3比較ハブ超硬合金のメーカー

超硬合金のメーカー · 用途別

ドリル・エンドミル用の超硬丸棒素材を調達する|在庫材種・標準寸法・ねじれ穴付き・成形品を比較【2026年版】

切削工具メーカーがドリルやエンドミル、リーマの元になる超硬丸棒素材を調達するときの会社選びをまとめます。在庫材種と標準寸法、ねじれ穴付き素材、成形・特殊成形品の最小数量、研削済み素材の精度を、掲載会社の公式情報で比べました。

公開 2026年10月1日

ドリルやエンドミルなどの超硬工具は、超硬合金の丸棒素材を研削して作ります。素材の品質と寸法のそろい方が、工具の性能と加工の手間を大きく左右します。

このページでは、工具用の丸棒素材を扱う会社を、在庫と標準寸法、形状の種類、小ロットの対応で比べます。

工具用丸棒素材を扱う会社の一覧

工具用の丸棒素材を公式に打ち出している会社を並べます。素材専業の会社と、工具まで作る会社が混ざっています。

会社扱う工具素材(公式の記載)
住友電工ハードメタル黒皮丸棒標準品、エンドミル素材、ドリル素材、PCBドリル素材、オイルホール付素材
アクシスマテリア単純丸棒素材、成形丸棒素材、プリント基板ドリル用素材、ねじれ穴付き素材
日本ハードメタル丸棒ストレート、丸棒スパイラル(ねじれ穴付)、成形・特殊成形、高精度研削丸棒
三菱マテリアルハードメタル超硬合金エンドミル素材、PCBドリル素材、丸鋸用チップ素材、板チップ素材
日本特殊合金切削工具用超硬丸棒素材、インサートチップ素材、丸鋸チップ
マコトロイ工業丸棒素材(切削用、耐摩耗工具用)、ドリル・リーマ・エンドミルの工具まで
NKM丸棒(G10=K10相当はφ1.0〜12mm、F15=Z10相当はφ1.0〜20mm、長さ110〜330mm)、円板・短冊などの素材、ソリッド・ロー付の超硬工具

アクシスマテリアは住友電工ハードメタルが60%、アライドマテリアルが40%を出資する素材専業の会社です。日本ハードメタルは、1992年からオーエスジーと業務提携しています。

在庫材種と標準寸法を公開している会社

試作や小ロットの工具を作るなら、在庫品の寸法から選べると手配が早くなります。住友電工ハードメタルは、丸棒素材の在庫材種と標準寸法を公開しています。

項目公式の記載
在庫材種超々微粒合金AF1、超微粒合金A1、微粒合金H1、一般超硬EH10。その他の材種も受注製作
黒皮丸棒の外径φ1.0〜8.0mm(0.5mmとび)、φ9.0〜20.0mm(1mmとび)
黒皮丸棒の長さ50、80、100、310mm

工具の刃先強度や靭性、耐摩耗性のどれを重視するかで、材種を選びます。住友電工ハードメタルは、在庫の4材種をエンドミル・ドリル・リーマなどの用途向けに用意したと書いています。

粒の細かさで在庫材種を見分ける

工具用の丸棒素材は、WCの粒の細かさで呼び分けられることが多くあります。住友電工ハードメタルの在庫材種を例に、呼び方を並べます。

在庫材種公式の呼び方
AF1超々微粒合金
A1超微粒合金
H1微粒合金
EH10一般超硬

住友電工ハードメタルは、超微粒合金の優れた刃立ち性を、薄刃の製品の特長に挙げています。被削材や工具の種類によって合う材種は変わるため、用途を伝えて選んでください。

同じ粒の細かさでも、コバルトの量や添加物で性質は変わります。材種名だけで判断せず、各社の材種表で硬度と抗折力を確かめることが大切です。

インサートチップ用の素材を探す場合は、日本特殊合金が新しく開発したP種・サーメットのインサートチップ素材を紹介しています。丸棒と板チップでは扱う会社が少し違うため、両方が必要なら先に確かめてください。

