ブリスター包装機 · 用途別
医薬品PTPの量産ラインを組む|毎分3,000〜8,000錠の機種と、検査・集積・箱詰めまで
医薬品のPTPを量産する工場向けに、毎分3,000〜8,000錠クラスのPTP包装機と、異物検査・集積・バンド・ピロー・箱詰めまでのライン構成を、CKD・マルホ発條工業・ミューチュアル・大森機械工業の公式記載で整理します。
医薬品のPTPを量産するラインは、包装機1台では完結しません。検査、集積、結束、ピロー包装、箱詰めまでを一続きで考える必要があります。
このページでは、毎分数千錠クラスの機種と、ラインの後ろ側の機械をメーカーごとに整理します。
量産クラスのPTP包装機
公式サイトで能力を確認できた量産クラスの機種を並べます。どれも最大値なので、自社のシートでの実力値は見積で確かめます。
| メーカー | 機種 | 能力(公式記載) |
|---|---|---|
| CKD | FBP-800E | 最大8,000錠/分 |
| CKD | FBP-600E4S/600E4 | 7,000錠/分/6,000錠/分 |
| CKD | FBP-300E2 | 3,000錠/分(ミドルレンジ) |
| マルホ発條工業 | PF-H6000 | 6,000錠/分 |
| マルホ発條工業 | PF-H3000/4000 | 3,000/4,000錠/分 |
| マルホ発條工業 | EAGLE 200 | 2,000錠/分(集積一体のコンパクトライン) |
| ミューチュアル | PRESTA6000・4000 | 公式製品ページに能力値の記載なし |
CKDは1951年に注射薬アンプル包装機を開発して以来、薬品包装機は3000台以上の実績があると書いています。マルホ発條工業は、500錠/分から6,000錠/分までを1枚の比較表で公開しています。
品種切り替えの手間で選ぶ
量産ラインでも、品種の切り替えは毎週のように起きます。切り替えの手間を減らす仕組みを、各社が公式に挙げています。
- CKD FBP-600E4/E4S:成形・シール装置の電空レギュレータを標準装備し、品種切り替え時に自動で設定圧力を変更
- CKD FBP-600E4/E4S:フィルム位置をスイッチひとつで自動調整し、掛け間違いはインターロック付きで知らせる
- CKD:600E3/E4/E4Sは型の互換性があると記載
- ミューチュアル PRESTA4000:性能と型替え性の両面を追求
- マルホ発條工業 PF-H3000/4000:多品種生産向き
検査装置を最初からラインに入れる
PTPは異物や欠錠を見逃すと、回収につながります。包装機と一緒に検査装置を選べる会社なら、ラインの設計がまとまりやすくなります。
| メーカー | 検査装置(公式記載) |
|---|---|
| CKD | PTPシート・錠剤異物検査装置FPシリーズ(FP835/FP635/FP335) |
| ミューチュアル | PTP包装機搭載型シート外観検査機Excelyes(8,000錠/分以上に対応) |
| マルホ発條工業 | 蓋フィルムのマーク合わせ(カラーセンサ、精度±1mm) |
包装機の後ろの工程
打ち抜いたシートは、集積して束ね、ピローで包み、箱に詰めます。この工程の機械を同じ会社で揃えるか、得意な会社に分けるかを決めます。
| 工程 | CKD | 大森機械工業 |
|---|---|---|
| 集積・結束 | 集積機HCA-440S、バンド掛機BND-180 | PTPシートを集積しCPPフィルムで結束するバンド機 |
| ピロー包装 | ピロー包装機HPL-80E(8,000錠の高速に対応) | 医薬品専用の横ピロー包装機 |
| 箱詰め | 記載なし | PTP50シート・100シートバンド品の箱詰めカートナー |
大森機械工業の公式サイトの製品ページでは、PTP包装機本体は確認できませんでした(沿革には2009年にPTP包装機C80JPを含むPTP包装システムラインの記載があります)。現在の製品ページで選ぶなら後工程の機械として、包装機メーカーと組み合わせる形になります。
省人化のオプション
- CKD:容器包材の自動供給で、作業はコンベアへ載せるだけ
- CKD:スクラップ排出コンベア(オプション)で、受袋の交換頻度は「1回/2時間以上」(仕様により異なる場合あり)
- CKD:生産支援システムRinopsで生産性を上げる
- マルホ発條工業:EAGLE 200は集積一体のコンパクトライン
量産ラインでは、人が張り付く作業がどこに残るかを見積の段階で洗い出しておくと、導入後の人員計画が立てやすくなります。
環境対応の材料を使いたい場合
