自動ドア · 基礎知識
防火設備の自動ドアと定期報告|遮炎性能・感知器連動・建築基準法12条【2026年版】
防火設備用自動ドアは、加熱開始後20分間の遮炎性能を持つ国土交通大臣認定の防火戸です。全国自動ドア協会加盟各社の認定仕様、防火区画の危害防止機構(施行令112条19項)、建築基準法12条の定期報告の流れ、防火戸を扱う会社を整理しました。
ビルの入口や区画の境に置く自動ドアには、火災時に炎を止める役割が求められる場合があります。この場合の自動ドアは「防火設備」として、通常の引戸とは別の性能と点検制度の対象になります。
このページでは、遮炎性能の中身、加盟各社が使う認定仕様、感知器連動と危害防止機構、建築基準法12条の定期報告、そして防火戸を扱う会社を整理します。
防火設備用自動ドアの定義:遮炎性能20分の大臣認定品
防火設備用自動ドアは、建築基準法施行令第109条の2が定める遮炎性能を持つ、国土交通大臣認定の防火戸です。全国自動ドア協会の解説に基づくと、要点は次のとおりです。
- 遮炎性能:加熱開始後20分間、加熱面以外の面に火炎を出さない
- 設置義務:防火地域・準防火地域の延焼のおそれのある部分の開口部には防火戸の設置が義務
- 通常時の動き:ナブテスコのナブコ防火戸は通常は引戸自動ドアとして動き、火災時に自動閉鎖する
つまり、普段は普通の自動ドアとして使い、火災時にだけ防火戸として働く製品です。ガラスは特殊耐熱板ガラス、フレームはステンレスまたはスチールが使われます。
加盟各社が共通で使う2つの認定仕様
全国自動ドア協会加盟各社は、共通の大臣認定を受けた2つの仕様を用意しています。2002年2月1日認定で、カーテンウォール・防火開口部協会に登録されています。
| 認定番号 | 仕様 |
|---|---|
| EB-9108 | アルミニウム合金製引き自動ドア |
| EB-9133 | 耐熱板ガラス入り鋼製引き自動ドア |
加盟各社が同じ認定仕様を使うため、防火戸としての性能はメーカー間で共通の土台があります。違いは駆動装置・センサー・保守体制に出ます。
EB-9108はアルミニウム合金製、EB-9133は耐熱板ガラス入りの鋼製です。建物の外観をアルミサッシでそろえるか、ガラス面を大きく取るかで、どちらの仕様を使うかが変わります。
認定番号は仕様書と見積に記載してもらってください。検査や定期報告のときに、設置した防火戸がどの認定に基づくかを示す根拠になります。
シャッターメーカーは別の認定を持っています。大和シヤッターは鋼製片開き戸と鋼製シャッターの複合防火設備でCAS-0306の大臣認定を受けていると公式サイトに記載しています。
防火区画に置く場合の「危害防止機構」と感知器連動
建築基準法施行令第112条第19項(旧第14項)は、防火区画に用いる特定防火設備・防火設備の構造を定めています。
- 閉鎖または作動をするに際して周囲の人の安全を確保できる構造(危害防止機構)とする
- 感知器連動のものは、煙・温度上昇で自動閉鎖する
- 日本シヤッター・ドア協会は、防火シャッター・防火扉の定期点検を6ヶ月に1回以上推奨
入口の防火戸は延焼防止、区画の防火設備は火災の拡大防止と役割が違います。どちらに該当するかで、必要な認定と点検制度が変わります。
三和シヤッターのAutoa(ハンドルレス電動アシストドア)は防火/遮炎対応、ファイヤードVは耐熱強化ガラス入り特定防火設備で防火/遮炎と防煙/遮煙に対応すると公式サイトに記載しています。
建築基準法12条の定期報告:誰が検査し、どこへ報告するか
2016年6月1日施行の改正建築基準法により、防火設備の定期報告制度が始まりました。日本シヤッター・ドア協会と法令の記載に基づいて整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 国や特定行政庁が指定する建築物の、感知器連動で作動する防火シャッター・防火扉・耐火クロススクリーン等 |
| 義務者 | 建築物の所有者・管理者 |
| 検査者 | 一級・二級建築士、または防火設備検査員(国土交通大臣登録講習の修了者に資格者証を交付) |
| 報告先 | 特定行政庁 |
| 頻度 | 定期(特定行政庁の指定による) |
入口の自動ドアの保守契約と、防火設備の定期報告は別の制度です。保守契約を結んでいても、定期報告が自動的に行われるわけではありません。
日本自動ドアは「国土交通大臣認定防火設備自動ドア開閉機構」を対応ドアに載せています。感知器連動で閉鎖する機構を持つ自動ドアは、定期報告の対象になる可能性があります。
防火戸を扱う会社と定期報告への対応
31社の公式サイトから、防火設備の自動ドア・防火戸を扱う会社と、定期報告制度への対応記載を整理しました。
| 会社 | 防火設備に関する公式記載 |
|---|---|
| ナブテスコ(NABCO) | ナブコ防火戸(特定防火設備)。ステンレス又はスチールフレーム+特殊耐熱板ガラス |
| ナブコシステム | 防火戸を扱い、防火設備定期検査制度の案内を掲載 |
| ナブコドア・オリエント産業 | 防火戸(ナブコ防火戸)を対応ドアに記載 |