ねじれ穴付き・成形品を頼む

クーラントを刃先に送るドリルには、ねじれた穴の開いた素材を使います。段付きや溝のある工具には、最初から形を付けた成形品が便利です。

  • 日本ハードメタル: ねじれ穴付素材は、穴のねじれ角・リード精度ともにばらつきが少ないと説明
  • 日本ハードメタル: 多段多穴・直溝加工のような複雑形状を、社内製のCAD/CAMと多軸複合加工機で加工
  • アクシスマテリア: 成形丸棒素材、ねじれ穴付き素材をラウンドツール素材として製造
  • 住友電工ハードメタル: オイルホール付素材を製品構成に挙げる

成形品を使うと、工具メーカー側で削り落とす量が減り、研削の時間を短くできます。日本ハードメタルは、取り代が少なくなる効率的な生産で納期に貢献すると書いています。

1本から頼める成形品

特殊な工具を少量だけ作る場合は、素材の最小数量が問題になります。成形品を1本から受ける会社があります。

会社小ロットについての公式の記載
日本ハードメタル成形・特殊成形は多品種少量でも効率的に加工し、注文数1本から短納期で対応
マコトロイ工業他社では断られるような加工条件・小ロット対応にも可能な限り応じる
住友電工ハードメタル在庫材種以外の材種も受注製作

1本からの成形品は、試作の工具や特注の工具を作るときに役立ちます。数量が増えたときの単価もあわせて聞いておくと、量産への切り替えがしやすくなります。

研削済み素材で加工の手間を減らす

素材の外径をあらかじめ研削しておくと、工具メーカーは刃付けから始められます。研削済み素材の精度を公式に書いている会社を挙げます。

  • 日本ハードメタル: 焼結前の段階から素材を管理し、研削加工では0.001mmオーダーを受ける。研削はオンライン見積に対応
  • 日本特殊合金: お客様のニーズに合わせた形状加工を行い、取り代を少なくして加工精度の向上に貢献

黒皮素材と研削済み素材では、価格と手間のバランスが変わります。自社の研削設備の空き具合と、工具の数量で選び分けてください。

素材の品質の確かめ方

工具素材は、内部に巣があると折損の原因になります。品質についての公式の記載を確かめてから、調達先を選んでください。

  • 日本ハードメタル: 焼結前の段階から厳しい素材管理を行い、定温無窓環境下で研削の全自動専用機を展開
  • サンアロイ工業: 全製品にHIP処理。合金中の巣は特性を下げる材料欠陥と説明

工具まで任せる場合

素材ではなく、完成した超硬工具を頼みたい場合は、工具まで作る会社に相談します。素材から工具までを国内で一貫して作る会社もあります。

会社工具についての公式の記載
マコトロイ工業素材作成から工具完成まで国内工場で一貫。Zドリル・リーマ、オイルホールリーマ、ツイストドリル、エンドミル
NKM超硬工具(ソリッド&ロー付)。2022年に工具新工場の操業を開始

マコトロイ工業は、工具の工程として円筒研磨、切込、プロファイル加工、刃付、検査を挙げています。特殊な形状の工具を少量で作りたい場合に、素材から相談できる会社です。

工具素材を発注するときの確認リスト

工具素材の注文では、寸法や材種の指定漏れが手戻りにつながります。次の項目を確かめてから発注してください。

  1. 材種(各社の材種名)と、用途(ドリル、エンドミル、リーマなど)
  2. 外径と長さ、公差。黒皮か研削済みか
  3. ねじれ穴やオイルホールの有無と、ねじれ角・リード
  4. 成形品の場合は、段付きや溝の図面
  5. 数量と、在庫品で足りるかどうか
  6. 材種や品質の証明書の要否

