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アルミダイカストのバリ取りを自動化したい|ロボットセル・専用機・メーカーの選び方【2026年版】

アルミダイカストのバリ取りを自動化したい方向けに、薄く鋭利なバリへの押し当て力制御、小型セルと全自動ラインの選び分け、アルミダイカストの製作事例を公開するメーカー、ロボット以外の4手段、事前トライで測る数字を解説します。

公開 2026年9月28日

アルミダイカストのバリ取りは、ロボットセルで自動化する例が最も多い分野です。このページでは、アルミ特有のバリへの対処と、セルとラインの選び分けを整理します。製作事例を公開しているメーカーと、事前トライの有無もまとめます。

アルミダイカストのバリは薄く鋭利:押し当て力の制御が要

ロボットツールメーカーの解説では、ダイキャスト製品のバリは薄く鋭利とされています。鋳鉄製品の硬く強固なバリとは性質が異なり、押し当て力が強すぎると母材までえぐります。

  • FINESYSTEM:エアフロート機構で「0.01MPa単位という極めて微細なエア圧制御」。「えぐりゼロ」「工具寿命2倍」
  • 豊電子工業:可変ラジアンフローチング機能でワーク形状に追従。ツール折れ・伸び検出機構と切削油塗布機構を標準装備
  • クロイツ:加工位置に近いほど軽くなる構造特性で、バリ取りを高速・正確に行う
  • ヤマハファインテック:負荷フィードバック制御・押し付け力制御・ティーチング支援ソフト

FINESYSTEMは金属バリ取りで寸法精度「±0.01mm」、生産性「30%向上」を公式サイトに掲げています。数値はワークによって変わるため、自社ワークのトライで確認してください。

ツールの折れ検出は、無人運転で効いてきます。豊電子工業は検出機構を標準装備と明記しており、夜間運転を想定するなら確認項目に入れてください。

同じ解説では、荒加工と仕上げで必要なトルクと工具が異なるとされています。ゲート跡などの大きなバリと、パーティングラインの薄いバリを同じツールで兼ねない前提でセルを構成してください。

小型セルか全自動ラインか:日産数で決める

同じロボット方式でも、1台のセルに人が載せ替える構成と、供給から排出まで無人のラインでは規模が違います。公式仕様から代表機を並べます。

構成メーカー・機種公式の記載
小型セルFINESYSTEM FDM-002外寸W800×D1481×H1620で「畳1畳に収まる」。ATCマガジンで2種類の刃具を自動交換(オプション)
小型セルJOHNAN BurrS Bird mini床面積1畳以下。W1000×D1300×H1900、ワーク質量7kg以下
標準セルJOHNAN BurrS Bird standardW1700×D1700×H2000、ワーク質量10kg以下、ワークサイズ□400mm×H200mm
専用ロボットクロイツ ロボルータ RBR-D5シリーズX・Y・Z軸にボールねじとリニアガイド。アルミダイカスト品の製作事例
全自動ライン津田駒工業 鋳物バリ取り自動化ラインバラ積みワークのピックアップから搬送・位相決め・投入・取出しまで全自動。夜間自動運転

ワイテックの事例では、ダイカストメーカーA社が日産10,000個以上のバリ取りを8〜10人で行っていました。ロボットバリ取り装置の導入で作業員3人を削減し、「1年で元を取ってしまった」と記載されています。

津田駒工業は、2Dカメラでワーク形状を確認して位置割出を行う位相調整ジグを掲載しています。バラ積みからの全自動は、日産千個単位の量産品で検討する規模です。

月産数百個なら小型セルで十分です。畳1畳のセルは、既存ラインの脇に置けるかどうかで判断してください。

JOHNANのstandard機には、標準機に特化して開発された重切削オプションがあります。ゲート跡の荒加工まで1台で兼ねたい場合は、このオプションの有無で機種を分けてください。

