業務用焼却炉 · 用途別
医療系・感染性廃棄物と紙おむつ・汚物を焼却する|対応する炉と確かめるべき点
病院・介護施設・処理業者が医療系廃棄物や紙おむつ・汚物の焼却を検討する場合に、対応をうたう炉と確かめるべき点を、クマガワ・インシナー工業・アクトリーなどの公式記載で整理します。
医療系の廃棄物は、感染のおそれがあるものを含むため、一般のごみとは扱いが違います。焼却炉を選ぶ前に、何をどの立場で燃やすのかをはっきりさせる必要があります。
このページでは、医療系廃棄物や紙おむつ・汚物の焼却について、公式に記載のある炉と、確かめるべき点を整理します。
医療系・汚物向けの炉を持つ会社
| メーカー | 機種・記載(公式) |
|---|---|
| クマガワ | 特管物処理炉(医療廃棄物等):燃焼能力100kg/h、直接燃焼方式。医療系廃棄物(特に胞衣産汚物)を焼却処理する小型焼却炉と記載 |
| インシナー工業 | 沿革に紙おむつ・小型汚物焼却炉KBX型(2001年に開発)。現在の製品ページではKBX型を小動物焼却炉として掲載し、KBX-50Sの火葬能力の目安は22kg/h。特殊焼却炉の使用先に介護施設等を挙げる |
| エターナルビジョン | 処理対象に医療廃棄物(プラスチック製医療器具・ガーゼ・脱脂綿等)を挙げ、収集容器のまま装入して密閉状態で焼却することが望ましい医療系廃棄物に最適と説明 |
| インシナー工業 | 沿革に、1990年に医療廃棄物専焼炉HOS型を発売と記載(現行の製品ページでは確認できず) |
| アクトリー | 感染症廃棄物を有姿のまま自動で運搬・投入できるシステムを付加できる |
まず立場と区分を整理する
医療系の廃棄物を燃やすときは、自分の施設から出たものを自分で燃やすのか、処理業として他人のものを受け入れるのかで、必要な手続きが大きく変わります。どちらの場合も、設置場所の自治体に計画の段階で相談します。
| 立場 | 確かめること |
|---|---|
| 病院・介護施設が自施設で燃やす | 焼却する廃棄物の区分、施設の規模と手続き、近隣への説明 |
| 処理業者が受け入れて燃やす | 処理業の許可、施設の許可、受け入れる廃棄物の区分 |
| 紙おむつ・汚物のみ | 一般のごみと同じ扱いになるか、自治体の判断 |
感染性のものを人が触らずに入れる
感染のおそれがあるものは、袋や容器を開けずに、そのまま炉に入れられる仕組みが望まれます。アクトリーは、感染症廃棄物やドラム缶を有姿のまま自動で運搬・投入できるシステムを付けられると書いています。
- 容器ごと投入できるか
- 投入の前後に人が触れる工程がどこに残るか
- 投入口の扉が外気と遮断された構造か
- 保管場所から炉までの動線
燃やし切るための構造
医療系や汚物は水分が多く、燃え残りやにおいが問題になりやすいごみです。燃焼室の構造と温度の管理を、メーカーの説明で確かめます。
| 確かめる点 | 公式記載の例 |
|---|---|
| 燃焼方式 | クマガワの特管物処理炉は直接燃焼方式 |
| 二次燃焼 | インシナー工業はガス化させた未燃ガスを燃焼室の高温で燃やすと説明(大型動物炉) |
| 温度 | アクトリーのR&Dセンターでは800℃以上で焼却 |
| 排ガス処理 | アクトリーのR&Dセンターは減温塔・活性炭・バグフィルタを持つ |
許可施設の基準も確かめる
処理業として受け入れる規模の施設は、許可施設としての構造・維持管理基準がかかります。環境省が掲載する1997年の改正概要では、燃焼ガスを800℃以上で2秒以上滞留させることや、排ガス中のダイオキシン濃度を年1回以上測定することなどが挙げられています。
- 燃焼ガス800℃以上・2秒以上の滞留(許可施設の構造基準の主なもの)
- 燃焼ガス温度と一酸化炭素濃度の連続測定・記録
- ばいじんを焼却灰と分離して排出・貯留
- 焼却灰の熱しゃく減量10%以下
紙おむつ・汚物の焼却
介護施設や病院で毎日出る紙おむつは、量が多く水分を含みます。インシナー工業は沿革に2001年の紙おむつ・小型汚物焼却炉KBX型の開発を載せ、特殊焼却炉の使用先に介護施設等を挙げています(現在の製品ページではKBX型を小動物焼却炉として掲載)。
- 1日に出る量と、水分の多さ
- 燃やす時間帯(夜間に運転できるか)
- においと煙への近隣の受け止め
- 灰の量と処分先
自施設で燃やすか委託するかの判断
医療系の廃棄物は、専門の処理業者に委託する方法もあります。焼却炉を持つかどうかは、量・費用・手続き・近隣への配慮を合わせて判断します。
| 比べる項目 | 自施設で焼却 | 委託 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 炉と付帯工事が必要 | 不要 |
| 手続き | 施設の手続き、測定の負担 | 委託契約と管理票 |
