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ジュエリーブランド立ち上げ支援 · 用途別

販路ごとに上代と原価をどう決めるか|自社EC・卸・委託販売・POPUPで手元に残る額が変わる

ジュエリーブランドの上代(販売価格)と原価の上限を、販路ごとに逆算する方法をまとめました。自社EC・卸・委託販売・POPUPで手元に残る額の違い、原価の上限を出す手順、公開単価の当てはめ方、価格帯から仕様を提案してくれる会社、相場で動く素材の扱いまで整理します。

公開 2026年10月1日

同じ1万円のネックレスでも、自社のECで売るのか、セレクトショップに卸すのか、POPUPで売るのかで、手元に残る額はまったく違います。原価をいくらまでにすべきかは、販路が決まって初めて決まります。

このページでは、販路ごとに上代と原価の上限を逆算する手順を説明します。費用の比率は販路や契約で変わるため、ここでは考え方と計算の型を示します。

値付けは、ブランドの立ち位置そのものを決める作業です。高すぎれば手に取ってもらえず、安すぎれば続けるための利益が残りません。

上代は同じでも、販路で手元に残る額が変わる

販路ごとに、上代から差し引かれるものが違います。まず、自分が使う販路で何が引かれるかを書き出してください。

販路上代から差し引かれる主なもの
自社EC決済手数料、送料、ECの利用料、広告費、梱包材
卸(買い取り)卸価格は上代×掛け率で決まり、差額は販売店の取り分
委託販売売れた分の販売手数料。売れ残りは返品される
POPUP・受注会出店料や売上歩合、什器・人件費、交通費

卸や委託を考えているなら、上代を決める前に相手の条件を聞いておくのが先です。条件が分からないまま上代を決めると、卸に出せない価格になることがあります。

原価の上限を、販路から逆算する手順

原価を積み上げてから上代を決めると、売りにくい価格になりがちです。上代を先に置き、そこから原価の上限を出す順番にします。

  1. 競合や顧客の感覚から、売りたい上代を決める
  2. いちばん取り分の少ない販路(多くは卸)での手取りを出す
  3. 手取りから、目標の利益を差し引く
  4. 残りから、パッケージ・送料・検品などの付帯費用を差し引く
  5. 最後に残った額が、製造会社に払える1個あたりの上限になる

計算の例として、上代10,000円の商品を掛け率50%で卸すなら、卸価格は5,000円です。ここから利益と付帯費用を引いた額が、原価の上限になります。

公開されている単価を、逆算に当てはめる

原価の上限が出たら、製造会社の公開単価と比べて、その素材で成り立つかを確かめます。掲載各社で単価を公開している例を並べます。

会社・アイテム公式の参考単価
OPULA SV925リング¥2,000〜¥8,000(税抜)
OPULA SV925ネックレス¥2,500〜¥10,000(税抜)
OPULA SV925ピアス¥1,500〜¥6,000(税抜)
和心 シルバー製指輪(100個の場合)¥4,000〜(税表記なし)
和心 シルバー製ピアス片耳(100個の場合)¥2,000〜(税表記なし)

これらは製造の単価で、型代やサンプル代は別です。税込と税抜が混ざらないよう、上代と原価の税表記をそろえて計算してください。

価格帯を伝えると、仕様を提案してくれる会社

原価の上限が出ても、どの素材と重さなら収まるかは製造会社に聞くのが早道です。価格帯や販売価格から提案すると公式に書いている会社を並べます。

  • ダイアート三枝: ブランドコンセプトや販売価格帯に合わせて、素材・仕様・製造方法を提案
  • AOTY: ヒアリングで販売価格と希望の仕入価格を聞き、売場での見え方やコストバランスまで考えて企画
  • GEMILYA: 立ち上げの最初に「誰に、いくらで売るか」を決め、価格帯から素材と重量の範囲を絞る
  • スペース: 素材や価格帯に合わせて商品仕様を提案
  • Bizarre D.L.C: 打ち合わせで希望の価格帯・ロット・納期を聞く

販売価格を伝えずに見積を取ると、仕様が先に決まってしまい、原価が上限を超えることがあります。最初の相談で、上代と販路を伝えてください。

相場で原価が動く素材を、どう扱うか

シルバーや金は、地金の相場で原価が動きます。上代は簡単に変えられないため、相場の変動を前提にした値付けが必要です。

  • OPULAは、単価は銀相場によって変わると明記している
  • 上代を決めるときは、相場が上がっても赤字にならない余裕を持たせる
  • 真鍮やステンレスなど地金代の比率が小さい素材は、相場の影響を受けにくい
  • 見積の有効期限を確かめ、期限内に発注する

K18やプラチナのように地金代の比率が大きい素材ほど、相場の影響は大きくなります。定番品と、相場を見て価格を決める限定品を分ける方法もあります。

販路を増やすときに、価格をそろえる

最初は自社ECだけで始め、あとから卸やPOPUPを足すブランドも多くあります。販路を増やしたときに価格がばらばらになると、顧客の信頼を損ないます。

  • どの販路でも同じ上代で売る(自社ECだけ安くしない)
  • 卸を始める前提で、最初から卸に出せる原価にしておく
  • 委託販売では、売れ残りの返品を見込んで在庫を持つ
  • POPUP限定品を作るなら、定番品とは別の型や色にする

