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RoHS指令と六価クロム|三価クロメート・鉛フリーめっきの頼み方と書類の取り方【2026年版】
RoHS指令で制限される10物質と規制濃度(ジェトロの解説による)を確認したうえで、めっきで関係する六価クロム・鉛・カドミウムへの対応を整理します。三価クロメートやノンクロム化成、鉛フリーの無電解ニッケル・すず、分析データや書類を出せる掲載会社を公式情報からまとめました。
電気・電子機器の部品にめっきを頼むときは、EUのRoHS指令への対応を求められることがよくあります。めっきでは、クロメート処理の六価クロムや、はんだ・無電解ニッケルに含まれる鉛が主な論点です。
このページでは、RoHS指令の制限物質を確認し、めっき会社への頼み方を整理します。
RoHS指令で制限される10物質
ジェトロの解説によると、RoHS指令(2011年6月8日付け欧州議会・理事会指令2011/65/EU)で電気・電子製品への使用が制限される物質は10物質です。規制濃度(閾値)は、カドミウムのみ0.01wt%(100ppm)、それ以外の全ての禁止物質が0.1wt%(1000ppm)とされています。
| 物質 | 規制濃度(閾値) | めっきとの関係の例 |
|---|---|---|
| 鉛 | 0.1wt% | はんだめっき、無電解ニッケル液の安定剤 |
| 水銀 | 0.1wt% | 通常のめっきでは使わない |
| 六価クロム | 0.1wt% | 亜鉛めっきのクロメート、アルミの化成処理、クロムめっき |
| カドミウム | 0.01wt% | カドミウムめっき |
| PBB・PBDE | 0.1wt% | 難燃剤(樹脂側) |
| DEHP・BBP・DBP・DIBP | 0.1wt% | 可塑剤(樹脂・テープ側) |
制限の対象や除外の範囲は、改正で変わることがあります。最新の内容は、ジェトロなど公的機関の解説と、納入先の調達基準で確認してください。
めっきで問題になりやすい物質
めっき工程で特に確認が必要なのは、六価クロム、鉛、カドミウムの3つです。それぞれ、代わりになる処理があります。
- 六価クロム: 亜鉛めっきの有色・黒色クロメート、アルミの化成処理(アロジン)に使われてきた。三価クロメートやノンクロムに切り替える
- 鉛: 半田めっきの主成分。大和電機工業は、RoHS指令で鉛が規制されたことから多くがSnめっきへ代替されたと説明
- 鉛(無電解ニッケル): 液に微量の鉛を含むものがある。フジコー、シルベックは鉛フリーの無電解ニッケルを扱う
- カドミウム: 許容濃度が0.01wt%と他の物質より厳しく、カドミウムを含むめっきは避ける
装飾クロムめっきでも、六価クロムの浴から三価クロムの浴へ切り替えが進んでいます。植田鍍金工業と塚田理研工業は、三価クロムめっきを公式に掲げています。
三価クロメート・ノンクロムに切り替える
亜鉛めっきやアルミの化成処理では、三価やノンクロムの処理を選べる会社が増えています。公式に対応を書いている会社を並べます。
| 会社 | 処理 | 公式の記載 |
|---|---|---|
| 日本電鍍工業 | 亜鉛めっきのクロメート | 5種類(6価2種・RoHS規制の3価3種) |
| 三和鍍金 | アロジン処理 | 六価・三価・ノンクロムに対応 |
| 湖東電鍍工業所 | 亜鉛・亜鉛ニッケル | 2003年に六価から三価に変更 |
| 山陽メッキ工業所 | 電気亜鉛 | 三価クロメート処理が事業内容 |
| 黒坂鍍金工業所 | アルミ化成処理 | クロムフリー及び三価クロム |
| 丸長鍍金 | アルミ上亜鉛ニッケル | 三価クロムでRoHS対応 |
| 三和メッキ工業 | アロジン | ノンクロム・三価クロム |
三価にすると色や耐食性が六価と少し変わる場合があります。外観の見本と耐食性の基準を、切り替えの前に決めておきます。
鉛フリーの無電解ニッケルとすず
電子部品や、電子機器に組み込む機械部品では、鉛フリーの仕様を指定します。公式に鉛フリーを書いている会社の例です。
- フジコー: 鉛フリー無電解ニッケルめっきで、RoHS指令・ELV指令・WEEE指令に関する悩みに対応すると記載
- シルベック: RoHS指令対応の鉛フリー・中リンタイプ無電解ニッケルめっき
- 大和電機工業: 鉛フリー対応のSnめっき、車載用端子向けSnリフロー
- ニシハラ理工: N-Snめっきの事例で、電子部品等の鉛フリー化を課題として紹介
- 日本カニゼン: 群馬工場で処理している処理は全てRoHS対応
鉛フリーかどうかは、めっき液の仕様で決まります。発注書には鉛フリー仕様と明記し、液の種類を会社に確認してもらいます。
分析データと書類のもらい方
