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ロボットSIer(システムインテグレーター) · 基礎知識

ロボット導入の費用と見積|本体以外にかかるもの・概算の考え方・相見積のコツ【2026年版】

産業用ロボットを導入するときの費用の内訳(本体、ハンド、周辺装置、制御盤、安全柵、据付・教育)と、見積を依頼するときに伝える項目、相見積で比べるべき点を整理します。公式に費用の目安を出しているSIerの例や、費用を抑える工夫もまとめました。

公開 2026年10月1日

ロボット導入の費用は、ロボット本体の価格だけでは決まりません。むしろ本体以外の部分が、総額の多くを占めることがあります。

このページでは、費用の内訳と、見積を依頼するときのポイントを整理します。

費用の目安を公式に数字で出している例として、ニッコーのFAQがあります。多くの会社は、工程とワークを聞いてから見積を出す形です。

費用はシステム全体で決まる

ニッコーはFAQで、ロボット本体だけでなく、ハンド、コンベヤ、制御盤、安全柵、周辺機器などを含むシステム全体で費用が決まると説明しています。主な内訳は次のとおりです。

費目内容
ロボット本体・制御装置可搬重量と動作範囲で機種が決まる
ハンド(エンドエフェクタ)ワークをつかむ部分。ワークに合わせて設計することが多い
治具・周辺装置ポジショナー、コンベヤ、ストッカー、カメラなど
制御盤・ソフト設備全体の制御、ティーチング、シミュレーション
安全対策安全柵、エリアセンサー、非常停止
据付・立上げ・教育現地工事、試運転、操作の教育

ニッコーは、食品・水産のラインでは数千万円程度が一般的とFAQで書いています。打ち合わせのうえで大まかな概算を出すことも可能だとしています。

費用を左右する5つの要素

同じ箱詰めでも、条件で費用は大きく変わります。見積の差が出やすいのは次の要素です。

  1. ワークの種類の数: 品種が多いほど、ハンドの交換やビジョンが必要になる
  2. ワークの置かれ方: 整列しているか、バラ積みか
  3. タクト: 速さが必要だとロボットの台数や機種が変わる
  4. 重さと大きさ: 可搬重量の大きいロボットは本体も周辺装置も大きくなる
  5. 前後の工程との連携: コンベヤや既存設備との通信の範囲

バラ積みのワークをつかむには3Dビジョンが必要になることが多く、費用が上がります。三明機工はMUJINと提携した3Dランダムピッキング、ROBO TACはカメラを使ったバラ積みピッキングを扱っています。

費用を抑える工夫

費用を抑えるには、全部をロボットにしようとせず、効果の大きい部分から始めるのが基本です。公式サイトに書かれている工夫の例を挙げます。

工夫公式に記載がある例
汎用の装置や製品を使う三和ロボティクスのオート・ワークチェンジャー、新エフエイコムのFASTPAL
既存の設備を改造するタワシテックは既設を改造して新規のワークに対応した実績、有休設備のロボットを活用した研磨システムを紹介
補助金を使う髙丸工業、ロボプラスは補助金を活用した導入を支援
省スペースで設置するニッコーは天吊り式や小型を使うなどレイアウトで省スペース化を提案

既存のロボットを別の工程に回して使えることもあります。社内に使っていないロボットがあれば、最初の相談で伝えてください。

見積を頼むときに伝える項目

見積の精度は、最初に渡す情報で決まります。次の項目をそろえて伝えてください。

  • 対象の工程と、自動化したい範囲(どこからどこまで)
  • ワークの図面または寸法・重さ・材質と、品種の数
  • 1日の生産数、タクト、稼働時間(夜間・休日も動かすか)
  • 今の作業の動画と人数
  • 設置場所の図面、既存設備のメーカー
  • 希望の稼働時期と、補助金の利用予定

品種が今後増える予定があれば、それも伝えます。後から品種を足すと、ハンドやプログラムの追加で費用がかかるためです。

相見積で比べるべきこと

ロボットの見積は会社ごとに構成が違うので、総額だけを比べても判断できません。次の点をそろえて比べてください。

比べる点確認すること
範囲据付工事、安全柵、教育、試運転が含まれているか
テスト見積前・製作前に実ワークでテストするか
メーカー保守部品や修理を頼みやすいメーカーか
教育ティーチングや再ティーチングを社内でできるようにするか
保守定期点検、故障時の対応時間

ニッコーはワークが変わった場合の再ティーチングを自社でできるよう教育を支援すると書いています。ROBO TACは定期点検で故障を予防すると説明しており、導入後の費用も含めて比べることが大切です。

導入後にかかる費用も見込む

ロボットは導入して終わりではありません。稼働してからも費用がかかります。

  • 定期点検・部品交換(減速機、ケーブル、ハンドの消耗品)
  • 品種追加のときのティーチングやハンドの追加
  • 操作者の教育(特別教育や操作講習)
  • 故障したときの修理と、止まっている間の代替手段