同じ外径でも、材種によって工具の寿命は大きく変わります。被削材と加工条件を伝えて、材種の提案ももらってください。

工具素材の調達先を目的別に整理

最後に、目的ごとの相談先をまとめます。在庫・形状・数量の3点で選び分けると、候補が絞れます。

  • 標準寸法の黒皮丸棒を在庫から手配したい: 住友電工ハードメタル
  • ねじれ穴付きや成形品を1本から頼みたい: 日本ハードメタル
  • ラウンドツール素材を素材専業の会社から調達したい: アクシスマテリア
  • エンドミルやPCBドリル用の素材を三菱マテリアルグループから調達したい: 三菱マテリアルハードメタル(2026年4月に受注制限を告知し、8月に一部解除。受注状況を先に確認)
  • 素材から工具まで国内で作ってほしい: マコトロイ工業

工具素材は、同じ寸法を繰り返し発注することが多い材料です。最初の取引で材種と寸法の記録を残しておくと、次からの注文が早く済みます。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

超硬丸棒素材の在庫品はありますか?

住友電工ハードメタルは、AF1・A1・H1・EH10の4材種を在庫し、黒皮丸棒の標準寸法を外径φ1.0〜20.0mm、長さ50・80・100・310mmで公開しています。その他の材種も受注製作すると書いています。

特殊な形の工具素材を1本だけ作れますか?

日本ハードメタルは、多段多穴・直溝加工のような成形・特殊成形品を、注文数1本から短納期で対応すると書いています。

ねじれ穴付きの超硬素材はどこで買えますか?

日本ハードメタルは丸棒スパイラル(ねじれ穴付)素材を扱い、ねじれ角・リード精度のばらつきが少ないと説明しています。アクシスマテリアもねじれ穴付き素材をラウンドツール素材として製造しています。

【用途別】超硬合金メーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

金型をつくるための超硬素材を、1個から急いで手に入れたいなら

株式会社シルバーロイ

角形状の素材は午前10時30分までの注文で当日発送。1個から製作、φ0.08mmの孔開けも

兵庫県加西市の超硬合金メーカーで、午前10時30分までに注文した角形状の超硬合金素材は当日発送、それ以降と丸形状は翌日発送と公式に書いている。FAQでは1個からでも製作できると答え、材質表には「JIS記号」の欄を設けてVM20・VM30・VM40などを示し、用途例も載せている。

株式会社シルバーロイの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

超硬のダイスや金型部品を、ミクロン精度で加工・修理したいなら

大伸ダイス工業株式会社

±0.001、真円度0.16μm。丸はφ0.3〜400mm程、在庫品は最短1〜2週間、図面なし・修理も

大阪市平野区で1965年に創業した超硬合金の加工会社で、FAQで±0.001の精度に対応し、自社設備で丸製品は最小径0.3mmから最大径400mm程、角製品は750×300×400tまでと答えている。R形状公差±0.01、真円度0.16μm、面粗さRa0.015μmの実績も公開している。

大伸ダイス工業株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

割れや欠けが出る金型部品を、材種の選び方から見直したいなら

株式会社共立合金製作所

自社開発の材種にJIS規格の分類を併記。放電加工向けA10W、試作・寿命確認にも対応

兵庫県西宮市で1938年に創業したエバーロイのメーカーで、材種一覧にKD20は「JIS規格:VF-40」、A10Wは「JIS規格:VM-30」などと分類を併記している。FAQではワイヤー放電や型彫り放電を行う場合にA10Wを勧め、試作品や少量の部品、量産前の材種評価や寿命確認の試作にも対応すると答えている。

株式会社共立合金製作所の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

自社の用途に合う超硬合金メーカーを、無料で相談する

必要なもの(素材・加工品・工具)、現在の材種名や分類記号、形状とおおよその寸法、精度、数量と希望納期、図面の有無、放電加工やコーティングの有無を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載会社へ匿名で概要を伝え、見積の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。

無料で相談する

関連記事