アルミダイカストの製作事例を公開している会社

「ダイカスト対応」と書くだけの会社と、実際のワークで事例を出している会社は分けて見ます。公式サイトの事例をもとに整理します。

メーカー公開されている事例・対象
クロイツロボルータD5シリーズ6機種の製作事例(アルミダイカスト品、ダイカスト品、ギア、鉄鋳物品)
JOHNANミッションケース(アルミ鋳物)、パワーコントロールユニット(アルミ鋳物)、ドアノブ(アルミ)
豊電子工業アルミ素材バリ取りロボットシステムを1988年に開発(沿革)。対応ワークにダイカスト・鋳造品、シェル中子
ワイテックダイカストメーカーA社で作業員3人削減
FINESYSTEM対応ワークにダイキャスト・鋳造品。企業名付きの事例は未掲載
津田駒工業鋳物バリ取り自動化ライン(導入先の業種は記載なし)

クロイツはロボット本体・工具・ツーリング・周辺機器を一社で製造しています。クロス穴面取りやギア用のフローティング機構内蔵工具も同社製です。

JOHNANは印刷機、自動車、航空宇宙、トラック、鉄道業界での導入実績を掲げています。アルミ鋳物の大物ケース類なら、standard機の□400mm×10kgの範囲に入るか確認してください。

ロボット以外の4つの手段:打ち抜き・熱・バレル・ブラスト

すべてのバリをロボットで取る必要はありません。工程の前後に別方式を置くと、ロボットの負担が減ります。

  • 打ち抜き:岩城工業は「アルミダイキャスト等のバリを金型により打ち抜き」する油圧プレスをオーダー製作。バリはバリシュートで製品と分別
  • 熱(TEM):装置メーカーは対象に亜鉛・ZAMAC合金・アルミのダイカスト部品を記載。30〜60秒のサイクルで数百個
  • バレル研磨:新東工業の振動バレルは機械加工部品・プレス部品・ダイカスト部品向け。「回転バレルの3〜4倍の研磨力」
  • ブラスト:不二製作所は対応ワークにアルミダイカストを記載。ドライ・ウェット双方に対応
  • 冷凍ブラスト:日本酸素のソフトブラスターは対象にダイキャスト成形品を記載

型バリを打ち抜きで落とし、残る薄いバリをロボットか熱で処理する分担が一般的です。熱バリ取りは酸化物粉末の後洗浄が必要と装置メーカーが明記しています。

小物のダイカストで全周のR付けでよければ、バレル研磨が最も簡素な手段になります。狙った箇所だけ取る用途には向きません。

岩城工業の本業は油圧プレスの設計・製作で、会社概要に社内デモ機と東京都内展示機の記述があります。型バリの打ち抜きを検討する場合は、トリミング型の改良と合わせて相談してください。

事前トライを受ける会社と、トライで測る数字

アルミは母材が削れやすいため、トライで「削ってはいけない場所」を必ず測ります。公式サイトにトライの記載がある会社から順に当たってください。

メーカートライの記載
FINESYSTEM「無償のバリ取りトライ」。製品を預かり、最適なツールと加工条件を見極める
豊電子工業社内工場にトライルームを完備。仕上がりを設備導入前に確認できる
JOHNAN社内にテスト加工用のデモ機と検証実験室。ロボット特別教育も提供
ワイテックデモ機依頼の問い合わせフォーム
クロイツテスト加工の記載なし(問い合わせで確認)
津田駒工業テスト加工の記載なし

トライで記録してもらう数字は、サイクルタイム、ツール交換までの個数、寸法変化の3つです。JIS B 0051 のエッジ指示に対して、バリ残りとえぐりの両方を判定します。

鋳造の寸法ばらつきも再現します。ロット違いのワークを混ぜて送ると、倣い機構の効き方が分かります。

ヤマハファインテックは各製品ページに「デモを依頼したい」の問い合わせ窓口を設けています。デモ機やショールームの保有状況は明記されていないため、依頼時に確認してください。

