業務用焼却炉 · 用途別
産業廃棄物処理業の焼却施設を計画する|許可施設クラスの焼却プラントと熱回収・発電
産業廃棄物処理業者や大規模工場が許可施設クラスの焼却プラントを計画する場合のメーカー選びを、アクトリー・キンセイ産業・タクマ・クマガワ・近藤設備設計の公式記載と、環境省の資料で整理します。
産業廃棄物の処理業として焼却施設を持つ場合、施設は許可の対象になり、構造と運転に細かな基準がかかります。設計・申請・建設・運転のすべてで、メーカーとの付き合いが長くなります。
このページでは、許可施設クラスの焼却プラントを扱う掲載社と、計画の進め方を整理します。
許可施設クラスを扱う会社
| メーカー | 扱う範囲(公式記載) |
|---|---|
| アクトリー | 産廃向け焼却炉など環境関連プラントを、行政への申請の支援・設計・製造・据付・試運転・アフターサービスまで自社一貫 |
| キンセイ産業 | 産業廃棄物焼却プラント、各種焼却装置、汚泥乾燥装置、廃熱ボイラーの企画・設計・制作・施工・保守管理 |
| タクマ | 産業廃棄物処理プラントをオーダーメイドで設計・建設し、メンテナンスまで対応 |
| クマガワ | KGH-600型(600kg/h未満、産業廃棄物処理業者向け)、二段燃焼式KGD(550kg/h未満) |
| 近藤設備設計 | 産業廃棄物焼却処理装置(スラッジ・廃液・一般雑芥)と排ガス処理装置 |
許可施設に求められる設備
環境省が掲載する1997年の改正概要では、許可施設の構造基準として、定量ずつ連続的に投入できる供給装置、800℃以上で2秒以上の滞留、冷却設備、高度の排ガス処理設備などが挙げられています。プラントは焼却炉だけでなく、これらの設備の組み合わせになります。
| 設備 | アクトリーR&Dセンターの例(公式記載) |
|---|---|
| 焼却炉 | ストーカ炉(800℃以上で焼却) |
| 投入 | ドラム缶自動投入装置 |
| 熱回収 | 廃熱ボイラ(発電能力770kw) |
| 冷却 | 減温塔(200℃以下に急冷してダイオキシン類の再合成を防止) |
| 排ガス処理 | 消石灰タンク・活性炭タンク、バグフィルタ(約500本の濾布) |
燃焼方式で比べる
許可施設クラスでも、連続で燃やすか、一括投入で燃やすかで方式が分かれます。
- タクマ:一般廃棄物処理プラントにストーカ式焼却炉、ガス化溶融炉・灰溶融炉
- アクトリー:R&Dセンターでストーカ炉を運転
- キンセイ産業:乾溜ガス化炉に一括投入し、外気と触れさせずに加熱して出たガスを燃焼
- クマガワ:直接燃焼炉KGH-600型と、二段燃焼式(乾溜ガス化)KGD
熱回収・発電で事業性を上げる
処理業では、焼却の熱を売電や工場の熱源に使えるかが、事業の収支を左右します。熱回収を公式に挙げている会社を並べます。
| メーカー | 熱回収の記載(公式) |
|---|---|
| アクトリー | 発電のみならず、温水・温風・蒸気など。R&Dセンターで焼却発電事業を運営 |
| タクマ | 高効率な熱回収で事業性の向上。RPFの燃料活用 |
| キンセイ産業 | サーマルリカバリーにも適すると記載、廃熱ボイラー |
| 近藤設備設計 | 1991年に廃熱ボイラを加えた熱回収タイプを開発 |
申請と運転の支援
許可施設は、計画段階から行政との協議が必要です。申請の支援や、運転スタッフの教育まで受けられるかを確かめます。
- アクトリー:行政に対する申請の支援
- アクトリー:新たに焼却事業に参入するユーザー向けに運営スタッフを研修センターで受け入れ
- アクトリー:ユーザーの点検・補修工事の際に、処理できない廃棄物の代替処理を広域連携で行う
- タクマ:運転管理やメンテナンスでプラントの安定稼働を支える
運転開始後の基準と測定
許可施設では、運転のしかたにも基準があります。1997年の改正概要に挙がっている主な維持管理基準は次のとおりです。
| 項目 | 基準(改正概要より) |
|---|---|
| 燃焼ガス温度 | 800℃以上に保つ |
| 一酸化炭素 | 100ppm以下 |
| 焼却灰の熱しゃく減量 | 10%以下 |
| ダイオキシン濃度 | 年1回以上測定・記録 |
| 新設の排出基準 | 4t/h以上0.1、2〜4t/h 1、2t/h未満5(ng/m³) |
環境省が掲載している調査結果の資料では、2025年3月31日時点で稼動中の産業廃棄物焼却施設1,078炉のうち、測定結果が得られた炉の約99%が排出基準に適合していました。基準を超えた9炉は、使用停止や改善の指導などの対応がとられています。
