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ロボットSIer(システムインテグレーター) · 用途別

バリ取り・研磨をロボット化する|鋳物・ダイカスト・板金の仕上げとSIerの選び方【2026年版】

鋳物やダイカストのバリ取り、溶接ビードの余肉除去、塗装面や樹脂の研磨など、職人の手に頼りがちな仕上げ作業をロボットで自動化したい工場向けに、力の制御やフローティングツールの考え方、テストの重要性、得意なSIerの比較を公式サイトの記載から整理します。

公開 2026年10月1日

バリ取りや研磨は、粉じんや騒音、振動の多いつらい作業で、人が集まりにくい工程です。一方で、仕上がりの良し悪しを目と手で判断する作業でもあり、ロボット化には工夫が必要です。

このページでは、バリ取り・研磨のロボット化で確かめることと、SIerの選び方をまとめます。

掲載27社の公式サイトから、バリ取りや研磨の事例とテストの手段を拾って比べています。

バリ取りと研磨は、ワークの形のばらつきに合わせて押し付ける力を調整できるかどうかで、仕上がりが大きく変わります。テストで条件を詰められる会社を選ぶのが成功の近道です。

バリ取り・研磨を扱うSIerを比べる

バリ取りや研磨のロボットシステムを公式に挙げている掲載会社を並べます。

会社公式に挙げている対象テスト
トライエンジニアリング樹脂のポリッシング研磨から板金・鋳物のサンディング研磨、塗装面のゆず肌除去、溶接ビードの余肉除去デモ機を常設しテストトライアル
髙丸工業ダイキャストや鋳造部品のバリ・カエリ、機械加工のバリロボットテクニカルセンター
三明機工ダイカストのトリミング・製品バリ取り、バリ取り・研磨ロボットラボ
タワシテック鋳物のバリ取り・検査、円柱ワークの研磨実機テスト
戸苅工業バリ取り、ABBの加工穴バリ取りロボット記載なし(テクニカルセンターはレーザの実験棟)

このほか、筑波エンジニアリングはプラスチック成形品のバリ取りと整列装置を事例に挙げています(ただしFAQでは「バリ取りロボットや溶接ロボットの経験はあまりありません」と回答)。東洋理機工業はLCD・有機EL薄肉化研磨加工ラインを実績に挙げています。三和ロボティクスは研磨加工やバリレス加工、微細エッジ仕上げを行っていますが、これは部品加工の受託(精機事業)としての記載です。対象の材質と、バリの大きさに近い事例を持つ会社から当たってください。

バリ取り・研磨が難しい理由

人は、バリの大きさや面の状態を見ながら、無意識に力と速さを変えています。ロボットで同じことをするには、次の課題を解決する必要があります。

  • ワークごとにバリの大きさや位置が違う
  • 押し付ける力が強すぎると削りすぎ、弱いと残る
  • 工具がすり減ると、同じ動きでも結果が変わる
  • 粉じんや切りくずが、ロボットやセンサーに悪さをする

トライエンジニアリングは、振動のある研磨ツールでも精密な加圧制御を実現したロボット研磨システムを提案しています。力を一定に保つ仕組みがあるかどうかが、仕上がりのばらつきを決めます。

力を一定に保つ仕組み

バリ取りや研磨では、ワークの形のずれを吸収しながら、押し付ける力を保つ仕組みが使われます。公式に紹介されている例を挙げます。

仕組み役割公式に記載がある例
加圧制御のヘッド研磨ツールの押し付け力を制御するトライエンジニアリングのロボット研磨システム
フローティングユニット工具が逃げてワークのずれを吸収するトライエンジニアリングのバリ取り用フローティングユニット
力センサー力を測りながら動きを補正するサンメカニックは検査・組立ロボットシステムで力センサなどを活用と記載(研磨での記載はなし)
協働ロボットの倣い人と干渉すると止まる協働ロボットで研磨するトライエンジニアリングは安川電機・FANUCの協働ロボットで動作確認済みと記載