| 日々の手間 | 運転・清掃・灰の処分 | 保管と引き渡し |
| 近隣 | 煙とにおいへの配慮 | 施設内の保管のみ |
見積の前にメーカーに伝えること
- 燃やす廃棄物の種類と区分(医療系・紙おむつ・汚物など)
- 1日と最大の日の量
- 自施設の処理か、処理業か
- 投入の方法(容器ごとか)
- 設置場所と、周辺の建物との距離
医療系の焼却で起きやすい失敗
医療系や汚物の焼却は、ほかのごみより失敗の影響が大きくなります。計画の段階で、次の失敗を避ける手立てを考えます。
| 失敗 | 防ぎ方 |
|---|---|
| 手続きの確認が後回しになる | 炉を選ぶ前に自治体に相談する |
| においや煙で近隣から苦情 | 二次燃焼や温度の管理ができる炉を選ぶ |
| 燃え残りが出る | 水分の多さに合う能力と方式を選ぶ |
| 保管中の衛生 | 燃やすまでの保管場所と期間を決める |
メーカー以外に相談する先
- 設置場所の都道府県・政令市の廃棄物担当
- 市町村の環境担当(条例の確認)
- 消防(設置の届出)
- 医療系廃棄物の処理業者(委託との比較)
開邦工業のように、特別管理産業廃棄物管理責任者講習会の修了者やダイオキシン類関係公害防止管理者などの資格者を抱える会社もあります。保守を頼む会社の体制も、あわせて確かめておくと安心です。
紙おむつの量を見積もる
介護施設では、紙おむつの量が毎日ほぼ一定で出ます。量を見積もるときは、重さが水分で大きく変わることに気をつけます。
| 見積もる項目 | 考え方 |
|---|---|
| 1日の重さ | 使用後の重さで量る |
| 燃やす回数 | 1日1回か、複数回か |
| 保管 | 燃やすまでの保管場所とにおい対策 |
| 灰 | 灰の量と処分先 |
炉を選ぶ前の質問リスト
- 燃やす廃棄物の区分は、自治体の判断ではどうなるか
- 炉の能力は、水分の多いごみを前提にした数字か
- 容器ごと投入できるか
- 二次燃焼や温度の管理はどうなっているか
- 保守と部品の窓口はどこか
医療系の焼却で比べる表
| 比べる項目 | クマガワ 特管物処理炉 | インシナー工業 KBX型 | アクトリー |
|---|---|---|---|
| 対象 | 医療系廃棄物(胞衣産汚物など) | 紙おむつ・汚物 | 感染症廃棄物(自動投入システム) |
| 規模 | 燃焼能力100kg/h | KBX-50Sは火葬能力目安22kg/h | 許可施設クラスのプラント |
| 方式 | 直接燃焼 | 縦型構造の高性能ガス化焼却炉と記載 | ストーカ炉(R&Dセンターの例) |
自施設で燃やす場合の運用
自施設で焼却を始める場合は、運転する人と手順を決め、記録を残します。医療系の廃棄物は、保管から焼却までの流れを、ほかのごみと分けて管理します。
- 保管場所を決め、ほかのごみと分ける
- 焼却する担当者と時間を決める
- 燃やした量と温度の記録を残す
- 灰の量と処分の記録を残す
保守を頼む会社の選び方
| 確かめること | 理由 |
|---|---|
| 近くに点検に来られるか | 止まると保管が増える |
| 部品の手に入りやすさ | 専用の炉は部品が限られる |
| 解体・撤去も頼めるか | 将来の入れ替えに備える(インシナー工業は解体・移設工事も行う) |
委託と自施設の焼却を組み合わせる
すべてを自施設で燃やす必要はありません。量の多い紙おむつだけを自施設で燃やし、感染性のものは処理業者に委託するなど、組み合わせる方法もあります。
| 廃棄物 | 組み合わせの例 |
|---|---|
| 紙おむつ・汚物 | 自施設の焼却炉で処理(自治体の判断を確認) |
| 感染性廃棄物 | 専門の処理業者に委託 |
| 一般のごみ | 市町村の収集や処理業者 |
組み合わせる場合も、それぞれの区分と手続きを自治体に確かめてから決めます。量や費用の見通しが変わったら、組み合わせ方も定期的に見直します。
委託先と自施設の両方で記録を残しておくと、監査や問い合わせにも答えやすくなります。
専門のメーカーに当たる順番
医療系廃棄物の炉は、製品として常に並べている会社が限られます。現行機種の有無と実績を、最初の問い合わせで確かめます。
| 状況 | 最初に問い合わせる会社 |
|---|---|
| 小型の医療系焼却炉(100kg/h程度) | クマガワ |
| 紙おむつ・汚物を介護施設で | インシナー工業 |
| 処理業として感染症廃棄物を受け入れる | アクトリー |
この記事に出てくるメーカー
- 株式会社アクトリー産廃の許可プラントを一貫で
- 株式会社エターナルビジョン一括投入のガス化方式
- インシナー工業株式会社動物・汚物など特殊な焼却に
- 株式会社開邦工業自治体施設の保守まで
- 株式会社クマガワ中規模の産廃・医療系に
参照元
よくある質問
病院で医療廃棄物を自分で焼却できますか?
