AI-OCR · 用途別
FAXで届く注文書をAI-OCRで受注データにする|取引先ごとの書式、受け口、受注システムへの流し方【2026年版】
卸や製造業では、取引先からFAXで届く注文書の入力がいまも大きな手間です。掲載各社の公式情報をもとに、FAX注文書に向くAI-OCR、FAXの受け口の作り方、RPAやkintone、APIでの受注システムへの流し方、マスタ照合での修正の減らし方を整理しました。
取引先からのFAX注文書を見ながら、受注システムに1件ずつ打ち込む。この作業は、AI-OCRで減らしやすい業務の一つです。
ただし、FAXは画質が落ちやすく、取引先ごとに書式も違います。この記事では、FAX注文書に向く製品と、受注データにするまでの流れを整理します。
製品名と料金は、調査日時点で各社の公式サイトに書かれている内容です。受注担当が数人で、毎日数十枚以上のFAX注文書を入力している職場を想定しています。
FAX注文書の入力で起きていること
まず、FAX受注の現場でよく見かける手間を並べます。AI-OCRで減らせる部分と、残る部分を分けて考えてください。
- 取引先ごとに注文書の書式が違い、品番や数量の位置がばらばら
- FAXの画質が粗く、数字の0と8、1と7が読み違えやすい
- 手書きで数量を直した注文書が混ざる
- 品番が取引先独自の呼び方で、社内の商品コードに置き換える必要がある
- 入力のあと、別の担当者が注文書と突き合わせて確認している
AI-OCRが受け持つのは、注文書から文字を読み取るところです。品番の置き換えや確認は、マスタとの照合や確認画面の機能で減らします。
FAX注文書に向く製品
掲載各社のうち、FAXや注文書への対応を公式に書いている製品を並べます。提供形態とつなぎ方も合わせて見てください。
| 製品 | FAX・注文書への対応(公式の説明) | 提供形態 |
|---|---|---|
| AnyForm OCR | 取引先システムから出力された様々なレイアウトの注文書に対応。FAX受注と組み合わせたAnyForm OCR & FAX CTI Enterprise | オンプレミス |
| LINE WORKS PaperOn | FAX文字の読み取り。FAX・複合機からメールで届いたファイルをそのまま処理 | クラウド |
| らくにデジタル化 AI-OCR | 取引先ごとにレイアウトが違う注文書や納品書を、設定なしで読み取りkintoneへ | kintone環境が必要 |
| DynaEye 11 | AI-OCR版はFAX帳票の活字に対応 | オンプレミス |
| HBAクラウドOCR/AI | FAX等による受発注業務を自動化の例に挙げる | クラウド |
AnyForm OCRは、株式会社マルイのチェーンストア統一伝票や、エレコム サポート&サービス株式会社のFAX受注業務の事例を公式に載せています。同じ業種の事例があるかは、問い合わせの最初に聞いてみてください。
FAXの受け口をどこに作るか
FAX注文書をAI-OCRに渡すには、まず紙のFAXを画像にする必要があります。受け口の作り方は大きく3つです。
| 受け口 | 流れ | 関係する製品の機能 |
|---|---|---|
| FAXをメールで受ける | 複合機やFAXサービスで受信したFAXをメールで転送し、そのまま読み取る | LINE WORKS PaperOnのメール連携(FAX・複合機連携) |
| FAXサーバー・FAXサービス | FAXを画像のまま受け取り、OCRに流す | AnyForm OCRのFAXサービス連携、AnyForm FAX CTI |
| 紙で受けてスキャン | 紙のFAXをまとめてスキャナーで読み込む | どの製品でも可。仕分けの手間が残る |
紙で受けてスキャンする方法は、紙を扱う手間が残ります。受信の時点で画像にしておくと、紙の紛失も防げます。
受注システムへの流し方
読み取ったデータを受注システムに入れる方法も、製品によって違います。社内の受注システムの作りに合わせて選んでください。
- RPAで画面に入力する: AnyForm OCRはUiPath、Autoジョブ名人、AutoMateとの連携を案内。KBIはRPAロボパットとの組み合わせを紹介
- kintoneに直接入れる: らくにデジタル化 AI-OCRは、kintoneへデータを連携し、集計やピッキングなど後続の業務で使えるとしている
- APIでつなぐ: DX Suite、LINE WORKS PaperOn、GenOCRがAPIを提供
- CSVで取り込む: LINE WORKS PaperOnはCSVでの直接インポート・エクスポートが可能とFAQで回答
受注システムにCSVの取り込み口があるなら、CSVが一番手軽です。取り込み口がない古いシステムなら、RPAで画面に入力する方法が現実的です。
マスタとの照合で修正を減らす
FAX注文書では、読み取った品番や取引先名を、社内のマスタと照らし合わせて直す機能が効きます。公式に記載のある機能を並べます。
| 製品 | マスタとの照合(公式の説明) |
|---|---|
| AnyForm OCR | マスタ参照や明細の自動演算処理 |
| GenOCR | マスタ連携(複数マスタの登録、複数項目の照合) |
| AIRead | マスタ突合 |
| LINE WORKS PaperOn | マスターデータベースとの連携で情報の修正・補完 |
品番の読み違いは、マスタにない値として検出できれば、確認すべき行が一目で分かります。明細の金額を自動で計算して突き合わせる機能も、合計の読み違いに気づく助けになります。
FAXの画質と手書きの直しへの備え
FAXは送る側の機械と設定で画質が変わり、文字が潰れたりかすれたりします。画質の悪い注文書でも読めるかが、FAX受注では大事な比べどころです。
- LINE WORKS PaperOn: FAX文字、訂正印や二重線が入った文字の読み取りに対応すると説明