包材を植物由来に切り替える動きもあります。材料を変えると成形やシールの条件が変わるため、機械側の対応を確かめます。
- CKD:バイオマスシートを使い、二酸化炭素排出量を従来比で約40〜60%削減と記載(削減比率は三菱ケミカルリサーチ社の算出)
- CKD:バイオマスプラスチックを用いたPTP包装の実用化で、日本オープンイノベーション大賞の環境大臣賞を受賞したと記載
- カナエ:アルミの代わりにグラシン紙を使ったPTP用蓋材を扱う
高薬理製剤を包む場合
微量でも人体に影響が大きい薬剤は、作業者が粉にさらされない構造が必要です。マルホ発條工業は、高薬理製剤への対応を公式に説明しています。
- アイソレータ内に設置されたホッパー・ボウル・充填部品全体を水洗いで洗浄できる
- 製剤はアイソレータ内でバルク容器からスプリットバルブを介してホッパーに供給する
- 独自の封じ込め技術で粉じんや薬剤の飛散を防ぐ
量産ラインの見積で伝えること
- 錠剤・カプセルの寸法と、1シートの錠数
- 必要な錠/分(シート/分に換算した値も)
- 品種数と切り替えの頻度
- 必要な検査(異物・欠錠・印字)
- 集積・バンド・ピロー・箱詰めまで含めるか
- 設置場所の長さと電源・圧縮空気
量産ラインの能力を決める目安
ラインの能力は、いちばん遅い機械で決まります。包装機だけ速くしても、検査やピロー包装が追いつかなければ、ライン全体の能力は上がりません。
- 包装機・検査装置・集積機・ピロー包装機の能力を同じ単位で並べる
- CKDのHPL-80Eのように、包装機の能力に合わせた後工程の機種があるかを確かめる
- 止まったときに前後の機械が待てるよう、ためておく場所を設ける
社内で確認しておくこと
量産ラインの導入は、製造・品質保証・設備の各部門が関わります。見積を取る前に、社内で次の点をそろえておくと話が早く進みます。
| 部門 | 確認すること |
|---|---|
| 製造 | 1日の生産量、品種数、切り替えの頻度、作業者の人数 |
| 品質保証 | 包材の規格、検査の基準、記録の方法 |
| 設備 | 建屋の寸法、電源・圧縮空気、搬入経路 |
| 購買 | 予算、包材の調達先、保守の契約 |
特に検査の基準は、包装機と検査装置の仕様に直結します。品質保証部門の要求を早めに文書にしておくと、メーカーとの打ち合わせがぶれません。
既存ラインを入れ替える場合
古い包装機を入れ替えるときは、今の金型や包材をそのまま使えるかが大きな論点になります。CKDは600E3・E4・E4Sで型の互換性があると書いています。
- 今の金型を新しい機械で使えるか
- 包材の寸法を変えずに済むか
- 後工程の機械とつなげるか
- 入れ替え工事の間の生産をどうするか
ライン全体の長さと配置
量産ラインは、包装機の後ろに検査・集積・ピロー・箱詰めが続くため、全長が長くなります。建屋の寸法と通路を図面に落として、置けるかを先に確かめます。
| 確認する寸法 | 理由 |
|---|---|
| ライン全長 | 包装機と後工程の機械をつなぐと長くなる |
| メンテナンス寸法 | 機械の前後に作業スペースが要る(CKDはCFF-360Eで前後各1mと記載) |
| 資材の置き場 | 容器フィルム・蓋材・箱の一時置き |
| 搬入経路 | 大型機は分割して搬入することがある |
導入までの期間の考え方
量産ラインは、仕様の打ち合わせから稼働まで長い期間がかかります。バリデーションの期間も含めて、稼働したい日から逆算して計画を立てます。
- 仕様の打ち合わせと見積
- 機種と金型の決定
- 製造と工場での立ち会い検査
- 搬入・据え付け・試運転
- バリデーションと作業者の教育
- 本生産
工程ごとの期間は機種と構成で変わります。見積の段階で、メーカーに標準的な日程を出してもらってください。
量産PTPで最初に相談する会社
| 状況 | 最初に相談する会社 |
|---|---|
| 毎分6,000錠超・検査やピローまで一式 | CKD |
| 治験から量産まで段階的にそろえたい | マルホ発條工業 |
| 自社ブランドの機種と検査機を比べたい | ミューチュアル |
| 後工程(バンド・箱詰め)を強化したい | 大森機械工業 |
この記事に出てくるメーカー
- CKD株式会社量産PTPと食品ブリスターの本命
- 株式会社カナエ包材と半自動機をまとめて
- マルホ発條工業株式会社治験から量産までPTPを一社で
- 株式会社ミューチュアルPTPを治験の半自動から
- 大森機械工業株式会社深絞り型でブリスターも包むなら
参照元
よくある質問
最も能力の高いPTP包装機はどれですか?
