ジュエリーブランド立ち上げ支援 · 用途別
最初のコレクションは何型・何個で出すか|型数×色×サイズの掛け算で初回在庫を読む
ジュエリーブランドの最初のコレクションを、何型・何色・何サイズで出すかの決め方をまとめました。在庫の総数を掛け算で出す方法、素材別の最小ロットの当てはめ方、リングのサイズ展開、1型目の選び方、追加の型と追加生産の日数まで、掲載各社の公式記載で整理します。
ブランドを立ち上げるとき、最初に迷うのが何型そろえればコレクションに見えるかです。型を増やせば見栄えはよくなりますが、型ごとに初期費用がかかり、在庫も増えます。
このページでは、最初のコレクションの規模を数字で決める方法を説明します。最小ロットや日数は、掲載各社の公式サイトに書かれているものだけを使います。
初回在庫の総数は、掛け算で決まる
初回に作る総数は、型数×色(メッキ)×サイズ×1つあたりの数量で決まります。どれか1つを増やすだけで、総数は倍々で増えていきます。
| 組み方の例 | 型数 | 色 | サイズ | 1つあたり | 総数 |
|---|---|---|---|---|---|
| ピアスとネックレスで小さく | 3 | 1 | 1 | 10個 | 30個 |
| 2色展開にする | 3 | 2 | 1 | 10個 | 60個 |
| リングを加えて3サイズ | 4 | 2 | 1〜3 | 10個 | 100個 |
| 1つあたりを最小ロット30個に | 4 | 2 | 1〜3 | 30個 | 300個 |
表の数字は計算の例です。実際には、製造会社の最小ロットが1つあたりの数量の下限になります。
素材別の最小ロットを当てはめる
表の1つあたりを何個まで減らせるかは、会社と素材で違います。公式に個数を出している会社を並べます。
| 会社 | 最小ロット(公式記載) |
|---|---|
| GEMILYA | 最低ロットなし。SV925・K18・K10・Pt900・真鍮はいずれも1個から |
| JEWELRY TAKEDA | 最小注文1個 |
| スペース | K10/K18/Pt 1色6個〜、SV925 12個〜、合金30個〜(国内)、真鍮50個〜、ステンレス100個〜(中国) |
| Bizarre D.L.C | 素材・生産国により最小20個から作れる商品あり |
| アーネストインターナショナル | 小ロット30点〜(オリジナルデザインも30個〜) |
| トーキョードライブ | 合金・真鍮・SV925のオリジナル1色50個〜、18金30個〜 |
| AOTY | 国内生産36点〜、海外生産100点〜が目安 |
| OPULA | 簡易カスタマイズ30個〜(最低取引金額20万円〜) |
スペースの最小ロットは「1色」ごとに決まっています。色を2つにすれば、その分だけ下限の総数も増える点に注意してください。
リングのサイズ展開は、在庫を一気に増やす
リングはサイズがあるため、同じ型でも在庫の数がサイズの数だけ増えます。最初のコレクションでリングを入れるなら、サイズの持ち方を先に決めてください。
- サイズを数個に絞り、ほかのサイズは受注生産にする
- フリーサイズ(開いた形)にして、サイズを1つにする
- リングは最初のコレクションから外し、ピアス・ネックレスで反応を見る
- 1個から作れる会社なら、サイズごとの在庫を最小限にできる
受注生産にするなら、注文から届くまでの日数を販売ページに書く必要があります。製造会社の日数をもとに、無理のない日数を決めてください。
1型目に何を選ぶか
最初の1型は、ブランドの顔になります。売れやすさだけで選ぶと、ブランドの特徴が伝わりにくくなります。
- ブランドの考え方がいちばん伝わる形を1型目にする
- 2型目以降は、同じモチーフでアイテムを変える(ピアス→ネックレス)
- サイズのないアイテム(ピアス・ネックレス・チャーム)から始めると在庫が読みやすい
- 価格帯の違う2つの素材で同じ形を出すと、反応の違いが比べられる