| 日本自動ドア | 国土交通大臣認定防火設備自動ドア開閉機構 |
| 寺岡オート・ドアシステム | 特定防火設備自動ドア |
| フルテック | ステンレス・スチール防火設備 |
| 寺岡オートドア | 防火設備を対応ドアに記載 |
| 三和シヤッター工業 | ファイヤードV(耐熱強化ガラス入り特定防火設備)、Autoa(防火/遮炎)。防火設備定期検査報告制度への対応ページ |
| 文化シヤッター・文化シヤッターサービス | 耐熱ガラス入り特定防火設備。防火設備検査員と防火シャッター・ドア保守点検専門技術者が対応、定期報告制度対応 |
| 大和シヤッター | 複合防火設備CAS-0306、防火・防煙シャッターB-75/B-75N |
| 金剛産業 | 防火防熱扉レッドヒートバリア |
定期報告への対応を公式に明記しているのは、ナブコシステム・三和シヤッター・文化シヤッター(グループの文化シヤッターサービスを含む)です。他社は問い合わせで確認してください。
新設・改修時に設計者と決めておくこと
防火設備の自動ドアは、設計段階で用途と制度を決めておかないと、後から認定の取り直しや報告漏れが起きます。次の順で確認してください。
- その開口部が「延焼のおそれのある部分」か「防火区画」かを設計図で確認する
- 必要なのが防火設備か特定防火設備かを決め、認定番号(EB-9108/EB-9133など)を仕様書に記す
- 感知器連動で閉鎖するかを決める。連動する場合は12条の定期報告の対象になり得る
- 閉鎖時の危害防止機構(施行令112条19項)の仕組みを確認する
- 定期報告の検査者(建築士・防火設備検査員)と報告先を決め、保守契約とは別に費用を見込む
感知器と自動ドアの連動は、自動ドア会社と消防設備の会社の両方が関わります。窓口を一本化して調整してもらうと工程が短くなります。
この記事に出てくるメーカー
- 文化シヤッターサービス株式会社防火設備の点検・報告ならここ
- 文化シヤッター株式会社全国拠点のシャッター大手
- 大和シヤッター株式会社関西の防火シャッター、他社製も直す
- フルテック株式会社遠隔監視保守なら第一候補
- 日本自動ドア株式会社製品幅と直営保守のバランス型
- 金剛産業株式会社(KONGO)産業用オーバードアーの本命
- ナブコドア株式会社(NABCO西日本地区総代理店)西日本のNABCO窓口
- ナブテスコ株式会社(NABCO 自動ドア)迷ったらまずここ
- ナブコシステム株式会社(NABCO東日本地区総代理店)東日本のNABCO窓口
- オリエント産業株式会社(NABCO九州・沖縄地区総代理店)九州・沖縄のNABCO窓口
- 三和シヤッター工業株式会社全国一括ならシャッター最大手
- 寺岡オート・ドアシステム株式会社医療・研究の特殊ドアに強い
参照元
よくある質問
防火戸の自動ドアは普段も防火戸として閉まっているのですか?
いいえ。ナブテスコのナブコ防火戸は、通常は引戸自動ドアとして動き、火災時に自動閉鎖すると公式サイトに記載しています。遮炎性能は建築基準法施行令第109条の2が定める「加熱開始後20分間、加熱面以外の面に火炎を出さない」性能で、国土交通大臣認定品が使われます。
自動ドアも建築基準法12条の定期報告が必要ですか?
感知器連動で作動する防火扉・防火シャッター等の防火設備は、2016年6月1日施行の改正で定期報告の対象になりました。所有者・管理者が一級・二級建築士または防火設備検査員に検査させ、特定行政庁へ報告します。通常の入口の引戸で防火設備に該当しないものは対象外です。
防火シャッターの点検は何ヶ月ごとですか?
日本シヤッター・ドア協会は防火シャッター・防火扉の定期点検を6ヶ月に1回以上推奨し、防火シャッター・ドア保守点検専門技術者への委託を案内しています。文化シヤッターサービスは同資格者と防火設備検査員が対応すると公式サイトに記載しています。
【用途別】自動ドアメーカーおすすめ3選
店舗・ビル・公共施設の入口を新設・更新するなら
ナブテスコ株式会社(NABCO 自動ドア)
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引戸の開閉装置は軽量から超重量まで5クラス、防火戸・気密遮音・回転ドア・高速シートドアまで一社でそろう。次世代標準機NATRUSは安全規格JIS A 4722に準拠し、開閉ごとの安全試験機能を持つ。羽田空港・JR博多駅・虎ノ門ヒルズなどの施工事例を公式に載せ、東日本はナブコシステム、西日本はナブコドアなど全国16社の正規販売施工会社が保守を担う。
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業界でいち早く24時間365日の修理受付と、IoT遠隔モニタリングによる自動ドア保守を始めたと公式に掲げる。技術者は全員正社員で、自動ドア施工技能士の指導のもと全国自動ドア協会の安全ガイドラインに沿って点検する。JIS A 4722対応の保守契約プランを用意し、札幌から福岡まで拠点を持つ。渋谷ヒカリエ・平塚市本庁舎などの事例を公開。
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