RoHS対応の証明として、納入先から分析データや調査回答を求められることがあります。公式に書類や分析への対応を書いている会社を並べます。
| 会社 | 公式に書かれている対応 |
|---|---|
| ニシハラ理工 | めっき被膜はRoHS指令に適合、第三者機関の分析データを提出可能。紛争鉱物の調査票も |
| コダマ | 純金めっき皮膜の分析を掲載、ChemSHERPAやRoHS適合書類の対応を相談可 |
| 清川メッキ工業 | ICP-OESによるRoHS分析(IEC62321-4・-5)、ISO/IEC17025の試験所 |
| 三ツ矢 | 貴金属めっきはRoHS対応済み(五反田・米沢プラント) |
| 梅本鍍金 | RoHS対応・ニッケルフリー・輸出ニッケル規制対応を相談可 |
| シルベック | RoHS指令・REACH規制、chemSHERPAの解説ページを設けている |
書類の書式(chemSHERPA、不使用証明書、分析報告書など)は、納入先ごとに違います。必要な書式を見積の時点で伝えると、追加の費用や日数を見込めます。
RoHS以外に求められやすい調査
RoHS指令への対応を求められる取引では、ほかの化学物質や原材料の調査もあわせて求められることがあります。公式に対応を書いている例を挙げます。
- REACH規則: シルベックはRoHS指令・REACH規制の情報と対応を説明するページを設けている
- chemSHERPA: コダマは書類対応を相談可、シルベックは解説書(読本)を掲載
- 紛争鉱物: ニシハラ理工は調査票の提出も可能とFAQに記載
- ニッケル規制(装身具): 梅本鍍金はEU向けなど輸出先のニッケル規制に対応すると記載
調査の書式は、納入先から指定されることがほとんどです。指定の書式を早めにめっき会社へ渡しておくと、回答の期間を見込めます。
六価クロムが残る処理と、その扱い
すべての六価クロムがすぐに置き換えられるわけではありません。代わりの処理と性能の差を知ったうえで、製品ごとに判断します。
| 処理 | 現状 | 確認すること |
|---|---|---|
| 亜鉛めっきの六価クロメート | 三価への切り替えが進む。日本電鍍工業は6価2種も扱う | RoHS対象製品かどうか |
| アルミの化成処理 | 三価・ノンクロムを選べる会社が増えている | 塗装の下地としての性能 |
| 装飾クロム | 三価クロムめっきを掲げる会社がある(植田鍍金工業、塚田理研工業) | 色調と耐食性 |
| 硬質クロム | 六価の浴が一般的。浅下鍍金は三価は硬度・耐摩耗性で劣る点が課題と説明 | 製品の分野と納入先の基準 |
六価クロメートは耐食性に優れると説明する会社もあり、用途によっては使い続けられています。RoHSの対象かどうかを先に確かめ、対象なら三価やノンクロムを指定してください。
切り替え前に確かめる性能
六価から三価へ、または鉛入りから鉛フリーへ切り替えると、色や耐食性、はんだ付け性が少し変わることがあります。切り替え前に、次の点を試作で確かめます。
- 外観: クロメートの色調、光沢
- 耐食性: 塩水噴霧試験での白さび・赤さびの発生時間
- はんだ付け性: すずめっきのぬれ性
- 密着: 上に塗装する場合は塗膜の密着
湖東電鍍工業所は、三価クロメート処理の亜鉛ニッケル合金めっきが塩水噴霧試験で亜鉛めっきの4倍以上の耐食性と説明しています。性能の比較を公式に出している会社の情報も、判断の参考になります。
発注書に入れておく文言
RoHS対応は、口頭で頼むより発注書と図面に書いておく方が確実です。次の項目を入れてください。
- RoHS指令(2011/65/EU)適合品であること
- クロメートは三価(またはノンクロム)とすること
- 無電解ニッケル・すずは鉛フリー仕様とすること
- 提出する書類の種類(分析報告書、chemSHERPA等)と頻度
- 仕様を変更する場合は事前に連絡すること
めっき会社が液や処理を変えると、成分も変わる場合があります。変更時の連絡を取り決めておくことが、継続して適合を保つための要点です。
この記事に出てくる会社
- 浅下鍍金株式会社航空機部品の硬質クロム
- フジコー株式会社大物・長尺の硬質クロム
- 清川メッキ工業株式会社電子材料のめっきと分析
- 株式会社コダマ電子部品の金・銀めっき
- 株式会社湖東電鍍工業所亜鉛ニッケル合金を1個から
- 株式会社黒坂鍍金工業所軽金属の表面処理を試作1個から
- 丸長鍍金株式会社1点から量産まで一社で
- 株式会社三ツ矢貴金属めっきと認証の厚さ
- 日本電鍍工業株式会社難めっき素材を1点ずつ
- 日本カニゼン株式会社無電解ニッケルの種類を選べる
- ニシハラ理工株式会社フープ材の連続めっき
- 株式会社三和鍍金亜鉛と化成処理を1個から
参照元
よくある質問
RoHS指令の六価クロムの上限はいくつですか?
