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ロボットSIer(システムインテグレーター) · 用途別

工作機械のワーク着脱をロボット化する|旋盤・マシニングの夜間無人化とSIerの選び方【2026年版】

旋盤やマシニングセンタへのワークの取り付け・取り外しをロボットに任せ、夜間や休日も機械を動かしたい加工工場向けに、方式の違い(ワーク直接・バイスごと・パレットごと)、ストッカーの考え方、テストと訪問デモ、得意なSIerの比較を公式サイトの記載から整理します。

公開 2026年10月1日

工作機械は、ワークを付け替える人がいなければ止まってしまいます。ワークの着脱をロボットに任せれば、夜間や休日にも機械を動かせ、同じ人数で生産量を増やせます。

このページでは、工作機械のワーク着脱(マシンテンディング)を自動化するときの方式と、SIerの選び方をまとめます。

ワーク着脱の自動化は、ロボットの導入の中でも効果が見えやすい分野です。機械の稼働時間が伸びた分がそのまま生産量になるため、投資の回収を計算しやすいからです。

ワーク着脱を得意とするSIerを比べる

工作機械へのワーク着脱を公式に主要な実績として挙げている掲載会社を並べます。

会社公式の記載テスト・デモ
浜田製作創業以来1,400件以上の納入実績。主に工作機械とのワーク脱着実機を持ち込む訪問デモ
三和ロボティクスオート・ワークチェンジャーでマシニングセンタ・旋盤へ搬送SRTテクニカルセンター
タワシテック小型加工機へのワーク投入・払出(ESシリーズ)、NC旋盤への搬送実機で置き換え可否をテスト
ディースピリット約12kgのワークの工作機械への投入・取出しを自動化記載なし
アイズロボ最大80kgのワークを反転機に供給し加工機に投入テストラボ
筑波エンジニアリングロボドリルへのワーク供給・取り出しの無人化記載なし

ワークの重さと形で、合うロボットと会社は変わります。軽い小物なら協働ロボット、重いワークなら可搬重量の大きいロボットと反転機などの周辺装置が必要になります。

ワーク着脱の3つの方式

ワークを工作機械に入れる方法は、大きく3つあります。三和ロボティクスはオート・ワークチェンジャーでこの3つの方式を選べると説明しています。

方式しくみ向く生産
ワークを直接搬送ロボットがワークをつかんで機械のチャックやバイスに付ける単一の量産品
バイスごと搬送ワークを固定したバイスを丸ごと交換する5軸マシニングなどの多品種変量生産
パレットごと搬送治具を載せたパレットを交換する3軸マシニングの段取り時間の短縮

品種が多い工場では、ワークを直接つかむより、バイスやパレットごと交換する方が段取り替えが楽になることがあります。どの方式が合うかは、品種の数と加工時間で決まります。

ストッカーで無人運転の時間が決まる

夜間に何時間無人で動かせるかは、加工前のワークをどれだけ置いておけるかで決まります。そのための置き場がストッカーです。

  • 回転式・スライダー式・エレベーター式・固定式など、形はさまざま
  • タワシテックのESシリーズは、エレベーター式ストッカーで無人にて4時間動作可能(ワークの品種により異なる)と紹介
  • タワシテックの事例では、回転式ワークストッカーに最大14個、固定式に最大200枚のワークをストック
  • 浜田製作の事例では、ストッカの素材レーンから円筒ワークを取り出して2台の旋盤へ取り付け

必要な無人運転の時間と、1個あたりの加工時間から、ストッカーに置く数を逆算できます。夜間の時間を全部使いたいなら、加工時間の短いワークほど大きなストッカーが必要です。

1台で複数の機械を受け持つ

ロボット1台で2台以上の工作機械にワークを供給できれば、1台あたりの費用を下げられます。公式に紹介されている例があります。

会社事例
三和ロボティクス2台のマシニングセンターのワーク着脱をバイスチェンジャーで自動化し、夜間・休日の加工機稼働が向上
浜田製作ストッカの円筒ワークを2台の旋盤へ取り付け
タワシテックロボット2台で加工機3台へワーク供給・検査

複数台を受け持つには、機械の配置とロボットの動作範囲が合っている必要があります。走行軸でロボットを動かす方法もあるので、工場のレイアウト図を見せて相談してください。

加工前後の作業もまとめて自動化する

ワークの着脱だけでなく、加工後の作業もロボットに任せると、無人で流せる工程が増えます。公式の事例から、よく組み合わされる作業を挙げます。

  • エアーブローで切りくずを飛ばす(タワシテックの事例)
  • 計量や外観検査をする(浜田製作の事例)
  • バリ取りをする(タワシテックの鋳物バリ取りロボットシステム)
  • 完成品を箱やパレットに並べる

後工程まで自動化すると、検査で不良が見つかったときの扱いも決めておく必要があります。不良品の置き場や、止めるかどうかの判断をSIerと事前に決めてください。

テストとデモで確かめること

ワーク着脱の自動化では、つかみ方と位置決めの精度が最も大切です。導入前に、実際のワークで次の点を確かめてください。

  1. ハンドでワークを確実につかめるか、傷が付かないか
  2. チャックやバイスに正しく付けられるか(芯ずれ)
  3. 切りくずが付いたワークでも問題なく扱えるか
  4. 1回の着脱にかかる時間

浜田製作は実機を持ち込む訪問デモを、三和ロボティクスはテクニカルセンターで導入可否の相談や実機の見学ができると案内しています。タワシテックは、人からロボットへの置き換えが可能な作業かどうかを実機でテストできると書いています。

