バリ取り機 · 用途別
バリの流出クレームを減らしたい|取り残し・二次バリ・脱落片の原因別に方式と検査を見直す【2026年版】
顧客からバリの流出クレームを受けた工場向けに、流出したバリを取り残し・二次バリ・脱落片の残留に分けて考える方法、それぞれに効く方式と公式に掲げるメーカー、工具の摩耗と折れの管理、テストで数値を返してもらう窓口を各社の公式記載で整理します。
このページでは、顧客からバリの流出クレームを受けたときに、バリ取りの方式と検査をどう見直すかを説明します。
原因の分け方、方式、洗浄、工具管理、テストの順に整理します。
根拠は各社が公式サイトで公開している製品仕様と事例です。効果の数字は各社の事例で、自社で同じになる保証はありません。
流出したバリを3つの原因に分ける
クレームになったバリが、どこから来たのかで対策は変わります。
返品された現物を見て、次の3つのどれに当たるかを分けます。
| 原因 | 現物に見られる状態 | 見直す対象 |
|---|---|---|
| 取り残し | もともとのバリがそのまま残っている | バリ取りの方式、条件、作業者による差 |
| 二次バリ | バリ取りした箇所の周りに新しいバリがある | 工具で削る方式の条件、非接触方式への切り替え |
| 脱落片の残留 | 取ったバリや切りくずが穴や溝に残っている | 洗浄工程、バリ取りと洗浄の順番 |
1件のクレームに複数の原因が混ざることもあります。
返品品の写真と発生箇所を品種ごとに記録し、件数の多い原因から手を付けます。
取り残しを減らす:人の技量から条件の固定へ
手作業のバリ取りは、作業者や日によって仕上がりが変わります。
機械化や工具の変更でバリ残りのクレームが減ったと公開している事例を並べます。
| 会社 | 公開事例の内容 |
|---|---|
| 不二製作所 | PPS樹脂成形品に間欠回転テーブル型 ニューマ・ブラスター GTを導入し、月産2万個の安定生産、バリ取り15〜20秒、バリ残りクレームゼロ |
| 不二製作所 | 熱硬化性樹脂成形品にバレルカゴ型 ニューマ・ブラスター LDを導入し、作業時間半減、1日の処理能力が約200個から約500個、バリ残りのクレームはゼロになった |
| ジーベックテクノロジー | 杉浦鉄工所が自動車エンジンパーツの加工でXEBECブラシを採用し、バリ残りのリスクが大幅に減少 |
| マコー | 自動車部品のリング形状品で20分から2分へ短縮(90%削減)。安定品質・省人化・インライン化を価値として提示 |
どの事例も、同じ条件で繰り返し処理することで仕上がりをそろえています。
自社でも、機械の条件を記録して固定し、変えるときは手順を決めて変えます。
二次バリを出さない方式に切り替える
工具で削る方式では、バリを取った箇所に新しいバリが出ることがあります。
二次バリが出ない、または減らせると公式に書いている方式を挙げます。
- アクリテック 電解バリ取り:二次バリが発生しない。公差穴のバリ取りに対応。加工できるバリは根元の厚みが0.05mm以内
- 中央製作所 電解バリ取り:機械的バリ取りではないので、新たにバリやカエリを発生することがないと記載。熱歪み変形も生じない
- NSK 超音波ならいバリ取り機:2次バリ無し。ミーリング・タイプは二次バリが大幅に削減
- 富士機工 MFDB-610N:被膜を取らずにバリを取る(2次バリなし)。板金の平面専用
- マツノシステム スカットエンドレス:低速の弾性ラバーでカエリが出にくい。薄板向け
電解は電極治具がワークごとの専用設計になります。
クレームの多い品種に絞って切り替えると、治具の費用を抑えられます。
取ったバリと切りくずを製品に残さない
バリを取っても、取れた片が穴や溝に残れば、顧客の手元で出てきます。
バリ取りと洗浄を1台で行う、または同じ工程に含める装置を並べます。
| 装置・方式 | メーカー | 公式記載 |
|---|---|---|
| JCC 104 HYBRID | スギノマシン | 高圧水とスピンドル工具でバリ取り・洗浄を工程集約。工具が届かないバリを高圧水で破壊 |
| ウェットブラスト | マコー | 金属バリ除去と脱脂・洗浄を同時に実現。複雑形状や溝内部の処理にも対応 |