「日産1万個」と「月産数百個」で答えが変わる

最後に、数量別の推薦をまとめます。どの規模でも、型バリを前工程で減らすことが投資額を下げる近道です。

  • 日産数千個以上・品種が少ない:全自動ライン(津田駒工業)か複数セル。熱バリ取りとの比較も行う
  • 日産数百〜数千個・品種が多い:標準セル(JOHNAN standard、クロイツ ロボルータ、豊電子工業)
  • 月産数百個:小型セル(FINESYSTEM FDM-002、JOHNAN mini)。畳1畳で置ける
  • 小物で全周R付けでよい:新東工業のバレル研磨。受託加工で先に試す

労働安全衛生規則第150条の4により、産業用ロボットには原則としてさく等の措置が必要です。ヤマハファインテックのWS056のように、粉塵処理を考慮した安全柵を採用する機種もあります。

数量が読めない場合は、小型セルから始めて台数を増やす方が失敗が小さくなります。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

アルミダイカストのバリ取りロボットで母材をえぐらないためには?

押し当て力を制御する倣い機構が必要です。FINESYSTEMはエアフロート機構で0.01MPa単位のエア圧制御と「えぐりゼロ」、豊電子工業は可変ラジアンフローチング機能でワーク形状に追従すると公式サイトに記載しています。

月産数百個のアルミダイカストでもロボット自動化は成り立ちますか?

畳1畳程度の小型セルが候補です。FINESYSTEMのFDM-002は外寸W800×D1481×H1620、JOHNANのBurrS Bird miniは床面積1畳以下と記載されており、既存ラインの脇に置く規模です。

アルミダイカストのバリ取り自動化で事前トライができるメーカーは?

FINESYSTEMは無償のバリ取りトライ、豊電子工業は社内のトライルーム、JOHNANはデモ機と検証実験室を公式サイトに記載しています。クロイツと津田駒工業はテスト加工の記載がないため問い合わせで確認してください。

アルミダイカストのバリをロボット以外で取る方法はありますか?

型バリを金型で打ち抜く油圧プレス(岩城工業)、熱バリ取り(亜鉛・アルミのダイカスト部品が対象)、振動バレル(新東工業)、ブラスト(不二製作所)が候補です。前工程で型バリを減らすとロボットの負担が減ります。

【用途別】バリ取り機メーカーおすすめ3選

※2026年9月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

レーザー・パンチ加工後の板金なら

オーセンテック株式会社

板金のバリ取りを機械化するなら、まずショールームへ

板金専用のブラシ式バリ取り機「AUDEBU」シリーズを幅0.1〜1,500mm・厚さ0.1〜20mmまで揃え、酸化被膜・ドロス除去専用の「BlackLine」も持つ。相模原のショールームに11機種を展示し、持ち込みワークでのテスト加工とオンラインデモに対応している。

オーセンテック株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

鋳物・鍛造品の自動化(ロボット)なら

株式会社クロイツ

バリ取りロボット専業。工作機械と同じGコードで動く

バリ取りロボット専業で、ロボット本体・工具・ツーリング・周辺機器を一社で製造する。アルミダイカスト・鉄鋳物・ギア・鍛造品の製作事例を機種別に公開し、5軸CNC制御でGコードと3D CAD/CAMに対応する「BARISTA」も持つ。

株式会社クロイツの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

小物・薄物を大量に処理するなら

新東工業株式会社

1mmの薄物から一括処理。テスト加工も量産加工も受ける

回転・振動・遠心・流動と全種類のバレル研磨機を揃え、厚さ1mmの薄物や小物の大量バリ取りに対応する。公式事例ではスラストレースやクラッチプレートの面粗さ改善を数値で示し、加工サービス「ロルコセンター」でテスト加工・試作・量産加工まで受ける。

新東工業株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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