施設の規模や廃棄物の区分によって手続きが変わります。焼却炉を検討する前に、設置場所の自治体に相談してください。炉としては、クマガワが燃焼能力100kg/hの特管物処理炉を案内しています。
紙おむつを燃やせる焼却炉はありますか?
インシナー工業は沿革に2001年の紙おむつ・小型汚物焼却炉KBX型の開発を載せ、特殊焼却炉の使用先に介護施設等を挙げています。現在の製品ページではKBX型を小動物焼却炉として掲載しているため、紙おむつに使えるかは問い合わせで確かめてください。KBX-50Sの火葬能力の目安は22kg/hです。
感染症廃棄物を容器ごと燃やせますか?
アクトリーは、感染症廃棄物やドラム缶を有姿のまま自動で運搬・投入できるシステムを焼却炉に付加できると書いています。
【用途別】業務用焼却炉メーカーおすすめ3選
工場・事業所の紙くず・木くず・廃プラを小型炉で、自社のごみで試してから選ぶなら
DAITO株式会社
瀬戸市の展示場で持ち込みごみの燃焼テスト。廃プラ対応・お寺様用・届出必要モデルまで
焼却炉展示場に多数の炉を常時展示し、持ち込んだごみを実際に燃やして燃焼・煙・灰の状態を確かめられる(来場は電話予約)。各地の実演会でも実機を展示・実演している。製品は廃プラ対応・万能用・生ゴミ・動物用・お寺様用・届出必要モデルに分かれ、廃プラ対応のISR・LSR・LSZモデル、紙くず・木くず用のLSZ-600モデル、埼玉県条例適合モデルまである。構造基準適合保証をうたい、修理メンテナンスも事業内容に挙げる。
産業廃棄物処理業の許可プラントを、申請から保守まで1社に任せるなら
株式会社アクトリー
申請支援・設計・製造・据付・試運転・アフターサービスを自社一貫。R&Dセンターで3炉を見学できる
産廃向け焼却炉などの環境関連プラントを、行政への申請の支援から設計・製造・据付・試運転・アフターサービスまで自社一貫で請け負う。自社工場で作ったブロックを現地で組み上げて工期を短くし、感染症廃棄物やドラム缶を有姿のまま運搬・投入するシステムも付けられる。R&Dセンターでは焼却プラント3炉を24時間稼働させ、廃熱ボイラ(発電能力770kw)やバグフィルタを見学できる。
動物・汚物・塔婆など特殊なものを焼却するなら
インシナー工業株式会社
全自動のガス化小型炉から、牛一頭を投入できる大型動物炉、紙おむつ・汚物炉、ペット火葬炉まで
小型焼却炉JX型・FX型はごみを入れてボタンを押すだけの全自動運転で、木くず・紙くず・段ボール・塔婆を対象に挙げる(JX-3は16kg/h・火床面積0.29m²、FX型は15〜25kg/h)。特殊焼却炉ではAKS型が牛一頭を丸ごと引き込み投入でき能力180kg/h、紙おむつ・小型汚物焼却炉KBX型、ペット火葬炉PET型・PSM型もある。保守点検と現地解体・移設工事も行う。
自社のごみに合う焼却炉を、無料で相談する
燃やしたいもの(木くず・紙くず・廃プラ・動物・汚物など)、1日の量と最大の日の量、置き場所の広さと周りの建物との距離、今の処理方法を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載メーカーへ匿名で概要を伝え、展示場・実演・見積の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。