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多目的トイレ(バリアフリートイレ)を自動ドアにしたい|駆動装置・スイッチ・呼出の組み合わせ【2026年版】

多目的トイレの自動ドアは、駆動装置・押しボタンスイッチ・施錠・呼出(警報)の4つを組み合わせて動きます。利用の流れに沿った機器の役割、JIS A 4722の2022年改正、公衆便所の規模要件、トイレ用の製品と施工事例を載せる会社、改修時の確認点を公式記載で整理しました。

公開 2026年10月1日

多目的トイレ(バリアフリートイレ)の自動ドアは、入口の自動ドアとは使われ方がまったく違います。利用者は中で扉を閉め、鍵をかけ、用を済ませてから自分で開けて出ます。

このページでは、利用の流れと機器の役割、JIS A 4722の改正内容、義務がかかる規模、トイレ用の製品を持つ会社と事例、停電・故障への備え、改修の確認点を整理します。

利用の流れで見る、トイレの自動ドアの機器構成

トイレの自動ドアは、人の動きに合わせて4つの機器が順番に働きます。どれか1つが欠けると、使えないトイレになります。

利用者の動き働く機器確認したいこと
外から扉を開ける押しボタンスイッチ(外側)、駆動装置車椅子に座ったまま届く位置か
中に入って扉を閉める・鍵をかける押しボタンスイッチ(内側)、電気錠閉・施錠が一つの操作で済むか、表示が分かりやすいか
体調が悪くなったときに知らせる呼出(警報)システム職員や管理者に届くか
用を済ませて扉を開ける押しボタンスイッチ(内側)、駆動装置解錠と開扉がつながっているか

ホトロンは「多目的トイレ制御器」と「多目的トイレ警報システム」を、ワームは「多機能トイレ用システム」を公式サイトの製品に載せています。駆動装置とは別に、こうした制御・警報の機器が組み合わさります。

入口の自動ドアとトイレの自動ドアの違い

同じ引戸の自動ドアでも、入口用とトイレ用では開け方と止め方が逆に近い設計です。入口と同じ感覚で仕様を決めないよう、違いを並べます。

項目建物の入口多目的トイレ
開ける合図起動センサーが通行者を検知して開く(全国自動ドア協会)利用者が押しボタンを押して開く
閉める合図通行者がいなくなると自動で閉じる利用者が中で押しボタンを押して閉じる
施錠時間外にまとめて施錠する使い方がある(昭和オートは時間外コントロールを対応ドアに記載)利用のたびに中から施錠
中に人がいる時間通過するあいだだけ用を済ませるまで中にとどまる
異常時の知らせ保守会社への連絡呼出(警報)で管理者に知らせる

入口と違ってセンサーで勝手に開かないことが、トイレでは安心につながります。そのぶん、スイッチと錠と呼出の動作確認が点検の中心になります。

JIS A 4722の改正でトイレ用に加わった要求事項

歩行者用自動ドアの安全規格JIS A 4722は、2017年3月21日に制定されました。2022年9月20日の改正で、トイレ用の自動ドアが個別に扱われるようになりました。

  • 車椅子使用者用便房用の自動ドアセットの個別要求事項を追加
  • 一般便房用(バリアフリートイレ用)の自動ドアセットの個別要求事項を追加
  • 子どもへの配慮が必要な場合の追加要求事項も同じ改正で追加
  • 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)は平成31年版以降(令和7年版まで)JIS A 4722を反映

便房の種類で要求事項が分かれたことは、製品にも表れています。昭和建産は「多機能トイレ用」と「車椅子使用者用便房用」で別の駆動装置を用意し、それぞれ公共建築協会の性能評価を取得しています。

公共工事は、公共建築工事標準仕様書を通じてJIS A 4722を参照します。見積の段階で、提案された製品がどの便房の要求事項に対応するかを書面でもらってください。

公衆便所は50㎡から:義務がかかる規模と出入口の幅

バリアフリー法施行令は、トイレの出入口にも幅の条件を置いています。義務がかかる規模は、建物の種類で違います。

項目施行令の定め
基準適合義務の対象(特別特定建築物)床面積の合計2,000㎡以上(第9条)
公衆便所50㎡以上で対象
車椅子使用者用便房の出入口幅80cm以上
経路上の出入口の戸自動的に開閉する構造その他の車椅子使用者が容易に開閉して通過できる構造、前後に高低差なし(第19条)

