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ロボットSIer(システムインテグレーター) · 基礎知識

ロボットSIerとは|メーカー・商社との違い、頼める範囲、導入までの流れと期間【2026年版】

産業用ロボットのシステムインテグレーター(SIer)が何をする会社なのかを、ロボットメーカーや商社との違い、頼める作業の範囲、相談から稼働までの流れと期間に分けて整理します。中小企業が最初の相談で準備すること、SIerの探し方まで、掲載27社の公式情報をもとにまとめました。

公開 2026年10月1日

産業用ロボットは、本体を買っただけでは工場で動きません。ハンドを付け、周辺の装置とつなぎ、安全対策をして、動きを教え込む作業が必要です。

この、ロボットを使った設備を1つのシステムに組み上げる会社を、ロボットSIer(システムインテグレーター)と呼びます。このページでは、SIerに頼める範囲と、導入までの流れを整理します。

ロボットメーカー・商社・SIerの役割の違い

ロボット導入に関わる会社は、大きく3つに分かれます。どこに何を頼むかを最初に整理しておくと、相談先を間違えません。

種類主な役割頼めること
ロボットメーカーロボット本体と制御装置を作る本体の仕様、保守部品、メーカー講習
商社・販売代理店ロボットや機器を販売する機器の調達、価格交渉
SIerロボットを使った設備を設計・製作・設置する工程の分析、ハンドや治具の設計、立上げ、教育、保守

ニッコーはFAQで、ロボットは単体ではハンドを付けて動作をプログラムし、周辺機器や製造ラインとつなぐ必要があると説明しています。SIerの主な業務として、構想・企画、設計、組み立て・設置、アフターフォローを挙げています。

SIerに頼める作業の範囲

SIerの仕事は、ロボットの選定だけではありません。公式サイトで、構想から保守までを一貫して担うと書いている会社が多くあります。

  • 工程の分析と自動化の構想(どこまでロボットに任せるか)
  • ロボットの選定と、ハンド・治具・周辺装置の設計
  • 制御盤や安全装置を含めた製作・組立
  • 現地での据付・立上げとティーチング
  • 操作の教育、点検・メンテナンス

サンメカニックは設計・製作・据付・立上げ・メンテナンスまでをワンストップで、ディースピリットは構想設計から制御、製作、現地立上げまでを一貫して担うと書いています。ROBO TACはロボットや溶接機の定期点検・メンテナンスにも対応しています。

得意な工程と業種で分かれる

SIerは会社ごとに得意な工程と業種がはっきり違います。ニッコーもFAQで、まずどの工程に実績があるかを確認するよう勧めています。

得意分野掲載会社の例
溶接髙丸工業、ROBO TAC、IKOMAロボテック、ラインワークス
食品の箱詰め・ピッキングニッコー、FAサポート、アイエムパック
工作機械のワーク着脱浜田製作、三和ロボティクス、タワシテック、ディースピリット
研磨・FSWなど加工トライエンジニアリング
画像検査・物流新エフエイコム
組立・検査ラインヤナギハラメカックス、日晃オートメ、筑波エンジニアリング

同じ搬送でも、食品と金属部品ではハンドの作り方も衛生の考え方も違います。自社の業種と工程に近い事例を公開している会社から当たってください。

相談から稼働までの流れ

ロボット導入は、相談してすぐに始まるものではありません。おおまかな流れは次のとおりです。

  1. 相談・現場確認: 自動化したい工程、ワーク、生産数を伝える
  2. テスト・検証: 実際のワークでロボットの動きやつかみ方を試す
  3. 構想と見積: システムの構成、レイアウト、費用、期間の提案
  4. 設計・製作: ハンド、治具、周辺装置、制御盤を作る
  5. 社内での組立・試運転: 出荷前に動作を確認する
  6. 据付・立上げ・教育: 現場に設置し、操作と点検を教わる

ニッコーはFAQで、初回の打ち合わせから納入まで、順調にいって平均1年程度はみたほうが良いと書いています。補助金を使う場合は公募の時期も重なるので、さらに余裕を持った計画が必要です。

テスト・検証の段階を大切にする

ロボットが本当にワークをつかめるか、タクトに間に合うかは、試してみないとわかりません。導入前に試せる施設や方法を公式に挙げている会社があります。

会社公式に挙げているテスト・デモの手段
ニッコー北海道ロボットラボラトリー(ワーク持ち込みで評価)
髙丸工業ロボットテクニカルセンター(試験・教育)
トライエンジニアリングデモ機を常設しテストトライアル
三明機工工場内のロボットラボ(安川ロボット)
浜田製作実機を持ち込む訪問デモ
FAサポート顧客のワークで実証テスト

テストでは、ワークのばらつきや置かれ方のパターンもできるだけ持ち込んでください。良品だけで試すと、量産で止まる原因を見逃します。

タワシテックは、人からロボットへの置き換えが可能な作業かどうかを実機でテストできると書いています。置き換えられるかどうかが不安な段階でも、テストから相談できる会社を選ぶと判断を誤りにくくなります。

