業務用焼却炉 · 用途別
廃プラスチック・合板など高カロリーのごみを燃やす|廃プラ対応炉の選び方
廃プラスチック・合板・廃タイヤなど発熱量の高いごみを焼却したい会社向けに、廃プラ対応の小型炉と乾溜ガス化炉を、DAITO・サンヨー・クマガワ・関口鐵工所・キンセイ産業などの公式記載で比べます。
プラスチックや合板は、木くずや紙くずより燃えるときの熱が大きいごみです。普通の小型炉で燃やすと、炉の温度が上がりすぎたり、黒煙が出たりすることがあります。
このページでは、廃プラや合板など高カロリーのごみに向く炉を、掲載社の公式記載から整理します。
高カロリーのごみで起きること
メーカーの説明から、発熱量の高いごみを燃やすときの問題を拾います。
- ミヤビ:耐火材の炉はプラスチックなど高カロリーなごみで炉内温度が上がりすぎ、耐火材の劣化や黒煙につながると説明
- サンヨー:燃焼室の温度が上がり過ぎたときに大量投入すると、急激な熱分解で黒煙の原因になることがあると記載
- サンヨー:同じ機種でも発熱量41.9MJ/kgでは焼却能力が9kg/hに下がる(16.7MJ/kgでは22kg/h)
廃プラ対応をうたう機種
| メーカー | 機種・記載(公式) |
|---|---|
| DAITO | 廃プラスチックに対応する水冷式ISRモデル、Wカットサイクロンの廃プラ対応LSRモデル、廃プラ対応ハイエンドのLSZモデル、埼玉県条例適合のSPZ・MDPⅡ・ISGモデルなど |
| サンヨー | 水冷式(SKS-300Aなど。FL-700SAはプラスチックを除くと記載)は合板・プラスチック類など発熱量の高い物の焼却に適する |
| 関口鐵工所 | トクB型は廃プラ等の安定燃焼をうたう。B型はビニール等の高分子材にも対応 |
| 中和スマイル | 廃プラ対応可能機種あり(ISR型は廃プラ燃焼可能機種) |
| クマガワ | 乾溜ガス化炉KGD-C65型(85kg/h未満)は廃タイヤ・廃プラ向け |
乾溜ガス化は高分子系に向く
クマガワは、二段燃焼式のKGD-C65型について、廃プラや廃タイヤなど高分子系のハイカロリー焼却物に適すると書いています。高温で完全燃焼させやすく、ダイオキシン類の再合成もほとんど防ぐと説明しています。
| メーカー | 方式 | 対象(公式記載) |
|---|---|---|
| クマガワ | 二段燃焼式(乾溜ガス化) | KGD-C65型:廃タイヤ・廃プラ、KGD:産業廃棄物 |
| キンセイ産業 | 乾溜ガス化燃焼プラント | 産業廃棄物(一括投入) |
| エターナルビジョン | ガス化室+生成ガス燃焼室 | プラスチックや水分を含むものも燃え残りが出ないと説明 |
能力の数字は発熱量で読み替える
カタログの焼却能力は、一般雑芥(16.7MJ/kgなど)を前提にした数字が多くあります。プラスチックが多いごみでは、その数字より燃やせる量が少なくなります。
- 自社のごみのうち、プラ・合板の割合を量る
- メーカーに、その割合での焼却能力を聞く
- 能力が足りなければ、一つ上の機種か廃プラ専用機を検討する
黒煙と臭いへの対策
- アナログシステム:再燃焼構造で黒煙を二次燃焼させる
- 関口鐵工所:独立サイクロンで煤塵除去率を上げたD型
- DAITO:Wカットサイクロンで集じん力を高めた廃プラ対応のLSRモデル
- オーエムアイ:縦型多層燃焼方式でばい塵と臭いの発生も抑えると記載
規模が大きい場合は許可施設の計画になる
廃プラを大量に燃やす場合、許可が必要な規模になることがあります。環境省が掲載する1997年の改正概要では、許可対象の裾きりが原則200kg/時間に引き下げられたとされています。
| 規模 | 相談先の例 |
|---|---|
| 小型(届出不要の区分として案内されるもの) | DAITO、サンヨー、関口鐵工所 |
| 中規模(〜600kg/h未満) | クマガワ |
| 許可施設のプラント | アクトリー、キンセイ産業、タクマ |
燃やす前に確かめること
- 燃やすプラスチックの種類(塩素を含むものがあるか)
- 自治体の条例で廃プラの焼却に制限がないか
- 炉が廃プラ対応として作られているか
- 灰の処分先と、灰の測定が必要になるか
インシナー工業の規模別の法規制表には、廃プラスチック類の処理量による許可の区分も載っています。自社の量がどの区分に入るかを、自治体に確かめてください。
熱を使って元を取る
高カロリーのごみは、熱を回収すれば燃料の代わりになります。規模が大きいほど、熱回収の効果が大きくなります。
- タクマ:使用済みプラスチック由来のRPFを燃料に使うプラントを案内
- アクトリー:焼却炉の熱を発電・温水・温風・蒸気に利用
- 関口鐵工所:トクB型は焼却熱の回収もできると記載
- 近藤設備設計:廃熱ボイラを加えた熱回収タイプの産廃焼却プラント
