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交差穴・穴内部のバリを取りたい|電解・熱・ウォータージェットの使い分け【2026年版】

交差穴や深穴の内部に残るバリを取りたい方向けに、穴の部位別に使える方式、電解(アクリテック・中央製作所)、高圧水(スギノマシン)、熱バリ取り、機械内工具・穴用ブラシで済むケース、電極・治具の費用を品種数で割る考え方を解説します。

公開 2026年9月28日

交差穴や穴の内部に残るバリは、回転工具が届かず手作業でも取り切れません。このページでは、穴の部位ごとに使える方式を整理します。電解・熱・ウォータージェットの装置を公式に掲げるメーカーと、品種数による選び方も示します。

穴の「出口」「交差部」「深穴の奥」で使える方式が違う

穴のバリは、工具が抜ける出口、2本の穴がぶつかる交差部、深い穴の奥に出ます。届く工具が部位ごとに違うため、まず部位を特定します。

部位機械式で届くか非接触の候補
穴の出口(表側)面取りカッターで届く電解、熱
穴の出口(裏側)裏バリカッターが必要電解、熱
交差穴の交差部専用ブラシ・カッターで一部対応電解、熱、高圧水、砥粒流動
深穴の奥・内部通路ほぼ届かない高圧水、砥粒流動、熱

工具メーカーの解説では、切削バリは工具が素材に食い込む際の塑性流動で発生します。穴の出口に集中するのはこのためです。

油圧・燃料系の部品では、脱落したバリが故障につながります。「見えないバリ」を残さない方式を優先してください。

電解:電極治具が入る穴なら、材質と硬度を問わない

電解バリ取りは、ワークを陽極、電極を陰極として直流電流でバリを溶かす方式です。装置メーカーは穴の出口や直交穴のバリ取りを対象に挙げています。

  • アクリテック:「手作業では届かない狭く、深い穴であっても電極治具が入ればバリを除去する事が可能」。「二次バリが発生しない」。加工できるバリは根元の厚みが0.05mm以内
  • アクリテック:通電性があれば材料の硬度に関係なく加工可能。対応素材に鉄・ステンレス・アルミ
  • 中央製作所:「通常の機械加工では、除去困難な場所のバリも容易に除去できます」。材質・硬度に関係なく処理でき、熱歪みなし
  • 中央製作所:電極・治具はカートリッジ方式、短絡遮断システムを装備

アクリテックは対象部品を「主に自動車部品」としています。インジェクター、コモンレール、マニホールド(ABS)、コンロッド、クランクシャフト、プーリーが列挙されています。

中央製作所のバリクリーンには、水洗・防錆槽付の汎用タイプから、外部トランスファーと直結する全自動タイプまであります。ライン組み込みまで一社で揃う点が強みです。

電極はワークごとの専用設計です。アクリテックの標準機ECMB-N1は装置本体の納期が「約4か月程」と記載されています。電極治具の製作期間は公式に記載がないため、品種追加のたびに別途確認してください。

中央製作所は「製品の75%がオーダーメイド」で、海外20数カ国へ製品を輸出していると記載しています。電源部・制御部・電解部・電極・治具をすべて自社制作としています。

高圧水:工具が届かないバリを壊し、洗浄まで1台で終える

高圧水は、ノズルから噴射した水の力でバリを破壊する方式です。部品洗浄機と技術を共有しているため、バリ取りと洗浄を同じ装置で行えます。

機種メーカー公式の記載
JCC 104 HYBRIDスギノマシン高圧水(最高50MPa)と高速スピンドル(最高18,000min-1)を1台に集約。「工具が届かないバリを高圧水で破壊」「ワークの全ての面にアクセス可能」
JCCシリーズスギノマシン最高245MPa。「1台で水中洗浄と気中バリ取り洗浄に対応」
JDMスギノマシンウォータージェットバリ取り装置。プレスリリースで最高圧力70MPa
JCC 603 RoboスギノマシンCNCロボットハンド形の超高圧水バリ取り洗浄機