公園や観光地の公衆便所は、建物が小さくても50㎡以上なら対象になります。自治体の改修工事では、この規模要件を先に確認してください。

観光地のトイレの例として、扶桑電機工業は宮島おもてなしトイレを施工事例に載せています。屋外に面したトイレは、雨や砂ぼこりの条件も施工会社に伝えてください。

トイレ用の製品を持つ会社と公式の事例

31社の公式サイトで、トイレの自動ドアに関わる製品や事例を確認できた会社を整理しました。

会社公式記載
昭和建産(S-ミリオン)多機能トイレ用駆動装置(公共建築協会性能評価 第211-24030005号)、車椅子使用者用便房用駆動装置(第211-24031001号)
ナブテスコ(NABCO)バリアフリートイレ用自動ドア、HDS-4iα 押しボタンスイッチ(2009年度グッドデザイン賞)
オリエント産業バリアフリートイレ自動ドア。羽田空港国際旅客ターミナルJALファーストクラスラウンジの事例で2009年度グッドデザイン賞
扶桑電機工業宮島おもてなしトイレを施工事例に掲載
ホトロン多目的トイレ制御器/互換器 HT-C2/HT-GU、多目的トイレ警報システム
ワーム(WRM)多機能トイレ用システム
北陽オートドア障害者用トイレシステム
寺岡オート・ドアシステムバリアフリー・多目的トイレ設備
ナブコドア・昭和オート多機能トイレを対応ドアに記載
竹中エンジニアリング自動ドア用音声装置DSV-100、電池レスワイヤレススイッチDLWシリーズ

駆動装置のメーカーと、制御器・スイッチのメーカーは別のことがあります。ホトロンは制御器とあわせて互換器(HT-GU)を製品に載せており、既存の設備との組み合わせは型番で確認します。

停電・故障で閉じ込めないための備え

トイレの自動ドアは、中に人がいる状態で止まる可能性がある扉です。停電や故障のときの動きを、設置前に決めておきます。

  • 停電時の開放:昭和オートの非常電源システムは停電でも約10分間開閉可能と記載
  • 手動への切り替え:AMYドアテックのベンリードアロボSは停電時に普通の開き戸として使えると記載
  • 外からの解錠:管理者が外から開けられる手段を用意する
  • 呼出の届け先:警報が管理者のいる場所に届くかを確認する
  • 修理受付:24時間365日の受付は日本自動ドア・フルテック・ナブコドア・オリエント産業・九州オートドアー・昭和建産が公式に掲げる

全国自動ドア協会は、安全に関わる部品を3か月ごと(年4回)に点検するよう推奨しています。押しボタンや錠は利用のたびに操作されるため、点検項目に入っているかを保守契約で確かめます。

既存トイレを改修するときの確認点

手動の引戸や開き戸のトイレを自動ドアにする改修は、既存の壁や配線に左右されます。

  1. 便房の種類(車椅子使用者用か、一般便房用か)を決め、JIS A 4722の対応する要求事項を確認する
  2. 出入口の有効幅が80cm以上あるか、前後に段差がないかを測る
  3. スイッチの位置を、車椅子に座った高さと、便器に座った位置の両方から決める
  4. 配線が難しい位置のスイッチは、竹中エンジニアリングの電池レスワイヤレススイッチのような無線式を検討する
  5. 呼出設備の既存の配線と、新しい制御器の互換を確認する
  6. 公共工事の場合は、公共建築協会の性能評価を持つ製品かを仕様書と照らす

改修の相談先は、建物の入口の自動ドアを保守している会社が最初の候補になります。同じ会社がトイレ用の駆動装置を扱っているかを確認してください。

NABCO製の入口を使っている建物なら、東日本はナブコシステム、西日本はナブコドア、九州・沖縄はオリエント産業が正規販売施工会社の窓口です。オリエント産業は羽田空港の事例でバリアフリートイレ自動ドアの施工実績を公開しています。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

多目的トイレの自動ドアにはどんな機器が必要ですか?

駆動装置、内外の押しボタンスイッチ、電気錠、呼出(警報)システムの組み合わせです。昭和建産は多機能トイレ用と車椅子使用者用便房用の駆動装置で公共建築協会の性能評価を取得し、ナブテスコはHDS-4iα押しボタンスイッチ、ホトロンは多目的トイレ制御器HT-C2/HT-GUを製品に持ちます。

トイレの自動ドアに関係するJISの改正は何ですか?

JIS A 4722は2022年9月20日の改正で、車椅子使用者用便房用と一般便房用(バリアフリートイレ用)の自動ドアセットの個別要求事項を追加しました。公共建築工事標準仕様書(建築工事編)は平成31年版以降JIS A 4722を反映しています。

公衆トイレはどのくらいの大きさからバリアフリー法の義務がかかりますか?

バリアフリー法施行令では、基準適合義務の対象となる特別特定建築物は床面積の合計2,000㎡以上ですが、公衆便所は50㎡以上で対象になります。車椅子使用者用便房の出入口は幅80cm以上です。

停電したらトイレの自動ドアはどうなりますか?

製品と設定によります。昭和オートの非常電源システムは停電でも約10分間開閉可能、AMYドアテックのベンリードアロボSは停電時に普通の開き戸として使えると公式サイトに記載しています。外から管理者が開ける手段も合わせて決めてください。

【用途別】自動ドアメーカーおすすめ3選

※2026年9月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

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