自動ドア · 用途別
多目的トイレ(バリアフリートイレ)を自動ドアにしたい|駆動装置・スイッチ・呼出の組み合わせ【2026年版】
多目的トイレの自動ドアは、駆動装置・押しボタンスイッチ・施錠・呼出(警報)の4つを組み合わせて動きます。利用の流れに沿った機器の役割、JIS A 4722の2022年改正、公衆便所の規模要件、トイレ用の製品と施工事例を載せる会社、改修時の確認点を公式記載で整理しました。
多目的トイレ(バリアフリートイレ)の自動ドアは、入口の自動ドアとは使われ方がまったく違います。利用者は中で扉を閉め、鍵をかけ、用を済ませてから自分で開けて出ます。
このページでは、利用の流れと機器の役割、JIS A 4722の改正内容、義務がかかる規模、トイレ用の製品を持つ会社と事例、停電・故障への備え、改修の確認点を整理します。
利用の流れで見る、トイレの自動ドアの機器構成
トイレの自動ドアは、人の動きに合わせて4つの機器が順番に働きます。どれか1つが欠けると、使えないトイレになります。
| 利用者の動き | 働く機器 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 外から扉を開ける | 押しボタンスイッチ(外側)、駆動装置 | 車椅子に座ったまま届く位置か |
| 中に入って扉を閉める・鍵をかける | 押しボタンスイッチ(内側)、電気錠 | 閉・施錠が一つの操作で済むか、表示が分かりやすいか |
| 体調が悪くなったときに知らせる | 呼出(警報)システム | 職員や管理者に届くか |
| 用を済ませて扉を開ける | 押しボタンスイッチ(内側)、駆動装置 | 解錠と開扉がつながっているか |
ホトロンは「多目的トイレ制御器」と「多目的トイレ警報システム」を、ワームは「多機能トイレ用システム」を公式サイトの製品に載せています。駆動装置とは別に、こうした制御・警報の機器が組み合わさります。
入口の自動ドアとトイレの自動ドアの違い
同じ引戸の自動ドアでも、入口用とトイレ用では開け方と止め方が逆に近い設計です。入口と同じ感覚で仕様を決めないよう、違いを並べます。
| 項目 | 建物の入口 | 多目的トイレ |
|---|---|---|
| 開ける合図 | 起動センサーが通行者を検知して開く(全国自動ドア協会) | 利用者が押しボタンを押して開く |
| 閉める合図 | 通行者がいなくなると自動で閉じる | 利用者が中で押しボタンを押して閉じる |
| 施錠 | 時間外にまとめて施錠する使い方がある(昭和オートは時間外コントロールを対応ドアに記載) | 利用のたびに中から施錠 |
| 中に人がいる時間 | 通過するあいだだけ | 用を済ませるまで中にとどまる |
| 異常時の知らせ | 保守会社への連絡 | 呼出(警報)で管理者に知らせる |
入口と違ってセンサーで勝手に開かないことが、トイレでは安心につながります。そのぶん、スイッチと錠と呼出の動作確認が点検の中心になります。
JIS A 4722の改正でトイレ用に加わった要求事項
歩行者用自動ドアの安全規格JIS A 4722は、2017年3月21日に制定されました。2022年9月20日の改正で、トイレ用の自動ドアが個別に扱われるようになりました。
- 車椅子使用者用便房用の自動ドアセットの個別要求事項を追加
- 一般便房用(バリアフリートイレ用)の自動ドアセットの個別要求事項を追加
- 子どもへの配慮が必要な場合の追加要求事項も同じ改正で追加
- 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)は平成31年版以降(令和7年版まで)JIS A 4722を反映
便房の種類で要求事項が分かれたことは、製品にも表れています。昭和建産は「多機能トイレ用」と「車椅子使用者用便房用」で別の駆動装置を用意し、それぞれ公共建築協会の性能評価を取得しています。
公共工事は、公共建築工事標準仕様書を通じてJIS A 4722を参照します。見積の段階で、提案された製品がどの便房の要求事項に対応するかを書面でもらってください。
公衆便所は50㎡から:義務がかかる規模と出入口の幅
バリアフリー法施行令は、トイレの出入口にも幅の条件を置いています。義務がかかる規模は、建物の種類で違います。
| 項目 | 施行令の定め |
|---|---|
| 基準適合義務の対象(特別特定建築物) | 床面積の合計2,000㎡以上(第9条) |
| 公衆便所 | 50㎡以上で対象 |
| 車椅子使用者用便房の出入口 | 幅80cm以上 |
| 経路上の出入口の戸 | 自動的に開閉する構造その他の車椅子使用者が容易に開閉して通過できる構造、前後に高低差なし(第19条) |
公園や観光地の公衆便所は、建物が小さくても50㎡以上なら対象になります。自治体の改修工事では、この規模要件を先に確認してください。
観光地のトイレの例として、扶桑電機工業は宮島おもてなしトイレを施工事例に載せています。屋外に面したトイレは、雨や砂ぼこりの条件も施工会社に伝えてください。
トイレ用の製品を持つ会社と公式の事例
31社の公式サイトで、トイレの自動ドアに関わる製品や事例を確認できた会社を整理しました。
| 会社 | 公式記載 |
|---|---|
| 昭和建産(S-ミリオン) | 多機能トイレ用駆動装置(公共建築協会性能評価 第211-24030005号)、車椅子使用者用便房用駆動装置(第211-24031001号) |