| 電解バリ取り装置 | アクリテック | 給材・除材(洗浄工程・防錆工程)などを含む装置を設計・製作 |
| バリクリーン 汎用タイプ | 中央製作所 | 電極治具の交換はワンタッチ。水洗、防錆槽付 |
| 振動バレル CCL(取扱品) | 河新 | 研磨から簡易水洗・選別までの工程を1台で対応 |
バリ取りの後に別の場所で洗う工程では、運ぶ途中で片が付く場合もあります。
洗浄までを1台でまとめる方式は、この区間をなくす選択肢です。
工具の摩耗・折れで仕上がりが変わるのを止める
同じ機械でも、工具がすり減ると仕上がりが変わります。
工具の状態を管理する仕組みを公式に書いている会社を挙げます。
- 豊電子工業:ツールの折れ・伸び検出機構と切削油塗布機構を標準装備。可変ラジアンフローチング機能でワーク形状に追従
- FINESYSTEM:エアフロート機構で0.01MPa単位のエア圧制御。空振り・えぐりゼロ、工具寿命2倍、工具交換工数半減を掲げる
- ジーベックテクノロジー:XEBECブラシは研削力が最後まで変わらず、変形しない形状。採用事例では、ツール寿命が把握できるため途中のチェックが少なくて済むとされる
- ヤマハファインテック:負荷フィードバック制御・押し付け力制御
- 中央製作所:電極・治具はカートリッジ方式、短絡遮断システムを装備
夜間や無人の時間に流す場合は、工具が折れたまま処理が続かない仕組みが必要です。
豊電子工業のように検出機構を標準で備える機種は、この点を確認しやすい候補です。
手作業で残す品種の仕上がりをそろえる工具
すべての品種を機械に置き換えられるとは限りません。
手作業で残す品種は、作業者による差が出にくい工具を選び、同じ合格基準で検査します。
| 工具 | メーカー | 公式記載 |
|---|---|---|
| BARUZO | ワイテック | 毎分15,000振動以上の往復振動で、微細バリをワークに傷をつけずに除去。通常のヤスリ作業の約1/5の時間 |
| スカットエンドレス | マツノシステム | 誰が使用してもカエリ残り不良品が減ると記載。低速の弾性ラバーで均一な微バリ取り |
| バリカッター BC-005 | 日東工器 | ワークに当てないと刃物が回転しないプッシュスタート式。加工穴径φ3〜φ34 |
| ツールナビ | ミニター | 材質・バリの場所や大きさなど4つの項目で工具を紹介する選定システム |
手作業の品種も、合格品の現物を作業場に置き、見比べてから出荷します。
機械化した品種と同じ判定の手順にそろえると、クレームの原因を追いやすくなります。
クレーム対策のテストで記録してもらう数字
方式を変える前に、クレームになった品種でテストします。
結果を数字で返してもらえる窓口を選びます。
| 会社 | テストの公式記載 |
|---|---|
| マコー | 中京支店のトライアル設備。レーザー顕微鏡・マイクロスコープ・触針式表面粗さ計を備える |
| 豊電子工業 | 社内工場のトライルームで、設備導入前に仕上がりを確認 |
| FINESYSTEM | 無償のバリ取りトライ。製品を預かり最適なツールと加工条件を見極める |
| アクリテック | 装置購入の前のテスト加工に対応。WEBミーティングも可能 |
| 不二製作所 | 各営業所でテスト加工。来社しての立ち会いまたはサンプルの郵送 |
| 新東工業 | ロルコセンターでテスト加工。流動バレルの事例ではスラストレース・クラッチプレートの面粗さを数値で公開 |
- クレーム品と同じロットのワークを送る
- バリが残った箇所・二次バリが出た箇所を写真で示す
- 処理後の写真と、拡大して確認した結果を返してもらう
- 1個あたりの処理時間と、工具やメディアの減りを記録してもらう
- 洗浄後に穴や溝に片が残っていないかを確かめる
テストの結果と、クレームの件数の推移を並べて記録すると、対策の効果を顧客に説明する材料になります。
この記事に出てくるメーカー
- 株式会社アクリテック公差穴の電解バリ取りに
- 株式会社中央製作所電解バリ取りの自社一貫メーカー
- 株式会社FINESYSTEM省スペースの鋳物ロボットセル
- 株式会社富士機工削らない端面バリ取りに強い
- 株式会社不二製作所樹脂・微細バリのブラスト専業
