3比較ハブAI-OCR

AI-OCR · 用途別

自治体・個人情報を扱う業務のAI-OCR|LGWAN・オンプレミス・帳票テンプレートで選ぶ【2026年版】

住民の申請書や給与の書類など、個人情報を含む書類をAI-OCRで読むときは、書類を外に出さない仕組みが前提になります。掲載各社の公式情報から、LGWANに対応した製品、庁内・社内で処理を完結させる製品、自治体向けの帳票テンプレートと事例、クラウドを使う場合の確かめ方を整理しました。

公開 2026年10月1日

自治体の窓口や、人事・給与、保険の事務では、個人情報を含む手書きの書類を大量に扱います。AI-OCRで入力を減らしたくても、書類の画像を外部のクラウドに送れないことが多くあります。

この記事では、書類を外に出さない前提で、選べる製品と確かめる点を整理します。製品名と料金は、調査日時点で各社の公式サイトに書かれている内容です。

市区町村の窓口のほか、人事・給与、保険や金融の事務など、個人情報を含む書類を毎日扱う部署を想定しています。

個人情報を扱う業務で決めておくこと

製品を比べる前に、庁内や社内の規程で決まっていることを確かめておきます。ここが決まらないと、比べる製品の範囲が定まりません。

  • 書類の画像をインターネット上のサービスに送ってよいか
  • 作業する端末が、インターネットにつながるか、LGWANだけか
  • 読み取ったデータを、どこに、どのくらいの期間保存するか
  • 製品の提供会社に求める認証(ISO27001など)はあるか
  • 読み取ったデータが、提供会社のAIの学習に使われてよいか

これらの答えで、クラウド、LGWAN、オンプレミスのどれを選ぶかが決まります。情報システム部門や個人情報の担当者と、最初にすり合わせてください。

LGWANで使える製品

自治体の端末がLGWANにしかつながらない場合は、LGWANに対応した提供形態が必要です。掲載各社で公式に記載のある製品を並べます。

製品LGWANへの対応ほかの提供形態
AIReadAIRead on LGWAN(自治体・公共団体向け)クラウド、オンプレミス(サーバ・PC)
AIよみと~るLGWAN接続タイプ(NTT東日本)クラウド

AIReadは同じ製品で、クラウド、サーバ、PC、LGWANの4つの形を用意しています。庁内の部署ごとに置き場所を変えたい場合にも比べやすい製品です。

庁内・社内で処理を完結させる製品

LGWANを使わずに、庁内や社内のPC・サーバーで読み取りを完結させる方法もあります。オンプレミスの提供形態を公式に案内している製品は次のとおりです。

製品オンプレミスの形と公式の説明
DynaEye 11インストールしたPC内でOCR処理を完結。60日間の無償トライアル
AIReadサーバ版とPC版。オンプレミス版は外部ネットワークから遮断して運用できるとFAQで回答
GenOCRオンプレミス版は画像や文書を外部に送らず社内サーバーだけで完結とFAQで回答
SmartReadオンプレミス版240万円~/年(税抜き)
スマートOCRオンプレミス(ライセンス)。GPUを搭載した指定構成のサーバーを用意
DX SuiteAI inside Cube(顧客環境に専用筐体を設置)
AnyForm OCRオンプレミス構成。手書き日本語のAI OCRオプションはインターネット環境が必要

AnyForm OCRのように、一部のオプションで外部と通信する製品もあります。使う機能をすべて挙げて、外部通信の有無を問い合わせてください。

自治体向けの帳票テンプレートと事例

自治体の帳票は、申請書や届出書など様式が決まったものが多く、テンプレートがあると立ち上げが早くなります。公式に記載のある取り組みを並べます。

  • DynaEye 11: 手書き項目が多い自治体向け帳票のOCR定義テンプレートを無料で提供
  • DynaEye 給与支払報告書OCR: 自治体・BPO業務向けの帳票特化型AI-OCR
  • DynaEyeの事例: 南阿蘇村役場(アンケート集計など)、留萌市役所(給与支払報告書の読み取り)を公式に掲載
  • AIRead: 鹿児島県国民健康保険団体連合会の事例をトップページに掲載

同じ種類の帳票を扱った事例があれば、設定や運用の進め方を具体的に聞けます。問い合わせの際に、近い事例があるかを尋ねてください。

クラウドを使う場合に確かめること

規程上クラウドを使える場合でも、提供会社の取り組みは確かめておきます。今回の調査で公式に記載を確認できた内容を並べます。

製品公式に記載のある内容
DX Suite運営会社がISO27001、ISO27017を取得
SmartReadISO/IEC 27001、ISO/IEC 27017、プライバシーマーク
スマートOCRISO27001、ISO27017(クラウドサービス)。データベース・ストレージは企業ごとに分けて運用
PATPOSTISMS(ISO/IEC 27001:2022)、ISO/IEC 27017:2015
GenOCRISO/IEC 27001(ISMS)
AIRead顧客のデータを同社のAI学習に利用しないとFAQで回答

認証の記載がない製品も、問い合わせれば資料を出してくれることがあります。認証の対象範囲がサービスの運用まで含むかも合わせて確かめてください。

オンプレミスの費用は複数年で比べる

オンプレミスの製品は、初年度と2年目以降で費用の形が変わります。公式の価格から、3年間の費用を出すと次のようになります。

製品公式の価格3年間の合計の目安
DynaEye 11 Entry Lite AI-OCR初年度1,008,000円、2年目以降168,000円/年(税抜)1,344,000円(税抜)
AIRead Stand-alone¥1,320,000/PC(初年度サポート込み)、次年度以降の年間サポート¥264,000(いずれも税込)¥1,848,000(税込)
SmartRead オンプレミス版240万円~/年(税抜き)。プランの年額とは別に保守費用が必要720万円~(税抜き、保守費用は別)