保守を頼む会社が遠いと、故障のときに駆け付けるまで時間がかかります。サービス拠点の場所も、見積の段階で確認してください。

ROBO TACは豊明市にサービス拠点を置き、ロボットや溶接機の定期点検を提案すると書いています。導入した会社とは別の会社に保守を頼む場合は、そのメーカーの機種に対応できるかを先に確かめてください。

補助金を使うときの費用の流れ

補助金を使う場合は、費用の支払いと補助金の受け取りの時期を、公募要領で確かめておく必要があります。おおまかな流れの例は次のとおりです。

  1. 見積と事業計画をそろえて申請する
  2. 採択・交付決定を受けてから発注・契約する
  3. 設備を導入し、代金を支払う
  4. 実績を報告し、制度の定める手続きで補助金を受け取る

いつ以降の発注が補助の対象になるかは制度ごとに決まっているので、公募要領で必ず確認してください。SIerの見積の有効期限と納期が、公募の日程に合うかも確かめておきます。

導入の時点で設備代をどう支払うかも、資金繰りの計画として見積と同じ段階で立てておくと安心です。

補助金の制度ごとの違いは、別の記事で詳しく整理しています。髙丸工業やロボプラス、ニッコーのように、申請の相談に応じると公式に書いているSIerもあります。

見積の前に社内で決めておくこと

SIerから提案を受ける前に、社内で次の3点を決めておくと判断がぶれません。

  1. 何のために導入するか(人手不足、品質の安定、夜間稼働など)
  2. 回収期間の目安(何年で元を取るか)
  3. 運用の担当者(誰がティーチングと点検をするか)

目的がはっきりしていれば、SIerは費用と効果のバランスがとれた構成を提案できます。担当者を早めに決めておくと、テストの段階から立ち会えて、導入後の立ち上がりも早くなります。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

ロボット導入の費用はいくらくらいですか?

工程と規模で大きく変わります。ニッコーはFAQで、食品・水産のラインでは数千万円程度が一般的と書いています。ロボット本体のほか、ハンド、コンベヤ、制御盤、安全柵などを含むシステム全体で決まります。

見積は無料で頼めますか?

会社によります。ニッコーは打ち合わせのうえで大まかな概算を提示できると書いています。テストや詳細設計に費用がかかる場合もあるので、最初に確認してください。

費用を抑える方法はありますか?

効果の大きい工程から始める、汎用の装置や既存の設備を活用する、補助金を使うといった方法があります。髙丸工業やロボプラスは補助金を活用した導入を支援しています。

【用途別】ロボットSIerおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

溶接をロボット化したい中小企業で、補助金も使いたいなら

髙丸工業株式会社

溶接ロボットシステムが軸。ロボットテクニカルセンターで導入検証、補助金活用支援の専用ページ

溶接ロボットシステムは部品の仮付け、薄板のタップ溶接から厚板の多層盛り溶接までを対象に挙げ、搬送・バリ取り・塗装のロボットシステムも一品一品オーダーメイドで製作する。グループのロボットテクニカルセンター(RTC)で産業用ロボットシステムの試験・設計・製造・オペレーター教育を行う。公式サイトに補助金活用支援事業のページがあり、企画立案から申請書類の作成支援、技術者育成、導入後のアフターサポートまでワンストップで手伝うとしている。溶接の中小企業が補助金で溶接ロボットを入れた事例インタビューも公開している。

髙丸工業株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

食品工場の箱詰め・トレー詰め・選別を自動化したいなら

株式会社ニッコー

選別・集積・箱詰め・トレー詰め・充填。北海道ロボットラボラトリーにワークを持ち込んで検証

創業当時から食に関わる機械設備を製造してきた会社で、ロボットシステムの対象を選別・集積・箱詰め・トレー詰め・充填と段積みなどの周辺機器に絞って公開している。北海道ロボットラボラトリーで産業用ロボットの特別教育と導入前の実機検証を行い、ワークや製品を持ち込んで実環境に近い条件で評価できる。FAQで補助金について「ものづくり補助金など、毎年利用可能な制度があります」と答え、申請サポートにも対応するとしている。

株式会社ニッコーの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

旋盤やマシニングセンタのワーク着脱をロボットにして、夜間も動かしたいなら

浜田製作株式会社

創業以来1,400件以上の納入実績。工作機械とのワーク脱着が中心、実機を持ち込む訪問デモ

創業以来1,400件以上のロボットシステムの納入実績があり、主に工作機械とのワーク脱着作業や射出成型でのワーク取り出しの実績だと公式に示している。実機を持ち込んでの訪問デモを行う。FANUC GLOBAL ROBOT PARTNER OF THE YEAR 2025で「Application Award」を受賞し、ファナックロボット会の会員。事例にはストッカから円筒ワークを取り出して2台の旋盤へ取り付けるシステムなどがある。

浜田製作株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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