公式サイトで確認できた範囲では、CKDのFBP-800Eが最大8,000錠/分です。マルホ発條工業のPF-H6000は6,000錠/分です。能力は最大値なので、自社のシートでの実力値を確かめてください。
PTPの異物検査も同じメーカーで揃えられますか?
CKDはPTPシート・錠剤異物検査装置FPシリーズを、ミューチュアルはPTP包装機搭載型シート外観検査機Excelyesを公式に掲載しています。
PTPシートの箱詰めはどの会社に頼めますか?
大森機械工業は、PTP50シート・100シートのバンド品を箱詰めするカートナーや、PTPシートを結束するバンド機を掲載しています。CKDも集積機・バンド掛機・ピロー包装機を揃えています。
【用途別】ブリスター包装機メーカーおすすめ3選
医薬品のPTPを、治験の少量から量産まで同じメーカーで揃えるなら
マルホ発條工業株式会社
最大500錠/分の小型機から6,000錠/分まで、PTP包装機を1枚の比較表で公開
PTP包装機はEAGLE 50(最大500錠/分)、EAGLE 100(1,000錠/分)、EAGLE 200(2,000錠/分)からPF-H6000(6,000錠/分)まで段階的にそろい、能力・最大シートサイズ・機械外寸を比較表で公開している。小型のEAGLE LPは圧空・プラグアシスト圧空・プラグ冷間(アルミ)成形に対応し、クリニックや研究所での運用を挙げる。高薬理製剤向けの水洗い対応も説明している。
食品・日用品のブリスターを高速で量産するなら
CKD株式会社
プラグアシスト圧空成形のCFFシリーズ。医薬品PTPは最大8,000錠/分のFBP
食品・日用品ブリスター包装機CFF-360Eはプラグアシスト圧空成形で最大20ショット/分、成形深さ最大60mm、容器にA-PET・PP・HIPS・PVC・PVDCを使える。オプションのフラッシュMAPで機内の窒素充填、チェーン洗浄装置なども選べる。医薬品向けのFBPシリーズは最大8,000錠/分で、異物検査・集積・バンド・ピローまでライン一式がそろう。
歯ブラシ・文具などの台紙ブリスターを、受託から始めて自社機に移るなら
株式会社ジェーピーインク
2〜6ステーションのシール機BPシリーズ。インパルスシールも選べ、成形品と受託加工もある
ブリスターパックシール機は2ステーションのBP-02、多品種中量向けのBP-4、大型テーブルのBP-6、600×500mmのシール面積を持つBP-1Aの4機種。一般的なヒートシールに加え、熱プレスを使わないインパルスシールも選べる。成形品(ブリスター容器)は親会社の工場で製造し、成形品の購入を条件にブリスターパック加工も受託している。
自社の製品に合うブリスター包装機を、無料で相談する
包みたいもの(錠剤・食品・日用品・医療機器・部品など)の寸法、1日の生産量、品種の数、使いたいシート材や台紙、置き場所の広さを送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載メーカーへ匿名で概要を伝え、見積や受託包装の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。