ジェトロの解説によると、RoHS指令(2011/65/EU)の規制濃度(閾値)は、カドミウムが0.01wt%(100ppm)、六価クロムを含むそれ以外の物質が0.1wt%(1000ppm)です。最新の内容は公的機関の解説と納入先の基準で確認してください。
亜鉛めっきをRoHS対応にするにはどうすればいいですか?
クロメートを六価から三価(またはノンクロム)に切り替えます。日本電鍍工業はRoHS規制に対応する3価クロメートを3種類、山陽メッキ工業所は三価クロメート処理を事業内容とし、湖東電鍍工業所は2003年に六価から三価へ変更したと公式に書いています。
めっきのRoHS分析データはもらえますか?
出せる会社があります。ニシハラ理工は第三者機関による分析データを提出可能、清川メッキ工業はIEC62321によるRoHS分析を行い、コダマはChemSHERPAやRoHS適合書類の対応を相談できると公式に書いています。
【用途別】めっき加工会社おすすめ3選
無電解ニッケルを、まず1個だけ試作したいなら
八幡鍍金工業株式会社
無料試作は1点まで費用なし。膜厚±1.0μm、アルミ・鋳物も、通常1〜2営業日
無電解ニッケルと無電解ニッケルテフロンの専門工場で、無料試作は1点まで費用がかからないとFAQに明記している。対応サイズは鉄で深さ800×奥行500×横幅500mm、最大80kg。素材はアルミ・鉄・ステンレス・銅・真鍮・鋳物、膜厚は1〜50μmで精度±1.0μm、ロットは1〜数万個と、試作に必要な条件が公式に数字で出ている。
端子・接点・電極に、金や銀をめっきするなら
株式会社コダマ
純金・硬質金・部分金を試作1個から1日8万個規模まで。最短1日、ISO9001/14001
金メッキは純金・硬質金・部分金・SUS直付けに対応し、数量は試作1個から1日8万個規模の量産までと公式に書いている。最大対応サイズは400×400×深さ600mm。対応素材は銅・ベリリウム銅・真鍮・ステンレス・インコネル・コバールなど17種類以上。銀・すず・無電解ニッケルも同じ会社で扱い、ISO9001とISO14001を取得している。
ロール・シャフトなど、大物・長尺に硬質クロムをかけるなら
フジコー株式会社
最大Φ3,000mm×10m・10t。70,000Lの槽と研削・バフ研磨まで社内一貫
大型・長尺の硬質クロムめっきは最大径Φ3,000mm、最大長さ10m、最大重量10tと公式の仕様表にある。MEGAクロムメッキ槽はΦ3,000×10,000H・70,000Lで、クロムめっき槽は27槽。研削・めっき・バフ研磨・品質検査まで社内一貫で、ロッド300本/日などの量産実績も載せている。ISO9001とISO14001を取得。
自社の部品に合うめっき加工会社を、無料で相談する
部品の素材・寸法・重量、つけたいめっき(または目的: 防錆・耐摩耗・導電・外観など)、膜厚の指定、数量(試作・量産)、納入先の認証やRoHSの条件を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載会社へ匿名で概要を伝え、試作や見積の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。