防爆タブレット・防爆スマホ · 用途別
社給のiPhone・iPadを防爆エリアで使う|組込み型の防爆スマホ・タブレットの選び方【2026年版】
社内のスマホやタブレットがiPhone・iPadで統一されているなら、防爆エリアでも同じ端末を使いたいところです。掲載会社の公式情報から、iPhone・iPadを組み込む防爆製品と、その条件を整理しました。
業務アプリ、端末管理、セキュリティの設定をiOSでそろえている会社では、防爆エリアだけAndroidやWindowsにすると、アプリと管理を二重に持つことになります。iPhoneやiPadを組み込む防爆製品は、この問題を避けるための選択肢です。
この記事では、掲載会社の公式情報をもとに、組込み型の製品と使う条件を整理します。
組込み型の製品の一覧
今回の調査で確認できた、iPhone・iPadを組み込む防爆製品を並べます。
| 製品(会社) | 内機 | 防爆の表示と区分(公式記載) |
|---|---|---|
| arkPhone(アークテイク) | iPhone 13、14、15、16、16e、17e | 日本防爆検定取得、Ex nC IIC T6 Gc、ゾーン2 |
| LANEX-Phone SE3/SE2(JFEエンジニアリング) | iPhone SE(第3世代・第2世代) | Ex nC IIC T5 Gc、Zone2のみ |
| LANEX-Tablet/m7・m6(JFEエンジニアリング) | iPad mini(A17 Pro)・第6世代 | Ex nC IIC T5 Gc、Zone2のみ、水素防爆対応 |
いずれもZone2専用で、Zone1では使えません。カナデンも、LANEX-PhoneとLANEX-Tabletシリーズを、Zone2対応の製品として紹介しています。
組込み型のよいところ
掲載会社の説明から、組込み型を選ぶ利点を挙げます。
- iPhone本体の基本機能や操作性はそのまま使える(アークテイク)
- キャリア回線での通話のほか、プラント内の無線LANにつないで端末として使える(JFEエンジニアリング)
- 端末が故障した場合は、端末のみを修理に出せるため手間も時間も少ない(カナデン)
- アプリはApp Store、管理はApple Business Managerで行える(アークテイク)
現場の作業員が普段使っているiPhoneと同じ操作で使えるので、教育の手間も小さくなります。社内のMDMの設定をそのまま使える点も、情報システム部門にとっての利点です。
写真や動画を撮ってその場で共有する、ビデオ通話で事務所の担当者に見てもらう、といった使い方も、普段のiPhoneのアプリで行えます。
端末とケースの組み合わせで検定を受ける
組込み型で一番大事なのは、ケースだけでは防爆にならないことです。掲載会社の説明を並べます。
- カナデン: 端末に日本の防爆規格の認証を受けたケースを装着した状態で個別に検定を受け、合格した組み合わせでのみ使える。自由に端末を入れ替えることはできない
- アークテイク: 防爆検定では端末を含めて防爆性を担保する必要があるため、ケース(容器)のみの販売はしない
- カナデン: 防爆構造のケースはほとんどがiPhone・iPad向けで、iPhone向けのケースは日本の防爆規格の認証を受けているものが少ない
カナデンは、海外の規格の認証を受けていても、日本の構造規格か整合指針の認証を得ていなければ日本の危険場所では使用できないと注意しています。海外で売られている防爆ケースを個別に買って装着するのではなく、国内で検定を受けた組み合わせとして提供される製品を選んでください。
iPhoneの支給と機種の選び方
組込み型では、使うiPhone・iPadの機種と、誰が端末を用意するかが決まっています。公式記載は次のとおりです。
| 会社 | 端末の扱い(公式記載) |
|---|---|
| アークテイク | 利用者からiPhone端末を支給してもらい、防爆機器としてケースに組み込んで提供 |
| JFEエンジニアリング | 販売状況の表で、販売中の機種(iPhone SE第3・第2世代、iPad mini A17 Pro・第6世代)はいずれも「内機は御支給に限ります」と記載。修理対応期間は内機の終売から5年 |
| カナデン(LANEX-Tabletの紹介) | iPadは基本的に顧客提供 |