- らくにデジタル化 AI-OCR: 黒塗りの訂正、二重線の訂正、枠線に重なった文字を判断
- DynaEye 11: AI-OCR版はFAX帳票の活字に対応
受信側では、FAXの受信解像度を上げておくと読み取りやすくなることがあります。取引先に送信の設定をお願いできる場合は、あわせて相談してみてください。
社内に置くか、クラウドで使うか
FAX受注の仕組みは、社内のFAXサーバーや受注システムとのつながりで、置き場所の選び方が変わります。掲載各社の提供形態を並べます。
| 置き場所 | 製品 | 向く会社 |
|---|---|---|
| 社内(オンプレミス) | AnyForm OCR、DynaEye 11 | FAXサーバーや受注システムが社内にあり、外部に出したくない |
| クラウド | LINE WORKS PaperOn、HBAクラウドOCR/AI、DX Suite、GenOCR | FAXをメールで受けており、設備を増やしたくない |
| kintone上 | らくにデジタル化 AI-OCR | 受注や在庫をkintoneで管理している |
料金の公開状況も違います。LINE WORKS PaperOnはライト¥30,000/月で800回(年額契約・税抜き)と公開している一方、AnyForm OCRとらくにデジタル化 AI-OCRは問い合わせでの案内です。
取引先の上位10社の注文書から始める
FAX受注のAI-OCRは、すべての取引先を一度に移そうとすると設定が追いつきません。次の順で、効果の大きいところから始めてください。
- FAX注文書の枚数を取引先ごとに数え、上位10社を出す
- その10社の注文書を各数枚集め、手書きの直しがあるものも混ぜる
- 受け口(メール、FAXサーバー、スキャン)を決める
- トライアルで、読み取りからマスタ照合、受注システムへの取り込みまで通して試す
- 確認にかかった時間を、いまの入力時間と比べる
トライアルの段階で受注システムへの取り込みまで通しておくと、本番で詰まる箇所が早く見つかります。読み取りだけで判断せず、受注の登録が終わるまでの時間で比べてください。
上位の取引先だけでも、FAX注文書の多くを占めることがよくあります。そこで手間が減ることを確かめてから、残りの取引先に広げてください。
この記事に出てくるサービス
- AI inside 株式会社手書き・非定型を広く扱うなら
- アライズイノベーション株式会社提供形態を選びたいなら
- 株式会社ハンモックFAX受注を社内サーバーで回すなら
- 株式会社HBA電話サポート重視で始めるなら
- ジンベイ株式会社設定なしで非定型を読むなら
- LINE WORKS株式会社FAX・スマホで届く書類なら
- 株式会社PFU社外に出せない書類なら
- ヤマトシステム開発株式会社kintoneに直接入れるなら
参照元
よくある質問
FAXで届く注文書もAI-OCRで読めますか?
読めます。LINE WORKS PaperOnはFAX文字の読み取りとFAX・複合機からのメール連携、AnyForm OCRは取引先ごとのレイアウトの注文書とFAX受注の組み合わせ、DynaEye 11のAI-OCR版はFAX帳票の活字への対応を公式に説明しています。
読み取ったデータを受注システムに入れる方法は?
RPA、kintone、API、CSVの方法があります。AnyForm OCRはUiPathなどのRPA、らくにデジタル化 AI-OCRはkintone、DX SuiteやGenOCRはAPI、LINE WORKS PaperOnはAPIとCSVに対応しています。
品番の読み違いを減らすには?
社内のマスタと照合する機能が役立ちます。AnyForm OCRのマスタ参照、GenOCRのマスタ連携、AIReadのマスタ突合、LINE WORKS PaperOnのマスターデータベース連携などが公式に記載されています。
【用途別】AI-OCRおすすめ3選
手書きと非定型の書類を、量を増やしながらクラウドで読むなら
AI inside 株式会社
Lite 40,000円〜/月(税抜)から。生成AIの項目抽出で非定型にも対応し、オンプレミス版も選べる
DX Suiteの料金ページには、Lite(40,000円〜/月、初期費用0円、月無料枠18,000円分)、Standard(100,000円〜/月)、Pro(200,000円〜/月)が税抜で並ぶ。FAQでは手書きや、活字と手書きが混在した書類の読み取り、生成AIによる項目抽出での非定型書類への対応を説明し、オンプレミス版(AI inside Cube)とAPIの無償提供も案内している。
個人情報を含む書類を、社外のクラウドに出さずに読むなら
株式会社PFU
PC内でOCR処理を完結。処理量上限なしのプランもあり、60日間の無償トライアルで実帳票を試せる
DynaEye 11は、インストールしたPC内でOCR処理を完結するシリーズをそろえ、外部に情報を送る必要がないと説明している。年6,000ページまでのEntry Lite AI-OCRは初年度1,008,000円(税抜)、上限なしのEntry AI-OCRは初年度2,016,000円(税抜)と価格を公開し、全ての機能を60日間試せる無償トライアルがある。
月数百枚から、使った枚数だけ払って始めるなら
株式会社 ASAHI Accounting Robot 研究所
基本料15,000円/月+1枚15円(税抜き)。50枚まで期間の縛りなく無料、最低利用期間なし
AISpectの料金ページには、プラン1が基本料(月額)15,000円+1枚15円、プラン1000が基本料(月額)10,000円+1000枚毎10,000円、初期費用50,000円と税抜きで書かれている。読み取り可能帳票は定型・非定型・写真で、利用人数は無制限、1か月単位で使えて最低利用期間はない。50枚分の無料トライアルと、最長2か月の有償トライアルがある。
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