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アルミ・ダイカスト・鋳物へのめっき|無電解ニッケル・亜鉛ニッケル・アルマイトの使い分け【2026年版】

アルミやアルミダイカスト、鋳物にめっきするときの考え方を整理します。アルミが難めっき素材とされる理由、アルミに対応する掲載会社、めっき・アルマイト・化成処理の使い分け、ダイカストや鋳物の注意点、マグネシウムへの処理まで公式情報からまとめました。

公開 2026年10月1日

アルミは軽くて加工しやすい一方、そのままでは傷や摩耗、電気的な接触に弱い素材です。表面にめっきをすると性質を補えますが、鉄よりも前処理に手間がかかります。

このページでは、アルミ・ダイカスト・鋳物にめっきを頼むときの選び方をまとめます。

アルミにめっきが付きにくい理由

アルミは空気に触れるとすぐに薄い酸化皮膜ができ、その上にはめっきが密着しません。そのため、酸化皮膜を取り除きながら、下地の金属に置き換える専用の前処理を行います。

  • 酸化皮膜: 削った直後から表面にでき、めっきの密着を妨げる
  • 合金成分: 同じアルミでも、合金の種類で前処理の条件が変わる
  • ダイカスト: 表面に巣(小さな空洞)があると、ふくれやしみの原因になる
  • 加工履歴: 熱処理や機械加工の状態で表面が違う

このため、アルミのめっきは会社ごとの経験の差が出やすい分野です。合金番号(A5052、A6061、ADC12など)を必ず伝えてください。

アルミへのめっきを公式に書いている会社

掲載27社のうち、アルミへのめっきや表面処理を公式に書いている会社を、処理の種類ごとに並べます。

会社アルミへの処理公式の記載
八幡鍍金工業無電解ニッケルアルミ: 深さ800×奥行400×横幅500mm、得意な処理のひとつ
丸長鍍金亜鉛ニッケル合金、無電解ニッケルアルミ上亜鉛ニッケル(三価クロム・RoHS対応)、無電解ニッケルはアルミ専用H800×W700×D300mm
黒坂鍍金工業所無電解ニッケル、アルマイト、化成処理無電解ニッケル自動ラインAl 800×600mm、アルマイト1600×900mm
ニシハラ理工錫・ニッケル(フープ)A1000系〜A6000系
シルベックめっき、アルマイト、化成処理鋳造用アルミ合金にも対応、ADC用アルマイト
日本電鍍工業ニッケル、硬質クロムアルミ鋳物への各種めっきの実績
浅下鍍金硬質クロムアルミ材は長さ700mmまで

植田鍍金工業もアルミ素地へのめっきとアルミダイキャストを、コダマは無電解ニッケルでアルミ素材の処理を公式に挙げています。大きさとめっき種の両方が合う会社に絞ってください。

めっき・アルマイト・化成処理の使い分け

アルミの表面処理には、めっきのほかにアルマイト(陽極酸化)と化成処理があります。目的によって、めっきより向く処理があります。

処理向く目的掲載社の例
無電解ニッケル耐摩耗、はんだ付け、導電、寸法精度八幡鍍金工業、黒坂鍍金工業所、丸長鍍金
亜鉛ニッケル合金高い耐食性丸長鍍金
硬質アルマイト耐摩耗、絶縁ゴトー理研(800×550×550mm)、フジコー、黒坂鍍金工業所
カラーアルマイト外観(着色)ゴトー理研(白・黒・金・青・赤)
化成処理(クロムフリー・三価)塗装下地、耐食黒坂鍍金工業所、三和鍍金(アロジン)、シルベック