| ナブテスコ(NABCO) | バリアフリートイレ用自動ドア、HDS-4iα 押しボタンスイッチ(2009年度グッドデザイン賞) |
| オリエント産業 | バリアフリートイレ自動ドア。羽田空港国際旅客ターミナルJALファーストクラスラウンジの事例で2009年度グッドデザイン賞 |
| 扶桑電機工業 | 宮島おもてなしトイレを施工事例に掲載 |
| ホトロン | 多目的トイレ制御器/互換器 HT-C2/HT-GU、多目的トイレ警報システム |
| ワーム(WRM) | 多機能トイレ用システム |
| 北陽オートドア | 障害者用トイレシステム |
| 寺岡オート・ドアシステム | バリアフリー・多目的トイレ設備 |
| ナブコドア・昭和オート | 多機能トイレを対応ドアに記載 |
| 竹中エンジニアリング | 自動ドア用音声装置DSV-100、電池レスワイヤレススイッチDLWシリーズ |
駆動装置のメーカーと、制御器・スイッチのメーカーは別のことがあります。ホトロンは制御器とあわせて互換器(HT-GU)を製品に載せており、既存の設備との組み合わせは型番で確認します。
停電・故障で閉じ込めないための備え
トイレの自動ドアは、中に人がいる状態で止まる可能性がある扉です。停電や故障のときの動きを、設置前に決めておきます。
- 停電時の開放:昭和オートの非常電源システムは停電でも約10分間開閉可能と記載
- 手動への切り替え:AMYドアテックのベンリードアロボSは停電時に普通の開き戸として使えると記載
- 外からの解錠:管理者が外から開けられる手段を用意する
- 呼出の届け先:警報が管理者のいる場所に届くかを確認する
- 修理受付:24時間365日の受付は日本自動ドア・フルテック・ナブコドア・オリエント産業・九州オートドアー・昭和建産が公式に掲げる
全国自動ドア協会は、安全に関わる部品を3か月ごと(年4回)に点検するよう推奨しています。押しボタンや錠は利用のたびに操作されるため、点検項目に入っているかを保守契約で確かめます。
既存トイレを改修するときの確認点
手動の引戸や開き戸のトイレを自動ドアにする改修は、既存の壁や配線に左右されます。
- 便房の種類(車椅子使用者用か、一般便房用か)を決め、JIS A 4722の対応する要求事項を確認する
- 出入口の有効幅が80cm以上あるか、前後に段差がないかを測る
- スイッチの位置を、車椅子に座った高さと、便器に座った位置の両方から決める
- 配線が難しい位置のスイッチは、竹中エンジニアリングの電池レスワイヤレススイッチのような無線式を検討する
- 呼出設備の既存の配線と、新しい制御器の互換を確認する
- 公共工事の場合は、公共建築協会の性能評価を持つ製品かを仕様書と照らす
改修の相談先は、建物の入口の自動ドアを保守している会社が最初の候補になります。同じ会社がトイレ用の駆動装置を扱っているかを確認してください。
NABCO製の入口を使っている建物なら、東日本はナブコシステム、西日本はナブコドア、九州・沖縄はオリエント産業が正規販売施工会社の窓口です。オリエント産業は羽田空港の事例でバリアフリートイレ自動ドアの施工実績を公開しています。
この記事に出てくるメーカー
- AMYドアテック株式会社後付け自動化の小回り枠
- フルテック株式会社遠隔監視保守なら第一候補
- 扶桑電機工業株式会社(ドリーム自動ドア)特殊仕様の引戸に強い老舗
- 北陽オートドア株式会社(アラビアン)関西の大型・産業用ドアに
- 株式会社ホトロン(ホトロングループ)センサー・スイッチ単体なら
- 日本自動ドア株式会社製品幅と直営保守のバランス型
- 九州オートドアー株式会社九州で頼む地元密着型
- ナブコドア株式会社(NABCO西日本地区総代理店)西日本のNABCO窓口
- ナブテスコ株式会社(NABCO 自動ドア)迷ったらまずここ
- ナブコシステム株式会社(NABCO東日本地区総代理店)東日本のNABCO窓口
- オリエント産業株式会社(NABCO九州・沖縄地区総代理店)九州・沖縄のNABCO窓口
- 昭和オート株式会社首都圏の小回りメーカー
参照元
- 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令(e-Gov法令検索)
- JIS A 4722について(ナブテスコ)
- 自動ドアの安全ガイド 守っていただきたい7つのポイント(全国自動ドア協会)
- 販売施工会社ネットワーク(ナブテスコ NABCO)
- 自動ドアの保守(全国自動ドア協会)
- 製品情報(昭和建産)
- 製品一覧(ナブテスコ NABCO)
- 自動ドア(オリエント産業)
- 扶桑電機工業 公式サイト
- 自動ドアセンサー(ホトロン)
- 製品情報(ワーム)
- 製品情報(北陽オートドア)
- 製品情報(寺岡オート・ドアシステム)
- 製品情報(ナブコドア)
- 装置(昭和オート)
- 製品検索 自動ドア(竹中エンジニアリング)
- AMYドアテック 公式サイト
- メンテナンス(日本自動ドア)
- メンテナンス(フルテック)
- 保守内容(ナブコドア)
- メンテナンス(オリエント産業)
- 九州オートドアー 公式サイト
- サポート(昭和建産)
よくある質問
多目的トイレの自動ドアにはどんな機器が必要ですか?