最初から卸に出せる原価にしておけば、販路を増やすときに値上げをせずに済みます。その分、最初の原価の上限は厳しくなります。

卸先に見せる資料をそろえる

セレクトショップや百貨店に卸すときは、商品だけでなく取引の条件も聞かれます。製造会社の条件をもとに、答えられる資料を先に作っておくと商談が進みます。

聞かれること答えの根拠になるもの
卸価格と上代原価の上限から逆算した価格表
最小の発注数製造会社の最小ロット(例: スペースはK10/K18/Ptなら1色6個〜)
納品までの日数製造会社の量産日数(例: スペースの国内生産は量産約4〜6週間)
追加の日数リピートの日数(例: ダイアート三枝は3週間〜、石友は最短1週間〜)
納品の形個包装・タグ・バーコードの有無(例: 和心はバーコードシール貼りに対応)

卸先が求める納品の形は店ごとに違います。商談の前に製造会社へ、どこまで対応できるかを聞いておいてください。

値付けで失敗しやすい3つのパターン

最後に、立ち上げ期の値付けでよくある失敗を挙げます。どれも、上代を先に決めずに原価から積み上げたときに起こります。

  1. 自社ECの手取りだけで上代を決め、あとから卸に出せなくなる
  2. サンプルの単価で原価を計算し、量産の単価との差を見落とす
  3. 税抜の原価と税込の上代を比べて、原価率を低く見積もる

3つとも、最初の相談で上代と販路を伝え、見積を税表記つきで受け取れば防げます。数量を変えた見積を並べてもらうと、量産での単価も読み違えにくくなります。

受注会や予約で、価格の反応を先に確かめる

上代を決めても、本当にその価格で売れるかは出してみないと分かりません。在庫を作る前に、受注会や予約販売で反応を確かめる方法があります。

  • サンプルを見せて受注を取り、締切後に量産する
  • 同じ形で2つの価格帯(素材違い)を見せ、どちらが選ばれるかを見る
  • 予約の数から、初回の量産数を決める
  • 受注から届くまでの日数を、製造会社の日数から決めて伝える

受注会で使うサンプルは、量産品と同じ仕上がりであることが前提です。サンプルと届く商品の差が大きいと、価格への信頼も下がってしまいます。

販路別の値付けチェック表

最後に、値付けを決める前に確かめる項目を販路別にまとめます。空欄が残っている販路は、条件を聞いてから上代を決めてください。

確認すること自社EC卸委託POPUP
差し引かれる比率・金額決済・送料・利用料掛け率販売手数料出店料・歩合
在庫の持ち方自分で持つ買い取り返品あり持ち込み
入金の時期決済後取引条件による売れた後会期後
パッケージの要否必要相手の指定相手の指定必要

表の空欄を埋めてから上代を決めれば、販路を増やしたときにも値上げをせずに済みます。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

ジュエリーの原価率はどれくらいにすればいいですか?

販路によって変わります。卸に出すなら卸価格(上代×掛け率)から利益と付帯費用を引いた額が原価の上限になります。まず使う販路の条件を確かめ、上代から逆算してください。

シルバーのリングを作るといくらくらいですか?

公開例では、OPULAがSV925リングの概算単価を2,000〜8,000円(税抜)、和心がシルバー製指輪を100個の場合で4,000円〜(税表記なし)としています。型代やサンプル代は別にかかります。

販売価格から仕様を提案してもらえますか?

提案してくれる会社があります。ダイアート三枝はブランドコンセプトや販売価格帯に合わせて素材・仕様・製造方法を提案し、AOTYは販売価格と希望の仕入価格を聞いて企画すると書いています。

【条件別】ジュエリーブランド立ち上げ支援おすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

ラフ1枚から、サンプル1個で始めるなら

PRGEMILYA(ジェミリア)

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2

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卸の商品動向分析でデザインを提案。K10・K18・Ptは1色6個から

上野のOEM・ODM会社で、約20年で200社ほどと取引。卸事業での商品動向の分析・予測をもとにデザインを提案でき、個人でも条件に同意すれば取引できるとQ&Aで答えている。最小ロットは素材ごとに公開されていて、K10・K18・プラチナが1色6個から、SV925が12個から、合金が30個から(いずれも国内生産)。

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3

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コンセプトと価格帯から素材・製法を提案。甲府と高岡の自社工場で

1966年創業(法人設立1976年)、甲府の本社工場と高岡工場で、デザイン・CAD・原型・鋳造・研磨・石留め・検品まで社内一貫。ISO9001認証、貴金属装身具製作技能士22名。イメージやラフ案の段階から相談でき、ブランドコンセプトや販売価格帯に合わせて素材・仕様・製造方法を提案する。まずは少量のサンプルやテスト販売用の製造から相談できるとFAQにある。

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