自動ドア · 用途別
古い自動ドアを更新・リニューアルしたい|部品交換か装置更新かを決める手順【2026年版】
古い自動ドアの更新は、部品交換で延命するか、駆動装置ごと替えるか、サッシまで替えるかの3段階で考えます。安全規格の世代差、交換部品の推奨時期を公開する会社、他社製の自動ドアも更新できる会社、更新で追加できる機能、防火・バリアフリーの見直し、工事中の入口の確保を公式記載で整理しました。
自動ドアは動く建具なので、年数とともに動作音や開閉速度が変わります。ただし、古いからといってすべてを替える必要はなく、部品交換・駆動装置の更新・サッシごとの更新の3段階があります。
このページでは、更新を考えるきっかけ、部品交換と装置更新の分かれ目、他社製でも更新できる会社、更新で追加できる機能、法令上の見直し点、工事の進め方、見積の比較点を整理します。
更新を考えるきっかけと安全規格の世代差
更新のきっかけは故障だけではありません。設置時期によって、準拠している安全基準が違います。
- 2006年4月:昭和オートが準拠を明記する全国自動ドア協会の安全ガイドラインは、2006年4月以降の施工に適用
- 2017年3月21日:JIS A 4722「歩行者用自動ドアセット-安全性」制定。それまで引戸には協会のガイドラインしかなかった
- 2021年6月25日:消費者庁 消費者安全調査委員会が「自動ドアによる事故」の調査報告書を公表。建物所有者・管理者・保全業者にも安全対策を要請
- 2022年9月20日:JIS A 4722改正。子どもへの配慮とバリアフリートイレ用の要求事項を追加
2017年より前に設置した自動ドアは、JIS A 4722制定前の製品です。規格は「開くとき」の戸袋側対策(ガード・開保護センサー)を独立して定めているため、古いドアではこの部分が手薄な場合があります。
全国自動ドア協会の統計では、国内据付台数は2025年度136千台で前年度比0.7%減です。新設が横ばいの中で、既設の更新需要が各社の事業の一部になっています。
部品交換で済むか、駆動装置ごと替えるか
判断の材料は、消耗部品の交換時期と、部品の供給状況です。公式サイトに交換部品や推奨時期の記載がある会社を整理しました。
| 会社 | 公式記載 | 判断への使い方 |
|---|---|---|
| ナブコシステム | 保守部品の推奨交換時期を公開 | ハンガー・ベルトなどの交換時期を超えていれば、まず部品交換を検討 |
| ユニフロー | 定期交換推奨部品の目安を公開(シートシャッターのモータ・減速機は5年又は50万回) | 回数と年数の両方で判定 |
| 扶桑電機工業 | 保守契約で吊車・ハズレ止め・ベルト類等を無償提供 | 保守契約に入っていれば消耗部品は契約内で交換 |
| ナブコドア | 保守契約でドアハンガー・ベルト・プーリ無料 | 同上 |
| フルテック | 無目内蔵型光線センサー OA-203V等の販売終了を告知 | 部品が販売終了なら、センサーまたは装置の更新が必要 |
| 日本自動ドア | 保守契約で部品交換修理費不要(一部部品代除く) | 契約内で交換できる範囲を確認 |
部品交換で済むのは、駆動装置本体(モーター・コントローラー)が健全で、消耗部品の供給が続いている場合です。販売終了の告知が出ている部品を使うドアは、装置更新の候補になります。
ソリックは引戸用エンジンのベース18種のうち後付式を用意しています。既存のサッシを残して駆動装置だけ替える「エンジン交換」は、この種の製品で行われます。
他社製の自動ドアでも更新を受ける会社
古いドアのメーカーが分からない、あるいはメーカーが対応していない場合があります。他社製への対応を公式に明記しているのは昭和オート(自動ドア)と大和シヤッター(シャッター)で、ほかはリニューアル・取替・後付けを公式に掲げる会社です。
| 会社 | 公式記載 | エリア |
|---|---|---|
| 昭和オート | 他社製自動ドアはリニューアルで対応 | 神奈川・首都圏 |
| 大和シヤッター | どのメーカーのシャッターでも修理・点検対応 | 関西・中部 |