どの仕組みが合うかは、バリの大きさと、求める仕上がりで変わります。実際のワークで、仕上がりと時間の両方を確かめてから決めてください。

消耗品の交換も自動化を考える

研磨では、パッドや研磨剤がすぐに減ります。人が頻繁に交換していては、ロボットにした意味が薄れてしまいます。

  • 研磨パッドの自動交換装置(トライエンジニアリング)
  • 研磨剤の自動塗布装置。スプレー式や定置式(トライエンジニアリング)
  • 工具の自動交換。FSWのツールと切削工具を交換してバリ取りまで行う例(トライエンジニアリング)

消耗品の交換の間隔は、ワークの材質と削る量で決まります。テストの段階で、何個ごとに交換が必要かも測っておくと、運用の計画が立てやすくなります。

ダイカスト・鋳物のバリ取りを工程ごと自動化する

ダイカストや鋳物では、鋳造から取り出し、バリ取り、検査、搬送までをつなげて自動化する例があります。三明機工は、アルミダイカストのインゴット供給から湯口切断、バリ取り、目視検査までを網羅すると書いています。

工程公式に記載がある例
取り出し戸苅工業(鋳造品取出ロボット)、三明機工(製品の取り出し)
トリミング・湯口切断三明機工
バリ取り三明機工(インライン化)、髙丸工業、タワシテック
検査・搬送タワシテック(バリ取り検査システム)、三明機工(バリ取り後の搬送・パレタイズ)

三明機工は、従来は作業者が検品を兼ねてラインの外でバリ取りをしていたことが多かったが、ロボットでインライン化できると説明しています。工程をつなげると、運搬と仮置きの手間も減ります。

粉じんと安全への備え

バリ取りや研磨では、粉じんや切りくずが出ます。ロボットを入れるときは、作業者の安全とあわせて、周りの環境への対策も必要です。

  • 集じん装置でロボットのまわりの粉じんを吸う
  • ロボットや配線を粉じんから守るカバーを付ける
  • 研磨の騒音や火花に合わせて、囲いの材質を選ぶ
  • 点検のときに、粉じんを吸わないよう手順を決める

集じんの方式や能力は、削る材料と量で決まります。ロボットの見積に集じんが含まれているかを確認し、含まれていなければ別に手配してください。

職人の手の動きをロボットに移す

バリ取りや研磨の自動化では、職人が何を見て、どう手を動かしているかを言葉と数字にする作業が欠かせません。この整理ができていないと、ロボットの条件を決められません。

  • 工具の当て方の角度と、動かす速さ
  • 押し付ける力の強さと、場所による違い
  • 仕上がりを判断している目安(光の当て方、触った感触)
  • 工具を替えるタイミング

職人の作業を動画に撮り、使っている工具と一緒にSIerに見せると、条件の出発点を決めやすくなります。職人がテストに立ち会い、ロボットの仕上がりを判定すると、合格の基準も早く固まります。

トライエンジニアリングは、塗装面のゆず肌除去や溶接ビードの余肉除去といった、人が目と手で仕上げてきた作業もロボット研磨システムの対象に挙げています。難しい作業ほど、技能の整理に時間をかけることが近道になります。

テストで確かめること

バリ取り・研磨のロボット化では、テストが最も大切です。実際のワークで、次の点を確かめてください。

  1. 仕上がり(バリの残り、面の粗さ、エッジの形)
  2. 1個あたりの時間と、人の作業との比較
  3. ワークのばらつきへの追従(寸法の違うワークで試す)
  4. 消耗品の交換の間隔
  5. 粉じんや切りくずの出方

トライエンジニアリングは、新たな工法を導入する場合、自社のデモ機やロボットメーカーの借用機を使ってテストトライアルを行うと書いています。テストの結果を数字で残してもらい、量産の条件の基準にしてください。