計画の進め方
- 受け入れる廃棄物の種類・量・性状を整理する
- 設置場所の自治体と事前に協議する
- 2〜3社に方式と規模の提案を求める
- 熱回収と売電の収支を試算する
- 申請・建設・試運転・教育の日程を決める
- 運転後の保守と代替処理の体制を契約で決める
プラントを比べる評価表
| 項目 | 確かめること |
|---|---|
| 方式 | 連続(ストーカ)か一括投入(乾溜ガス化)か |
| 受け入れ物 | ドラム缶・感染症廃棄物・汚泥・廃液に対応するか |
| 排ガス処理 | 冷却・薬剤・バグフィルタの構成 |
| 熱回収 | 発電・蒸気・温水のどれに使うか |
| 支援 | 申請支援、教育、代替処理、保守 |
汚泥・廃液を燃やす場合
化学工場などで汚泥や廃液を焼却する場合は、固形のごみとは違う設計になります。近藤設備設計は、スラッジ・廃液・一般雑芥の焼却処理装置と、脱硫・脱硝・スクラバーの排ガス処理をあわせて手がけています。
- 汚泥の水分と発熱量
- 廃液の成分と腐食性
- 排ガス処理(脱硫・脱硝)の要否
- 乾燥装置と組み合わせるか(キンセイ産業は汚泥乾燥装置も扱う)
受け入れる廃棄物の幅を決める
処理業の施設では、どんな廃棄物を受け入れるかで、投入の設備や排ガス処理が変わります。受け入れたい廃棄物を先に一覧にしておくと、メーカーの提案を比べやすくなります。
- アクトリー:一斗缶やペール缶入り廃棄物、マットレスなど多様な形状・サイズの廃棄物を多目的処理室で処理
- アクトリー:ドラム缶入り廃棄物を有姿のまま焼却可能な形式で搬送
- 近藤設備設計:スラッジ・廃液・一般雑芥
- クマガワ:KGH-600型は産業廃棄物処理業者向け
実機を見学して比べる
プラントは、カタログより実機を見たほうが分かることが多くあります。見学できる施設を持つ会社があります。
| 会社 | 見学についての記載(公式) |
|---|---|
| アクトリー | R&Dセンターの焼却プラントをいつでも見学できる体制。ショールームとしての役割 |
| キンセイ産業 | 高崎市に本社・技術センター・工場 |
保守と代替処理の体制
処理業の施設は、止まると受け入れができなくなり、事業に直接響きます。点検や補修で止める間の対策まで、契約前に決めておきます。
- アクトリー:ユーザーの施設点検・補修工事の際に、処理できない廃棄物を代替処理する広域連携
- アクトリー:故障時や定時メンテナンスに工事サービスアフター員が対応
- キンセイ産業:保守管理を事業内容に記載
- タクマ:運転管理やメンテナンスでプラントの安定稼働を支える
計画で見落としやすいこと
| 見落としやすいこと | 確かめ方 |
|---|---|
| 地元への説明 | 自治体と相談し、説明の時期を決める |
| 焼却灰とばいじんの処分先 | 分離して貯留し、処分先を確保する |
| 測定の費用と頻度 | 維持管理基準に合わせて年間計画を作る |
| 運転スタッフの確保 | 研修を受けられるかメーカーに確かめる |
メーカーへの最初の問い合わせ
プラントの相談は、最初の問い合わせで情報が多いほど、提案が具体的になります。分かる範囲で次の情報を送ります。
- 受け入れる廃棄物の種類と、1日あたりの量
- 設置予定地の場所と広さ
- 熱回収(発電・蒸気・温水)の希望
- 稼働したい時期と、許可の取得状況
事業計画とあわせて考えること
焼却施設は長く使う設備で、建設費だけでなく運転と保守の費用が毎年かかります。受け入れ量の見通しと、熱回収による収入を合わせて事業計画を立てます。
- 受け入れ単価と量の見通し
- 燃料・薬剤・電気の費用
- 測定と補修の年間費用
- 売電や蒸気販売の収入
産廃の焼却施設で最初に相談する会社
| 状況 | 相談先 |
|---|---|
| 申請から保守まで一貫で任せたい | アクトリー |
| 一括投入の乾溜ガス化を検討 | キンセイ産業 |
| 大型・発電・RPF活用 | タクマ |
| 600kg/h未満の中規模 | クマガワ |
| 汚泥・廃液と排ガス処理 | 近藤設備設計 |
この記事に出てくるメーカー
- 株式会社アクトリー産廃の許可プラントを一貫で
- 株式会社キンセイ産業一括投入の乾溜ガス化を
- 近藤設備設計株式会社汚泥・廃液を排ガス処理と一体で
- 株式会社クマガワ中規模の産廃・医療系に
- 処理設備株式会社九州で中型の水冷炉
- 株式会社タクマ大型プラントと熱回収
参照元
よくある質問
産業廃棄物の焼却施設は許可が必要ですか?