プラスチックが多いときの能力の目安
プラスチックの多いごみでは、カタログの能力のまま計算すると燃やし切れないことがあります。発熱量の違いを考えて、能力を割り引いて考えます。
| ごみの中身 | 能力の考え方 |
|---|---|
| 木くず・紙くずが中心 | カタログの一般雑芥の能力で考える |
| プラが半分程度 | 能力に余裕を持たせ、廃プラ対応の機種にする |
| ほとんどプラ・合板 | 高発熱量を前提にした能力表示を確かめる(サンヨーは41.9MJの前提で9kg/hを併記) |
運転で気をつけること
廃プラ対応の炉でも、運転のしかたで煙や炉の傷み方が変わります。メーカーの説明から、注意点を拾います。
- 温度が上がりすぎたときに大量に投入しない(サンヨーは急激な熱分解で黒煙の原因になると記載)
- 水冷式は空焚きで水漏れすると炉本体が破損することがある(サンヨーの注記)
- 一度に入れる量をメーカーの推奨に合わせる
- 燃焼中の温度を温度計で確かめる
廃プラ以外の高カロリーごみ
| ごみ | 掲載社の記載 |
|---|---|
| 合板 | サンヨーの水冷式は合板・プラスチック類向け |
| 廃タイヤ | クマガワKGD-C65型は廃タイヤ・廃プラ向け |
| ゴムくず | エターナルビジョンは燃焼例にゴムくずを含める |
| 缶入りの廃棄物 | アクトリーのR&Dセンターは一斗缶・ペール缶入り廃棄物も処理 |
廃プラの焼却を始める前の確認
廃プラの焼却は、ごみの中身しだいで炉への負担が大きく変わります。始める前に、次の点を社内とメーカーで確かめます。
| 確認すること | 理由 |
|---|---|
| プラの種類と割合 | 発熱量と燃え方が変わる |
| 1回の投入量 | 入れすぎると黒煙や炉の傷みにつながる |
| 炉の作り(水冷・耐火材) | 高カロリーのごみへの強さが違う |
| 集じんと再燃焼の有無 | 煙とばいじんを抑える |
| 自治体の条例 | 廃プラの焼却に条件がある場合がある |
廃プラを減らす工夫と組み合わせる
焼却炉の能力だけで対応しようとすると、炉が大きくなりがちです。分別して資源に回せるものを先に抜くと、炉の負担と規模を抑えられます。
- きれいなプラは分別して資源回収に回す
- 燃やすのは汚れたものや複合材に絞る
- 高カロリーのごみは熱回収に使う(大型ならRPFの活用もある。タクマが案内)
廃プラ対応の炉を比べる表
| 比べる項目 | 確かめ方 |
|---|---|
| 高発熱量での能力 | メーカーに前提の発熱量を聞く |
| 黒煙対策 | 再燃焼室・サイクロンの有無 |
| 炉の寿命 | 水冷式か耐火材式か、補修の目安 |
| 条例への対応 | DAITOのように埼玉県条例適合を明記したモデルもある |
廃プラの焼却で相談する前に用意するもの
メーカーに相談するときは、ごみの写真と量の記録があると、提案が具体的になります。廃プラは種類が多いため、できるだけ細かく伝えます。
- プラの種類ごとの写真(フィルム、硬いプラ、発泡スチロールなど)
- 1日・1週間の重さの記録
- 汚れや水分の有無
- 今の処理方法と費用
小型炉と中規模炉の分かれ目
廃プラの量が増えてくると、小型炉では能力が足りなくなります。どこで中規模の炉やプラントに切り替えるかを、あらかじめ考えておきます。
| 量の目安 | 考え方 |
|---|---|
| 少量 | 廃プラ対応の小型炉(DAITO、サンヨー、関口鐵工所など) |
| 中規模 | 200kg/時間などの境目と手続きを自治体と確認し、クマガワなどに相談 |
| 大量 | 許可施設としてのプラント(アクトリー、キンセイ産業、タクマ) |
廃プラの焼却で相談先を選ぶ
| 状況 | 相談先 |
|---|---|
| 工場の少量の廃プラを小型炉で | DAITO、サンヨー |
| 廃タイヤ・廃プラを中規模で | クマガワ |
| 一括投入で燃料を抑える | エターナルビジョン、キンセイ産業 |
| 熱回収・発電まで | アクトリー、タクマ |
この記事に出てくるメーカー
- 株式会社アクトリー産廃の許可プラントを一貫で
- アナログシステム有限会社他社製の修理先にも
- 株式会社中和スマイル九州で設置から撤去まで
- DAITO株式会社自社のごみで燃焼テストを
- 株式会社エターナルビジョン一括投入のガス化方式
- インシナー工業株式会社動物・汚物など特殊な焼却に
- 株式会社キンセイ産業一括投入の乾溜ガス化を
- 近藤設備設計株式会社汚泥・廃液を排ガス処理と一体で
- 株式会社クマガワ中規模の産廃・医療系に
- 株式会社オーエムアイ燃料を抑える小型炉
- 株式会社サンヨー小型炉をごみの性質で選ぶ
- 有限会社関口鐵工所レンタルで試せる小型炉
参照元
よくある質問
普通の小型焼却炉でプラスチックを燃やしてもよいですか?