JCC 104 HYBRIDは「ラジアルフローティング加工でバリを残さず除去」と記載されています。「CNC制御で誰でも操作可能」ともあります。スピンドル工具で取れる外周のバリと、水でしか届かない内部のバリを1台で処理します。

スギノマシンの対応ワークは、トランスミッション部品、eアクスル部品、ABSハウジングです。「バリ取り・洗浄テスト受付中」の記載があり、バリ取り研究所「デバラボ」も持っています。

水溶性液を使うため、鉄系ワークは防錆と乾燥まで工程に含めます。装置メーカーのリリースでは、水溶性クーラント液で防錆性を確保しているとされています。

熱:バリの位置を1か所ずつ教えなくてよい

熱バリ取り(TEM)は、密閉チャンバーで混合ガスを燃焼させ、バリを酸化除去する方式です。装置メーカーは対象として穿孔・削孔・切削加工後のバリを挙げています。

  • ガスが届く場所なら、バリの向きや位置を問わず除去される
  • 「30〜60秒のサイクルで数百個の部品まで加工」できると記載
  • 治具は「簡易なバスケットや、被加工材を固定する治具のみで十分」とされ、自動化しやすい
  • 酸化物粉末が表面に溜まるため、熱処理・めっき・浸漬洗浄などの後工程が必要

交差穴が多数あり、品種ごとに穴の位置が変わる部品では、電極を作らなくてよい熱方式が有利です。反面、薄肉部が本体まで加熱されないかをテストで確認します。

今回調べた国内33社の中で、熱バリ取り装置の販売を公式サイトに記載している会社はありませんでした。日電工業は設備として「サーマルディバリングマシン」の保有を掲載していますが、販売や受託の記載はありません。

機械式で済むケース:裏バリカッター・穴用ブラシ・ブラスト

品種が多く数量が少ない場合は、装置を買わずに機械内工具や手工具で処理する方が安くなります。穴用の工具を公式に掲げる会社を挙げます。

工具メーカー公式の記載
裏バリカッター&バリ取りプログラムジーベックテクノロジー交差穴・裏バリの自動化向け。内径交差穴用ブラシのテストユーザー募集もあり
ネジリブラシ・ポリッシュホールブラシ・バリネード野宮産業穴あけ加工や交差穴・タップ穴などの難所バリ取り、面取り後の二次バリ取り用
Xツールクロイツクロス穴面取り用の工具
バリカッター BC-005日東工器空気式の穴バリ取り。加工穴径φ3〜φ34。ワークに当てないと刃物が回転しないプッシュスタート式
エアーブラスト不二製作所「細溝や内径部のバリ取りが容易」
ウェットブラストマコー「複雑形状や溝内部の処理にも対応可能」。バリ除去と脱脂・洗浄を同時に

ジーベックテクノロジーの事例には、SUS製の産業用ロボット部品でタップ穴の裏バリを取った例があります。マシニングセンタの中で完結するため、段取り替えがありません。

野宮産業は「バリ取り・洗浄テストが無料」と掲げ、対象ワークをもとにブラシのテスト検証を行います。ブラシで届く範囲なら、装置を買うより安価に済みます。

電極・治具・ノズルの費用を品種数で割る

非接触方式は、ワーク専用の電極や治具が必要です。装置本体より、品種ごとの付帯費用で総額が決まります。

方式品種ごとに必要なもの品種切替のしやすさ
電解電極治具(専用設計)中央製作所はカートリッジ方式で電極治具をワンタッチ交換
熱チャンバー用の治具(簡易)位置教示が不要
高圧水ノズル軌道のプログラム、治具CNCでプログラム切替
機械内工具加工プログラム段取りなし

中央製作所の汎用タイプECB 210-NO2-Oは「電極治具の交換はワンタッチ。一台で各種ワークに対応」と記載されています。多品種でも電解を使いたい場合は、この種の汎用機が候補です。