社給端末の更新時期と、対応機種の一覧を照らし合わせて計画してください。古い機種が対応から外れる時期も、あわせて聞いておくと安心です。
iPadを使いたい場合
図面や写真を大きく見たいなら、iPhoneよりiPadが便利です。今回の調査でiPadを組み込む製品は、JFEエンジニアリングのLANEX-Tabletでした。
- iPad mini(A17 Pro)または第6世代を搭載
- Wi-FiモデルとWi-Fi+Cellularモデル
- 重さは約1130g(iPad mini、インナーケース、専用革ケースを含む)
- 無線LANの整備前でも、Cellularモデルで試験運用ができる
水素防爆に対応しているので、水素を扱う設備で使う場合にも候補になります。大きな画面のiPadを組み込む製品は、今回の調査では確認できませんでした。
組込み型が向かない場合
組込み型にも、合わない条件があります。次のどれかに当てはまるなら、専用端末型も検討してください。
- Zone1の場所で使う必要がある
- バーコードリーダーなどを本体に内蔵したい
- Windowsの業務ソフトを使う
- 大きな画面のタブレットが必要
- 端末の更新のたびに機種の対応を待つのが難しい
Zone1ならビーエヌテクノロジーのIS540.1やIS940.1、Windowsなら日本ノヴァシステムのUX10-EXなどが候補になります。Zoneごとに端末を使い分けるのも一つの方法です。
使い分ける場合は、iOSとAndroidの両方のアプリを用意することになります。どの業務をどちらの端末で行うかを先に決めておくと、アプリの二重開発を減らせます。
通話と無線LANの使い分け
組込み型のiPhone・iPadは、通信の手段を選べます。JFEエンジニアリングの説明から、使い分けを整理します。
| 通信 | 公式記載 |
|---|---|
| キャリア回線 | LANEX-Phoneはキャリア回線を利用した通話に使える |
| プラント内の無線LAN | プラント内に構築した無線LANシステムに接続し、無線LAN端末として活用 |
| Cellularモデル | LANEX-Tabletは無線LANの構築前でも試験運用ができる |
| 社内ネットワーク | アクセス時に適したセキュリティソリューションも用意 |
JFEエンジニアリングは、安定した高速通信が必要なエリアには防爆の無線LANの構築を勧めています。最初はCellularで試し、使う場所が固まってから無線LANを張る進め方もあります。
社内の承認で求められる書類
防爆エリアに端末を持ち込むには、社内の安全審査を通すことが多いはずです。組込み型で用意しておきたい書類を挙げます。
- 端末とケースの組み合わせでの国内の検定の合格証
- Ex表示と使用できるZoneが書かれた仕様書
- 使ってよいiPhone・iPadの機種の一覧
- 充電や端末の出し入れの手順が書かれた取扱説明書
JFEエンジニアリングのページには、検定の種類や番号の記載がありませんでした。アークテイクのページも検定取得の記載はありますが番号はないため、どちらも見積の段階で合格証を求めてください。
導入前に販売会社に聞くこと
組込み型を選ぶときに、販売会社に確かめておきたい点をまとめます。
- 検定を受けた組み合わせの、iPhone・iPadの機種の一覧
- 端末を自社で支給するか、購入を含めて頼めるか
- 新しい機種への対応予定と、古い機種の扱い
- 故障したときに、端末とケースのどちらをどこへ送るか
- 充電の方法(arkPhoneにはMagSafe対応の非接触充電器セットがある)
- 落下防止のホルダーやストラップなどのアクセサリ(arkPhoneにはマグネットホルダーがある)
組込み型は、端末の更新と検定の対応がセットで動く製品です。導入の時点で、数年先の更新の流れまで確かめておくと、運用が途切れません。
この記事に出てくる会社
- 株式会社アークテイク社給iPhoneをZone2へ
- 株式会社ビーエヌテクノロジーZone1のAndroidをそろえる
- JFEエンジニアリング株式会社iPhone・iPadをZone2で
- 日本ノヴァシステム株式会社Windowsをデモ機で試して
- 株式会社カナデンメーカーをまたいで相談
参照元
よくある質問
今使っているiPhoneを防爆にできますか?