機種によります。サンヨーは水冷式(SKS-300Aなど。FL-700SAはプラスチックを除くと記載)を合板・プラスチック類向けとし、DAITOは廃プラ対応モデルを分けて案内しています。廃プラ対応と書かれていない炉では、メーカーに可否を確かめてください。
プラスチックを燃やすと能力はどのくらい下がりますか?
サンヨーは同じ機種で、発熱量16.7MJ/kgなら22kg/h、41.9MJ/kgなら9kg/hと書いています。プラスチックが多いほど燃やせる重さは少なくなります。
廃タイヤを燃やせる炉はありますか?
クマガワの乾溜ガス化炉KGD-C65型(85kg/h未満)は、廃タイヤ・廃プラ向けの二段燃焼式焼却装置として案内されています。
【用途別】業務用焼却炉メーカーおすすめ3選
工場・事業所の紙くず・木くず・廃プラを小型炉で、自社のごみで試してから選ぶなら
DAITO株式会社
瀬戸市の展示場で持ち込みごみの燃焼テスト。廃プラ対応・お寺様用・届出必要モデルまで
焼却炉展示場に多数の炉を常時展示し、持ち込んだごみを実際に燃やして燃焼・煙・灰の状態を確かめられる(来場は電話予約)。各地の実演会でも実機を展示・実演している。製品は廃プラ対応・万能用・生ゴミ・動物用・お寺様用・届出必要モデルに分かれ、廃プラ対応のISR・LSR・LSZモデル、紙くず・木くず用のLSZ-600モデル、埼玉県条例適合モデルまである。構造基準適合保証をうたい、修理メンテナンスも事業内容に挙げる。
産業廃棄物処理業の許可プラントを、申請から保守まで1社に任せるなら
株式会社アクトリー
申請支援・設計・製造・据付・試運転・アフターサービスを自社一貫。R&Dセンターで3炉を見学できる
産廃向け焼却炉などの環境関連プラントを、行政への申請の支援から設計・製造・据付・試運転・アフターサービスまで自社一貫で請け負う。自社工場で作ったブロックを現地で組み上げて工期を短くし、感染症廃棄物やドラム缶を有姿のまま運搬・投入するシステムも付けられる。R&Dセンターでは焼却プラント3炉を24時間稼働させ、廃熱ボイラ(発電能力770kw)やバグフィルタを見学できる。
動物・汚物・塔婆など特殊なものを焼却するなら
インシナー工業株式会社
全自動のガス化小型炉から、牛一頭を投入できる大型動物炉、紙おむつ・汚物炉、ペット火葬炉まで
小型焼却炉JX型・FX型はごみを入れてボタンを押すだけの全自動運転で、木くず・紙くず・段ボール・塔婆を対象に挙げる(JX-3は16kg/h・火床面積0.29m²、FX型は15〜25kg/h)。特殊焼却炉ではAKS型が牛一頭を丸ごと引き込み投入でき能力180kg/h、紙おむつ・小型汚物焼却炉KBX型、ペット火葬炉PET型・PSM型もある。保守点検と現地解体・移設工事も行う。
自社のごみに合う焼却炉を、無料で相談する
燃やしたいもの(木くず・紙くず・廃プラ・動物・汚物など)、1日の量と最大の日の量、置き場所の広さと周りの建物との距離、今の処理方法を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載メーカーへ匿名で概要を伝え、展示場・実演・見積の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。