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バリ取り機の投資回収の計算方法|人件費・不良率・サイクルタイムをどう置くか【2026年版】

バリ取り機の投資回収を計算する手順を、5つの変数(人件費・不良率・サイクルタイム・継続費用・補助金)の置き方から解説します。金額の相場は書かず、各社が公式に公開する事例の数字(作業員3人削減、処理能力2.5倍、20分→2分など)を桁の目安として整理しました。

公開 2026年9月29日

バリ取り機の投資回収は、削減できる人件費だけでは計算できません。このページでは、人件費・不良率・サイクルタイム・継続費用・補助金の5つの変数をどう置くかを、公式に公開されている事例の数字を使って説明します。

装置の価格は主要メーカーの公式サイトに記載がなく、個別見積です。本記事では相場の金額を書かず、自社の見積を当てはめる計算の型だけを示します。

回収計算に置く5つの変数と出どころ

計算に使う数字は、現状の実測値と、メーカーから受け取る見積・テスト結果の2系統に分かれます。どちらから取るかを最初に決めると、数字の根拠が混ざりません。

変数現状側(自社で測る)設備側(メーカーから得る)
人件費1日のバリ取り時間×人数×単価機械運転・段取り・検査に残る工数
不良率バリ起因の手直し・クレーム・返品の件数テスト加工での合否率
サイクルタイム1個あたりの手作業時間テスト加工で実測した1個あたり時間
継続費用手工具・ヤスリ・砥石の消耗ブラシ・ベルト・メディア・液・ガス・保守
補助金—制度の上限額と補助率(公募要領)

日本ロボットシステムインテグレータ協会の事前チェックシートには、工数・ワーク・数量などの整理項目があります。現状側の数字を集めるときの見出しとして使えます。

設備側の数字は、テスト加工で実測してもらいます。処理時間、消耗品の減り、段取り時間の3つを記録してもらうよう、依頼時に伝えてください。

人件費の置き方:削減人数ではなく「浮いた時間の使い道」で置く

人件費の効果は「何人減らせるか」で置くと過大になりがちです。機械化しても、段取り・検査・搬入出の工数は残ります。

  • 現状:バリ取りに使っている時間を、日単位で人数×時間に分解する
  • 導入後:機械に載せる・降ろす・検査する時間を、テストの実測から見積もる
  • 差分:浮いた時間を「別工程に回す」のか「残業を減らす」のかを決める
  • 金額化:浮いた時間×時間単価。人を減らさない場合も、別工程の売上か残業代で置く

公開事例では、ロボット装置メーカーが、ダイカストメーカーA社で8〜10人で行っていた日産10,000個以上のバリ取りに装置を入れ、作業員3人を削減したと記載しています。「3人分の年収から考えても1年で元を取ってしまった」という記述です。

この事例は日産1万個規模です。月産数百個の工場が同じ人数削減を置くと、回収年数が実態より短く出ます。

ロボットツールメーカーは、エアフロート式アタッチメントの導入で加工時間を約30%短縮した実例を紹介しています。人数ではなく時間で置く場合の、桁の目安になります。

不良率・手直しの置き方:件数を金額に直す

不良率の効果は、件数のまま置いても回収計算に入りません。手直し1件あたりの工数と、返品1件あたりの損失に換算します。

項目置き方
手直し月の手直し件数×1件あたりの再作業時間×時間単価
返品・クレーム月の件数×(再納品の材料費+輸送費+対応工数)
検査全数検査から抜き取りに変えられる場合、減る検査工数
後工程塗装・めっき・組立で起きるバリ起因の不良

ブラスト装置メーカーの事例では、PPS樹脂成形品に間欠回転テーブル型の装置を導入し、「月産2万個の安定生産を実現」「バリ残りクレームゼロ」「バリ取りを15〜20秒で完了」と記載されています。

同社の別の事例では、熱硬化性樹脂成形品でバリ取りの作業時間が半減し、1日の処理能力が約200個から約500個になり、「バリ残りのクレームはゼロになった」とあります。

クレームゼロを自社で置くときは、現状のクレーム件数に対応工数を掛けた金額を上限にします。ゼロになる保証はないため、半減で置いて計算する方が安全です。

サイクルタイムの置き方:公開事例の数字を桁の目安にする

サイクルタイムは、方式によって桁が変わります。各社が公式サイトで公開している数字を並べると、自社のテスト結果がどの桁にいるかが分かります。

メーカー公式サイトの数字方式・対象
大同興業1本あたり2〜3秒、1日2,000本以上ブラシ、パイプ端面
マコー20分→2分へ短縮(90%削減)ウェットブラスト、自動車部品のリング形状品
不二製作所バリ取り15〜20秒で完了(PPS樹脂成形品の事例)、1日約200個→約500個(熱硬化性樹脂成形品の別事例)エアーブラスト、樹脂成形品
アマダ従来機比5倍の5m/min湿式バリ取り機、板金
岩城工業Oリングなら1サイクル約60秒高速ゴムバリ取り装置
日本酸素処理時間を最大1/50に短縮、人件費を最大1/30に削減冷凍バリ取り、ゴム成形品
ワイテックヤスリ作業の約1/5の時間ハンディ工具 BARUZO
装置メーカー(熱バリ取り)30〜60秒のサイクルで数百個熱(TEM)、小物の一括処理

