKOACHは、壁で囲うブースとは方式が違います。プッシュフードから吹き出した気流を中央で衝突させ、開放された環境に清浄度クラス1の空間をつくると説明しています。

  • 開放されているので出入りや作業がしやすい(興研の説明)
  • ルーム型は移動でき、拡大縮小もできる
  • ナノファイバーフィルタFERENAを搭載し、全機種ISOクラス1化

向く場面と向かない場面

クリーンブースは手軽ですが、何にでも使えるわけではありません。メーカーの説明から、向く場面と注意が要る場面を整理します。

向く場面注意が要る場面
工程の一部や装置のまわりだけをきれいにしたい温湿度を厳しく管理したい(空調付きの型やクリーンルームを検討)
短い納期で清浄な空間が欲しい溶剤など可燃性ガスを扱う(防爆型を選ぶ)
レイアウト変更や移設の予定がある非常に高い清浄度が要る(層流型や開放式の装置を検討)

導入を考え始めたら確かめること

クリーンブースを検討し始めたら、まず次の点を社内で整理してください。メーカーへの相談がそのまま早く進みます。

  1. 囲いたい工程や装置と、その寸法
  2. 必要な清浄度(分かればISOクラス)
  3. 設置場所の天井高と電源
  4. 移設や増設の予定があるか
  5. 温湿度の管理や防爆が必要か

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

クリーンブースとクリーンルームの違いは何ですか?

クリーンブースは必要な場所だけをフレームとビニールやパネルで囲み、天井のFFUから清浄な空気を送る設備です。蒲田工業は、建物全体をクリーン環境にするより建設コストを抑えられると説明しています。

ソフトウォールとハードウォールはどちらがよいですか?

ビニールで囲むソフトウォールは軽く動かしやすく、パネルで囲むハードウォールは気密や断熱に向きます。環境エンジニアリングは、パネルに変えて空調機やエアシャワーと組み合わせれば本格的なクリーンルームに近い性能になると書いています。

壁で囲まないクリーンブースはありますか?

興研のKOACHは、プッシュフードを対向させて開放された環境に清浄度クラス1の空間をつくる装置です。壁で囲う一般的なクリーンブースとは方式が違います。

【用途別】クリーンブースメーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

価格を見て、できるだけ早く入れたいなら

トヨシマ電機株式会社

即納品は在庫があれば1週間程度。税込価格を型式とサイズごとに公開

即納対応品TBU-Aシリーズはクラス10,000の3サイズで在庫があれば1週間程度、オーダーメイドのCBシリーズとサイズ変更対応のTBU-Bシリーズは最短2週間程度と公式に書いている。価格例を税別・税込の両方で公開し、TBU-Aの1,500角は195,000円(税込214,500円)、CBの3000W×2000D×2000H・クラス10,000は409,000円(税込449,900円)。

トヨシマ電機株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

ISO5などの高い清浄度を、型式の数値で比べて選ぶなら

日本エアーテック株式会社

全面層流型のISO5から乱流式のISO7まで、風量と循環回数を型式ごとに公開

アルミ型クリーンブースMCBはISO5(クラス100)、ISO6(クラス1,000)、ISO7(クラス10,000)などに対応し、全面層流型MCB06-262820A5はISO5で処理風量約120m³/min・循環回数約470回/時、乱流式MCB06-303020T7はISO7で約15m³/min・約50回/時と公開している。主要部品の標準化・在庫化で短納期を実現したと書く。

日本エアーテック株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

防爆・空調付き・装置囲いなど、既製品に合わない特殊仕様なら

蒲田工業株式会社

富士・三重の自社工場でアルミフレームを加工し、完全オーダーメイドで施工

現地測量・設計からアルミフレームの加工・切断、施工まで一括で請け負うと書き、清浄度はクラス100〜100000(ISOクラス5〜8)。空調付き、ステンレス製、防爆、防塵・防虫、射出成形機用、フィルム巻取り用、包装機用、充填用のブースとマシンカバーをラインナップしている。

蒲田工業株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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