SIerの探し方と協会の会員一覧

SIerを探すときは、日本ロボットシステムインテグレータ協会の会員かどうかも手がかりになります。トライエンジニアリングの沿革によると、FA・ロボットシステムインテグレータ協会は2023年6月の一般社団法人化に伴い今の名称になりました。

  • 協会の会員や加盟を公式に書いている例: ROBO TAC(正会員)、トライエンジニアリング、特電、FAサポート、日晃オートメ
  • ロボットメーカーの会に入っている例: 筑波エンジニアリング・ヤナギハラメカックス・浜田製作(ファナックの会)、特電・FAサポート(安川電機MOTOMAN会SI部会)
  • メーカーの認定: 特電と日晃オートメはユニバーサルロボットの認定インテグレーター

会員かどうかだけで実力は決まりません。最後は、自社の工程と同じ事例と、テストの結果で判断してください。

近くのSIerを選ぶと、立上げや故障のときに駆け付けてもらいやすくなります。本社だけでなく営業所やサービス拠点の場所も確認してください。

最初の相談で用意するもの

SIerとの最初の打ち合わせでは、次の情報があると話が具体的になります。わからない項目は空欄のままで構いません。

項目書き方の例
自動化したい工程箱詰め、溶接、旋盤へのワーク着脱など
ワーク寸法、重さ、材質、品種の数、写真
生産数とタクト1日の個数、1個あたりの秒数
今の作業人数、作業時間、困っていること
設置場所広さ、天井の高さ、電源・エア
予算と時期概算予算、補助金の利用予定、稼働希望日

今の作業を動画に撮って見せると、SIerはロボットに置き換えられる範囲をすぐに判断できます。複数のSIerに同じ資料を渡せば、提案を比べやすくなります。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

ロボットSIerとメーカーの違いは何ですか?

メーカーはロボット本体を作り、SIerはロボットにハンドや周辺装置、安全装置を組み合わせて工場で動く設備に仕上げます。工程の分析から立上げ、教育、保守までを担うのがSIerです。

ロボット導入にはどのくらいの期間がかかりますか?

規模で変わります。ニッコーはFAQで、初回の打ち合わせから納入まで、順調にいって平均1年程度はみたほうが良いと書いています。

SIerはどうやって選べばいいですか?

自動化したい工程と同じ業種・工程の事例を公開している会社から当たり、実際のワークでテストしてから決めるのが確実です。日本ロボットシステムインテグレータ協会の会員かどうかも手がかりになります。

【用途別】ロボットSIerおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

溶接をロボット化したい中小企業で、補助金も使いたいなら

髙丸工業株式会社

溶接ロボットシステムが軸。ロボットテクニカルセンターで導入検証、補助金活用支援の専用ページ

溶接ロボットシステムは部品の仮付け、薄板のタップ溶接から厚板の多層盛り溶接までを対象に挙げ、搬送・バリ取り・塗装のロボットシステムも一品一品オーダーメイドで製作する。グループのロボットテクニカルセンター(RTC)で産業用ロボットシステムの試験・設計・製造・オペレーター教育を行う。公式サイトに補助金活用支援事業のページがあり、企画立案から申請書類の作成支援、技術者育成、導入後のアフターサポートまでワンストップで手伝うとしている。溶接の中小企業が補助金で溶接ロボットを入れた事例インタビューも公開している。

髙丸工業株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

食品工場の箱詰め・トレー詰め・選別を自動化したいなら

株式会社ニッコー

選別・集積・箱詰め・トレー詰め・充填。北海道ロボットラボラトリーにワークを持ち込んで検証

創業当時から食に関わる機械設備を製造してきた会社で、ロボットシステムの対象を選別・集積・箱詰め・トレー詰め・充填と段積みなどの周辺機器に絞って公開している。北海道ロボットラボラトリーで産業用ロボットの特別教育と導入前の実機検証を行い、ワークや製品を持ち込んで実環境に近い条件で評価できる。FAQで補助金について「ものづくり補助金など、毎年利用可能な制度があります」と答え、申請サポートにも対応するとしている。

株式会社ニッコーの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

旋盤やマシニングセンタのワーク着脱をロボットにして、夜間も動かしたいなら

浜田製作株式会社

創業以来1,400件以上の納入実績。工作機械とのワーク脱着が中心、実機を持ち込む訪問デモ

創業以来1,400件以上のロボットシステムの納入実績があり、主に工作機械とのワーク脱着作業や射出成型でのワーク取り出しの実績だと公式に示している。実機を持ち込んでの訪問デモを行う。FANUC GLOBAL ROBOT PARTNER OF THE YEAR 2025で「Application Award」を受賞し、ファナックロボット会の会員。事例にはストッカから円筒ワークを取り出して2台の旋盤へ取り付けるシステムなどがある。

浜田製作株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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