| 九州オートドアー | 自動ドア新設・リニューアル。自社職人による直接施工 | 九州全域 |
| ナブコシステム | リニューアル事例(開き扉→自動ドア、集合住宅防護柵)を公開 | 北海道・東北・東京・関東・東海甲信越 |
| 東洋シヤッター | リニューアル提案を保守サービスに記載 | 全国(61営業所・メンテサービスセンター) |
| 文化シヤッターサービス | シャッター・ドアの修理・取替・点検 | 全国138ヶ所のサービスステーション |
| AMYドアテック | 既存・新築問わず上吊引戸に後付け(ベンリードアロボHB) | 名古屋本社、直販サイト |
他社製への対応は会社ごとに範囲が違います。「修理・点検」と「装置の更新」は別なので、更新まで受けるかを問い合わせで確認してください。
ワームは自動ドア・電動シャッター業界を横断する独立系サプライヤーで、主要取引先に北陽電機・昭和オート・寺岡・フルテック・扶桑電機工業・オリエント産業・ナブコシステム・ナブコドア・昭和建産・日本自動ドアほか600社を挙げています。メーカーを越えた部品供給の存在が、他社製対応を支えています。
更新で追加できる機能
装置を替えるなら、古いドアにはなかった機能を同時に入れられます。公式サイトに記載のある機能を挙げます。
- 安全の自己診断:ナブテスコ NATRUSは開閉ごとの安全試験機能と高密度センサーエリアを持つ
- ムダ開き削減:ナブテスコ NATRUS+e W(ムダ開き削減仕様)、オプテックス OA-215シリーズのドアウェイ機能・OA-220シリーズのECOモード
- 遠隔監視:ナブテスコ AD-LINK 自動ドア見まもり保守サービス、フルテックのIoT遠隔モニタリング、金剛産業のKOSMOS
- 入退室:日本自動ドアの顔認証システム、フルテックのFTスマートキー、北陽オートドアの電気錠システム
- 戸袋の安全:ナブコドアのNDガード・セフティーウォール、竹中エンジニアリングの防護柵DGSシリーズ
- 非接触・省配線:オプテックス Clean Wave OMH-100D、竹中エンジニアリング 電池レスワイヤレススイッチDLWシリーズ
全国自動ドア協会は2026年4月から、通行動線判別型センサー導入等による空調エネルギー損失の削減効果を試算するツールを公開しています。更新の稟議に、電力量料金とCO2排出量の削減見込みを添えられます。
防火・バリアフリーの要件は更新時に見直す
設置当時と現在では、建物に求められる法令上の条件が変わっている場合があります。更新はそれを見直す機会です。
- 防火設備:延焼のおそれのある部分の開口部には、遮炎性能(加熱開始後20分間)を持つ大臣認定の防火戸が必要。全国自動ドア協会加盟各社はEB-9108(アルミニウム合金製引き自動ドア)・EB-9133(耐熱板ガラス入り鋼製引き自動ドア)を用意
- 定期報告:感知器連動の防火設備は建築基準法12条の定期報告の対象(2016年6月1日施行)。ナブコシステム・三和シヤッター・文化シヤッターサービスが制度への対応を記載
- バリアフリー:施行令第19条は経路上の出入口を幅80cm以上・自動開閉構造など・前後に高低差なしと定める。床レールの段差はここで問題になる
- トイレ:JIS A 4722の2022年改正でバリアフリートイレ用の個別要求事項が追加。昭和建産は多機能トイレ用と車椅子使用者用便房用で別の駆動装置を用意
更新工事の範囲が建築確認や定期報告に影響するかは、設計者か特定行政庁に確認してください。自動ドア会社だけで判断できない項目です。
更新のスケジュールと工事中の入口
更新工事の間、入口をどうするかは営業や運営に直結します。公式記載から、工程を短くする要素を挙げます。
- 現地調査:北陽オートドアは現地調査料無料、文化シヤッターサービスは電話相談・見積無料(夜間・休日の現地調査は費用発生の場合あり)と記載
- 製品手配:日本自動ドアは標準品を当日受注当日出荷(受注から出荷まで半日)と記載。金剛産業は標準部品5日以内納入
- 工事範囲の決定:サッシを残して駆動装置だけ替えるか、サッシごと替えるかで工期が変わる