- 河新株式会社バレル方式を横断比較できる商社
- マコー株式会社洗浄同時のウェットブラスト
- 株式会社マツノシステム薄板のカエリ対策に小型機
- ミニター株式会社難削材の手作業工具に
- 日東工器株式会社手持ちからロボ装着まで工具
- 株式会社NSK(旧 日本省力機械株式会社)樹脂の超音波ならいバリ取り
- 新東工業株式会社バレル方式が全部揃う大手
参照元
- 不二製作所 お客様の声(PPS樹脂成形品)
- 不二製作所 お客様の声(熱硬化性樹脂成形品)
- 不二製作所 バリ取り用途
- ジーベックテクノロジー 採用事例(杉浦鉄工所)
- ジーベックテクノロジー 製品一覧
- マコー バリ取り用途
- マコー 事業所(中京支店)
- アクリテック 電解バリ取り装置
- 中央製作所 電解バリ取り機
- 中央製作所 バリ取りについて
- NSK バリ取り機
- 富士機工 MFDB-610N
- マツノシステム スカットエンドレス
- ワイテック BARUZO
- 日東工器 バリカッター BC-005
- ミニター ツールナビ
- スギノマシン JCC 104 HYBRID
- 河新 振動バレル研磨機
- 豊電子工業 バリ取りロボットシステム
- FINESYSTEM 金属バリ取り
- FINESYSTEM 公式サイト
- ヤマハファインテック 仕上げロボット
- 新東工業 加工サービス(ロルコセンター)
- 新東工業 バリ取りの事例
よくある質問
バリ残りのクレームをゼロにした事例はありますか?
不二製作所は、PPS樹脂成形品にニューマ・ブラスター GTを導入してバリ残りクレームゼロ、熱硬化性樹脂成形品にLDを導入してバリ残りのクレームはゼロになったという事例を公開しています。自社で同じ結果になる保証はないため、テストで確かめます。
バリ取りで新しいバリが出てしまうのを防ぐには?
工具で削らない方式が候補です。アクリテックの電解バリ取りは二次バリが発生しないと記載し、NSKの超音波ならいバリ取り機は2次バリ無し、富士機工のMFDB-610Nは2次バリなしと公開しています。
取ったバリが穴の中に残って流出するのを防げますか?
バリ取りと洗浄をまとめる装置があります。スギノマシンのJCC 104 HYBRIDはバリ取り・洗浄の工程集約、マコーのウェットブラストは金属バリ除去と脱脂・洗浄の同時処理を公式サイトに記載しています。
工具の摩耗でバリ取りの品質がばらつくのを防ぐには?
工具の状態を管理する機能を持つ機種を選びます。豊電子工業はツールの折れ・伸び検出機構を標準装備、FINESYSTEMはエアフロート機構で工具寿命2倍を掲げています。
【用途別】バリ取り機メーカーおすすめ3選
レーザー・パンチ加工後の板金なら
オーセンテック株式会社
板金のバリ取りを機械化するなら、まずショールームへ
板金専用のブラシ式バリ取り機「AUDEBU」シリーズを幅0.1〜1,500mm・厚さ0.1〜20mmまで揃え、酸化被膜・ドロス除去専用の「BlackLine」も持つ。相模原のショールームに11機種を展示し、持ち込みワークでのテスト加工とオンラインデモに対応している。
鋳物・鍛造品の自動化(ロボット)なら
株式会社クロイツ
バリ取りロボット専業。工作機械と同じGコードで動く
バリ取りロボット専業で、ロボット本体・工具・ツーリング・周辺機器を一社で製造する。アルミダイカスト・鉄鋳物・ギア・鍛造品の製作事例を機種別に公開し、5軸CNC制御でGコードと3D CAD/CAMに対応する「BARISTA」も持つ。
小物・薄物を大量に処理するなら
新東工業株式会社
1mmの薄物から一括処理。テスト加工も量産加工も受ける
回転・振動・遠心・流動と全種類のバレル研磨機を揃え、厚さ1mmの薄物や小物の大量バリ取りに対応する。公式事例ではスラストレースやクラッチプレートの面粗さ改善を数値で示し、加工サービス「ロルコセンター」でテスト加工・試作・量産加工まで受ける。
条件に合うメーカーから提案を受ける
用途・数量・納期・予算を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載メーカーへ匿名で概要をお伝えし、対応可能なメーカーからの連絡をおつなぎします。費用はかかりません。