駆動装置、内外の押しボタンスイッチ、電気錠、呼出(警報)システムの組み合わせです。昭和建産は多機能トイレ用と車椅子使用者用便房用の駆動装置で公共建築協会の性能評価を取得し、ナブテスコはHDS-4iα押しボタンスイッチ、ホトロンは多目的トイレ制御器HT-C2/HT-GUを製品に持ちます。
トイレの自動ドアに関係するJISの改正は何ですか?
JIS A 4722は2022年9月20日の改正で、車椅子使用者用便房用と一般便房用(バリアフリートイレ用)の自動ドアセットの個別要求事項を追加しました。公共建築工事標準仕様書(建築工事編)は平成31年版以降JIS A 4722を反映しています。
公衆トイレはどのくらいの大きさからバリアフリー法の義務がかかりますか?
バリアフリー法施行令では、基準適合義務の対象となる特別特定建築物は床面積の合計2,000㎡以上ですが、公衆便所は50㎡以上で対象になります。車椅子使用者用便房の出入口は幅80cm以上です。
停電したらトイレの自動ドアはどうなりますか?
製品と設定によります。昭和オートの非常電源システムは停電でも約10分間開閉可能、AMYドアテックのベンリードアロボSは停電時に普通の開き戸として使えると公式サイトに記載しています。外から管理者が開ける手段も合わせて決めてください。
【用途別】自動ドアメーカーおすすめ3選
店舗・ビル・公共施設の入口を新設・更新するなら
ナブテスコ株式会社(NABCO 自動ドア)
駅・空港・病院で使われる標準。全国の販売施工網で、どこでも同じ保守が受けられる
引戸の開閉装置は軽量から超重量まで5クラス、防火戸・気密遮音・回転ドア・高速シートドアまで一社でそろう。次世代標準機NATRUSは安全規格JIS A 4722に準拠し、開閉ごとの安全試験機能を持つ。羽田空港・JR博多駅・虎ノ門ヒルズなどの施工事例を公式に載せ、東日本はナブコシステム、西日本はナブコドアなど全国16社の正規販売施工会社が保守を担う。
止められない入口の保守で選ぶなら
フルテック株式会社
24時間365日の修理受付と遠隔監視。技術者は全員正社員の上場会社
業界でいち早く24時間365日の修理受付と、IoT遠隔モニタリングによる自動ドア保守を始めたと公式に掲げる。技術者は全員正社員で、自動ドア施工技能士の指導のもと全国自動ドア協会の安全ガイドラインに沿って点検する。JIS A 4722対応の保守契約プランを用意し、札幌から福岡まで拠点を持つ。渋谷ヒカリエ・平塚市本庁舎などの事例を公開。
工場・物流・食品の高速シートシャッター、スイングドアなら
株式会社ユニフロー
最大2.0m/s・50万回耐久の高速シートシャッター。スイングドアは国内シェア85%(自社推計)
高速シートシャッター「スムーザー」は最大2.0m/秒、ワイドタイプで幅10m×高さ6m、耐久設計50万回。開口部の熱損失を約80%削減し、防虫オレンジシート・水切り仕様・静電気除電など食品・物流の現場向けの仕様がそろう。スイングドア(自在扉)はJIS A 4702の耐久回数の約5倍を性能基準とし、1991年からの累計出荷は5万台・18か国。年1回・年2回の定期点検プランと交換部品の目安を公開する。
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