- 工事中の入口:扉を外す期間の仮設ドアや通用口の使い方を、施工会社と事前に決める
- 引き渡し後:点検報告書の受領(九州オートドアー・ユニフローは毎回提出を明記)と保守契約の締結
営業時間外に工事を行う場合、ユニフローは土日祝・深夜早朝の割増を明記しています。他社も同様の条件がある可能性が高いため、見積の段階で確認してください。
見積を比較するときの着眼点
更新の見積は、新設より項目が複雑です。次の表の項目を各社にそろえて出してもらうと比較できます。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 工事範囲 | 部品交換/駆動装置更新/サッシ更新のどれか。既存の撤去・処分を含むか |
| JIS A 4722対応 | 戸袋側のガード・開保護センサー、閉じるときの保護領域をどう満たすか。NATRUS・S-ミリオンは準拠を明記 |
| センサー構成 | 起動センサーの方式と取付高さ(オプテックスは2.0〜3.5m、OP-08Jは4.0m以内など)、補助センサーの数 |
| 部品供給 | 更新後の駆動装置の消耗部品の推奨交換時期(ナブコシステムは公開) |
| 保守契約 | 点検回数(年1〜4回)、受付時間、無料部品、夜間休日の割増 |
| 保証 | 昭和オートは新規購入1年間無料保証を記載。他社は要確認 |
| 法令対応 | 防火戸の認定番号、定期報告の要否、バリアフリーの有効幅 |
価格は現地調査後の見積が基本で、公式サイトに本体価格を載せている会社は確認できませんでした。同じ工事範囲で2〜3社に依頼し、上の項目をそろえて比べてください。
この記事に出てくるメーカー
- AMYドアテック株式会社後付け自動化の小回り枠
- 文化シヤッターサービス株式会社防火設備の点検・報告ならここ
- 文化シヤッター株式会社全国拠点のシャッター大手
- 大和シヤッター株式会社関西の防火シャッター、他社製も直す
- フルテック株式会社遠隔監視保守なら第一候補
- 扶桑電機工業株式会社(ドリーム自動ドア)特殊仕様の引戸に強い老舗
- 北陽電機株式会社測域センサで制御するなら
- 北陽オートドア株式会社(アラビアン)関西の大型・産業用ドアに
- 日本自動ドア株式会社製品幅と直営保守のバランス型
- 金剛産業株式会社(KONGO)産業用オーバードアーの本命
- 九州オートドアー株式会社九州で頼む地元密着型
- ナブコドア株式会社(NABCO西日本地区総代理店)西日本のNABCO窓口
参照元
- 全国自動ドア協会
- JIS A 4722について(ナブテスコ)
- 自動ドアによる事故 事故等原因調査報告書(消費者庁 消費者安全調査委員会)
- 生産台数統計(全国自動ドア協会)
- ムダ開き(全国自動ドア協会)
- 防火設備用自動ドア(全国自動ドア協会)
- 防火設備定期検査(日本シヤッター・ドア協会)
- 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令(e-Gov法令検索)
- 会社概要(昭和オート)
- サービス(昭和オート)
- 保守プラン(ナブコシステム)
- ナブコシステム 公式サイト
- メンテナンス(ユニフロー)
- メンテナンス(扶桑電機工業)
- 保守内容(ナブコドア)
- 製品情報(ナブコドア)
- 製品情報(フルテック)
- フルテック 公式サイト
- メンテナンス(日本自動ドア)
- 強み(日本自動ドア)
- 会社概要(ソリック)
- 大和シヤッター 公式サイト
- 九州オートドアー 公式サイト
- メンテナンスサービス(東洋シヤッター)
- 文化シヤッターサービス 公式サイト
- AMYドアテック 公式サイト
- 会社概要(ワーム)
- NATRUS(ナブテスコ)
- AD-LINK 自動ドア見まもり保守サービス(ナブテスコ)
- 無目付型センサー(オプテックス)
- 製品検索 自動ドア(竹中エンジニアリング)
- メンテナンス(金剛産業)
- 会社概要(北陽オートドア)
- 製品情報(昭和建産)
- メンテナンス(三和シヤッター工業)
よくある質問
古い自動ドアは何年で交換すべきですか?