工作機械のメーカーとの連携

ロボットと工作機械は、信号をやり取りして動きを合わせます。工作機械のメーカーや制御装置によって、つなぎ方が変わります。

確認すること理由
工作機械のメーカーと型式ドアの自動開閉やチャックの信号の取り方が変わる
ロボットのメーカー工作機械と同じ系列なら連携しやすい場合がある
既存の機械の改造の可否自動ドアなどの追加が必要になることがある

筑波エンジニアリングは、ファナックロボットでの自動化ではファナック製の標準インターフェイス(ロボットインターフェイスII)にも対応すると説明しています。三和ロボティクスは工作機械とのコラボ展示を行っており、機械との組み合わせを確かめる機会があります。

協働ロボットか、産業用ロボットか

ワーク着脱には、人の隣で動ける協働ロボットと、柵で囲って使う産業用ロボットのどちらも使われます。ワークの重さと、必要な速さで選び分けます。

観点協働ロボット産業用ロボット
設置柵なしで置ける場合があり、移設しやすい安全柵やセンサーが必要
ワーク軽いワーク向き重いワークや速い動作に対応
公式の事例ディースピリット(約12kgのワーク)、浜田製作(CRXシリーズの事例)アイズロボ(最大80kgを反転機に供給)

ディースピリットは、協働ロボット、ストッカー、治具、搬送機構、制御を一体化して、ワークや工程に合わせて設計すると書いています。人と同じ通路にロボットを置く場合も、作業の内容に合わせて安全対策を決める必要があります。

相談前にそろえる情報

ワーク着脱の自動化を相談するときは、次の情報を用意してください。

  • 工作機械のメーカー・型式・台数と配置図
  • ワークの図面、重さ、材質、素材と完成品の形
  • 品種の数と、1品種あたりのロット
  • 1個あたりの加工時間と、無人で動かしたい時間
  • 今の段取り替えの手順と時間

加工中のワークの写真と、今の作業の動画があると、SIerはハンドとストッカーの構成をすぐに考えられます。夜間に何時間動かしたいかを数字で伝えるのがポイントです。

投資の効果を見積もるには、今の機械の稼働時間と、自動化した後に増える稼働時間を比べます。増えた時間で何個多く作れるかを数字にしておくと、導入の判断と社内の説明がしやすくなります。

導入した後に品種が増えることも考えて、ハンドやプログラムを社内で追加できるかも聞いておきます。浜田製作のように多くの納入実績を持つ会社なら、同じような加工の事例をもとに具体的な助言を受けられます。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

旋盤やマシニングセンタを夜間に無人で動かせますか?

ワークの着脱をロボットに任せれば可能です。三和ロボティクスは2台のマシニングセンターのワーク着脱をバイスチェンジャーで自動化し、夜間・休日の加工機稼働が向上した事例を公開しています。

ワーク着脱の自動化を得意とするSIerはどこですか?

浜田製作は創業以来1,400件以上の納入実績のうち、主に工作機械とのワーク脱着の実績があると書いています。三和ロボティクス、タワシテック、ディースピリットも工作機械への投入・取出しの事例を公開しています。

導入前に動きを見られますか?

浜田製作は実機を持ち込む訪問デモを行い、三和ロボティクスはテクニカルセンターで導入可否の相談や実機の見学ができると案内しています。

【用途別】ロボットSIerおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

溶接をロボット化したい中小企業で、補助金も使いたいなら

髙丸工業株式会社

溶接ロボットシステムが軸。ロボットテクニカルセンターで導入検証、補助金活用支援の専用ページ

溶接ロボットシステムは部品の仮付け、薄板のタップ溶接から厚板の多層盛り溶接までを対象に挙げ、搬送・バリ取り・塗装のロボットシステムも一品一品オーダーメイドで製作する。グループのロボットテクニカルセンター(RTC)で産業用ロボットシステムの試験・設計・製造・オペレーター教育を行う。公式サイトに補助金活用支援事業のページがあり、企画立案から申請書類の作成支援、技術者育成、導入後のアフターサポートまでワンストップで手伝うとしている。溶接の中小企業が補助金で溶接ロボットを入れた事例インタビューも公開している。

髙丸工業株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

食品工場の箱詰め・トレー詰め・選別を自動化したいなら

株式会社ニッコー

選別・集積・箱詰め・トレー詰め・充填。北海道ロボットラボラトリーにワークを持ち込んで検証

創業当時から食に関わる機械設備を製造してきた会社で、ロボットシステムの対象を選別・集積・箱詰め・トレー詰め・充填と段積みなどの周辺機器に絞って公開している。北海道ロボットラボラトリーで産業用ロボットの特別教育と導入前の実機検証を行い、ワークや製品を持ち込んで実環境に近い条件で評価できる。FAQで補助金について「ものづくり補助金など、毎年利用可能な制度があります」と答え、申請サポートにも対応するとしている。

株式会社ニッコーの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

旋盤やマシニングセンタのワーク着脱をロボットにして、夜間も動かしたいなら

浜田製作株式会社

創業以来1,400件以上の納入実績。工作機械とのワーク脱着が中心、実機を持ち込む訪問デモ

創業以来1,400件以上のロボットシステムの納入実績があり、主に工作機械とのワーク脱着作業や射出成型でのワーク取り出しの実績だと公式に示している。実機を持ち込んでの訪問デモを行う。FANUC GLOBAL ROBOT PARTNER OF THE YEAR 2025で「Application Award」を受賞し、ファナックロボット会の会員。事例にはストッカから円筒ワークを取り出して2台の旋盤へ取り付けるシステムなどがある。

浜田製作株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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