電気を通したい部品にアルマイトは向かず、絶縁したい部品にニッケルは向きません。目的が導電か絶縁かを最初に決めると、処理の候補が半分に減ります。

ダイカスト・鋳物で気をつけること

ダイカストや鋳物は、展伸材の板や棒よりも表面状態がばらつきます。めっき会社も、製品ごとに条件を出してから量産に入るのが普通です。

  • 日本電鍍工業: 鋳物品は製品によって表面状態が異なるため、それぞれ試作から品質確認が必要と説明
  • シルベック: ADC12の腐食対策と防錆処理、亜鉛ダイカストのD-ZEROめっきを技術紹介に掲載
  • 高橋電化工業所: 難しいとされる鋳物製品の電気亜鉛めっきが可能と記載
  • 植田鍍金工業・八幡鍍金工業: 素材に鋳物を挙げる
  • 杉戸技研工業: FC250(鋳鉄)製ハウジングへの部分硬質クロムの事例

鋳物は、巣の多い部分にめっきの不良が出やすくなります。めっきする面の巣の許容や、含浸処理の有無を、鋳造の段階で決めておくと手戻りが減ります。

マグネシウムなど、ほかの軽金属

マグネシウム合金は、アルミよりさらに表面処理が難しい素材です。公式に対応を書いている会社は限られます。

  • 黒坂鍍金工業所: マグネシウムへの表面処理、マグネシウム合金上の無電解ニッケル。合金の種類で適正な処理種が異なると説明
  • 塚田理研工業: マグネシウム合金への高耐食性めっき
  • 浅下鍍金: アルミ・マグネシウム合金など非鉄金属への表面処理に精通と記載
  • 三ツ矢: チタンへのめっき

マグネシウムは、ダイカストか展伸材か、合金名は何かで処理が変わります。黒坂鍍金工業所は、Mg合金・Mgダイカスト・純Mgで適正な処理が異なるため別途相談と書いています。

アルミ部品の処理例

掲載会社が公式に載せているアルミ部品の処理例を集めます。自社の部品に近い例があれば、問い合わせのときに伝えてください。

  • 日本電鍍工業: アルミ製ヒートシンクへのニッケルめっき、アルミ製大型部品へのニッケルめっき
  • 日本カニゼン: アルミ部品の耐摩耗性向上、アルミ材のΦ3×15mm貫通穴内部への処理
  • 日本バレル工業: アルミニウム合金のしゅう動部品への鉄カーボン合金めっき(皮膜硬さ600〜700Hv程度)
  • 浅下鍍金: アルミ繊維機械部品への無電解ニッケル・白アルマイト・黒アルマイト
  • シルベック: アルミバスバーめっき、ADC12の腐食対策と防錆処理

事例は、めっき会社がその素材と形に慣れているかを判断する材料になります。似た事例がない場合は、試作で密着と外観を確かめてから量産に進みます。

アルミ用の処理を選ぶときの比較表

アルミの部品で迷ったときは、求める性質に丸を付けて処理を絞ります。一般的な傾向をまとめると、次のようになります。

求める性質無電解ニッケル硬質アルマイト化成処理
電気を通す向く向かない(絶縁)用途による
はんだ付け向く向かない向かない
耐摩耗向く向く向かない
寸法変化を小さく膜厚を指定膜の一部が素材側に入るほぼ変わらない
塗装の下地用途による用途による向く

表は一般的な傾向で、最終的な判断はめっき会社の試作で確かめます。2つの処理で迷うときは、両方を扱う会社に同じ部品で試作を頼むのが早道です。

アルミの寸法の上限を比べる

アルミ部品は、同じ会社でも鉄より処理できる寸法が小さい場合があります。公式にアルミの寸法を分けて書いている例を並べます。

会社アルミの寸法(公式の記載)
八幡鍍金工業深さ800×奥行400×横幅500mm(鉄は奥行500mm)
丸長鍍金無電解ニッケル H800×W700×D300mm(アルミ専用)、アルミ上亜鉛ニッケル H700×W300×D150mm
黒坂鍍金工業所無電解ニッケル自動ライン 800×600mm、アルマイト 1600×900mm
ゴトー理研硬質アルマイト 800×550×550mm、軟質アルマイト 900×1,150×300mm
浅下鍍金硬質クロムはアルミ材で長さ700mmまで(鉄・SUSは4,800mm)