GEMILYAは、ブランド立ち上げの最初の段階として「誰に、いくらで売るか」を決めると書いています。価格帯が決まると、素材と重量の範囲が絞れるためです。
サンプルで、コレクションの並びを確かめる
型ごとに1個ずつサンプルを作り、並べて見ると、コレクションとしてのまとまりが分かります。数量を作る前に、並びの段階で修正を出しておくと費用がかかりません。
- GEMILYA: 販売する数量を作る前に、サンプル1個で形・重さ・着け心地を確認し、修正はこの段階で行う
- 石友: 製品に近いシルバー製の店頭サンプルを作れる
- ダイアート三枝: 少量のサンプル製作やテスト販売用の製造から相談できる
並べてみて、重さや大きさの差が目立つ型があれば、そこで寸法をそろえます。写真に撮って見比べるのも有効です。
2回目の型と、追加生産にかかる日数
最初のコレクションが売れ始めたら、売れた型の追加と、新しい型の開発が並行します。追加生産の日数を知っておくと、品切れの期間を短くできます。
| 会社 | 追加・リピートの日数や条件(公式記載) |
|---|---|
| ダイアート三枝 | リピートオーダーは3週間〜 |
| 石友 | リピート・量産は最短1週間から納品可能 |
| GEMILYA | 原型は最終発注から6か月保管。期間内の追加生産は原型代なし。納期は仕様確定からおよそ4週間 |
| スペース | 国内生産の量産は約4〜6週間 |
新しい型は、原型から作るため追加生産より日数がかかります。スペースはオリジナルパーツを作る場合、原型製作に約3〜4週間が加わると書いています。
同じ形を、価格帯の違う2つの素材で出す
最初のコレクションで、同じ形をシルバー925とK10のように2つの素材で出すと、顧客がどの価格帯を選ぶかが見えてきます。次のコレクションの素材を決める材料になります。
| 組み合わせの例 | ねらい | 最小ロットの例(スペース・国内生産) |
|---|---|---|
| SV925とK10 | 日常使いと、少し上の価格帯の両方を試す | SV925 12個〜、K10 1色6個〜 |
| 合金とSV925 | 手に取りやすい価格と、品位のある素材を比べる | 合金30個〜、SV925 12個〜 |
| K10とK18 | 貴金属の中で、どこまでの価格を受け入れてもらえるかを見る | いずれも1色6個〜 |
素材を2つにすると、見積も2つ必要になります。同じ形で2素材の見積を並べて取ると、差額から上代の設定も考えやすくなります。
初回在庫の金額を、予算に合わせて組み直す
掛け算で出した総数に単価を掛けると、初回在庫の金額が出ます。予算を超えたら、どこを削るかの順番を決めておくと迷いません。
- まず1つあたりの数量を、最小ロットまで下げる
- 次に色の数を減らす(色ごとに最小ロットがある会社では効果が大きい)
- それでも超えるなら、型数を減らす
- 最低取引額がある会社では、下げすぎると下限に届かない(OPULAは簡易カスタマイズで20万円〜、和心は初回15万円〜)
型数を減らすのは最後の手段です。型数はコレクションの見え方に直結するため、色と数量で調整できるうちはそちらを先に削ってください。
コレクションとしての見せ方を決める
型数が少なくても、見せ方しだいでコレクションとして伝わります。製造に入る前に、どう並べて見せるかを決めておくと、型の選び方にも一貫性が出ます。
- コレクションに名前を付け、テーマを1行で言えるようにする
- 全型に共通するモチーフや仕上げ(いぶし・鏡面など)を1つ決める
- 重ね付けできる組み合わせを、最初から想定しておく
- 価格の段差を作る(手に取りやすい型と、主役の型を用意する)
テーマが決まっていると、製造会社への説明も短くなります。ODMで形を起こしてもらう場合も、テーマの1行を最初に渡すと提案がぶれにくくなります。
型数別の組み方の例
最後に、最初のコレクションの規模を3つの例で示します。どれが正解というより、予算と販売の場から逆に選ぶものです。