対応機種なら可能です。アークテイクのarkPhoneは、利用者から支給されたiPhone(13、14、15、16、16e、17e)を防爆機器としてケースに組み込んで提供します。ケースだけの販売はしていません。
iPadを防爆エリアで使えますか?
JFEエンジニアリングのLANEX-Tabletは、iPad mini(A17 Pro・第6世代)を搭載した防爆型タブレットで、Zone2で使用でき、水素防爆に対応しています。
海外の防爆ケースを買って使ってもいいですか?
カナデンは、端末に日本の防爆規格の認証を受けたケースを装着した状態で検定を受け、合格した組み合わせでのみ危険場所で使えると説明し、日本の認証を受けたiPhone向けケースは少ないとしています。国内で検定を受けた組み合わせの製品を選んでください。
【用途別】防爆タブレット・防爆スマホの販売会社おすすめ3選
Zone1(第一類危険箇所)で、Androidのスマホとタブレットをそろえるなら
株式会社ビーエヌテクノロジー
i.safe MOBILE製品の正規総輸入販売代理店。国内防爆検定合格のZone1対応タブレットIS940.1と5GスマホIS540.1
i.safe Mobile社製品の日本における正規総輸入販売代理店で、購入後の技術対応と保守サービスの体制を整えていると記載。防爆タブレットIS940.1は国内防爆検定に合格したZone1/21対応の10.1インチ機で、IECExとATEXの認証も受ける。防爆スマートフォンIS540.1は国内防爆検定合格で、型式検定合格番号(ガス防爆 第TC22900X号、粉塵防爆 第TC22901X号)を公式ページに明記している。
Zone2の点検・記録を、Windowsの既存システムのまま回すなら
日本ノヴァシステム株式会社
Getacと協業した国内防爆検定合格のWindowsタブレットUX10-EX。デモ機の無料貸出と、過失故障も含む3年無償保証
UX10-EXは、GETACと同社が協業して国内でリリースした防爆検定合格品の10.1インチWindowsタブレットの3世代目で、Zone 2に対応。OSはWindows 11 Professionalで、第12世代Core i5/i7を選べる。人為的ミスによる損傷も3年間無償保証・国内修理とし、デモ機の無料貸し出し、キッティングやアプリのインストールにも対応すると公式に記載。
iPhoneやiPadの業務アプリを、Zone2の現場でそのまま使うなら
JFEエンジニアリング株式会社
iPhone SEを組み込むLANEX-Phoneと、iPad miniを組み込む水素防爆対応のLANEX-Tablet。いずれもEx nC IIC T5 Gc
LANEX-PhoneはApple製iPhone SEを搭載した防爆型スマートフォン、LANEX-TabletはiPad mini(A17 Pro)や第6世代を搭載した防爆型タブレットで、いずれも非点火防爆構造(Ex nC IIC T5 Gc)、第二類危険箇所(Zone2)のみで使用可能。LANEX-Tabletは水素防爆に対応し、Wi-FiモデルとWi-Fi+Cellularモデルがある。
自社の現場に合う防爆タブレット・スマホを、無料で相談する
使う場所のZone(第一類・第二類危険箇所など)と扱うガス・粉じんの種類、使いたい業務(点検記録、写真、通話、バーコードなど)、希望のOS、台数、導入時期を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載会社へ匿名で概要を伝え、デモ機や見積の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。