アルミの大物は、めっきよりアルマイトの方が大きな槽を持つ会社が多い傾向です。大きさで候補が残らないときは、処理の種類を変えて探してください。

アルミ部品を出す前の確認表

アルミやダイカストの部品をめっきに出す前に、次の表を埋めてください。合金番号と目的がそろえば、会社側の判断が早くなります。

項目書くこと
素材合金番号(A5052、A6061、ADC12など)と調質
製法切削品、板金品、ダイカスト、鋳物のどれか
目的耐摩耗、導電、はんだ付け、耐食、絶縁、外観
処理の候補めっき、アルマイト、化成処理のどれか(未定でも可)
寸法外形と重量。槽の寸法に入るか
表面巣の許容、含浸の有無、機械加工面の範囲

候補の処理が決まらない場合は、アルミの処理を複数持つ会社に相談します。黒坂鍍金工業所やシルベックのように、めっき・アルマイト・化成処理を同じ会社で比べられる会社が便利です。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

アルミに無電解ニッケルめっきはできますか?

できます。八幡鍍金工業はアルミへの無電解ニッケルを得意な処理のひとつに挙げ、アルミで深さ800×奥行400×横幅500mmまで対応すると書いています。黒坂鍍金工業所はアルミの自動ラインで800×600mm、丸長鍍金はアルミ専用ラインH800×W700×D300mmです。

アルミダイカスト(ADC12)にもめっきできますか?

できる会社があります。シルベックはダイカストなど鋳造用アルミ合金にも対応するとFAQで答え、ADC12の腐食対策を技術紹介に載せています。日本電鍍工業はアルミ鋳物は製品ごとに試作から品質確認が必要と説明しています。

アルミはめっきとアルマイトのどちらがいいですか?

目的で決めます。電気を通したい、はんだ付けしたい部品は無電解ニッケルなどのめっき、絶縁や耐摩耗、着色が目的なら硬質アルマイトやカラーアルマイトが向きます。両方を扱う黒坂鍍金工業所やシルベック、ゴトー理研に相談すると比べやすくなります。

【用途別】めっき加工会社おすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

無電解ニッケルを、まず1個だけ試作したいなら

八幡鍍金工業株式会社

無料試作は1点まで費用なし。膜厚±1.0μm、アルミ・鋳物も、通常1〜2営業日

無電解ニッケルと無電解ニッケルテフロンの専門工場で、無料試作は1点まで費用がかからないとFAQに明記している。対応サイズは鉄で深さ800×奥行500×横幅500mm、最大80kg。素材はアルミ・鉄・ステンレス・銅・真鍮・鋳物、膜厚は1〜50μmで精度±1.0μm、ロットは1〜数万個と、試作に必要な条件が公式に数字で出ている。

八幡鍍金工業株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

端子・接点・電極に、金や銀をめっきするなら

株式会社コダマ

純金・硬質金・部分金を試作1個から1日8万個規模まで。最短1日、ISO9001/14001

金メッキは純金・硬質金・部分金・SUS直付けに対応し、数量は試作1個から1日8万個規模の量産までと公式に書いている。最大対応サイズは400×400×深さ600mm。対応素材は銅・ベリリウム銅・真鍮・ステンレス・インコネル・コバールなど17種類以上。銀・すず・無電解ニッケルも同じ会社で扱い、ISO9001とISO14001を取得している。

株式会社コダマの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

ロール・シャフトなど、大物・長尺に硬質クロムをかけるなら

フジコー株式会社

最大Φ3,000mm×10m・10t。70,000Lの槽と研削・バフ研磨まで社内一貫

大型・長尺の硬質クロムめっきは最大径Φ3,000mm、最大長さ10m、最大重量10tと公式の仕様表にある。MEGAクロムメッキ槽はΦ3,000×10,000H・70,000Lで、クロムめっき槽は27槽。研削・めっき・バフ研磨・品質検査まで社内一貫で、ロッド300本/日などの量産実績も載せている。ISO9001とISO14001を取得。

フジコー株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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部品の素材・寸法・重量、つけたいめっき(または目的: 防錆・耐摩耗・導電・外観など)、膜厚の指定、数量(試作・量産)、納入先の認証やRoHSの条件を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載会社へ匿名で概要を伝え、試作や見積の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。

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