| 規模 | 組み方 | 向く販売の場 |
|---|---|---|
| 1〜3型 | サイズのないアイテムで、各型を少量 | 自社EC、SNSでの受注 |
| 4〜6型 | 同じモチーフでアイテム違い、2色展開 | POPUP、受注会 |
| 7型以上 | リングのサイズ展開を含めた本格的な構成 | 展示会、卸 |
1〜3型で始めても、追加の型を足していけばコレクションは育ちます。最初から大きく作るより、売れた型から次を考える方が在庫は残りにくくなります。
この記事に出てくる会社
- 株式会社AOTY構想段階から合金ブランドを企画
- 株式会社Bizarre D.L.C言葉と写真からデザイン画を起こす
- 株式会社ダイアート三枝貴金属ブランドをテスト販売から
- 有限会社アーネストインターナショナル既存サンプルから最短で出す
- GEMILYA(ジェミリア)ラフ1枚から、1個のサンプルで始める
- 株式会社石友秘密を守って貴金属ブランドを
- JEWELRY TAKEDAインフルエンサーブランドを1個から
- OPULA予算を先に決めるシルバーブランド
- 有限会社スペース売れ筋データで最初のコレクションを
- トーキョードライブラフから50個でブランドを出す
- 株式会社和心店舗直送の形までシルバーで
参照元
よくある質問
ジュエリーブランドの最初は何型くらいが目安ですか?
決まった数はありません。在庫は型数×色×サイズ×1つあたりの数量で増えるため、予算と販売の場から逆に決めます。1個から作れるGEMILYAやJEWELRY TAKEDAなら、型数を増やしても1型あたりの数を絞れます。
リングのサイズは全部そろえる必要がありますか?
必要はありません。数サイズに絞ってほかは受注生産にする、フリーサイズの形にする、最初はリングを外すといった方法があります。受注生産にする場合は届くまでの日数を販売ページに書いてください。
売れた型を追加するまで何日かかりますか?
公開例では、ダイアート三枝がリピート3週間〜、石友が最短1週間から、GEMILYAが仕様確定からおよそ4週間です。GEMILYAは原型を6か月保管し、期間内の追加は原型代がかからないとしています。
【条件別】ジュエリーブランド立ち上げ支援おすすめ3選
ラフ1枚から、サンプル1個で始めるなら
PRGEMILYA(ジェミリア)
OEMもODM型も同じ窓口。個人も法人と同じ条件
図面や3Dデータを持ち込むOEMと、手描きのラフや参考画像から形を起こすODM型の両方を、サンプル1個から同じ窓口で受ける。最低ロットはなく、SV925・K18・K10・Pt900・真鍮の5種を1個から作れる。個人・個人事業主・法人で対応内容に差はないと公式に明記し、未発表の企画は秘密保持契約を結んでから預かる。
売れ筋の情報を取り入れて、素材別の小ロットで組むなら
有限会社スペース
卸の販売データでデザインを提案。K10・K18・Ptは1色6個から
上野のOEM・ODM会社で、約20年で200社ほどと取引。卸事業での商品動向の分析・予測をもとにデザインを提案でき、個人クリエイターの量産も小ロットから受ける。最小ロットは素材ごとに公開されていて、K10・K18・プラチナが1色6個から、SV925が12個から、合金が30個から(いずれも国内生産)。
K18・プラチナで本格的に始め、テスト販売から量産するなら
株式会社ダイアート三枝
コンセプトと価格帯から素材・製法を提案。甲府と高岡の自社工場で
1966年設立、甲府の本社工場と高岡工場で、デザイン・CAD・原型・鋳造・研磨・石留め・検品まで社内一貫。ISO9001認証、貴金属装身具製作技能士22名。イメージやラフ案の段階から相談でき、ブランドコンセプトや販売価格帯に合わせて素材・仕様・製造方法を提案する。まずは少量のサンプルやテスト販売用の製造から相談できるとFAQにある。
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