相談前にそろえる情報

バリ取り・研磨の自動化を相談するときは、次の情報を用意すると、テストの準備が早く進みます。

項目内容
ワーク材質、寸法、重さ、図面、品種の数
バリ・仕上げの状態バリの大きさと位置、求める仕上がりの見本
今の作業使っている工具、1個あたりの時間、人数
前後の工程鋳造・加工・溶接の後か、検査の前か
テスト用のワーク良品と、バリの大きいもの・小さいもの

仕上がりの見本は、合格品と不合格品の両方を用意すると、SIerは基準をつかみやすくなります。テストに使うワークは多めに用意しておくと、条件を変えて何度も試せます。

集じんなど周りの設備も含めて見積をそろえてもらうと、比べやすくなります。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

バリ取りはロボットで自動化できますか?

できる場合があります。髙丸工業はダイキャストや鋳造部品のバリ取りロボットシステムを、三明機工はダイカストのバリ取りのインライン化を扱っています。ワークのばらつきへの追従をテストで確かめてから判断してください。

研磨をロボットにすると仕上がりはそろいますか?

押し付ける力を一定に保つ仕組みがあれば、そろえやすくなります。トライエンジニアリングは、振動のある研磨ツールでも精密な加圧制御を実現したロボット研磨システムを提案しています。

バリ取りのテストはできますか?

トライエンジニアリングはデモ機やロボットメーカーの借用機でテストトライアルを行い、髙丸工業はロボットテクニカルセンターで試験を行っています。

【用途別】ロボットSIerおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

溶接をロボット化したい中小企業で、補助金も使いたいなら

髙丸工業株式会社

溶接ロボットシステムが軸。ロボットテクニカルセンターで導入検証、補助金活用支援の専用ページ

溶接ロボットシステムは部品の仮付け、薄板のタップ溶接から厚板の多層盛り溶接までを対象に挙げ、搬送・バリ取り・塗装のロボットシステムも一品一品オーダーメイドで製作する。グループのロボットテクニカルセンター(RTC)で産業用ロボットシステムの試験・設計・製造・オペレーター教育を行う。公式サイトに補助金活用支援事業のページがあり、企画立案から申請書類の作成支援、技術者育成、導入後のアフターサポートまでワンストップで手伝うとしている。溶接の中小企業が補助金で溶接ロボットを入れた事例インタビューも公開している。

髙丸工業株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

食品工場の箱詰め・トレー詰め・選別を自動化したいなら

株式会社ニッコー

選別・集積・箱詰め・トレー詰め・充填。北海道ロボットラボラトリーにワークを持ち込んで検証

創業当時から食に関わる機械設備を製造してきた会社で、ロボットシステムの対象を選別・集積・箱詰め・トレー詰め・充填と段積みなどの周辺機器に絞って公開している。北海道ロボットラボラトリーで産業用ロボットの特別教育と導入前の実機検証を行い、ワークや製品を持ち込んで実環境に近い条件で評価できる。FAQで補助金について「ものづくり補助金など、毎年利用可能な制度があります」と答え、申請サポートにも対応するとしている。

株式会社ニッコーの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

旋盤やマシニングセンタのワーク着脱をロボットにして、夜間も動かしたいなら

浜田製作株式会社

創業以来1,400件以上の納入実績。工作機械とのワーク脱着が中心、実機を持ち込む訪問デモ

創業以来1,400件以上のロボットシステムの納入実績があり、主に工作機械とのワーク脱着作業や射出成型でのワーク取り出しの実績だと公式に示している。実機を持ち込んでの訪問デモを行う。FANUC GLOBAL ROBOT PARTNER OF THE YEAR 2025で「Application Award」を受賞し、ファナックロボット会の会員。事例にはストッカから円筒ワークを取り出して2台の旋盤へ取り付けるシステムなどがある。

浜田製作株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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