3比較ハブロボットSIer(システムインテグレーター)
メニュー

ロボットSIer(システムインテグレーター) · 基礎知識

導入事例から見るロボットSIerの選び方省人化・タクト・使用ロボットの読み方【2026年版】

ロボットSIerの公式サイトに載っている導入事例を集め、省人化した人数、タクトや精度、使ったロボットと周辺機器、予算の記載に分けて整理しました。数値のない事例の読み方と、自社の工程に近い事例から相談先を絞る手順もまとめています。

公開 2026年10月3日

イラストはイメージです(特定の製品ではありません)

ロボットSIerの公式サイトには、導入事例や製作実績のページがあります。どの工程を、どのロボットで、どれだけ省人化したかが書かれていれば、その会社が自社の工程に向くかを判断する材料になります。

このページでは、掲載27社の公式サイトに出ている導入事例を集め、読み方と比べ方を整理しました。情報は2026年10月3日に確認したもので、数字は事例ページの書き方のまま載せています。

製作事例から読み取りたい5つの情報

ロボットの事例は、写真や見出しだけでは中身がわかりません。次の5つが書かれているかを確かめてください。

  1. 対象の工程(取出し、整列、溶接、パレタイズ、検査など)
  2. 使ったロボットの機種・可搬重量と、カメラなどの周辺機器
  3. 導入前の課題(人手不足、重労働、品質のばらつきなど)
  4. 成果の数字(削減した人数、タクト、稼働時間)
  5. 依頼企業の業種と地域(社名は非公開のことが多い)

ロボットSIerの事例は、依頼企業の社名を出さないものが大半です。業種と工程が自社に近いかどうかを中心に読んでください。

省人化した人数を示している事例

最も比べやすいのは、作業していた人数が何人になったかという数字です。稼働時間とセットで見ると、効果の大きさがつかめます。

SIer依頼企業(業種)・工程公式に書かれた成果
アイズロボ千葉県T社(住宅関係)・シンク装着4名作業を3名削減して1名作業に
FAサポート自動車部品製造工場・部品整列4名で行っていた作業を、スカラロボット2台の専用機で自動化し、次工程の作業者1名の操作で進める形に
FAサポート製造業・パネル整列3名で行っていた作業を自動化し、作業者1名で24時間稼働
FAサポートバッテリー製造工場・デパレタイジング2名で行っていた作業を完全自動化し、24時間稼働
タワシテック電子部品製造ロボット3台のシステムで、24時間稼働で9名の作業員削減

24時間稼働の工場と日勤だけの工場では、同じ設備でも削減できる人数が変わります。事例の稼働時間と、自社の稼働時間をそろえて比べてください。

タクトや精度を数字で示している事例

人数のほかに、速さや精度の数字を出している事例もあります。品質や生産量の課題を抱えているなら、こちらが参考になります。

SIer工程公式に書かれた数字
FAサポート自動車部品の部品整列ワーク1個の整列で1.6秒タクト、スカラロボット2台で0.8秒の整列タイム
三明機工アルミダイカストの注湯注湯の湯量精度を誤差2%以内とする注湯ロボット
ROBO TAC自動車部品のアーク溶接生産スピードが従来比で約30%向上
筑波エンジニアリング重量物の加工ライン5~6工程の工程間搬送を1台のロボットで行う

タクトの数字は、ワークの形や置かれ方で大きく変わります。自社のワークで同じ速さが出るかは、テストで確かめる必要があります。

使ったロボットと周辺機器を見る

機種や可搬重量を書いている事例は、自社のワークの重さと照らし合わせられます。既に使っているロボットのメーカーがあれば、同じメーカーの事例があるかも確認します。

SIer工程ロボット・周辺機器(公式の記載)
アイズロボ袋体詰替え(袋物25kg)125kg可搬ロボット、3Dビジョンカメラ
アイズロボ蓄電システムのねじ締め12kg可搬のねじ締めロボット、ビジョンカメラ、圧送式ねじ締めドライバー
浜田製作成形樹脂の整列・箱入れFANUC LRMate/M-10
浜田製作部品組付システム台車とFANUC CRX-Series(協働ロボット)
筑波エンジニアリング試料サンプルの配合協働ロボットCRX-10iA(安全柵なし)
筑波エンジニアリング物流倉庫の仕分けハンドカメラを搭載したロボット5台