税込と税抜が混ざっているので、そろえてから比べてください。処理できる量(DynaEye 11 Entry Liteは年6,000ページまで)も製品ごとに違うため、年間の枚数とあわせて見てください。

季節で量が跳ねる書類への備え

給与支払報告書や申請の受付のように、特定の時期に書類が集中する業務があります。量の山に合わせて、上限の考え方を確かめておきます。

  • DynaEye 11 Entry AI-OCR: 処理量の上限なしの年間ライセンス
  • DynaEye 給与支払報告書OCR: 給与支払報告書に特化した製品
  • SmartRead: 年額の利用量設定で、月々の利用量の変動による超過料金はない
  • AIよみと~る: 月の読取金額の上限を超えた分は従量

月額の枠で払う製品は、山の月だけ超過が膨らむことがあります。年間の枚数と月ごとの山の両方を出してから、料金の形を選んでください。

調達の仕様書に書いておく項目

自治体や大きな組織では、AI-OCRを入札や見積合わせで選ぶことがあります。仕様書に次の項目を入れておくと、提案を同じ条件で比べられます。

  • 提供形態(LGWAN、オンプレミス、クラウド)と、外部通信の有無
  • 読み取る帳票の種類と年間の枚数、手書きの割合
  • 読み取ったデータの保存場所、保存期間、AI学習への利用の有無
  • 求める認証と、その対象範囲
  • トライアルや読み取りテストの実施(実際の帳票を使う)
  • 年間ライセンスの場合は、2年目以降の継続費用

読み取りテストの帳票は、実際の申請書や届出書の写しを使い、個人情報の部分の扱いを提案者と取り決めてから渡してください。テストの結果を提案書に添えてもらうと、比べる材料がそろいます。

DynaEye 11のように初年度と2年目以降で費用が変わる製品もあるため、複数年の総額で比べる条件にしておくと公平です。

この記事に出てくるサービス

参照元

よくある質問

LGWANで使えるAI-OCRはありますか?

AIReadはAIRead on LGWAN、NTT東日本のAIよみと~るはLGWAN接続タイプを用意しています。LGWANを使わず、庁内のPCで処理を完結させるDynaEye 11のようなオンプレミス製品も選択肢です。

書類を外部に送らずにAI-OCRを使えますか?

オンプレミスの製品なら使えます。DynaEye 11はPC内でOCR処理を完結し、GenOCRのオンプレミス版は社内サーバーだけで完結、AIReadのオンプレミス版は外部ネットワークから遮断して運用できると公式に説明しています。

自治体の帳票にすぐ使えるテンプレートはありますか?

DynaEye 11は、手書き項目が多い自治体向け帳票のOCR定義テンプレートを無料で提供しています。給与支払報告書に特化したDynaEye 給与支払報告書OCRもあります。

【用途別】AI-OCRおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

手書きと非定型の書類を、量を増やしながらクラウドで読むなら

AI inside 株式会社

Lite 40,000円〜/月(税抜)から。生成AIの項目抽出で非定型にも対応し、オンプレミス版も選べる

DX Suiteの料金ページには、Lite(40,000円〜/月、初期費用0円、月無料枠18,000円分)、Standard(100,000円〜/月)、Pro(200,000円〜/月)が税抜で並ぶ。FAQでは手書きや、活字と手書きが混在した書類の読み取り、生成AIによる項目抽出での非定型書類への対応を説明し、オンプレミス版(AI inside Cube)とAPIの無償提供も案内している。

AI inside 株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

個人情報を含む書類を、社外のクラウドに出さずに読むなら

株式会社PFU

PC内でOCR処理を完結。処理量上限なしのプランもあり、60日間の無償トライアルで実帳票を試せる

DynaEye 11は、インストールしたPC内でOCR処理を完結するシリーズをそろえ、外部に情報を送る必要がないと説明している。年6,000ページまでのEntry Lite AI-OCRは初年度1,008,000円(税抜)、上限なしのEntry AI-OCRは初年度2,016,000円(税抜)と価格を公開し、全ての機能を60日間試せる無償トライアルがある。

株式会社PFUの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

月数百枚から、使った枚数だけ払って始めるなら

株式会社 ASAHI Accounting Robot 研究所

基本料15,000円/月+1枚15円(税抜き)。50枚まで期間の縛りなく無料、最低利用期間なし

AISpectの料金ページには、プラン1が基本料(月額)15,000円+1枚15円、プラン1000が基本料(月額)10,000円+1000枚毎10,000円、初期費用50,000円と税抜きで書かれている。読み取り可能帳票は定型・非定型・写真で、利用人数は無制限、1か月単位で使えて最低利用期間はない。50枚分の無料トライアルと、最長2か月の有償トライアルがある。

株式会社 ASAHI Accounting Robot 研究所の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

手元の帳票に合うAI-OCRを、無料で相談する

読みたい書類の種類(請求書・申込書・FAX注文書など)、月の枚数、手書きの割合、社外のクラウドに出せるかどうか、つなぎたいシステム(会計ソフト・RPA・kintoneなど)を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載会社へ匿名で概要を伝え、トライアルや読み取りテストの窓口をおつなぎします。費用はかかりません。

無料で相談する

関連記事