これらは各社の事例で、自社で同じ数字になる保証はありません。テスト加工で自社ワークの1個あたり時間を実測し、その数字で計算してください。

1個あたり時間には、段取り替えの時間を品種ごとの数量で割った分を足します。多品種少量では、この段取り分がサイクルタイムより大きくなることがあります。

継続費用と補助金を差し引く

回収計算の分母は本体価格ではなく、付帯設備と継続費用を含めた総費用です。補助金を使う場合は、補助率を差し引いた自己負担で計算します。

  • 消耗品:ブラシ、研磨ベルト、メディア・コンパウンド、電解液、燃料ガス、ロボット工具
  • 光熱費・水:湿式の水処理、乾式の集じん機、高圧ポンプ
  • 保守:定期点検、部品交換、遠隔サポートの契約料
  • 品種追加:治具・電極・教示の単価×年間の追加品種数
  • 補助金:カタログ注文型は上限1,500万円、一般型は上限1億円(公式サイトの記載)

消耗品の減りは、テスト加工で記録してもらいます。ロボットツールメーカーは「工具寿命2倍」「工具交換工数半減」を公式サイトに掲げており、工具費だけでなく交換の工数も継続費用に含める考え方が分かります。

補助金は交付決定前の契約・発注が対象外になるのが通例です。補助率や上限は公募回ごとに変わるため、計算に使う数字は最新の公募要領から取ってください。

計算式を1枚にまとめる:月あたり効果÷自己負担

5つの変数が揃ったら、次の順で計算します。金額は自社の見積と実測値を入れてください。

  1. 月あたり効果=人件費の差分+不良削減額+後工程の能力向上による売上増
  2. 月あたり継続費用=消耗品+光熱費・水+保守+品種追加費用の月割り
  3. 月あたり純効果=月あたり効果−月あたり継続費用
  4. 自己負担=本体+付帯設備+治具・電極+据付・教示−補助金額
  5. 回収月数=自己負担÷月あたり純効果

回収月数が耐用年数を超えるなら、装置を買わずに外注や受託加工を使う判断もあります。装置メーカーの中には、テスト加工から量産加工まで受託する会社があります。

数字が拮抗する場合は、悲観・標準・楽観の3通りで計算してください。悲観側は「人を減らさない」「クレームは半減」「サイクルタイムはテスト実測の1.2倍」で置くと、導入後の実態に近づきます。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

バリ取り機の投資回収は何年が目安ですか?

公式サイトに価格の記載がないため一律の目安は示せません。公開事例では、ロボット装置メーカーが日産1万個規模で作業員3人削減・1年で回収と記載していますが、自社の見積と実測値で計算する必要があります。

人件費の削減効果はどう置けばよいですか?

削減人数ではなく、浮いた時間×時間単価で置きます。機械化しても段取り・検査・搬入出の工数は残るため、テスト加工の実測から導入後の工数を見積もってください。

サイクルタイムはどこから取ればよいですか?

テスト加工で自社ワークを実測した1個あたり時間を使います。大同興業の1本2〜3秒、マコーの20分→2分、不二製作所の15〜20秒などの公開事例は、桁の目安として使ってください。

補助金は回収計算にどう入れますか?

自己負担=総費用−補助金額で分母を計算します。中小企業省力化投資補助金はカタログ注文型で上限1,500万円、一般型で上限1億円と公式サイトにあり、補助率は公募要領で確認します。

【用途別】バリ取り機メーカーおすすめ3選

※2026年9月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

レーザー・パンチ加工後の板金なら

オーセンテック株式会社

板金のバリ取りを機械化するなら、まずショールームへ

板金専用のブラシ式バリ取り機「AUDEBU」シリーズを幅0.1〜1,500mm・厚さ0.1〜20mmまで揃え、酸化被膜・ドロス除去専用の「BlackLine」も持つ。相模原のショールームに11機種を展示し、持ち込みワークでのテスト加工とオンラインデモに対応している。

オーセンテック株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

鋳物・鍛造品の自動化(ロボット)なら

株式会社クロイツ

バリ取りロボット専業。工作機械と同じGコードで動く

バリ取りロボット専業で、ロボット本体・工具・ツーリング・周辺機器を一社で製造する。アルミダイカスト・鉄鋳物・ギア・鍛造品の製作事例を機種別に公開し、5軸CNC制御でGコードと3D CAD/CAMに対応する「BARISTA」も持つ。

株式会社クロイツの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

小物・薄物を大量に処理するなら

新東工業株式会社

1mmの薄物から一括処理。テスト加工も量産加工も受ける

回転・振動・遠心・流動と全種類のバレル研磨機を揃え、厚さ1mmの薄物や小物の大量バリ取りに対応する。公式事例ではスラストレースやクラッチプレートの面粗さ改善を数値で示し、加工サービス「ロルコセンター」でテスト加工・試作・量産加工まで受ける。

新東工業株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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