筑波エンジニアリングの試料配合の事例は、安全柵がなく、人が近づくと自動的に安全速度に切り替わる構成です。人と同じ場所で作業を分け合うなら、協働ロボットの事例があるかも確かめてください。

予算や費用まで載せている事例

事例に費用を書いている会社は多くありません。数少ない例を見ておくと、見積を受け取ったときの目安になります。

  • タワシテックは装置実績ごとに予算を載せています。画像検査システムは約2000万円で24時間稼働で3名の検査員削減、バリ取り搬送システムは約2500万円で24時間稼働で3名の作業員削減です。
  • 浜田製作は補助金活用シミュレーションとして、パレタイジング装置の本体価格1,200万円+設置輸送費100万円=1,300万円が、補助金活用後650万円になる例を挙げています。
  • どちらも税の表記はなく、補助金は採択された事業のみが対象だと浜田製作は注記しています。

同じ工程でも、ワークや生産能力で費用は大きく変わります。事例の予算は、相場ではなく一つの実例として読んでください。

数値のない事例をどう読むか

工程と構成だけを示し、成果の数字を載せていない事例もあります。数字がなくても、得意な工程や業種を知る手がかりになります。

SIer公式に載っている事例の内容
ディースピリット射出成形機と協働ロボットを連携し、成形品の取出しから整列までを自動化
ロボプラス鋼材メーカーで、画像センサとハンドリングロボットにより検査から梱包までを自動化
三和ロボティクス樹脂部品・半導体製造装置部品のマシニングセンターのワーク着脱を自動化し、夜間稼働の省人化や増産に対応
マキテック株式会社ウェルファムフーズ 宮城事業所の梱包・出荷ラインで、ロボット2台によるパレタイジングまで一貫した搬送システム

こうした事例は、問い合わせのときに削減人数やタクトを聞くと比べやすくなります。公開されていない数字も、打ち合わせの場では答えてもらえることがあります。

自社の工程に近い事例から相談先を絞る手順

事例を使って相談先を絞る流れをまとめます。最初から1社に決めず、2〜3社の事例を見比べるのが基本です。

  1. 自動化したい工程と、ワークの重さ・形を書き出す
  2. その工程の事例を公式に載せている会社を探す
  3. 事例の機種・可搬重量・稼働時間が自社と合うかを確かめる
  4. 気になる事例について、成果の数字と費用の規模を問い合わせる
  5. 自社のワークでテストできるかを確認する

事例の工程が近くても、ワークが違えばハンドや治具は作り直しになります。最後は自社のワークを使ったテストで判断してください。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

ロボットSIerの導入事例は、どこを見て比べればよいですか?

対象の工程、使ったロボットの機種と可搬重量、導入前の課題、成果の数字(削減した人数・タクト・稼働時間)、依頼企業の業種の5つを見ます。社名は非公開のことが多いので、業種と工程が自社に近いかを中心に読んでください。

事例に費用を載せているSIerはありますか?

タワシテックは装置実績ごとに予算を載せており、例えば画像検査システムは約2000万円、電子部品製造システムは約3000万円です。浜田製作は補助金活用シミュレーションとして、パレタイジング装置の1,300万円が補助金活用後650万円になる例を挙げています。いずれも税の表記はありません。

タクトの数字を公開している事例はありますか?

FAサポートは自動車部品の部品整列で、ワーク1個の整列で1.6秒タクト、スカラロボット2台で0.8秒の整列タイムと書いています。タクトはワークで変わるため、自社のワークでのテストで確かめてください。

【用途別】ロボットSIerおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

溶接をロボット化したい中小企業で、補助金も使いたいなら

髙丸工業株式会社

溶接ロボットシステムが軸。ロボットテクニカルセンターで導入検証、補助金活用支援の専用ページ

髙丸工業株式会社の公式サイトへ特徴・対応条件を見る

食品工場の箱詰め・トレー詰め・選別を自動化したいなら

株式会社ニッコー

選別・集積・箱詰め・トレー詰め・充填。北海道ロボットラボラトリーにワークを持ち込んで検証

株式会社ニッコーの公式サイトへ特徴・対応条件を見る

旋盤やマシニングセンタのワーク着脱をロボットにして、夜間も動かしたいなら

浜田製作株式会社

創業以来1,400件以上の納入実績。工作機械とのワーク脱着が中心、実機を持ち込む訪問デモ

浜田製作株式会社の公式サイトへ特徴・対応条件を見る

関連記事