公式サイトに耐用年数を明記している引戸メーカーは確認できませんでした。判断材料は消耗部品の推奨交換時期(ナブコシステムが公開)と部品の供給状況です。フルテックはOA-203V等のセンサーの販売終了を告知しており、部品が入手できないドアは更新の候補になります。高速シートシャッターではユニフローがモータ・減速機の交換目安を5年又は50万回としています。
メーカーが分からない古い自動ドアでも更新できますか?
昭和オートは他社製自動ドアをリニューアルで対応、大和シヤッターはどのメーカーのシャッターでも修理・点検対応、九州オートドアーは自動ドアのリニューアルを公式サイトに記載しています。ナブコシステムは開き扉から自動ドアへのリニューアル事例を公開しています。更新まで受けるかは問い合わせで確認してください。
自動ドアの更新でJIS A 4722に対応する必要はありますか?
JISに法的な強制力はありませんが、公共建築工事標準仕様書と建築設計標準に反映されています。2017年以前のドアは規格制定前の製品で、戸袋側のガードや開保護センサーが手薄な場合があります。更新時にはNATRUS(ナブテスコ)やS-ミリオン(昭和建産)など準拠を明記した製品と、戸袋侵入防止ガードの追加を検討してください。
【用途別】自動ドアメーカーおすすめ3選
店舗・ビル・公共施設の入口を新設・更新するなら
ナブテスコ株式会社(NABCO 自動ドア)
駅・空港・病院で使われる標準。全国の販売施工網で、どこでも同じ保守が受けられる
引戸の開閉装置は軽量から超重量まで5クラス、防火戸・気密遮音・回転ドア・高速シートドアまで一社でそろう。次世代標準機NATRUSは安全規格JIS A 4722に準拠し、開閉ごとの安全試験機能を持つ。羽田空港・JR博多駅・虎ノ門ヒルズなどの施工事例を公式に載せ、東日本はナブコシステム、西日本はナブコドアなど全国16社の正規販売施工会社が保守を担う。
止められない入口の保守で選ぶなら
フルテック株式会社
24時間365日の修理受付と遠隔監視。技術者は全員正社員の上場会社
業界でいち早く24時間365日の修理受付と、IoT遠隔モニタリングによる自動ドア保守を始めたと公式に掲げる。技術者は全員正社員で、自動ドア施工技能士の指導のもと全国自動ドア協会の安全ガイドラインに沿って点検する。JIS A 4722対応の保守契約プランを用意し、札幌から福岡まで拠点を持つ。渋谷ヒカリエ・平塚市本庁舎などの事例を公開。
工場・物流・食品の高速シートシャッター、スイングドアなら
株式会社ユニフロー
最大2.0m/s・50万回耐久の高速シートシャッター。スイングドアは国内シェア85%(自社推計)
高速シートシャッター「スムーザー」は最大2.0m/秒、ワイドタイプで幅10m×高さ6m、耐久設計50万回。開口部の熱損失を約80%削減し、防虫オレンジシート・水切り仕様・静電気除電など食品・物流の現場向けの仕様がそろう。スイングドア(自在扉)はJIS A 4702の耐久回数の約5倍を性能基準とし、1991年からの累計出荷は5万台・18か国。年1回・年2回の定期点検プランと交換部品の目安を公開する。
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