見積は、本体、電極・治具、洗浄・防錆設備、消耗品を分けて取ります。アクリテックは「給材・除材(洗浄工程・防錆工程)などを含む電解装置」の設計・製作に対応すると記載しています。

「油圧ブロック1品種」と「切削部品30品種」で選ぶ方式

最後に、典型的な2つのケースで推薦をまとめます。どちらもテスト加工で寸法変化と清浄度を確認してから決めてください。

  • 油圧ブロックなど少品種大量:電解(アクリテック、中央製作所)か高圧水(スギノマシン)。洗浄まで含めるなら高圧水
  • 穴位置が品種ごとに変わる量産品:熱バリ取り。後洗浄の設備を同時に見積もる
  • 切削部品が数十品種・少量:機械内工具(ジーベックテクノロジー)と穴用ブラシ(野宮産業)
  • 溝や内径が多い精密小物:ブラスト(不二製作所、マコー)

1つの方式で全部を取ろうとしないことが重要です。外周は機械式、内部は非接触と分けると、装置の規模が小さくなります。

清浄度の要求がある部品は、取れたバリと電解液・酸化物を落とす洗浄まで設計に含めてください。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

交差穴の内部のバリを取る装置はどこのメーカーにありますか?

電解ならアクリテックと中央製作所、高圧水ならスギノマシン(JCC 104 HYBRID、JDM)が公式サイトに装置を掲載しています。熱バリ取りは装置メーカー(エクスツルードホーン)の公式サイトに原理と対象が記載されています。

電解バリ取りは多品種少量でも使えますか?

電極治具がワークごとに専用設計になるため、基本は少品種大量向きです。中央製作所の汎用タイプECB 210-NO2-Oは電極治具のワンタッチ交換で「一台で各種ワークに対応」と記載されており、多品種で使う場合の候補です。

交差穴のバリを装置を買わずに取る方法はありますか?

ジーベックテクノロジーの裏バリカッター&バリ取りプログラムや、野宮産業の交差穴・タップ穴用ブラシは、マシニングセンタや手作業で使えます。数量が少ない品種は、これらの工具で処理するのが安価です。

高圧水のバリ取りは洗浄も同時にできますか?

スギノマシンのJCC 104 HYBRIDは、高圧水バリ取りとスピンドル工具によるバリ取り・洗浄を1台に工程集約した機種です。JCCシリーズは1台で水中洗浄と気中バリ取り洗浄に対応すると記載されています。

【用途別】バリ取り機メーカーおすすめ3選

※2026年9月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

レーザー・パンチ加工後の板金なら

オーセンテック株式会社

板金のバリ取りを機械化するなら、まずショールームへ

板金専用のブラシ式バリ取り機「AUDEBU」シリーズを幅0.1〜1,500mm・厚さ0.1〜20mmまで揃え、酸化被膜・ドロス除去専用の「BlackLine」も持つ。相模原のショールームに11機種を展示し、持ち込みワークでのテスト加工とオンラインデモに対応している。

オーセンテック株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

鋳物・鍛造品の自動化(ロボット)なら

株式会社クロイツ

バリ取りロボット専業。工作機械と同じGコードで動く

バリ取りロボット専業で、ロボット本体・工具・ツーリング・周辺機器を一社で製造する。アルミダイカスト・鉄鋳物・ギア・鍛造品の製作事例を機種別に公開し、5軸CNC制御でGコードと3D CAD/CAMに対応する「BARISTA」も持つ。

株式会社クロイツの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

小物・薄物を大量に処理するなら

新東工業株式会社

1mmの薄物から一括処理。テスト加工も量産加工も受ける

回転・振動・遠心・流動と全種類のバレル研磨機を揃え、厚さ1mmの薄物や小物の大量バリ取りに対応する。公式事例ではスラストレースやクラッチプレートの面粗さ改善を数値で示し、加工サービス「ロルコセンター」でテスト加工・試作・量産加工まで受ける。

新東工業株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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