一定の規模以上は許可の対象です。環境省が掲載する1997年の改正概要では、許可対象の裾きりを原則5t/日から200kg/時間に引き下げたとされています。具体的な区分は設置場所の自治体で確かめてください。
申請の手続きも手伝ってもらえますか?
アクトリーは、行政に対する申請の支援から設計・製造・据付・試運転・アフターサービスまでを自社一貫で請け負うと書いています。
焼却の熱で発電できますか?
アクトリーはR&Dセンターで廃熱ボイラ(発電能力770kw)を使った焼却発電を行い、熱利用として発電・温水・温風・蒸気を提案しています。タクマも高効率な熱回収を産業廃棄物処理プラントの特長に挙げています。
【用途別】業務用焼却炉メーカーおすすめ3選
工場・事業所の紙くず・木くず・廃プラを小型炉で、自社のごみで試してから選ぶなら
DAITO株式会社
瀬戸市の展示場で持ち込みごみの燃焼テスト。廃プラ対応・お寺様用・届出必要モデルまで
焼却炉展示場に多数の炉を常時展示し、持ち込んだごみを実際に燃やして燃焼・煙・灰の状態を確かめられる(来場は電話予約)。各地の実演会でも実機を展示・実演している。製品は廃プラ対応・万能用・生ゴミ・動物用・お寺様用・届出必要モデルに分かれ、廃プラ対応のISR・LSR・LSZモデル、紙くず・木くず用のLSZ-600モデル、埼玉県条例適合モデルまである。構造基準適合保証をうたい、修理メンテナンスも事業内容に挙げる。
産業廃棄物処理業の許可プラントを、申請から保守まで1社に任せるなら
株式会社アクトリー
申請支援・設計・製造・据付・試運転・アフターサービスを自社一貫。R&Dセンターで3炉を見学できる
産廃向け焼却炉などの環境関連プラントを、行政への申請の支援から設計・製造・据付・試運転・アフターサービスまで自社一貫で請け負う。自社工場で作ったブロックを現地で組み上げて工期を短くし、感染症廃棄物やドラム缶を有姿のまま運搬・投入するシステムも付けられる。R&Dセンターでは焼却プラント3炉を24時間稼働させ、廃熱ボイラ(発電能力770kw)やバグフィルタを見学できる。
動物・汚物・塔婆など特殊なものを焼却するなら
インシナー工業株式会社
全自動のガス化小型炉から、牛一頭を投入できる大型動物炉、紙おむつ・汚物炉、ペット火葬炉まで
小型焼却炉JX型・FX型はごみを入れてボタンを押すだけの全自動運転で、木くず・紙くず・段ボール・塔婆を対象に挙げる(JX-3は16kg/h・火床面積0.29m²、FX型は15〜25kg/h)。特殊焼却炉ではAKS型が牛一頭を丸ごと引き込み投入でき能力180kg/h、紙おむつ・小型汚物焼却炉KBX型、ペット火葬炉PET型・PSM型もある。保守点検と現地解体・移設工事も行う。
自社のごみに合う焼却炉を、無料で相談する
燃やしたいもの(木くず・紙くず・廃プラ・動物・汚物など)、1日の量と最大の日の量、置き場所の広さと周りの建物との距離、今の処理方法を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載メーカーへ匿名で概要を伝え、展示場・実演・見積の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。